東和ハイシステム(4172)のIPOがJASDAQに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事は野村證券が務め公開株数400,000株、オーバーアロットメント60,000株です。上場規模は想定発行価格2,180円から計算すると約10.0億円になります。


東和ハイシステム(4172)IPO上場承認
※東和ハイシステム公式サイト引用


歯科電子カルテ統合システムを提供し、タブレット端末(iPad)と連携させ電子カルテ機能やレセプト機能、インフォームドコンセント機能など歯科医院運営の利便性を高めるアプリケーションを開発・販売している企業です。


また西日本の歯科医をターゲットにし、地域密着型のサポートを行うそうです。本店は岡山県岡山市にあります。


創業42年になる老舗企業になり、ジャスダック上場のため安定企業のイメージがあります。初値は意外高になる気がしています。


東和ハイシステム(4172)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場JASDAQスタンダード
業種情報・通信業
事業内容歯科医院向け統合システム(電子カルテ・レセプト・各種アプリケーション等)の開発・販売
上場日12月25日
ブックビルディング期間12月09日~12月15日
想定価格2,180円
仮条件2,180円~2,300円
公開価格2,300円
初値結果5,300円(公開価格2.30倍)
企業情報https://www.towa-hi-sys.co.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人


【手取金の使途】

手取概算額391,120千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限120,336千円と合わせて、設備資金として①商品開発投資224百万円と②社内デジタル化推進63百万円の合計287百万円に、運転資金として③既存商品・サービスの機能向上推進93百万円に充当する予定であります。

①商品開発投資には、クラウドを活用した新商品・サービスの開発費として104百万円、システムの利便性向上を目的にAI(人工知能)機能及びこれに付随したデータ分析・顔認証を活用したシステム開発費として120百万円を、②社内デジタル化推進には、ハードウェア面の補強費用13百万円、社内ペーパーレス化推進の販売管理システム構築資金として50百万円を、③既存商品・サービスの機能向上推進としては、インフォームドコンセント機能の拡充を中心として2021年9月期に23百万円を、2022年9月期に70百万円を予定しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数200,000株
売出株数200,000株
公開株数(合計)400,000株
オーバーアロットメント60,000株
上場時発行済み株数2,168,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約47.3億円
幹事団野村證券(主幹事)
SBI証券
みずほ証券
SMBC証券
楽天証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券(PR)


東和ハイシステム(4172)上場評判とIPO分析

想定発行価格2,180円を基に吸収金額を算出すると約8.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約10.0億円規模の上場となります。


東和ハイシステムは、「人生もロマン、経営もロマン、無限の可能性に挑戦」を経営哲学として代表取締役である石井滋久氏が設立しています。


石井滋久氏は、「歯科医院の先生方の夢を叶えるお手伝いをしたい」との思いから、歯科医院向けシステムの研究開発・営業・サポートに取り組み、現在は「歯科電子カルテ統合システム Hi DentalSpirit XR-10i」を主力商品としています。


これまで歯科向けコンピューターでは、保険診療報酬の請求に係るレセプト機能、診療カルテを電子的な記録として管理運営する電子カルテ機能、患者に対するインフォームドコンセントに係る機能歯科医院の運営管理の効率化を推進する機能が、各々別個に運用されていました。


同社は電子カルテ機能とレセプト機能を備えた基幹システムに、タブレット端末を活用したインフォームドコンセント機能及び歯科医院の運営管理の効率化を推進する機能を融合させ、これらを一元的に管理・運営できるという意味で統合システムと呼称し独自開発しています。


東和ハイシステム(4172)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


同社のビジネスモデルは、仕入先メーカーから機器等を仕入れ、自社で開発したシステムを搭載することで商品とし、これを歯科医院に納品・販売しています。販売先である歯科医院は、原則としてリース契約を活用して支払いを行います。


歯科医院はリース会社とリース契約を締結し毎月のリース料を支払い、同社はリース会社より販売代金を受領しています。例外的にリース契約を活用しない場合は歯科医院から直接、販売代金を受領します。


