ラキール(4074)のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事は野村證券が務め公開株数1,260,000株、オーバーアロットメント189,000株です。上場規模は想定発行価格1,300円から計算すると約18.8億円になります。


ストック型収益モデルを採用し上場規模も適度なのでIPOとしても人気が見込めそうです!


ラキール(4074)IPOの初値予想
※ラキール公式サイト引用


次世代のクラウド型デジタルビジネスプラットフォーム「LaKeel DX」を中心とした成長エンジン及びストック型収益モデルを構築しており、継続的な成長と安定的な収益モデルの構築を目指している企業です。


前期売上は53.3億円で四半期利益は1.39億円となっています。まだ利益が低いようですが注目されそうなIPOが登場しました。


クラウド型デジタルビジネスプラットフォームの統合的な開発や運用プラットフォームを目標として、ITの急速な発展と変革に対応できるそうです。


面白そうなIPOなので内容を確認してみたいと思います。


ラキール(4074)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容企業向けシステムの開発・保守及びクラウド型アプリケーション開発・運用基盤「LaKeel DX」とその関連製品の開発・販売等
上場日7月16日
ブックビルディング期間6月30日~7月06日
想定価格1,300円
仮条件1,300円~1,400円
公開価格1,400円
初値結果2,480円(公開価格1.77倍)
企業情報https://www.lakeel.com/ja/index.html
監査人太陽有限責任監査法人


【手取金の使途】

手取概算額994,640千円については、「1新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限226,044千円と合わせて、当社製品の開発費、技術系人材の採用・育成費、広告宣伝費及び借入金の返済に充当する予定。

残額につきましては、当社の事業規模拡大のための人件費など上記以外の運転資金に充当する方針でありますが、具体化している事項はありません。なお具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数840,000株
売出株数420,000株
公開株数(合計)1,260,000株
オーバーアロットメント189,000株
上場時発行済み株数7,228,500株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約94.0億円
幹事団野村證券(主幹事)
SBI証券
楽天証券
SMBC日興証券
あかつき証券
東洋証券
岩井コスモ証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
丸三証券
委託見込SBIネオトレード証券
LINE証券
auカブコム証券


ラキール(4074)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,300円を基に吸収金額を算出すると約16.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約18.8億円規模の上場となります。人気が見込めるため初値が高くなりそうです!


同社は企業向けアプリケーションの部品化とそれらの再利用を可能とするプラットフォーム開発を目的として2005年6月に設立されています。また、2019年10月に商号を株式会社ラキールに変更しています。


グループ企業はラキールと連結子会社3社(Legend Applications China Holding, Inc.、北京利衆得応用技術有限公司、株式会社ZEST)で構成されています。事業はLaKeel事業の単一セグメントです。


パソコンやスマートフォンを利用した動画配信サービスや音楽配信サービス、ストレージサービスなどで利用料(サブスクリプション)だけを支払ってサービスを享受するシェアリングエコノミーが増えています。


近年のアマゾン、マイクロソフト、グーグルなどの大手クラウド事業者の出現により、各企業はコンピュータの運用をこれら大手クラウド事業者のサービスに乗せ換える動きが顕著になり、コンピュータを自社で所有する企業は大きく減少傾向にあります。


しかし、クラウドの仕様を理解しないとシステムの開発や改変が出来ないという問題、さらには環境依存の問題が出てきています。そこで同社は「LaKeel DX」を開発したそうです。


ラキール(4074)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


LaKeel DXはアプリケーション開発を効率的に行うための環境です。


LaKeel DXを活用することで、ユーザー企業はサーバーやネットワーク機器を準備することなく、アマゾン、マイクロソフト、グーグル等の大手クラウド事業者が提供する、サーバー運用のためのクラウドプラットフォームの上でアプリケーションの開発・運用を行うことができるそうです。


LaKeel DXはさまざまなクラウド事業者のサービスに対応しているため、ユーザー企業は大手クラウド事業者のサービスを享受しつつも、他の大手クラウド事業者への乗り換えが困難になることなく、状況に応じて最適な選択肢を得ることが可能になります。


ラキール(4074)IPOのサブスクリプション売上高とユーザー数の推移
※有価証券届出書引用


現在の主力サービスであるプロフェッショナルサービスは、主に大手建設会社、大手不動産会社、大手金融機関等(銀行、生損保、リース)向けの基幹システムを対象にシステム開発サービス、システム保守サービスを展開しています。


