BCC(ビーシーシー)[7376]のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はSBI証券が務め公開株数260,000株、オーバーアロットメント39,000株です。上場規模は想定発行価格1,210円から計算すると約3.62億円になります。


企業規模が大きとは言えませんが前期売上は10億円を超えています。今期は利益が好調に伸びているため初値に期待が持てそうです。


BCC(ビーシーシー)IPOの初値予想と上場
※ビーシーシー公式サイト引用


同社はIT営業アウトソーシング事業を行い、大手IT企業とのネットワークを構築し「DX推進・データ分析」ができる人材を育成しています。


前期売上だと85.3%を同事業が占めているため主力事業でしょう。この他、ヘルスケアビジネス事業を行い、介護施設での実証支援等を通じ介護分野を対象とした製品の開発支援を行います。


少子高齢化ということでヘルスケアビジネスも注目されるかもしれません。高齢者の認知機能や心身機能の維持・向上に資するプログラムなどを大学の研究機関と進めているそうです。


ただ安定利益を確保する事業モデルとはなっておらず、現時点では主力事業による収益期待となっています。


BCC(ビーシーシー)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種サービス業
事業内容大手IT企業への営業支援サービスの提供、ヘルスケア分野での市場調査やプロモーション支援の提供、ヘルスケア関連施設の運営受託
上場日7月06日
ブックビルディング期間6月18日~6月24日
想定価格1,210円
仮条件1,180円~1,300円
公開価格1,300円
初値結果3,350円(公開価格2.58倍)
企業情報https://www.e-bcc.jp/
監査人有限責任あずさ監査法人


【手取金の使途】

差引手取概算額204,518千円及び「1新規発行株式」の(注)5に記載の第三者割当増資の手取概算額上限43,414千円については、運転資金として①人材の育成・確保における人件費及び②プロモーション活動に、設備投資資金として③基幹システム・情報機器購入に充当する予定であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数200,000株
売出株数60,000株
公開株数(合計)260,000株
オーバーアロットメント39,000株
上場時発行済み株数1,061,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約12.8億円
幹事団SBI証券(主幹事)
みずほ証券
岩井コスモ証券
エイチ・エス証券
東洋証券
松井証券
岡三証券
東海東京証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


BCC(ビーシーシー)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,210円を基に吸収金額を算出すると約3.15億円となり、オーバーアロットメントを含めると約3.62億円規模の上場となります。上場規模が小さすぎて上場2日目以降に初値が付くと考えています。


同社はIT営業アウトソーシング事業とヘルスケアビジネス事業の2つの事業を行っています。


IT営業アウトソーシング事業は、同社で教育・育成された従業員を営業として派遣することで50社を超える大手IT企業とのネットワークを構築しています。


販売代理店としては創業時から累計1,200社を超える中小企業にインターネットサービスやクラウド関連サービス等を組み合わせた通信ネットワーク構築の実績があり、IT化の推進に寄与していると考えているようです。


BCC(ビーシーシー)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


ヘルスケアビジネス事業は、高齢者向けの介護レクリエーション素材等を無償で提供しているWebサイト「介護レク広場」になります。


会員数は5万人を超え、介護レクリエーションの資格制度「レクリエーション介護士」は認定者数3万人を超えています。


BCC(ビーシーシー)IPOのIT営業アウトソーシング事業
※有価証券届出書引用


これらの実績を基に自治体等と連携したヘルスケア関連事業や施設の運営を受託することでヘルスケア・リビングラボの取組みを進めています。


事業で培ってきたシニアプラットフォームを活用し、大手IT企業とのネットワークを生かしヘルスケアDXの構築を目指している企業です。


大手IT企業とは、資本金や出資の総額が3億円以上の会社、又は従業員の数が300人以上のIT業界に属する企業となっています。


BCC(ビーシーシー)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


IT営業アウトソーシング事業は、大手IT企業の営業部門を強化又は補完するため、営業人材を中心とした営業支援サービスを提供する「営業アウトソーシング事業」、中小企業向け新規開拓営業の代理店を中心とした「ソリューション事業」の2つの事業で構成されます。


ヘルスケアビジネス事業は、介護レクリエーションの普及と介護関係者とのネットワークを構築する「介護レクリエーション事業」になります。


また、ヘルスケア・リビングラボの取組みを基にしたヘルスケア関連施設の運営、ヘルスケア分野で新規参入・事業拡大を目指す企業へ市場調査やプロモーション支援等を提供する「ヘルスケア支援事業」の2つの事業で構成されます。


