SANEI[サンエイ](6230)のIPOが再承認されました。前回は2020年3月に承認されていましたが、地合い悪化のため上場を中止していました。幹事構成や公開株数の変更は行われていませんが、想定発行価格の変更が行われています。
主幹事は前回と同じく大和証券が務め公開株数460,000株、オーバーアロットメント69,000株です。上場規模は想定発行価格2,050円から計算すると約10.8億円になります。
※サンエイ公式サイト引用
前回承認から殆ど内容の変更が行われていないようです。新型コロナウイルスの感染拡大による事業への影響については、現在のところ軽微だそうです。
ただ、同社製品は水回り製品となっていることから需要が見込めそうです。
感染防止対策となる非接触型水栓や「新しい生活様式」に対応した空間提案なども行うようです。問題は新規住宅着工件数の減少が予測されているため、日本の経済状況に影響されそうです。
IT系の企業だとコロナ禍でも増収増益となっている企業もありますが、多くの企業が影響を受けているはずです。
SANEI(6230)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | 東証2部 |
業種 | 機械 |
事業内容 | 給排水器具等の製造販売 |
上場日 | 12月25日 |
ブックビルディング期間 | 12月10日~12月16日 |
想定価格 | 2,050円 ※前回は2,200円 |
仮条件 | 2,050円~2,200円 |
公開価格 | 2,200円 |
初値結果 | 3,525円(公開価格1.60倍) |
企業情報 | https://www.sanei.ltd/ |
監査人 | ひびき監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額473,025千円及び「1 新規発行株式」の(注)5に記載の第三者割当増資の手取概算額上限130,381千円を合わせた手取概算額上限603,406千円については、岐阜工場における生産設備に係る設備投資に充当する予定
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 260,000株 |
売出株数 | 200,000株 |
公開株数(合計) | 460,000株 |
オーバーアロットメント | 69,000株 |
上場時発行済み株数 | 2,220,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約45.5億円 |
幹事団 | 大和証券(主幹事) 野村證券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 SBI証券 SMBC日興証券 |
委託見込 | SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
SANEI(6230)上場評判とIPO分析
想定発行価格2,050円を基に吸収金額を算出すると約9.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約10.8億円規模の上場となります。前回承認時よりも約7,900万円減額されています。サンエイグループは、同社と連結子会社(アクアエンジニアリング、大連三栄水栓有限公司、FULUSSO)の合計4社で構成され、給水栓・給排水金具・継手及び配管部材の製造・販売を主な内容としています。
給水栓とは単水栓、湯水混合水栓、止水栓、ボールタップ及び洗浄弁・洗浄水栓を総称するものです。同業他社は規模の違いはありますが約数十社あり、その中でも同社グループは水栓金具を専門で取り扱うメーカーです。
製品の主な特長としては、プロダクトデザイナーや、建築や空間を手掛けるデザイナーといった方にも積極的に協力いただき、従来とは異なる水栓を提案していることです。
インテリアを構成する素材の一つとして、その空間のコンセプトに調和するようなデザインの選択肢を提供する製品を揃えています。また、住まいやホテルの一般室で取り扱われていますが、スウィートルームやペントハウスなどの高級なゾーンでも採用される製品作りに力を注いでいるそうです。
この辺りは内容変更もなく前回と同じみたいですね。売上も横ばいが続いているため業績期待も難しそうです。
※有価証券届出書引用
生産拠点の展開としては、岐阜県各務原市に主力工場である岐阜工場、大阪府大阪市城東区に組立工程専門の鴫野工場、中国大連市に大連三栄水栓有限公司を持ち生産を行っています。
現在の生産工場展開状況は、岐阜工場を主力工場として位置付け、工場内には「鋳造→加工→研磨→鍍金→組立→出荷」と全工程を持ち、組立の鴫野工場、鋳造が中心の大連三栄水栓有限公司と連携して必要な生産数を確保しているそうです。
※有価証券届出書引用
同社は株主価値の増大に向け、グループ各社の収益性を高めることで、グループトータルで適正な利益を確保し、着実な成長を図ることを中長期的な目標としています。
また、安定配当が可能な収益を確保することにより、企業価値を高め、株主価値の最大化を図ることを経営課題にしています。
配当は70円予想と出ているため、想定発行価格算出の配当利回りは3.4%になります。悪くない数値だと思います!