システム開発サービスに加え、システム保守サービスを併せて提供することにより、売切りの収益モデルであるフロービジネスを持続的な安定収益モデルであるストックビジネスに転換を図り、より安定した収益を実現しています。


LaKeel DXを導入するにあたり開発人材を投入し、LaKeel DXを活用することでユーザー企業の既存のIT資産の迅速なクラウド化を実現するサービスを提供しています。


これによりユーザー企業はデジタルトランスフォーメーションを推進するためのIT環境を手に入れることができ、ビジネスの俊敏性とIT投資効率向上、競争力向上が可能となるそうです。


ラキール(4074)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


プロダクトサービスではLaKeel DX上で稼働する多くの製品を順次リリースしています。


ユーザー企業は、これら製品を自社資産として所有することなく、必要な期間・必要な機能分の利用料を支払うことで、よりスピーディに新たな機能を活用し、自社の業務を支えるITサービスにおけるシェアリングエコノミーのメリットを受けることが可能です。


この他、要望に応じてLaKeel DXを最大限に活用する為のコンサルティングサービスを提供することも可能となっています。


プロフェッショナルサービスはシステム開発及びシステム保守を提供するモデルです。安定収益をもたらすリカーリング型レベニューモデルになりIPOでも好まれます。


プロダクトサービスはサブスクリプション型レベニューモデルになり、継続的なサービス提供により、サービス提供期間を通じた収益が積み上がるモデルを採用しています。


このような収益構造となっていることで安定した利益の確保が見込まれます!


ラキール(4074)の企業財務情報と配当性向

回次第3期第4期
決算年月2019年12月2020年12月
売上高5,665,6805,331,307
経常利益182,075243,105
親会社株主に帰属する当期純利益86,309139,620
包括利益76,204142,526
純資産額909,3451,129,889
総資産額2,872,0273,736,614
1株当たり純資産額143.80173.87
1株当たり当期純利益金額13.9422.45
自己資本比率(%)30.9929.73
自己資本利益率(%)10.1413.96
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー140,057486,187
投資活動によるキャッシュ・フロー△325,915△493,942
財務活動によるキャッシュ・フロー△136,523583,639
現金及び現金同等物の期末残高744,4971,323,648
※数値は千円単位



第5期第1四半期連結累計期間(2021年1月01日~2021年3月31日)
  • 売上高1,274,781千円
  • 営業利益62,620千円
  • 経常利益46,598千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益18,235千円



【第5期第1期のチェックポイント!】

今期は新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により依然として先行き不透明な状況にあります。その一方で「ウィズコロナ」の時代に適した製品やサービスの必要性が謳われ、企業のDX化やクラウド型サービスへの移行に対する関心が一段と高くなっています。

このような環境の中、同社は次世代クラウド型デジタルビジネスプラットフォーム「LaKeel DX」を中心とした関連サービスを拡充し、ユーザー企業のDX化を推進しユーザー基盤のさらなる拡大に努めてきたそうです。


ラキール(4074)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2017年10月05日、東京都港区愛宕二丁目5番1号に本社を構えます。社長は久保努氏(1964年9月27日生まれ)、株式保有率は46.24%(3,400,000株)です。


従業員数399人で臨時雇用者0人、平均年齢35.5歳、平均勤続年数8.6年、平均年間給与5,616,000円です。連結の従業員数は472人となり臨時雇用者はいません。


セグメントはLaKeel事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
久保 努3,400,000株46.24%
KST有限責任事業組合1,100,000株14.96%
ラキール従業員持株会724,100株9.85%
合同会社シングル・マインド400,000株5.44%×
平間 恒浩392,500株5.34%
株式会社Kコーポレーション245,600株3.34%
西村 浩192,500株2.62%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人であるKST有限責任事業組合及び貸株人である久保努並びに当社株主である平間恒浩、株式会社Kコーポレーション、西村浩、川上嘉章、雄谷淳、TH COMPANY株式会社、浅野勝己、古川勝博、鈴木弘昭及び中山宗男は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年10月13日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。

また、当社の株主であるラキール従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2022年1月11日までの期間中、主幹事会社からの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には90日間(2021年10月13日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の設定は目論見に書かれていません。


この他、ラキール従業員持株会に対しては180日間(2022年1月11日まで)のロックアップが付与されています。


親引けは63,000株を上限として従業員持株会が引受ける予定です。


ラキール(4074)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が1,300円~1,400円に決定し吸収金額は最大で20.3億円、時価総額は101.2億円になります。