BCC(ビーシーシー)の企業財務情報と配当性向

回次第6期第7期
決算年月2019年9月2020年9月
売上高1,004,9811,031,042
経常利益42,05345,074
当期純利益51,40830,791
資本金24,00024,000
純資産額178,846209,638
総資産額461,792467,360
1株当たり純資産額207.72243.48
1株当たり当期純利益金額59.7135.76
自己資本比率(%)38.744.9
自己資本利益率(%)33.615.9
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー67,98262,149
投資活動によるキャッシュ・フロー12,991△10,220
財務活動によるキャッシュ・フロー△45,997△34,756
現金及び現金同等物の期末残高247,185264,358
※数値は千円単位



第8期第2四半期累計期間(2020年10月01日~2021年3月31日)
  • 売上高574,262千円
  • 営業利益96,581千円
  • 経常利益94,219千円
  • 四半期純利益61,830千円



【第8期第2期のチェックポイント!】

新型ウイルス感染症の影響で回復に向けた動きは鈍く、依然として感染再拡大の懸念は拭えず、当面の間は経済を下押しする圧力が残る厳しい状況が続くと同社は考えているようです。

このような環境のもと事業間のシナジーを発揮することで経営効率を高め事業に注力するそうです。営業アウトソーシング事業では堅実な事業運営を続け、派遣及び業務委託の人員115名(前年同期末より13名増)を達成したそうです。

顧客のIT投資が増加したことでネットワーク関連の売上が増加、さらに介護レクリエーション事業では、レクリエーション介護士2級の認定者が累計31千人を超えたそうです。


BCC(ビーシーシー)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2014年1月20日、大阪市西区京町堀一丁目8番5号に本社を構えます。社長は伊藤一彦氏(1974年11月12日生まれ)、株式保有率は31.01%(288,000株)です。


従業員数151人で臨時雇用者13人、平均年齢32.7歳、平均勤続年数4.4年、平均年間給与6,671,000円です。


セグメント別の従業員数はIT営業アウトソーシング事業126人(臨時2人)、ヘルスケアビジネス事業15人(臨時11人)、全社共通10人となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
伊藤 一彦288,000株31.01%
BCC社員持株会102,300株11.01%
伊藤 貴子72,000株7.75%
プラス株式会社60,000株6.46%
K&Pパートナーズ1号投資事業有限責任組合60,000株6.46%
中山 保代48,000株5.17%
みずほ成長支援投資事業有限責任組合45,000株4.85%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主であり売出人かつ貸株人かつ当社代表取締役である伊藤一彦、当社株主であり売出人である伊藤貴子、中山保代、及び当社株主であり売出人かつ当社取締役かつ新株予約権を保有する安原弘之は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目(2022年1月01日)までの期間、主幹事会社の事前の書面の同意なしには、当社の株式の売却等を行わない旨を合意しております。

当社株主であるプラス株式会社、荒川弘也、西澤民夫、森理俊、林正栄、竹内友章、今井早苗、当社株主であり当社監査役である森重洋一、塚本純久、当社株主であり当社取締役かつ新株予約権を保有する岡林靖朗、及び当社監査役であり新株予約権を保有する藤進治は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目(2022年1月01日)までの期間、主幹事会社の事前の書面の同意なしには、当社の株式の売却等を行わない旨を合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2022年1月01日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の設定はありません。


この他、ベクトルは180日間のロックアップと発行価格1.5倍以上のロックアップ解除が行われます。


K&Pパートナーズ1号投資事業有限責任組合、みずほ成長支援投資事業有限責任組合、三生6号投資事業有限責任組合、及び池田泉州キャピタルには90日間(2021年10月03日)のロックアップと発行価格1.5倍上のロックアップ解除が行われます。


また、BCC社員持株会は180日間のロックアップとなっています。親引けはBCC社員持株会を引受先として21,000株を上限として実施予定です。


BCC(ビーシーシー)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件上限が上振れし1,180円~1,300円という価格帯に決定しました。上場規模は最大で3.9億円になり時価総額は13.8億円と極小です。


大手IT企業への営業支援が主力となり意外に珍しい事業のようです。また介護レクリエーションも行っており、今期は事業の黒字化期待が持てるようです。


収益規模が小さいとされていますが、人材関連の銘柄としては高い評価を得ているようです。個人的には初値だけ高くその後は急落の可能性が高いと考えています。1営業日くらいはS高になる可能性もあるためそこに魅力がある銘柄でしょう。


大手初値予想4,000円~7,000円
修正値6,000円~7,000円
再修正値4,000円~5,000円

※注目度B、再修正値は7月01日追記


2021年9月期の単独業績予想では売上11.31億円となり前期比10.00%増、経常利益1.00億円となり前期比122.22%増となる予定です。


四半期利益は0.66億円となり前期比120.00%増を予想しています。EPS72.97からPERは17.82倍、BPS457.75からPBRは2.84倍になります。配当金や株主優待はありません。


VCのロックアップは90日間で発行価格(公開価格)の1.5倍上で売却可能となっています。足並みそろった売却が予想されているようです。


新株予約権は約4万株が市場に出てくる可能性が上場時点であるようです。BCCにIPOチャレンジポイントを利用したいと考えている投資家も多いと思いますが、上場2日目の大引けあたりまで引っ張ることができるのかがポイントです。


初値3倍あたりだとかなり悲しい結果となりそうです。そのためよく考えてポイントを利用しましょう!!


