グローバルインフォメーション(4171)のIPOがJASDAQに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はエイチ・エス証券が務め公開株数500,000株、オーバーアロットメント75,000株です。上場規模は想定発行価格1,200円から計算すると約6.9億円になります。


グローバルインフォメーション(4171)IPO上場承認
※グローバルインフォメーション公式サイト引用


グローバルインフォメーション(4171)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場JASDAQスタンダード
業種情報・通信業
事業内容市場・技術動向調査レポートの販売、年間契約型情報サービスの販売、市場・技術動向調査の受託、国際会議・展示会の販売
上場日12月24日
ブックビルディング期間12月07日~12月11日
想定価格1,200円
仮条件1,110円~1,210円
公開価格1,210円
初値結果2,580円(公開価格2.13倍)
企業情報https://www.gii.co.jp/
監査人永和監査法人


【手取金の使途】

差引手取概算額122,000千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の差引手取概算額上限82,800千円を合わせて、①人材採用費、②マーケティング費用、③システム開発費、④子会社である株式会社ギブテックへの融資に充当する予定であります。具体的には以下のとおりであります。

①今後の事業拡大を目的とした人材採用に関する費用として、60,000千円
②検索エンジン連動広告、WEBバナー広告をはじめとしたWEBチャネルを活用した新たなマーケティング手法の探索及び導入費用として60,000千円
③業務の効率化を目的とした社内の基幹システムへの投資及び顧客利便性の向上に資するWEBサイトの改善費用として40,000千円
④子会社である株式会社ギブテックで製品在庫の製造及び仕入等に充てる運転資金のための融資資金として44,800千円

上記調達資金は、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数125,000株
売出株数375,000株
公開株数(合計)500,000株
オーバーアロットメント75,000株
上場時発行済み株数2,625,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約31.5億円
幹事団エイチ・エス証券(主幹事)
みずほ証券
SBI証券
岡三証券
マネックス証券
松井証券
楽天証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券
岡三オンライン証券


グローバルインフォメーション(4171)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,200円を基に吸収金額を算出すると約6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約6.9億円規模の上場となります。


同社グループは、グローバルインフォメーション及び非連結子会社である株式会社ギブテック(100%出資子会社)の合計2社で構成されています。


事業は市場調査レポート事業、年間情報サービス事業、委託調査事業、国際会議・展示会事業の4つに区分されます。


市場調査レポート事業及び年間情報サービス事業は設立当初から行っており、委託調査事業は、設立後1年以内に開始しています。国際会議・展示会事業については、2005年より本格的に開始しているそうです。


グローバルインフォメーション(4171)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


市場調査レポート事業は、特定の調査項目について、調査出版会社のアナリストが市場・技術動向の調査・分析を行い、市場規模・予測、テクノロジーのトレンド、規制風土、競合環境・市場シェア、参入状況等を体系的にまとめたレポートを仕入れし、販売する事業です。


市場規模のトレンド情報、将来予測、参入企業の製品シェア等の定量的なデータに加え、参入企業のSWOT分析情報等の定性的な内容についても記載されており、海外市場や新技術の調査の一環として提供しています。


グローバルインフォメーション(4171)IPOの事業系統図
※有価証券届出書引用


年間情報サービス事業は、年間単位で契約を締結し、継続的に市場・技術動向に関する情報を提供するサービスを販売する事業です。


オンラインデータベース型、サブスクリプション型、定期刊行型等、調査出版会社ごとにサービスの形態が異なりますが、常に対象テーマの最新情報を入手することが可能となっています。


グローバルインフォメーション(4171)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


委託調査事業は、既存の市場調査レポートでカバーしきれない顧客の調査ニーズに対して、カスタム調査を受託して実施する事業です。


顧客からの調査ニーズのヒアリングを行い、提携する調査出版会社から顧客調査ニーズに最適な会社を選定いたします。調査出版会社選定後は、調査の進捗管理を行い、調査完了まで顧客の委託調査実施をサポートします。


国際会議・展示会事業は、世界各地で行われる国際会議・展示会への参加者を募集する事業です。


国際会議・展示会には、各産業界のリーダーが多く参加し、業界内の最新情報の入手やネットワーキングに最適な機会となります。


同社は国際会議・展示会主催者が主催するイベントの英語版WEBページを日本語、韓国語、中国語それぞれの言語に翻訳して提供しており、必要な情報を容易に入手することができます。


グローバルインフォメーション(4171)の企業財務情報と配当性向

回次第24期第25期
決算年月2018年12月2019年12月
売上高2,363,8322,309,627
経常利益321,376342,528
当期純利益219,606229,138
資本金21,50021,500
純資産額790,606998,872
総資産額1,495,3381,732,474
1株当たり純資産額316.06399.37
1株当たり当期純利益金額87.8491.66
自己資本比率(%)52.857.6
自己資本利益率(%)29.525.6
株価収益率(倍)
配当性向(%)11.417.5
営業活動によるキャッシュ・フロー218,715281,649
投資活動によるキャッシュ・フロー49,897137,818
財務活動によるキャッシュ・フロー△203,186△79,270
現金及び現金同等物の期末残高921,3031,243,776
※数値は千円単位



第26期第3四半期累計期間(2020年1月01日~2020年9月30日)
  • 売上高は1,533,374千円
  • 営業利益は217,617千円
  • 経常利益は235,521千円
  • 四半期純利益は187,387千円



【第26期第3期のチェックポイント!】

商品面においては、新規仕入先の開拓を積極的に推し進める一方で、取扱商品数の増加に対応するため、翻訳業務のさらなる自動化・効率化に注力しています。販売面においては、ダイレクトメール等のマーケティング活動の見直しや顧客対応のオンライン化等の取り組みにより、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を低減することに努めてきました。

