ユニコーンでインバウンドテクノロジーの株式投資型クラウドファンディング(ECF)が行われます。営業利益が既に黒字化水準にありベンチャーキャピタル出資も受けています。ビジネスとしての実績も出ており2023年3月期の上場(IPO)を目指しています。
社名からも外国人をターゲットにしたビジネスだとわかり、日本の人口が減少する中で注目される領域です。コロナ禍で落ち込むビジネスだと思いましたが、どうやら期待できるビジネスのようです!
個人的な評判や評価と言った目線で今回も記事をまとめてみました。
※ユニコーン公式サイト引用
ユニコーンの募集画面上部にある動画では代表取締役の林秀乃佑氏が事業の説明などを行っているため、確認しておいたほうがよいと思います。代表者が投資家に直接説明することで、これまでの動画作成とは少し違った印象を受けました。
モニター画面が少し見にくいと感じましたが、内容はわかりやすい作りとなっています。
事業は日本の少子高齢化問題と直結するビジネスになります。日本の人口が減ることは避けられないため、外国人労働者を受け入れるビジネスを行い外国人と企業のマッチングサービスを行います。
就労と同時に外国人に対して不動産仲介やVISA代行、教育事業などを行います。就労の機会を与えるだけでなく、その後も継続したサポートを行うことで業績拡大に結び付けています。新事業も控えていることから収益機会はあると思います。
では今回も詳しく事業内容を確認してみたいと思います!
- 事業詳細と外国人をターゲットにしたビジネスだと説明している
- 新事業について詳しく説明している
- 競争優位性が他社に比べて圧倒的であることを説明している
- 上場を予定している時期や出資企業を知ることができる
- 株主優待が付いていることを説明している
インバウンドテクノロジーの事業は外国人インフラサービスを行う人材紹介企業だった
インバウンドテクノロジーの事業を簡単に言えば人材紹介を行っている企業になると思います。日本で働きたい外国人と人材不足に苦しんでいる企業をマッチングさせています。人材紹介だけを考えると類似企業も多く存在します。同社の場合は外国人に特化したビジネスを行い、それに付随するビジネスも同時に行っていることが特徴だと思います。
※ユニコーン公式サイト引用
日本で生活するための支援として外国人の就労VISA取得サポートや住居の斡旋、日本語教育などを提供しているそうです。
日本の就労問題は今後避けては通れない環境にあると考えられます。外国人が増えることは確実視されており、政府も重要な問題だと捉えているようです。
解決策としては女性の活躍やシニア世代の活躍などが解決策としてあります。しかし、それだけでは対応が難しく外国人労働者が今後大きな柱として期待されています。
ハイテク産業だとAIを使った自動化などで人手解消の期待はあると思いますが、一部の産業だけしか対応できないと考えられます。
日本の出生率問題も解決する兆しがない中で労働者と考えた場合に、外国人労働に期待するのは自然の流れなのかもれしれません。政府も「働く外国人を増やす」ことを後押しする施策を進めているそうです。
※ユニコーン公式サイト引用
昨今のM&Aの環境からも後継者問題が発生しているため、人材に関しては深刻な状況が続いているように思います。表面的には一部の企業だけが取り上げられていますが、零細企業や農業の後継者問題も少なからず関係していると思います。
ユニコーン公式サイトの数値を用いると、日本の人口は「2040年には5,787万人、2050年には5,001万人、2060年には4,418万人」と試算されているそうです。上記画像からも人口減少に歯止めがかからないことがわかります。
このような環境下にある日本では企業の人手不足がこれから深刻化していくことが考えられます。急に人材問題が起こるとは思いませんが、ジワジワと日本の経済に関係してくると思います。
現在はコロナ禍により希望退職などを募り、人員削減を行っている企業も見受けられます。ただこのまま日本経済が衰退することは避けたいため、政府も本腰を入れて政策を出してくると考えられます。
外国人労働者と考えると言葉の壁がどうしても発生すると思います。業種により異なりますが、同社では日本語教育をオンラインで行える環境を整えるそうなので、やり方によっては期待できると思います。
とにかく大きな枠で考えると、日本の人口が減ることは確実です。そのため外国人労働者の受け入れが増えると考えられます。
そのためビジネスとして魅力ある市場だと思います。ベンチャーキャピタル等からの資金調達として3.5億円の調達実績があるそうです。出資企業やVCについては別に説明したいと思います。
提供サービスを深掘り!外国人と企業をマッチングするサービスとは
同社のサービスは「HR事業」と「サポート事業」にわけられるそうです。外国人が日本で働く環境を整えるためにサービス提供を行っています。HR事業とは「外国人と企業をマッチングする事業」になり、サポート事業とは「外国人の公私両面を支援するサポート事業」になります。
※ユニコーン公式サイト引用
外国人の就労に対する問題はメディアでも取上げられていますが、同社の場合は一貫したサポートを行っているため問題は少ないと思います。