ただし前回承認のデータを確認してみると配当が45円となっていました。配当維持ができるのかやや疑問もあります。
※有価証券届出書引用
SANEI(6230)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第59期 | 第60期 |
決算年月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
売上高 | 20,805,926 | 21,346,079 |
経常利益 | 938,064 | 1,095,716 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 608,972 | 726,550 |
包括利益 | 611,834 | 715,640 |
純資産額 | 8,237,469 | 8,894,309 |
総資産額 | 16,863,672 | 17,878,171 |
1株当たり純資産額 | 4,202.79 | 4,537.91 |
1株当たり当期純利益金額 | 310.70 | 370.69 |
自己資本比率(%) | 48.8 | 49.7 |
自己資本利益率(%) | 7.6 | 8.5 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 750,787 | 1,164,840 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △239,091 | △566,317 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △543,545 | △293,390 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 604,175 | 895,273 |
- 売上高103億59百万円
- 営業利益6億49百万円
- 経常利益6億56百万円
- 親会社株主に帰属する四半期純利益は4億57百万円
新型コロナウイルス感染症に対する活動制限により同社にも影響が出ているようです。新設住宅着工戸数は、4月~9月までの累計で41万4千戸(前年同期比11.3%減)となっています。
また、ECサイト販売がこれまで以上に増加すると考えられ、大手EC得意先を中心に、消費者のニーズをつかむ製品提案や販売企画の立案を強化していくことに注力するそうです。
営業面では、新型コロナウイルス対策として、センサー水栓などの非接触型水栓や操作する時に触る面積の小さいレバータイプの水栓の需要が高まっているようです。確かに非接触ツールは利用者に安心できると感じます。
SANEI(6230)の株主状況とロックアップについて
会社設立は1960年12月21日、大阪府大阪市東成区玉津1丁目12番29号に本社を構えます。社長は西岡利明氏(1958年7月14日生まれ)、株式保有率は760,000株%(38.78%株)です。従業員数647人で臨時雇用者126人、平均年齢40.2歳、平均勤続年数12.5年、平均年間給与4,710,000円です。2020年3月の承認時よりも正社員が増え、臨時雇用者が減っているようです。前回は「従業員数623人、臨時雇用者145人」でした。
セグメントは水栓金具事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
西岡 利明 | 760,000株 | 38.78% | ○ |
吉川 正弘 | 680,000株 | 34.69% | ○ |
吉川 弘二 | 100,000株 | 5.10% | ○ |
SANEI従業員持株会 | 100,000株 | 5.10% | ○ |
夏目 和典 | 60,000株 | 3.06% | ○ |
尼見 幸一 | 40,000株 | 2.04% | ○ |
岸田 敏雄 | 25,000株 | 1.28% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である西岡利明、売出人である吉川正弘及び吉川弘二、並びに当社の株主であるSANEI従業員持株会、夏目和典、尼見幸一、岸田敏雄、新田裕二、株式会社岡本製作所、株式会社坂井製作所、株式会社多喜プラスチック、株式会社田中工業、夏目明美、藤井義規、早川潔、江口裕章、安部慶尚、池田裕智、ヒフティー貿易株式会社、瀧勝巳、永川博和及び青山公一は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目(2021年6月22日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行
わない旨を合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には180日間(2021年6月22日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
親引けは前回同様に30,000株を上限として実施されます。ロックアップ条件も同じです。
SANEI(6230)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲は2,050円~2,200円となり想定発行価格から上限方向に引き上げられました。吸収額は9.4億円~11.6億円となり、IPOでは資金流入が見込めない東証2部でも初値利益が見込める水準だと考えています。
今期は減収減益となりますが、そもそも業績が横ばい水準の老舗企業です。多少減益でも業績はあまり関係ないかもしれません。株主も取引先がメーンとなっているため上場後も株価変動は少ないかもしれません。