しかし、感染症の蔓延により業績に対する影響は予定されていた会議・展示会のキャンセル又は延期という形で2月頃より国際会議・展示会事業に現れ始め、緊急事態宣言が発令された4月以降はその他の事業にも影響が及び、売上高及び営業利益が当初の計画を下回る状況が続いたため、8月に年度予算の修正を実施しております。


グローバルインフォメーション(4171)の株主状況とロックアップについて

会社設立は1995年1月04日、神奈川県川崎市麻生区万福寺一丁目2番3号アーシスビル7階に本社を構えます。社長は小野悟氏(1947年9月10日生まれ)、株式保有率は41.62%(1,150,000株)です。


従業員数45人で臨時雇用者18人、平均年齢47.0歳、平均勤続年数10.6年、平均年間給与5,858,787円です。


セグメントは「市場、技術動向に関する情報提供事業」の単一セグメントです。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
小野 悟1,150,000株41.62%
小野 優子750,000株27.14%
田野 聡美150,000株5.43%
樋口 めぐ美150,000株5.43%
株式会社いちとせ150,000株5.43%
株式会社エルワイアール150,000株5.43%
樋口 荘祐150,000株5.43%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ賃貸人である小野悟、売出人である小野優子、当社株主である田野聡美、樋口めぐ美、株式会社いちとせ及び株式会社エルワイアールは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年6月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く)等を行わない旨合意しております。

また、当社の役員かつ新株予約権者である杜山悦郎、栗崎俊紀、樋口荘祐、久富有道及び元田達弥は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年6月21日までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した株式の売却等を行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2021年6月21日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


新株予約権者にも180日間のロックアップが付与されています。


親引けはありません。


グローバルインフォメーション(4171)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が1,110円~1,210円に決定しました。吸収レンジは5.6億円~7.0億円と小規模のままです。


評価がしずらい企業だと思いますが、吸収額が小さいため初値2倍は狙えると考えています。大手予想では初値持越しになる価格帯が予想されています。


大手初値予想3,000円~5,000円
修正値2,400円~3,000円

※注目度B


今期業績は減収減益となりコロナの影響を受けているとされています。設立から25年以上経つジャスダックIPOになり事業の勢いは感じられません。


ただベンチャーキャピタル出資がなくロックアップ180日間となっていることで、需給の心配はないと思います。どちらかと言えば大量の買い需要が発生し初値2.3倍あたりが勝負どころだと考えています。


長期的に考えると成長性が感じられないため面白みのない株なのかもしれません。市場調査リポート事業が売上の77%を占めていることから一定の需要が毎年発生する企業だと思います。


日経平均が大きく崩れない限り参戦してくる投資家が多いと考えられ、需給逼迫になるようです。どうでしょうね。


2020年12月の業績予想は売上20.12億円で前期比12.9%減、経常利益2.50億円で前期比26.9%減となります。四半期利益は2.01億円で前期比12.2%減となる予想が出ています。


コロナで一時的な減収であることを願いたいと思います。EPS80.44からPER15.04倍、BPS487.51からPBR2.48倍になります。配当が30円予定されており、配当利回りが2.48%になります。


上場日が12月24日なので28日の権利付き日を超えれば配当が貰えます。配当狙いの買いは少ないでしょうね。公募組は利益が見込めそうです!


幹事名割当株数引受割合
エイチ・エス証券(主幹事)430,000株86.00%
みずほ証券25,000株5.00%
SBI証券25,000株5.00%
岡三証券5,000株1.00%
マネックス証券5,000株1.00%
松井証券5,000株1.00%
楽天証券5,000株1.00%


久しぶりのエイチ・エス証券主幹事案件です。前受け金不要なのでとりあえず申し込みを行っておきましょう!松井証券も前受け金不要でIPO抽選に参加できるため申込だけ行っておきましょう。




さらに岡三オンライン証券も岡三証券の委託経由でIPO抽選に参加できると思います。できるだけ多くの証券口座から抽選に参加しておきましょう。





類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
デジタルホールディングス(2389)PER11.93倍PBR1.81倍
博報堂DYホールディングス(2433)PER45.14倍PBR1.97倍
電通グループ(4324)PER76.52倍PBR1.09倍
※2020年12月04日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2018年8月18日~2028年7月31日150,000株238円
2020年8月01日~2028年6月30日111,200株238円
2021年1月01日~2028年6月30日2,200株238円


ストックオプション(新株予約権)は261,200株が行使期限に入っています。ただし新株予約権者のにはロックアップが掛かります。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


グローバルインフォメーション(4171)IPOの評価と申し込みスタンス

グローバルインフォメーションIPOは初値高騰になると思いますが、その後の値動きがやや心配です。


業績に勢いが感じられず業種が「情報・通信業」とはいえ、企業成長を考えると心配な面がありそうです。


グローバルインフォメーション(4171)IPOの評価
※グローバルインフォメーション公式サイト引用


競合他社を調べると、技術動向に関する情報提供事業の業界において、近年は国内外両方で多くの同業他社が出現しており、価格競争が激しくなってきているそうです。


また同社WEBサイトで商品に関するページ閲覧を行った後に、顧客の問合せから商談に発展するケースが大半となっているそうです。そのため、インターネット上の検索エンジンによる集客がポイントとなります。


日本本社以外に海外5ヶ所(韓国、台湾、米国、シンガポール、ベルギー)に拠点を設置し、多くの商品を海外の調査出版会社からUSドル、ユーロ、ポンド等の現地通貨建てで仕入れているそうです。


そのため、顧客に対しては、調査出版会社の提示価格を、販売を行う国の現地通貨に当日の為替レートで換算した価格で販売しているそうです。


IPOではあまり好まれない気もしますが、公開価格割れするような銘柄ではないため全力申し込みでよさそうです!


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