ウイルテック(7087)IPOが東証2部に新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。


主幹事はSMBC日興証券が務め公開株数1,788,500株、オーバーアロットメント268,100株、上場規模は想定発行価格1,280円算出で約26.3億円になります。東証2部としてはサイズが大きめですが初値利益が見込めそうです。


ウイルテックIPO上場承認と初値予想


事業は請負や派遣などを主力としている企業です。前期の売上は連結で約229億円、四半期利益6.5億円となっています。売上は伸びていますが利益が少し下げています。


平成27年9月30日施行の改正労働者派遣法では、無期雇用の派遣社員は期間制限なしでの雇用が可能となったことから、同社グループにとって事業機会が拡大したと考えているようです。


業種的に競合が多くIPOでは人気と言えません。業界のM&Aも積極的に行われていることから厳しい業種です。同社もM&Aを展開していくそうです。


ウイルテック(7087)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場東証2部
業種サービス業
事業内容製造請負・製造派遣事業、機電系・建設系技術者派遣事業、受託製造事業
公開予定3月06日
ブックビルディング期間2月19日~2月26日
想定価格1,280円
仮条件1,100円~1,200円
公開価格2月27日
企業情報https://www.willtec.jp/
監査人有限責任あずさ監査法人


【手取金の使途】

差引手取概算額1,031,797千円は、以下の使途に充当する予定であります。

①子会社であるデバイス販売テクノ須賀川工場移設(又は増設)及び機械装置に係る設備投資のために同社に貸し付ける資金として、令和3年3月期に578,000千円

②人事給与システムその他のシステム更新に係る設備投資資金として、令和4年3月期に227,000千円

③マニュファクチャリングサポート事業の機電系技術者派遣事業のロボット関連への設備投資資金として、令和3年3月期に34,000千円

④事業拡大のための採用費用など事業を推進する上での経費として、令和3年3月期に131,000千円

残額については令和4年3月期までの借入金の返済資金の一部に充当する予定であります。また、上記調達資金は、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数888,500株
売出株数900,000株
公開株数(合計)1,788,500株
オーバーアロットメント268,100株
上場時発行済み株数6,058,500株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約77.5億円
幹事団SMBC日興証券(主幹事) ←IPO必須
SBI証券
野村證券
大和証券
みずほ証券
岩井コスモ証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


ウイルテック(7087)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,280円を基に吸収金額を算出すると約22.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約26.3億円規模の上場となります。東証2部でもしっかりとした初値を付ける銘柄が多いため今回も期待できると思います。


グループ企業はウイルテックと連結子会社6社、持分法適用関連会社1社により構成されています。事業は「マニュファクチャリングサポート事業」「コンストラクションサポート事業」「EMS事業」に取り組んでいます。


マニュファクチャリングサポート事業は製造請負・製造派遣事業、機電系技術者派遣事業及び修理サービス事業を主たる事業としています。


製造請負とはメーカーを顧客として、一般的に顧客の工場等の一部を借受け事業所を設置し、顧客と契約した物を製造する事業です。製造業務を請け負う会社を請負会社、物の製造を依頼する会社を発注者、請負事業に従事する者を請負労働者と呼びます。


請負労働者は請負会社と雇用契約を結び指揮命令も請負会社から受けます。発注者より指揮命令を受けない点が製造派遣との大きな違いとなっています。製造請負は労働者派遣事業には該当しないため労働者派遣法の適用対象外です。


ウイルテック(7087)上場評判と業績


製造派遣とは人材派遣会社に登録している者を取引先の事業所へ派遣し、派遣先の担当者の指揮命令のもとで労働サービスを提供する労働者派遣事業の一形態です。メーカーを顧客として、顧客工場等へ人材を派遣し物の製造等の業務に従事させ、労働サービスを提供する事業を行います。


平成16年3月の労働者派遣法改正で解禁された派遣の形態であり、労働者派遣法の適用を受けます。物の製造の業務は製造請負と同じく物の溶接、鋳造、加工、組立て、洗浄、塗装、運搬等と幅広く、派遣先も電子部品、電気製品の製造ラインなど業種を問わず多種多様です。


機電系技術者派遣事業は人材派遣会社に登録している者を取引先の事業所へ派遣し、派遣先の担当者の指揮命令のもとで労働サービスを提供する労働者派遣事業の一形態です。


修理サービス事業は破損し不具合の発生した製造物を補修・修理するサービス業態です。法人や個人を顧客として、主に太陽光発電の電源設備やコーヒーメーカー等の電気機器の訪問修理事業を行っています。