東和ハイシステム(4172)IPOの電子カルテ商品
※有価証券届出書引用


商品のハードウェアに係る修理・保守については、顧客による実費負担となっています。ただし、顧客である歯科医院は、顧客が独自に結成している任意の互助会組織HMGに加入することで、ハードウェアの修理・保守に係る費用負担を受けることができます。


2020年10月31日現在、HMGへの加入は顧客3,135件中、3,110件となっています。


歯科医院向けシステムの研究開発からシステムサポートまでワンストップで提供しており、営業拠点は西日本を中心として本社を含め23ヶ所に配置し、全国で3,135件の歯科医院を顧客としているそうです。※2020年10月31日現在


東和ハイシステム(4172)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


東和ハイシステム(4172)の企業財務情報と配当性向

回次第41期第42期
決算年月2018年9月2019年9月
売上高2,041,4051,906,425
経常利益454,896386,356
当期純利益303,311237,420
資本金68,00068,000
純資産額2,245,6002,442,156
総資産額3,004,1232,800,234
1株当たり純資産額1,141.061,240.93
1株当たり当期純利益金額178.24120.64
自己資本比率(%)74.887.2
自己資本利益率(%)14.310.1
株価収益率(倍)
配当性向(%)11.717.3
営業活動によるキャッシュ・フロー290,400282,152
投資活動によるキャッシュ・フロー233,784297,379
財務活動によるキャッシュ・フロー83,601△384,064
現金及び現金同等物の期末残高1,174,6171,370,085
※数値は千円単位



第43期第3四半期累計期間(2019年10月01日~2020年6月30日)
  • 売上高1,461百万円
  • 営業利益362百万円
  • 経常利益375百万円
  • 四半期純利益239百万円



【第43期第3期のチェックポイント!】

歯科医療業界における新型コロナウイルス感染症の影響は、歯科治療が濃厚接触に該当するとの認識から、診療時間帯・診療スタッフの員数・診療方法などの見直しの契機となっています。このため非対面型や非接触型の精算方法や、スタッフの在宅勤務等にかかるニーズが注目されつつあり、一層のIT化が進展すると期待されています。

同社は集合研修の自粛の中、改定内容説明冊子及び説明動画を作成しこれを顧客に配布し、希望する顧客に対して個別に説明を行ってきたそうです。今回の新型コロナウイルス感染症の影響の程度を分析することも可能とする新商品「DoctorアシストPro」をリリースしています。


東和ハイシステム(4172)の株主状況とロックアップについて

会社設立は1978年3月01日、岡山市北区野田三丁目12番33号に本社を構えます。社長は石井滋久氏(1945年11月22日まれ)、株式保有率は53.11%(1,045,200株)です。


従業員数125人で臨時雇用者0人、平均年齢33.5歳、平均勤続年数7.4年、平均年間給与4,110円です。


セグメントは「歯科医院向けシステム事業」の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
石井 滋久1,045,200株53.11%
有限会社エス・イー704,400株35.79%
石井 恵美子76,800株3.90%
猪子 久美子45,600株2.32%
石井 滋雅31,200株1.59%
河野 圭哉19,200株0.98%
東和ハイシステム社員持株会15,600株0.79%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である石井滋久、売出人である石井恵美子、石井滋雅及び有限会社エス・イー並びに当社株主である猪子久美子、河野圭哉、上山政己、丹賢史、髙橋睦治、山﨑武恆、澤田盛繁、福井五郎、辻啓一及び渋谷泰弘は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年3月24日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。

また、当社株主である東和ハイシステム社員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年6月22日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等は行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には90日間(2021年3月24日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の設定はありません。


また、社員持株会に対して180日間(2021年6月22日まで)のロックアップが付与されています。


親引けは20,000株を上限として実施予定となっています。


東和ハイシステム(4172)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


想定発行価格を下限として仮条件範囲が2,180円~2,300円に決定しました。吸収額レンジは8.7億円~10.6億円になります。地合いの変化から初値予想が引き下げられているため驚くような利益にはならないようです。