IPOでは人気が高いDX関連のIPOになりますが、ファンド売出し株が42万株と出口案件を多少意識させます。また設立から間もない上場のためインパクトがあります。直近ではコンサルティングサービスが伸びているそうです。


上場日の7月16日は単独上場となっており通常であれば買い先行が予想されます。ロックアップ対象外となっている株数も少なく、需給に問題はないとされ初値2,000円をクリアーしてくる期待は高そうです。


上場規模がやや大きめとなっていますが、公開価格割れを起こすようなIPOではないと思います。


大手初値予想2,000円~3,000円
修正値2,100円~2,500円

※注目度A


2021年12月期の連結業績予想は売上58.09億円となり前期比8.97%増、経常利益3.46億円となり前期比42.39%増になります。


四半期利益は2.23億円となり前期比60.43%増を予想しています。業績は順調に拡大しているようです。


また、EPS32.94からPERは42.50倍、BPS323.89からPBRは4.32倍になります。配当金が株主優待の設定はありません。


直近上場銘柄の初値が軟調となっていますが、同社が上場する頃には地合い改善となっている可能性もあるでしょう。公募組は積極的に獲得を目指してよいIPOだと思います!!


幹事名割当株数引受割合
野村證券(主幹事)1,071,000株85.00%
SBI証券63,000株5.00%
楽天証券37,800株3.00%
SMBC日興証券25,200株2.00%
あかつき証券25,200株2.00%
東洋証券12,600株1.00%
岩井コスモ証券12,600株1.00%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券6,300株0.50%
丸三証券6,300株0.50%


主幹事の野村證券を中心に申込みを徹底しておきたいと思います。株数が多いため運が良ければ当選できると思います。


その他証券ではSBI証券よりも楽天証券のほうが参加者が少ないと思います。人気が見込める事業なので口座開設しているところから申込みを行いましょう。


下記記事に野村證券と同じで資金不要でIPO抽選に参加できる証券会社を調べてみました!!




また野村證券の投資アプリFINTOS!をご存知でしょか?私も利用しているアプリなんですが残念なことにAndroidにしか対応していません。


iPhone版はまだ出ていないためAndroidの方だけ無料で使えるためお勧めできます。私は市場ニュースを読んだり株価チェックで使っています。実際に利用した感想などは下記記事でまとめています。




また、未上場企業に投資ができるファンディーノさんとタイアップを行っています。既に上場した企業が出たため今後も期待しています!


口座開設でAmazonギフト券を1,000円分貰えるため良かったら頂いてください。




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
システナ(2317)PER35.66倍PBR8.07倍
トヨクモ(4058)PER77.54倍PBR17.19倍
テンダ(4198)PER39.14倍PBR9.19倍
※2021年6月30日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2020年3月30日~2028年3月29日465,000株100円
2021年4月01日~2029年7月15日500,000株703円


ストックオプション(新株予約権)は965,000株あり行使期限を迎えています。50万株については時価発行新株予約権信託を活用したインセンティブプランによるものです。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


ラキール(4074)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

ラキールのIPOは人気があると思います。収益構造に魅力があり前面に出しているため投資家にも伝わりやすいと思います。


ただし上場規模の割に利益が低いと感じます。大手クラウドサービスの移行などもできるそうなので面白いと思います。


ラキール(4074)IPOの評価
※ラキール公式サイト引用


同社事業は将来の成長が期待される分野になり今後も収益が見込めそうです。


主要製品の機能や導入実績、ノウハウによる技術優位性を確保できているとラキールも認識しているようです。そのため他社との差別化もできていると現時点では考えられます。


収益の大部分は国内外のエンドユーザー販売に依存しているそうなので、アフターコロナ後に市場環境の変化があれば収益が落ちる可能性があります。その他、中国の海外子会社を取得していることで政治的リスクなども多少あるように思います。


クラウドベンダーが提供する各種サービスをインターネットを介して顧客企業に提供しているため、システム障害などが一番怖いことでしょう。他社でも同じなのでこの辺りは初値に関係しないと思います。


2017年11月に経営陣によるマネジメント・バイアウト(MBO)を行っています。また2018年12月に株式会社マーベリックの株式を100%を取得したことに伴い、のれんを計上しているそうです。12年~20年を見積りのれん償却を行っています。


新株予約権は発行済株式総数の6,388,500株に対する潜在株式比率は15.1%となっていました。


とにかくIPOに当選できるように努力するしかないため頑張ってみたいと思います!


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