ウイルテックIPOの事業系統図


コンストラクションサポート事業は、連結子会社である株式会社ワット・コンサルティングの営む事業です。


人材派遣会社に登録している者を取引先の事業所へ派遣し、派遣先の担当者の指揮命令のもとで労働サービスを提供する労働者派遣事業の一形態です。主に建築・土木等の設計関連に秀でた技術を持つ人材を派遣し、労働サービスを提供する事業を行っています。


EMS事業は受託製造事業と電子部品卸売事業の2つの事業により構成され、すべて連結子会社であるデバイス販売テクノ株式会社が営む事業となっています。


ウイルテックIPOの販売実績


その他では連結子会社のウイルハーツが行う障がい者支援事業があり、印刷事業やWeb制作事業、シェアードサービス事業を行っています。


また、畜産業も行い連結子会社の宮崎ウイルファームが宮崎県で国産黒毛和牛の繁殖や子牛の販売を行っています。


さらに海外事業ではベトナム、ミャンマーで「人材コンサルティング事業」と「教育コンサルティング事業」を行っています。ベトナムのハノイ工科大学、ミャンマーのタウンジー技術大学と提携し、海外の優秀な技術者を獲得できるつながりを有していることが事業の特徴となっています。


ウイルテック(7087)の企業財務情報と配当性向

回次第26期第27期
決算年月平成30年3月平成31年3月
売上高20,001,64422,899,832
経常利益994,156939,870
親会社株主に帰属する当期純利益746,533649,625
包括利益746,533648,106
純資産額4,099,3454,679,801
総資産額9,099,5289,711,788
1株当たり純資産額799.87913.13
1株当たり当期純利益金額156.76126.76
自己資本比率(%)45.148.2
自己資本利益率(%)20.114.8
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー815,059655,211
投資活動によるキャッシュ・フロー△252,203△200,181
財務活動によるキャッシュ・フロー△66,600△214,410
現金及び現金同等物の期末残高2,964,9123,204,690
※数値は千円単位


第28期第2四半期連結累計期間(平成31年4月01日~令和元年9月30日)
  • 売上高12,250,588千円
  • 営業利益606,948千円
  • 経常利益627,538千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益413,578千円


【ウイルテックIPOの第28期第2四半期連結累計期間のチェックポイント!】

主要取引先である電子部品関連分野では世界的な半導体製造装置市場の需要見通しに下降傾向がみられる中で、新興国でのスマートフォン販売の底入れ感から、電子部品、デバイスの需要に回復の兆しがあるようですが、半導体業界においては下振れ傾向が継続する状況となりました。また、建設関連分野においては公共投資の持続的な伸び、工場など設備投資が持ち直す中で全国的に工事量が堅調に推移しています。


ウイルテック(7087)の株主状況とロックアップについて

会社設立は1992年4月01日、大阪市淀川区東三国四丁目3番1号に本社を構えます。社長は宮城力氏(昭和52年9月17日生まれ)、株式保有率は7.05%(420,000株)です。


従業員数3,112人で臨時雇用者895人、平均年齢38.1歳、平均勤続年数4.0年、平均年間給与3,534,192円です。


セグメント別の連結従業員数はマニュファクチャリングサポート事業3,073(臨時893人)、コンストラクションサポート事業526人(臨時171人)、EMS事業85人(臨時27人)、その他30人(臨時17人)、全社共通39人(臨時2人)の合計3,753人(臨時1,110人)となります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
小倉 秀司3,858,000株64.74%
株式会社RASアセット859,000株14.41%
宮城 力420,000株7.05%
野地 恭雄90,000株1.51%
西 隆弘65,000株1.09%
渡邊 剛65,000株1.09%
東 和登50,000株0.84%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である小倉秀司、当社株主かつ当社役員である宮城力、当社株主である株式会社RASアセット、小倉綾子、小倉良允の親権者である小倉秀司及び小倉綾子並びに当社新株予約権者かつ当社役員である野地恭雄、西隆弘及び渡邊剛は、SMBC日興証券株式会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場日から起算して180日目の令和2年9月01日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

当社新株予約権者である東和登、田中伸也、水谷辰雄 ~省略~ 村井俊文は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場日から起算して90日目の令和2年6月03日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(令和2年9月01日まで)のロックアップが付与されています。この他、新株予約権者にも90日間(令和2年6月03日まで)のロックアップが付与されています。


ロックアップ解除倍率の記載はないため期日まで売却不可となります。


親引けは取得金額52,322千円に相当する株式数を上限として従業員の福利厚生を目的に、ウイルテックグループ従業員持株会を販売先として買付予定となっています。


ウイルテック(7087)IPOの初値予想と幹事引受け株数

想定発行価格1,280円から仮条件が引き下げられ1,100円~1,200円に決定しました。弱気姿勢がうかがえるものの配当利回りが高くなったことで公開価格割れはないと考えています。