同社が手掛けている歯科医院の電子カルテ普及率は60%台と低いようなので、開拓の余地があるそうです。しかしクラウドでサービスを提供してるわけではないため今後の費用なども気になるところです。


新型コロナウイルス感染症の影響がいつまで続くのかわかりませんが、歯科医が危機にさらされる可能性もないとは言えないでしょう。そのため想定している業績を今期も継続できるのかやや疑問が残ります。


大手初値予想4,000円~5,000円
修正値3,000円~3,500円

※注目度B


初値予想がかなり引き下げられているためIPO市場の勢いが気になります。同日上場となる3社の中で一番人気だと思いますが、買い上がるには材料不足なのかもしれません。既に企業として出来上がった感があるJASDAQ銘柄ですからね。


2021年9月期の業績予想は売上21.17億円となり前期比12.4%増、経常利益4.16億円になり前期比4.5%増になります。四半期利益は2.66億円で前期比8.6%増の予想が出ています。


EPS125.80からPERは18.28倍、BPS1,528.63からPBRは1.50倍になります。指標的には上値があると考えられます。また配当金が55円出ることになっており、配当利回りは2.39%になります。


今の市場環境であればPER25倍~30倍あたりはクリアーしてくると思います。※2020年12月08日時点


幹事名割当株数引受割合
野村證券(主幹事)352,000株88.00%
SBI証券20,000株5.00%
みずほ証券12,000株3.00%
SMBC日興証券12,000株3.00%
楽天証券4,000株1.00%


株数がOAを含めて46万株なので厳しい戦いでしょう。10億円規模の上場になるため公開価格割れはないと思います。連日上場でも軽く吸収すると思います。


野村證券は資金不要でIPO抽選に参加できるため落選覚悟で抽選に挑んでおきましょう!調べると多くの証券会社で同じ抽選方式を採用していました。これからIPOに参加される方は参考にしてください。




また、後期型抽選方式を採用している岩井コスモ証券では申し込み忘れが頻発します。2段階の抽選方式のためIPOラッシュ中は特に申込み忘れが増える傾向にあります。


私も入金しておき購入申込忘れをしていることがあるため皆さんも気を付けてください!詳しくは下記記事でまとめています。




IPO感覚で不動産投資型クラウドファンディングに参加する投資があります。Rimple(リンプル)で投資を行えば抽選による配分を受けることができます。また株主優待でポイントを貰えたりするため面白い企業だと思います。


永久不滅ポイントやハピスタ、モッピー等を利用することもできます。東証1部上場のプロパティエージェント(3464)が直接運営しているため安心感があります。実際に投資を行ってみた流れを下記にまとめています!




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
イメージ ワン(2667)PER105.71倍PBR2.26倍
ファインデックス(3649)PER88.24倍PBR10.86倍
ソフトマックス(3671)PER33.29倍PBR3.78倍
※2020年12月08日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
該当事項なし-株-円


ストックオプション(新株予約権)は該当事項がありません。そのため承認段階ではプラス材料になります。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


東和ハイシステム(4172)IPOの評価と申し込みスタンス

東和ハイシステムIPOは意外高になる可能性があるかもしれません。2020年に上場を行うIPOも残り少ないため10億円程度の吸収であれば容易でしょう。


東和ハイシステム(4172)IPOの評価
※東和ハイシステム公式サイト引用


ビジネスに新味はありませんが、今後はAI(人工知能)を活用した新商品や、クラウド基盤を経由した電子カルテ統合システムと各種のアプリケーションやツールとの連携を図ることを直近の目標としています。


新型コロナウイルス感染症の影響はあったようですが、実は追風も吹いているようです。


厚生労働省による「オンライン資格確認システム」の導入が推進されているため、一層の電子化の進展が見込まれると予想されるそうです。


歯科医院においては、従来のカルテ、レセプト、オンライン診療、経営分析等を医院運営の業務効率改善の観点から一元的に管理したいとする需要が高まると予想されているそうです。


クラウド基盤を活用した商品になるそうなので新開発商品に期待と言った感じですね。コロナ禍でも前期越えの経常利益になるようです。売上からは頭打ち状態だと感じます。


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