投資家の希望としてはVC保分が16.6万株程度なのでそれを乗り越える買い期待です。株価が高くなるにつれ退却する投資家が出てくるため公募組は不安かもしれません。


幹事名割当株数引受割合
SBI証券(主幹事)221,000株85.00%
みずほ証券13,000株5.00%
岩井コスモ証券5,200株2.00%
エイチ・エス証券5,200株2.00%
東洋証券5,200株2.00%
松井証券5,200株2.00%
岡三証券2,600株1.00%
東海東京証券2,600株1.00%


主幹事のSBI証券からの申込みを中心に行っておきましょう。株数から考えると平幹事で当選する可能性は低そうです。


それでも公募組は申し込みを徹底しておきましょう。面倒な方は主幹事からの参戦1本でよいと思います。IPOルールは下記記事でまとめています。




また2021年からSBIグループに入ったSBIネオトレード証券でも取扱いが行われるはずです。既に複数のIPO取扱いが発表されています。


SBIネオトレード証券は入金をしなくても抽選に参加できるため申込だけ行っておきましょう。当選後に入金すればよいため非常に楽です。


また期間限定でタイアップ特典として現金2,000円がプレゼントされることになっているためよかったらご利用ください!




岡三証券の委託販売として岡三オンラインでもIPOの取扱いが行われると思います。


口座開設を行っている方は駄目もとで申込んでおきましょう。ついでの申込みでよいと思います。こちらもタイアップ特典で現金3,500円がプレゼントされます。詳細は下記記事でまとめています。




BCC(ビーシーシー)のIPOチャレンジポイントボーダーラインを考察!

BCCのIPOチャレンジポイントボーダーラインを考えてみました。公開株数がオーバーアロットを含め299,000株しかありません。


BCC(ビーシーシー)のIPOチャレンジポイントボーダーライン


SBI証券が主幹事を行ったIPOのデータを上記記事でまとめてみました。ペルセウスプロテオミクスからWaqooまでは引受け株数を調べて追記しています。


同社の場合は想定発行価格が1,210円なので初値4倍でも36万円程度の利益にしかなりません。ポイントの使い方が難しですよね。


初値5倍には届かないと思いますがIT系の企業なのでないとは言えません。年に数銘柄は上場後にテンバーガーとなることもあります。


積極的に投資を行える状況であればリスクマネーを呼び込むかもしれません。株数が少ないため連続ストップ高となることも考えられます。人気があまり見込めなくても初値3倍くらいは期待できると考えています!


また今回もSBIネオモバイル証券でIPOの取扱いが期待できます。


ひとかぶIPOというネーミングで1株からIPO抽選に参加できる面白い投資ができます。IPOよりもTポイント投資にはまっている投資家もいるようです。


私はあまりやりませんがTポイントでFX投資もできます。Tポイント投資が行える企業が少ないため重宝しています。詳しくは下記記事を参考にして頂けたらと思います。




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ギグワークス(2375)PER22.75倍PBR3.83倍
エスプール(2471)PER45.48倍PBR16.76倍
ウィルグループ(6089)PER12.3倍PBR2.74倍
※2021年6月17日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2018年10月01日~2026年8月31日40,980株667円
2019年10月01日~2026年8月31日26,760株667円


ストックオプション(新株予約権)は67,740株全てが行使期限を迎えています。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


BCC(ビーシーシー)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

BCC(ビーシーシー)IPOはとにかく申込みを行っておきましょう。業績よりも公開株数が少ないことが初値に影響を与えると思います。


単にアウトソーシング企業と投資家が考えると初値が伸び悩むと思います。


BCC(ビーシーシー)IPOの評価
※ビーシーシー公式サイト引用


IT営業アウトソーシングは常に価格競争が発生しやすい業種となっています。


営業派遣の内容を調べると、IT業界未経験の若年層を採用し、同社で教育を実施した上で顧客企業に派遣する流れだそうです。介護派遣もついてに調べると介護レクリエーションを学んだ人材を中心とした派遣となっていました。


ベンチャーキャピタル保有株関連は上場時点で17.6%になります。新株予約権の潜在株式数は67,740株になり発行済株式数861,000株の約7.9%となっています。


創業者の伊藤一彦氏が日本電気株式会社に勤めていたことで、現在も日本電気と取引が行われていると考えられます。前期売上の14.3%を占めているため今後の関係も重要のようです。


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