ウイングアーク1st(4432)IPOが東証に再承認されました。2019年3月13日に上場を予定していましたが上場中止になっていた案件になります。当時はかなり人気がなかったことを思い出します。


約1年ぶりに上場を目指し前回との変更点なども気を付けて確認を行ってみたいと思います。また今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います!


主幹事は野村証券、三菱UFJモルガン・スタンレー証券、メリルリンチ日本証券が共同で務めます。上場規模は約281.1億円で売出株15,517,100株とオーバーアロットメント1,317,400株になります。前回の上場を調べると想定ベースで約451.1億円だったため今回はコンパクトになっています。


ウイングアーク1st(4432)IPO再承認で東証に上場


再承認まで1年という時間が過ぎましたが業績は好調のようです。事業内容よりも筆頭株主の「CJP WA Holdings, L.P.」が株式を売却し利益を得たいために上場する流れなので投資家に懸念されるでしょう。


全て売出株になるグローバルオファリングとなっています。日本国内は全体の56.6%(8,783,300株)が募集対象となっています。ちなみに前回の上場承認のデータと上場中止の理由は下記記事にまとめています。



ウイングアーク1st(4432)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場東証1部又は東証2部
業種情報・通信業
事業内容企業の情報活用を促進するソフトウェアおよびクラウドサービスの提供
上場日上場中止2回目
ブックビルディング期間3月09日~3月13日
想定価格1,670円
仮条件3月09日
売出価格3月16日
企業情報https://www.wingarc.com/
監査人EY新日本有限責任監査法人


【経営方針】

当社グループは、「Empower Data, Innovate the Business, Shape the Future.情報に価値を、企業に変革を、社会に未来を。」というビジョンを掲げており、社会に存在する様々なデータを活用することで、多くの企業にイノベーションをもたらし、その結果として、より良い社会を実現することを目指しております。現在、スマートフォンやIoTの普及により、日々生み出されるデータは加速度的に増加して、働き方改革等による業務の効率化のニーズも高まっております。当社グループは、この様々なデータ(ビッグデータ)を「新しい資源」としてとらえており、この資源を活用して、企業や社会に様々な価値をもたらすソフトウェア及びサービスの提供を行っております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数0株
売出株数15,517,100株
※国内売出し8,783,300株、海外売出し6,733,800株
公開株数(合計)15,517,100株
オーバーアロットメント1,317,400株
上場時発行済み株数31,198,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約521億円
幹事団野村證券(共同)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同)
メリルリンチ日本証券(共同)
みずほ証券
SMBC日興証券
大和証券
SBI証券
楽天証券
委託見込auカブコム証券
SBIネオトレード証券
DMM.com証券


ウイングアーク1st(4432)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,670円を基に吸収金額を算出すると約259.1億円となり、オーバーアロットメントを含めると約281.1億円規模の上場となります。


前回の上場規模を調べてみるとOA込みで約451.1億円規模でした。だいぶコンパクトになっていますがそれでも人気がないと思います。想定発行価格も1,970円から今回は300円引き下げられています。


グループ企業は同社と連結子会社8社の合計9社で構成され、ソフトウェアとクラウドサービスの提供を行っています。


企業の基幹業務を支える「帳票・文書管理ソリューション」と、様々なデータを活用し今までにない新たな価値を生み出す「データエンパワーメントソリューション」の2つの売上収益が区分としてあります。


帳票・文書管理ソリューションは、帳票に関する業務基盤として国内で最も多く利用されているソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しています。


ウイングアーク1st(4432)上場評判と業績


請求書、納品書、発送伝票、eチケットなどの業務帳票から公的機関が発行する各種証明書まで社会の様々な場所で帳票の作成や出力、管理に利用されています。主力の「SVF」は帳票の作成や出力を担っています。


現在では「SVF」での帳票出力の85%はデジタル化され、文書管理基盤の「SPA」と合わせて企業、公的機関の双方でデジタル化による業務の効率化に貢献しているそうです。


同社グループは帳票ソフトウェアの先駆者として、多くの顧客にご利用頂いており機能の豊富さやシステムの安定性等が評価されているそうです。「SVF」の帳票市場(帳票運用製品)における市場シェアは68.3%となっています。


ウイングアーク1stソリューション構成


データエンパワーメントソリューションでは、エンドユーザーに対してソフトウェアの販売、クラウドサービス、保守サポートの提供を主に行っています。


これらは様々な種類のデータを組み合わせ、分析することにより「気づき」や「今までにない価値」を生み出すビジネスの基盤となるソフトウェア及びそれらをベースとしたソリューションを提供しています。


