インフォメティス(5030)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。VC売出し色が強いIPOになるため人気は低そうです。しかも今期(2022年3月期)予想は赤字です。
主幹事はみずほ証券が務め公開株数3,735,400株、オーバーアロットメント560,300株です。上場規模は想定発行価格1,150円から計算すると約49.4億円になります。
※インフォメティス公式サイト引用
同社の収益モデルは基本的にリカーリング型になるため、顧客企業数や各種アプリのエンドユーザー数が増加すれば利益が増加します。
ただ上場時予想では赤字継続となっているため印象が良いとは言えません。
売上規模もまだ小さく成長企業かもしれませんが不安のほうが先行します。2021年3月期の連結売上が約5.7億円程度ですからね。
プラットフォームへの登録者数は月平均2,300件増と勢いがあります。大和リビングの管理物件に同社アプリが標準採用されているそうです!
インフォメティス(5030)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 上場中止 |
市場 | グロース市場 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | エナジー・インフォマティクス事業(独自の電力センサーの開発・販売、データマイニング、エネルギーデータ等を利活用するための独自IoTデータプラットフォーム及びアプリケーションの提供並びにエネルギーデータ等を利活用した新サービスの創出) |
ブックビルディング | 4月08日~4月14日 |
想定価格 | 1,150円 |
仮条件 | 4月06日 |
公開価格 | 4月15日 |
初値結果 | 未 |
企業情報 | https://www.informetis.com/ |
監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
手取金の使途 |
|
項目 | 株数データ |
公募株数 | 1,040,000株 |
売出株数 | 2,695,400株 |
公開株数(合計) | 3,735,400株 |
オーバーアロットメント | 560,300株 |
上場時発行済み株数 | 4,879,720株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約56.1億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) SBI証券 楽天証券 東海東京証券 いちよし証券 岩井コスモ証券 東洋証券 松井証券 マネックス証券 |
委託見込 | SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
インフォメティス(5030)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格1,150円を基に吸収金額を算出すると約43.0億円となり、オーバーアロットメントを含めると約49.4億円規模の上場となります。同社グループは、エネルギー関連データを独自のAIでエネルギー最適化・脱炭素に貢献する価値あるデータに加工したうえで提供するIoTデータプラットフォームを運営しています。
グループ企業はインフォメティスと連結子会社(Informetis Europe Ltd.)、関連会社(エナジーゲートウェイ)の3社で構成されています。
エネルギーデータを利活用し生活の質を向上させながら、エネルギーの効率的利用を目指す企業向けにエナジー・インフォマティクス事業を行います。
※有価証券届出書引用
収益モデルは、プラットフォームを利用する顧客企業数やプラットフォーム上で稼働する各種アプリのエンドユーザー数が増加するにつれて、年々売上収益が積みあがる構造となっています。
継続的な発生を見込むことが可能なリカーリング型の収益があり、「プラットフォーム・アプリ提供」がこれに該当します。
この他、プラットフォームやプラットフォーム上で稼働する各種アプリの利用開始時に、電力センサーの機器販売代金、プラットフォームの初期設定費用やプラットフォーム上で稼働する各種アプリの初期設定費用などの一時的な収益が発生します。
※有価証券届出書引用
同社グループは、海外領域でも活動し英国に連結子会社(Informetis Europe Ltd.)を設け、欧州圏の現地企業や日本企業の現地法人などとの実証実験を行う等、欧州圏で本格的な事業展開を行う準備があるそうです。
脱炭素化を背景に英国を筆頭とした欧州圏に広がるガスボイラー(ガス給湯器)から電気給湯器への急速なシフトが直近最大の事業拡大機会となっているそうです。
※有価証券届出書引用
電力市場はEV化やオール電化の波に乗り、ガスやガソリンなどの一次エネルギー市場を取り込みながら、2050年には最大40%程度の拡大が見込まれており、同社には追い風となる可能性があるようです。
市場で需要見込みはあると思いますが、先行投資が上手くいっているのか微妙なところだと思います。