業績は拡大傾向にあり2020年3月期の連結業績予想は増収増益となる見込みです。売上は250億円で前期から9.2%増、経常利益11.4億円で前期から21.7%増になります。四半期利益は7.6億円で前期比16.8%増を見込みます。


EPS144.43からPERは8.31倍、BPS1,035.01からPBRは1.16倍になります。配当が44円を予定していることから配当利回り3.67%になります。この水準であれば成長性が感じられなくても公開価格割れはないでしょう。


初値予想1,500円~1,800円

修正値1,104円~1,250円


【追記】
初値予想が大幅修正されています。中国からの部品供給などから予想業績をクリアーでない可能性が急浮上しています。そのため初値1,150円~1,300円に下方修正となりました。主幹事のSMBC日興証券から私も抽選に参加したところ申込者が少ないことを確認しました。IPOに参加される方はご注意ください。※2020年2月20日記載



kimukimu

一時期IPOでも人気化した業種だけど最近はどうだろうね。請負や派遣は社会問題にもなったテーマだからイメージはそんなに良くないよね。


仮条件引下げで吸収額が24.7億円に少し下がりましたが東証2部市場を考えると吸収額がまだ大きいと感じます。ただ上場月に配当権利があることで投資家の買い意欲は見込めると思います。


同日上場のきずなホールディングス(7086)よりは人気になると考えています。こちらはVC売り抜け感が強いIPOになります。


幹事名配分単位引受割合
SMBC日興証券(主幹事)1,556,000株87.00%
SBI証券71,500株4.00%
野村證券53,600株3.00%
大和証券35,800株2.00%
みずほ証券35,800株2.00%
岩井コスモ証券35,800株2.00%


主幹事のSMBC日興証券狙いで良いと思います。口座開設を行うとステージ制でブロンズランク獲得になるため当選期待があります。通常は250万円以上の預け入れが必要です。


公開株数とオーバーアロッメントを合わせて2,056,600株あるため当選確率が通常よりも高いと考えられます。東証2部上場になるためマザーズのように盛り上がることはないと考えられますが東証2部も最近人気なんですよね。やはり株価設定が低いため上値余地があると考えられます。




SBI証券もIPOチャレンジポイントを貯めることで当選できる可能性が高まります。落選すればどんどんポイントが貯まるため早めに口座を開設しておきましょう。




これからIPO投資を頑張る方は前受け金不要の証券会社の口座は開設しておくべきでしょう!下記記事にまとめているのでよかったら参考にしてください。




またIPOとは関係ありませんが国内最大規模のロボットアドバイザー運営であるWealthnavi(ウェルスナビ)とのタイアップ金額が増額されました。ETFが下落しているうちに購入すれば利益が出るかもしれません。特定口座の開設ができ分配金も貰えるため手数料以上の利益が見込めます!元本変動で長期的には利益が狙えるでしょう。




ETF投資は暴落時に一度解約してタイミングを待ちましたが過去に失敗したことがあります。先のことは読めませね。

類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
アウトソーシング(2427)PER10.74倍PBR1.97倍
日総工産(6569)PER15.11倍PBR2.6倍
平山ホールディングス(7781)PER11.4倍PBR1.81倍
※2020年2月19日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
平成24年8月01日~令和2年7月31日260,000株264円
令和2年4月01日~令和10年3月30日175,000株264円
令和3年4月01日~令和10年3月31日354,500株880円


ストックオプション(新株予約権)で行使期限を迎えている株数は260,000株になります。またロックアップの対象と考えられます。


株主構成を見る限りベンチャーキャピタル保有株などは見られません。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。


ウイルテック(7087)IPOの評価と申し込みスタンス

ウイルテックIPOは底堅く株価が推移しそうだと思います。2019年12月に上場を行ったテクノフレックス(3449)あたりが参考になりそうです。上場後に一旦は高値を狙うことが多くなっています。


テクノフレックス(3449)上場後の株価値動き
※テクノフレックス上場後の値動き


テクノフレックスは金属製管継ぎ手および周辺部材の製造・販売を手掛けている企業でした。また半導体装置用も作っています。ウイルテックと同じであまり事業に魅力はありませんでしたが、配当が高かったこともあり公開価格を大きく超えて発進しました。


ウイルテックも配当を出してくると思われるため期待してよいでしょう。ただ請負や派遣を行う東証2部は地味すぎる事業です。それが東証2部なんですけどね。


同社は365日コールセンター受付やWeb面接を導入し、採用後のキャリアコンサルタントを配置し定着率向上に努めているそうです。正社員の数も平成29年3月期は全体の57.4%、平成31年3月期は71.2%となっています。


この辺りは凄く評価できると思います。中年以上の就職は困難だと言われていますが同社のように積極的に正社員への道筋を作っている企業もあるようです。給与は高いと言えませんが生活するには十分でしょう。


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