現時点で月次の集客が500人程となっているようですが、来年までに1,000人を超えるような集客を狙っているそうです。クライアントも500社あり、地方銀行などでアライアンス(同盟)強化などを行っていくようです。
斡旋する業界の分野は主に3つあり「エンジニアなどのIT職人材」「事務などの一般職人材」「介護、飲食、宿泊などの特定技能人材」になるそうです。近年は特定技能人材に力を入れていると書かれています。
特定技能人材への就労が一番多い分野だと感じているため、ターゲットとしては当たり前なのかもしれません。
また、それぞれの国に専属のカウンセラーがつくことで、外国人に安心して働いてもらえる環境を整えているそうです。代表者の動画では従業員40人のうち約15人が外国人の従業員だと仰っていました。
メンバーは10ヶ国程の外国人で構成されているそうです。インバウンドと社名に付くことから社員が国際的組織だと安心材料になると思います。
企業概要を詳しく調べてみました
会社設立が2016年1月のベンチャー企業です。旧社名のアルテグラは2014年10月に設立となっています。アルテグラは宅地建物取引業免許を取得していることから不動産事業を行っていた企業だと思われます。その流れでインバウンドテクノロジーでは不動産の仲介を行っていると感じます。
不動産事業についてはプロなのかもしれません。
項 目 | その内容 |
会社名 | インバウンドテクノロジー株式会社 |
本社住所 | 〒151-0062 東京都渋谷区元代々木町30-13 |
代表者名 | 林 秀乃佑(舟之輔) |
設立年月日 | 2016年1月 |
決算期 | 3月 |
事業内容 | 外国人DBを活用した教育、就労、不動産、付帯サービス |
資本金 | 8,678万6,880円 |
発行済株式数 | 719,304株 |
主要株主 | 株式会社H.Nine 48.7% 龍崎宏 16.7% 林舟之輔 14.5% |
ユニコーンの募集要項を確認すると1株当たり2,900円となっているためバリュエーションは約20.9億円になります。これまでの案件に比べると時価総額が大きいようです。
VC出資や事業の流れからすると事業ステージは「アーリー」もしくは「ミドル」になると考えられます。同社が上場した場合に投資額が10倍になるようなことはないでしょう。
現実的には2倍~3倍あたりなのかもしれません。VC並みに出資を行っているベクトル(6058)の名前も出ているため投資妙味はあると思います。
複数の上場企業名が出資を行っているため面白い案件なのかもしれません!上場時の内容次第と思いますが、それなりにリターンが見込める可能性があると思います。
インバウンドテクノロジーのビジネスモデルを考察!
外国人のサーポート面では主に不動産仲介、ビザ(VISA)代行、教育事業の3つを行います。外国人にとって日本での就労ビザ取得が最初のハードルになることから、ビザの取得ができれば外国人の大きなモチベーションになるそうです。複雑なビザ取得手続きを同社が代行することで、外国人からの信頼獲得につなげているとあります。ビザ取得の問題は外国人にハードルがやや高いようなのでサポートを行うことにより、年間30万人と言われる特定技能領域に対しても集客ができるのではないでしょうか。
動画でも特定技能領域のことについてお話がありましたからね。
※ユニコーン公式サイト引用
この他、日本で暮らすための居住地問題もサポートしているとあります。代表者の経歴から察するに不動産につていはプロだと考えられるため、不動産仲介は得意とする分野だと個人的に考えています。
賃貸・売買問わず外国人への不動産仲介を行っているそうです。さらに永住権を持つ外国人には住宅ローンを活用したマイホーム取得の支援も行うそうです。
※ユニコーン公式サイト引用
事業売上はHR事業9割でサポート事業1割になるそうです。売上の多くが外国人の人材紹介となっています。サポート事業で手厚いサービスを行うことで、再就職の際にも同社を利用してもらう循環を考えているそうです。
気になる企業への定着率は90%以上になり早期離職は5%未満だそうです。これ普通に凄い数値ですよね。
事情があり離職するパターンもあるそうなので、そのケースを除くとサービス網から離脱するケースはほとんどないそうです。入国時から固い信頼関係を築くことで、このような循環が生まれているようですね。
問題は全世界で流行となっている新型コロナウイルス感染症です。ワクチン承認が次々に行われる見込みとなり、今後おさまってくるとは思いますが、この時期に資金調達を行うため投資家の意見が割れそうです。
ただコロナ禍の中でも営業利益が黒字化する予定となっています。純損益がどのようになるのかわかりませんが、インバウンド事業を行っている企業の多くが赤字の中で、業績規模が小さいとはいえ一定の評価ができるように思います。
2021年のインバウンド回復期待で投資を行う流れになりそうですね。現状のままであれば業績期待は難しいと思います。企業努力ではどうにもならないため政府の動向次第だと思います。
インバウンドテクノロジーの競争優位性はどんなところにあるのか?