生産性の向上やビジネスプロセスの効率化による経営スピードの向上を実現することをコンセプトとし、データの集計、分析、可視化、意思決定支援というデータ活用の一連の流れをカバーしており、経営者から現場の業務担当者まで多くの方が利用しているそうです。


ウイングアーク1st(4432)販売実績


同社グループは創業以来、企業の情報活用に特化した独自の技術開発に取り組んでいます。超高速集計やデータの仮想統合、IoTデータのリアルタイム処理は特長的技術であり、同社グループの競争力の源泉となっています。


それぞれ技術は高度で難解なものですが、「誰でも簡単」に利用することができ素早く効果をあげられるようにシンプルで直観的に使用できるユーザーインターフェイスを備えたソフトウェア、そしてサービスを提供しています。


研究開発活動及びソフトウェア開発のコア部分はすべて自社グループ内で行っているそうです。


ウイングアーク1st(4432)の企業財務情報と配当性向

回次第2期第3期
決算年月2018年2月期2019年2月期
売上収益15,566,09717,287,202
税引前(四半期)利益4,046,8564,738,869
親会社株主に帰属する当期純利益2,924,5293,293,357
親会社の所有者に帰属する当期(四半期)包括利益2,868,9953,459,884
純資産額
総資産額54,870,33554,703,801
1株当たり親会社所有者帰属持分550.96617.13
基本的1株当たり当期(四半期)利益93.74105.56
自己資本比率(%)
自己資本利益率(%)
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー4,908,5503,337,903
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,359,016△1,648,082
財務活動によるキャッシュ・フロー△4,385,651△2,958,798
現金及び現金同等物の期末残高4,722,2463,437,970
※数値は千円単位


第4期第3四半期連結累計期間(2019年3月01日~2019年11月30日)
  • 売上収益13,945百万円(前年同期比6.0%増)
  • 営業利益4,604百万円(前年同期比10.8%増)
  • 税引前四半期利益4,475百万円(前年同期比11.1%増)
  • 親会社の所有者に帰属する四半期利益3,196百万円(前年同期比13.8%増)


【ウイングアークIPOの第4期第3四半期連結累計期間のチェックポイント!】

同社グループは、クラウド上でも超高速集計を実現するDr.Sum Cloudを2019年8月に、紙文書からのデータ抽出機能をさらに強化したSPA Cloudを2019年9月にリリースし、クラウドビジネスの強化を進めています。

2019年11月に伊藤忠商事株式会社及びSansan株式会社と資本業務提携を締結しました。各々の業界トップの知見と同社グループが持つデータ活用のノウハウを組み合わせ、DXにおけるソリューション開発を軸とした協業を強化するそうです。


ウイングアーク1st(4432)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2016年3月07日(実質上2004年3月24日)、東京都港区六本木三丁目2番1号に本社を構えます。社長は田中潤氏(1976年11月22日生まれ)、株式保有率は0.56%(200,000株)です。


従業員数557人で臨時雇用者61人、平均年齢39.8歳、平均勤続年数2.9年、平均年間給与7,433,805円です。連結従業員数は646人になり臨時雇用者61人となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
CJP WA Holdings, L.P.16,834,530株47.27%
IW.DXパートナーズ株式会社7,643,470株21.46%
Sansan株式会社3,569,700株10.02%
モノリス有限責任事業組合1,400,000株3.93%
鈴与株式会社537,300株1.51%
株式会社インテージホールディングス500,000株1.40%
合同会社PKSHA Technology Capital360,000株1.01%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

グローバル・オファリングに関連して、売出人及び貸株人であるCJP WA Holdings, L.P.、当社の株主であるIW.DXパートナーズ株式会社、Sansan株式会社、モノリス有限責任事業組合、鈴与株式会社、株式会社インテージホールディングス、合同会社PKSHA Technology Capital、株式会社データ・アプリケーション及び株式会社タケオホールディングス並びに当社の新株予約権者である内野弘幸、田中潤、藤本泰輔、島澤甲、奥田哲史、森脇匡紀、吉田善幸、森下将憲、渡會公士及び久我温紀は、ジョイント・グローバル・コーディネーターに対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2020年9月21日までの期間中、ジョイント・グローバル・コーディネーターの事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受けによる国内売出し、海外売出し、オーバーアロットメントによる売出しのための当社普通株式の貸渡し、グリーンシューオプションの行使に基づく当社普通株式の売却等を除きます。)を行わない旨を約束する書面を2020年3月16日付で差し入れる予定であります。