修正値2,200円~2,500円
※注目度C
2021年3月期の業績予想では売上208.00億円となり前期比2.56%減、経常利益9.97億円となり前期比8.95%減となります。四半期利益は6.59億円となり前期比9.23%減を予想しています。
EPS325.10からPERは6.77倍、BPS4,499.42からPBRは0.49倍になります。多少上値があるような水準だと考えています。また、配当金が70円予定されているため配当利回りが3.18倍になります。
VC保有株はなくロックアップは180日間となるため、上場時点で公開株式数以外の株流通は少ないでしょう。気になるのは同日上場が3社あることくらいです。某社では割れる予想も出ているようです。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
大和証券(主幹事) | 368,000株 | 80.00% |
野村證券 | 46,000株 | 10.00% |
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券 | 23,000株 | 5.00% |
SBI証券 | 13,800株 | 3.00% |
SMBC日興証券 | 9,200株 | 2.00% |
利益が出るのかわかりませんが業績予想が減収減益となっています。そのため想定発行価格の引下げが行われているように思います。
株数を確認すると大和証券が80%の配分率となっています。当選を狙うのであれば大和証券からの申込みを行っておきましょう。
大和証券のIPO抽選方法と抽選ルールについて徹底的に調べてみました。これまでのIPO当選歴から口座開設を行っておくべき証券会社なのか考察します。 大和証券は主幹事を引受けることも多いためIPOで利益を上げたい方にお勧めで …
また、株式投資に困ったときには有料情報を手にしてみると取引の材料になると思います。IPO抽選にも参加できるDMM.com証券に口座を開設すると株式新聞が見れるようになります。
1年間購読すると本来は48,000円(税別)になりますが実は無料で見ることができます。上場直前の初値予想なども見れるため活用するメリットはあると思います。
株式新聞Web有料版を無料で購読できる方法を皆さんに伝授します。ある証券会社に口座を開設するだけで月額4,400円(税込)分の情報が無料になる方法があります。はっきり言って無料はあんまりだろ?と思いましたがDMM.com …
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券の委託幹事としてauカブコム証券でも取扱いが行われると思います。口座を開設している方は申込んでみると当選できるかもしれません。
もしかしたら2020年の最後を飾るIPOかもしれません。その際はご祝儀相場になる可能性があります!
auカブコム証券のIPOルールを詳しく調べてみました。同社は三菱UFJフィナンシャル・グループなので基本的には三菱UFJモルガン・スタンレー証券引き受け分をauカブコム証券に回します。 …
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
TOTO(5332) | PER57.7倍 | PBR3.05倍 |
LIXIL(5938) | PER35.97倍 | PBR1.34倍 |
KVK(6484) | PER8.14倍 | PBR0.71倍 |
前澤化成工業(7925) | PER21.14倍 | PBR0.40倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
該当事項なし | -株 | -円 |
ストックオプション(新株予約権)は前回同様に該当事項なしとなっています。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。SANEI(6230)IPOの評価と申し込みスタンス
SANEI[サンエイ](6230)のIPOはベンチャーキャピタル出資がありません。ロックアップも180日間となっていることで公開株式以外の株流通はなさそうです。※サンエイ公式サイト引用
事業内容は東証2部感がある銘柄だと思います。さらに売上拡大になることは状況的に難しそうなので、積極的にIPOに参加るような銘柄では本来ありません。
吸収額が少ないため初値利益を得ることはできると思いますが、年末最後のIPOであればプラス20%位の利益は見込めると思います。
同日上場が3社あるため資金分散が予想されます。ファンペップも少し気になりますね。公開価格割れはないと思うので積極的に当選を狙ってみたいと思います。
損失を出したくない方は抽選申込を控えたほうがよいかもしれません。年末IPOにたくさん当選していればスルーしても良さそうです。
目論見に「価格競争が熾烈な争い」と書かれていたため業績予想が少し気になっています。
未上場企業のセカンダリー投資がもうすぐ始まるようです!投資の幅を増やすためにファンディーノへの投資を検討してみては如何でしょうか?株式コミュニティを利用した未上場株の売買が年明けにも始まるよです!
IPOに当選できていない方は上場前の企業に投資を行う方法もあります。資金が豊富にあれば面白い投資だと思います。
株式投資型クラウドファンディング(ECF)のセカンダリー投資が始まろうとしています。日本ではまだ馴染みの少ない投資方法になるため参加者が限定されると思います。しかし長期的に考えた場合に魅力がある投資だと考えられます。 こ …
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