同社の競争優位性は圧倒的な集客力にあります。企業からの求人が多く、外国人コミュニティーから外国人派遣会社だと認知されてるそうです。また、キャリアカウンセラーがいる充実のサポート体制が「質の高さ」を担保しているそうです。一度きりの紹介ではなく継続したサポートを行うことで新しい収益につなげる狙いがあると感じます。
- 様々な媒体を活用した圧倒的な集客力
- 一気通貫したサービス提供による、複数のマネタイズポイントを持っている
- KPI管理による確実なマッチング数の増加
- 注力している特定技能のビズネスモデル
- 全国に広がる受入れ先企業のネットワーク
集客実績は2020年7月に、新型コロナウイルスの影響が根強く残っている環境でIT人材が120名、特定技能人材が400名となったそうです。
目標としては2021年7月にIT人材300名、特定技能人材1,000名に伸ばすと書かれています。同年同月の比較を書いてあるようですね。
資格取得や就職支援、VISA取得支援、住居サポート、就職後の支援まで同社が一貫して行うことで、外国人材と紹介企業からも高い信頼を獲得することができるそうです。マネタイズポイントを複数持つことが可能になるメリットもあるそうです。
外国人の受け入れ先企業は大手から中小企業まで様々だそうです。IT・一般の受け入れ先で400社以上、特定技能の受け入れ先で125社以上を開拓しているそうです。動画の説明では500社だったためコロナ禍の中でも提携先が増えているようです!
インバウンドテクノロジーがIPOを行うのは3年後?上場の可能性はある
ここまでは企業の事業詳細を調べて記事にしました。投資家が一番気になっているのはいつ上場するのか?ですよね。ユニコーン公式サイトには2023年3月期のIPOを目指すとあります。あと3年程度しかありません!
これが現実になるのかはわかりませんが、多くの企業やVC、そしてエンジェル投資家が絡んでいるようなので上場しても不思議ではないと思います。
※ユニコーン公式サイト引用
代表の林秀乃佑氏の年齢は34歳です。年齢も若く体格も良さそうなので上場意欲は人一倍あるのではないかと感じます。メディアなどでも複数取り上げられている人物(企業)のようです。
2021年3月期は3.25億円の売上となり営業利益が2,100万円予定です。上場を目指す2023年は売上5.46億円で営業利益が2.25億円となっています。計画通りに進めば上場できる可能性はあると思います。
個人的には企業側がどこまでコロナを織り込んで業績見通しを行っているのかが少し心配です。
今後の成長材料には新規事業の立ち上げが含まれているようです。新規事業ではeラーニングを利用したオンライン教育や全世界で日本の仕事ができるるクラウドソーシング事業などがあります。
さらに、クレジットカードの発行や携帯電話、携帯Wi-Fi契約のサポート事業も立ち上げ予定となっています。どれだけ収益が上がるのかはわかりませんが、外国人が必要とするサービスを幅広く提供することで同社の強みにつながるはずです。
面白いと思ったのはクラウドソーシング事業です。世界のリモートワーカーと日本企業をつなげることで、外国にいながら日本の仕事が受けられる仕組みを構築するようです。
大企業では既に行っていたり、上場企業のなかにはこのサービスを行っている企業が既にあります。ただ人材紹介や派遣などに特化している企業のためクラウドソーシング事業は相性がよいと考えています。主にIT系の仕事が多いのかな?と感じます。
これから複合的にビジネスを展開することで、新しいビジネスやアイデアの発掘もあるかもしれませんからね。
インバウンドテクノロジーの資金調達はディビイのように即売にはならないと考えています。しかし上場予定時期が近いようなので人気はあると思います。VC出資や上場企業が既に出資しているため企業の印象は悪くないと思います。
ただ募集前の時価総額が約20.9億円なのでこれまでの案件に比べると時価総額が大きくリターンが少ないかもしれません。その分、投資リスクが低いのかな?と感じるところがあります。
ディビイはDX関係の企業でした。VCからの出資や大手製薬との提携などから大人気となった案件です。
ユニコーン9号案件が開示されました。ディビイ(dbE)というDXを手掛ける企業になります。IPO市場でもDX関連はかなり初値が高くなる傾向にあり人気の事業です。 株式投資型クラウドファンディング(ECF)でもDX系の案件 …
出資企業やベンチャーキャピタルについて調べてみました
インバウンドテクノロジーに出資している企業を調べると東証1部上場のベクトル(6058)、東証マザーズのリアルワールド(3691)やベストワンドットコム(6577)の名前があります。ベンチャーキャピタル出資は「100キャピタル1号投資事業有限責任組合」の名前があります。調べるとベクトルの子会社となっていました。
多分、この他にもエンジェル投資家や大手企業などの出資もあるのではないかと感じています。株式投資型クラウドファンディング(ECF)で公開される情報は、株主名を意図的に伏せておきたいと考える投資家や企業がいると言われています。
募集要項だけでは確認できないことも多いみたいですね。企業名を出していいと確認できた企業だけ掲載されていると考えてよいでしょう。
インバウンドテクノロジーのホームページには資金調達関係の掲載も行われているようです。
また、ファンディーノで資金調達を行った株式会社Minoruとの業務提携を行っていることを知りました。株式投資型クラウドファンディングを行っている企業同士の提携は何となくですが、嬉しいですね。
どちらも上場やM&Aを目指して欲しいと思います!