上記のほか当社は取引所の定める「有価証券上場規程施行規則」の規定に基づき、上場前の第三者割当等による募集株式等の割当等に関し、当社新株予約権の割当てを受けた者との間に継続所有等の確約を行っております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2020年9月21日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にないため設定はありません。新株予約権者には継続保有確約が取られています。


親引けは行われません。


ウイングアーク1st(4432)IPOの初値予想と幹事引受け株数

後日記載します。

PERやPBR、類似企業なども後日追記します。


幹事名配分単位引受割合
野村證券-株-%
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券-株-%
メリルリンチ日本証券-株-%
みずほ証券-株-%
SMBC日興証券-株-%
大和証券-株-%
SBI証券-株-%
楽天証券-株-%


個人的には前回同様にスルーするつもりです。SBI証券のIPOチャレンジポイントだけ頂く形でブックビルディングを終わらせると思います。途中で人気が出てくると残念になるため後期型抽選を行う楽天証券からの申し込みは予備で行っておきます。auカブコム証券も同様に申し込んでおきます!






またdocomoユーザー必見のTHEO(テオ)で資産運用してみませんか?dポイントが勝手に貯まるからETF投資に興味があれば凄くお得なんですよね。




docomoユーザーではない方も投資できますけれどdポイントが世の中に普及しているためどうせなら頂きたいですよね。またETFシェア率で言えばWealthnavi(ウェルスナビ)が最大規模になります。こちらは当サイト特典が付いているためお得です。




投資も複利があると助かるし面白みがあるため、小額から投資してみると楽しめると思います。仮想通貨にも投資していますがこちらはハラハラドキドキしっぱなしです。ボラティリティが大き過ぎますね。

類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
PER-倍PBR-倍
PER-倍PBR-倍
PER-倍PBR-倍

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2018年10月14日~2026年10月13日1,250,000株500円
2018年10月15日~2026年10月13日1,209,000株500円
2018年10月14日~2026年10月13日1,260,000株500円
2020年2月01日~2026年10月13日230,000株722円
2020年2月01日~2026年10月13日140,000株722円
2021年5月29日~2029年5月28日245,500株1,350円
2021年5月29日~2029年5月28日80,000株1,350円


ストックオプション(新株予約権)は上場時点で4,089,000株が行使期限に入るようです。ベスティング条件が付与されているため詳細を確認したい方は目論見又は有価証券届出書(新規公開時)の「新株予約権等の状況」をご確認ください。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。


ウイングアーク1st(4432)IPOの評価と申し込みスタンス

ウイングアーク1stIPOは個人的には不参加でよいと考えています。沿革によると1972年にヤマギワ工作所を設立したところからはじまり、翼システム情報企画事業部のソフトウェア事業を譲受け、他社株式取得や社名変更などを繰り返しています。


2010年には大阪証券取引所のジャスダック市場へ上場し、2012年2月に東京証券取引所の2部へも同時上場を行っています。2013年9月には完全上場廃止となっていることから短期間でごたごたが起こっているようです。


ウイングアーク1st(4432)IPOの評価


その後もごたごたが続き今回の再上場となります。この1年間で新たに帝国データバンクとSansan(4443)と資本提携を行っています。伊藤忠商事とは2年連続で資本業務提携を行っています。


同社の販売モデルはパートナーを介した間接販売が主となっており、大都市圏で大企業や官公庁の大型案件を得意とするSIerや地方を拠点とするSIer、特定領域に特化したコンサルティングファームやクラウドシステムの構築を専業とするクラウドSIer等多くのパートナー企業と契約しており、日本全国のシステム開発案件をカバーする販売網を構築しています。


ソフトウェアライセンスによる収益の他にも保守やサブスクリプション、クラウドなど継続契約を前提とした取引が発生するため収益が積み上がっていく構造になっています。


AIやIoT、ビッグデータやクラウド技術が加速化する中で同社の業績は好調となっているため事業には魅力があるのかもしれません。ただ、一方的に上場する感じがあり個人的には心配することが多いような気がしています。


初値買いする投資家よりも上場後しばらく時間が経過した段階で購入しても遅くはないでしょう。上場市場は東証1部になると思われますがスルー予定です。上場ラッシュでウイングアーク1stは選ばれないのでは?


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