インフォメティス(5030)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2013年4月08日、東京都港区芝五丁目5番1号に本社を構えます。社長は只野太郎氏(1968年5月15日生まれ)、株式保有率は1.14%(46,000株)です。従業員数43人で臨時雇用者0人、平均年齢39.8歳、平均勤続年数3.7年、平均年間給与7,280,000円です。連結従業員数は52人で臨時雇用者は0人です。
セグメントはエナジー・インフォマティクス事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 | 3,099,920株 | 77.05% | ○ |
ジャフコグループ株式会社 | 269,400株 | 6.70% | ○ |
IEファスト&エクセレント投資事業有限責任組合 | 89,300株 | 2.22% | × |
株式会社日立製作所 | 80,400株 | 2.00% | ○ |
日本郵政キャピタル株式会社 | 71,420株 | 1.78% | × |
ダイキン工業株式会社 | 53,520株 | 1.33% | ○ |
只野 太郎 | 46,000株 | 1.14% | ○ |
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合とジャフコ グループには90日間(2022年7月23日まで)のロックアップが付与されています。解除倍率設定はありません。
その他の上位株主には180日間(2022年10月21日まで)のロックアップが付与されています。こちらも解除倍率の記載はありません。
日立製作所やダイキン工業株、博報堂DYホールディングスや個人株主などが対象になっています。親引けはありません。
インフォメティス(5030)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
みずほ証券(主幹事) | -株 | -% |
SBI証券 | -株 | -% |
楽天証券 | -株 | -% |
東海東京証券 | -株 | -% |
いちよし証券 | -株 | -% |
岩井コスモ証券 | -株 | -% |
東洋証券 | -株 | -% |
松井証券 | -株 | -% |
マネックス証券 | -株 | -% |
また赤字グロース銘柄の登場です。2022年3月期の業績を調べると四半期利益が-1.47億円になる予想が出ています。
上場時も赤字予想になっていることで需給面で苦労しそうです。地合いが改善してもVC売出し案件のため人気はないと思います。
売上は伸びており、プラットフォームへの登録者も増えているため期待できる部分もありますが、IPOとしては厳しい印象を思っています。
当選を狙うのであればみずほ証券からでしょうか。キャンセル狙いでIPOに参加するには手間がかかりそうですね。新年度に入りPayPay証券でもIPOの取扱い期待でしょうか!
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類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
– | PER-倍 | PBR-倍 |
– | PER-倍 | PBR-倍 |
– | PER-倍 | PBR-倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2015年8月01日~2023年7月15日 | 4,000株 | 500円 |
2017年7月01日~2023年7月15日 | 2,000株 | 500円 |
2023年3月31日~2031年3月30日 | 1,700株 | 5,434円 |
2023年12月01日~2031年11月30日 | 151,900株 | 2,800円 |
2023年12月01日~2031年11月30日 | 24,000株 | 2,800円 |
ストックオプション(新株予約権)は6,000株が上場時に行使期限を迎えます。
代表取締役や役員、従業員などに対して新株予約権が与えられることになっています。
インフォメティス(5030)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
インフォメティスのIPOは上場中止になる可能性があるかもしれません。この手の銘柄は2022年に承認されても上場が出来ていません。同社の場合はどうでしょうか。
※インフォメティス公式サイト引用
2014年から本格導入が開始された現行スマートメーターについて、2024年度から順次新メーターへの交換が始まる予定となっています。
この他、電力データは電力データ以外の技術との組み合わせによる新たなサービスの創出が期待されている分野です。
IT系の技術を持つ企業のため期待値は高いと思いますが、上場時承認時の実績がショボ過ぎます。
世の中には必要な企業かもしれませんがIPO時には人気が低い気がします。期待値だけで投資家も投資しないような環境ですからね。
最新のAI技術をエネルギーデータに応用する期待は世界で高まっていると思います。
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