FUNDINNO(ファンディーノ)に興味があるため口座を開設し投資を行ってみたいと思います。評判や評価も上々のようで案件も増えています。また、投資家の口コミを調べてみたので参考になればと思います。 …
インバウンドテクノロジーの株主優待はRealPayギフト1000円分です
株主優待はRealPayギフトになっています。聞きなれないかもしれませんが意外に流行っていると思います。利用したことはありませんが存在自体は以前より知っていました。RealPayのポイントや報酬を電子マネーや現金に交換するサービスとは異なります。
RealPay(リアルペイギフト)は簡単にギフトを贈ったり受け取ることができるサービスになります。受取り方法は届いたURLをタップしてほしいギフト券を選ぶだけです。
※RealPayギフトサイト引用
- PayPayボーナス
- Amazonギフト券
- Google Play ギフトコード
- App stores & iTunes コード
- QUOカードPay
- セブン銀行ATM
いつもはAmazonギフト券が多いのになぜRealPayなのかな?と考えてみました。そこでRealPay運営の企業を調べてみると、同社に出資を行っているリアルワールドが運営していました。
資本関係があるため今回利用したと考えられます。資本提携を行うと資金の他にBtoB取引も発生するメリットがあります。
また、今回は上場企業から出資を引受けていることを考えると、運営に関するアドバイスなどを受けることも可能だと思います。
株主優待は1,000円と低いため魅力はあまり感じられないと思います。
インバウンドテクノロジーに投資を行っても問題ないのか?まとめ
インバウンドテクノロジーへ投資を行う投資家は多いのではないか?と考えています。新型コロナワクチンの承認ニュースで市場も上げているため期待感が先行しています。同社の場合はまだ数年先の上場予定となっており、これから実績をさらに積み上げていくことができます。
上場時期が先延ばしになっても足踏みする時間はあると考えています。
項 目 | その内容 |
プロジェクト名 | 外国人が働きやすい環境を創造し労働人口不足の解決を目指す「インバウンドテクノロジー」VCからの調達実績あり |
目標募集額(株数) | 15,085,800円(5,202株) |
上限募集額(株数) | 69,611,600円(24,004株) |
募集価格 | 1株当たり2,900円 |
申込単位 | 34株 |
最低申込金額(株数) | 98,600円(34株) |
上限申込金額(株数) | 493,000円(170株) |
申込期間 | 2020年12月17日~2020年12月21日 |
今回の募集で気を付けることがあります。それは申込株数です。申込できる株数が「34株、68株、102株、136株、170株」のいずれかとなります。最低申込株数が34株なので気を付けてください!
資金使途は広告宣伝費や人件費、運転資金などへ充当されるそうです。Facebookなどを利用したリスティング広告の拡大も行うそうです。
また、今回の募集はエンジェル税制優遇措置Bの適用が確認されています。ベンチャー企業への投資額全額をその年の他の株式譲渡益から控除できます。控除対象となる投資額の上限はありません。
インバウンドテクノロジーの事業は既に稼働しています。ベースは外国人と企業をマッチングするサービスが主力のため、新ビジネスが稼働しても収益の柱は変わらないでしょう。
外国人ビジネスの総合プラットフォームが実現すれば、外国人が同社を選択する可能性が高まります。このサイクルをまずは目指すと考えられます。
短期間で何処まで実現できるのか不確実性はありますが、代表者の機動力が高いと感じるため応援する投資家も多い気がしています。事業を応援してみたい方は出資を行い共感を得てみては如何でしょうか!
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