T.S.I[7362](ティーエスアイ)のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事は野村證券が務め公開株数400,000株、オーバーアロットメント60,000株です。上場規模は想定発行価格1,550円から計算すると約7.1億円になります。


高齢化社会は切実な問題のため需要が見込める反面、新型コロナウイルス感染症が怖いと感じます。


T.S.I(7362)IPOの初値予想と上場
※ティーエスアイ公式サイト引用


T.S.Iの目論見にも書かれていますが、高齢者向け住宅でクラスターが発生した場合は、一定期間売上が減少する可能性があり、その後の営業活動に際しては風評リスクが発生することも考えられるそうです。


クラスターはないと思いますが上場日までに多少リスクがあるように思います。上場規模や業績などに問題はないと感じます。


ただ介護事業所の倒産件数は過去最高を更新し人材の問題も抱えています。私の周りにも介護事業所などで働いている方が多くいますが、給与と労働の問題を常に抱えていると感じます。


同社の本社は京都市にあり、従業員の給与平均は約366万円のようです。仕事に見合った内容なのかはわかりませんが、私が住んでいる熊本よりは高いようです。田舎ですからね。


T.S.I(ティーエスアイ)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種サービス業
事業内容サービス付き高齢者向け住宅の建築及び介護サービスの提供
上場日3月19日
ブックビルディング期間3月03日~3月09日
想定価格1,550円
仮条件1,700円~2,000円
公開価格2,000円
初値結果4,000円(公開価格2倍)
企業情報https://www.t-s-i.jp/
監査人PwC京都監査法人


【手取金の使途】

手取概算額419,800千円については、連結子会社への投融資として充当する予定であり、具体的には、連結子会社である株式会社北山住宅販売において、新規拠点の土地取得及び自社物件の建物建築等のための設備資金として、2021年12月期に223,000千円、2022年12月期に196,800千円を充当する予定であります。

また、具体的な充当時期までは安全性の高い金融商品等で運用する予定

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数300,000株
売出株数100,000株
公開株数(合計)400,000株
オーバーアロットメント60,000株
上場時発行済み株数1,528,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約23.7億円
幹事団野村證券(主幹事)
大和証券
SMBC日興証券
SBI証券
西村証券
東海東京証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券(PR)


T.S.I(ティーエスアイ)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,550円を基に吸収金額を算出すると約6.2億円となり、オーバーアロットメントを含めると約7.1億円規模の上場となります。業績が拡大傾向にあるためIPOでも期待が持てそうです。


グループ企業は、T.S.I社及び連結子会社である株式会社北山住宅販売で構成されています。社名は「Terminalcare Support Institute」の略であり、「終末期ケアの支援機関」を意味しているそうです。


同社は日本の超高齢社会において在宅独居高齢者の孤独死、要介護者の在宅生活の限界と特養の入所待機者の解消という社会課題を解決するため、「サービス付き高齢者向け住宅」の運営、「訪問介護/介護予防・日常生活支援」及び「居宅介護支援」を行っています。


同社グループの事業セグメントは、高齢者住まい法に基づくサービス付き高齢者向け住宅の運営、及び介護保険法に基づく訪問介護、居宅介護支援等を行う「介護事業」、並びに同社が運営するサービス付き高齢者向け住宅アンジェスの建築請負を行う「不動産事業」で構成されています。


自宅で看取られたいと望む高齢者が安心して住める住まいと介護サービスを提供することを目的に、サービス付き高齢者向け住宅を「設計・建築・運営」まで一気通貫して提供しているそうです。


T.S.I(ティーエスアイ)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


サービス付き高齢者向け住宅とは、医療体制がしっかり整っている「医療特化型」、介護体制がしっかり整っている「介護特化型」、入居時費用等が高額かつ高所得者層を対象とする「高級志向型」、自立度が高い方向けに最低限のサービスのみ提供する「高齢者一般向け」等があるそうです。


その中でもT.S.Iは「介護特化型」に当てはまるそうです。


基本的にサービス付き高齢者向け住宅の1階事務所部分に訪問介護事業所、居宅介護支援事業所を併設させた形で、24時間施設に人員を配置し看取りまで対応を行うなど、要介護2~3程度の介護が必要な方を主たる顧客層と想定した運営を行っています。


T.S.I(ティーエスアイ)IPOの事業拠点数
※有価証券届出書引用


利用者は、同社が運営するサービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」に賃貸借契約を締結して入居します。


サービス付き高齢者向け住宅は、様々なサービスを提供することが可能ですが、現在は住まいの提供、生活支援サービス、食事の提供に加え訪問介護事業、居宅介護支援事業によるサービス提供をしています。


生活支援サービスでは、安否確認及び機能訓練も意識したレクリエーションを毎日実施しています。希望者や必要な方には、生活支援サービスのオプション対応として、有償での介護の提供も行います。


同社では、サービス付き高齢者向け住宅を建築されるオーナーから委託を受けて、サービス付き高齢者向け住宅の運営及び入居者に対するサービスの提供も行います。


T.S.I(ティーエスアイ)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


同社は京都府、滋賀県を中心に岡山県、静岡県、兵庫県、愛知県、神奈川県にサービス付き高齢者向け住宅「アンジェス」を展開し、基本的に「アンジェス」に併設する形で、訪問介護事業所「ケアステーションあんじぇす」、居宅介護支援事業所「ケアプランセンターえんじゅ」を開設しています。


また、新たな都道府県にて事業進出後、その周辺に複数拠点を開設するドミナント戦略を行い、戦略を持って事業拡大を行っているそうです。


料金体系では厚生年金受給額を考慮した料金設定となり、令和2年度の厚生年金の平均受給額220,724円に対して、「アンジェス」シリーズの毎月の生活費は1人89,000円(食費の月額45,000円を除いた金額)と、ほぼ年金の範囲内で無理のない生活を送ることができることを目指しているそうです。


サービス付き高齢者向け住宅では月額利用料の他に、訪問介護を利用した場合は訪問介護サービス利用に係る自己負担分の費用が発生します。利用者によっては、生活支援サービスの有料オプションサービスを利用される場合もあるそうです。


T.S.I(ティーエスアイ)の企業財務情報と配当性向

回次第9期第10期
決算年月2018年12月2019年12月
売上高2,172,3162,385,476
経常利益60,693107,219
親会社株主に帰属する当期純利益78,29776,503
包括利益78,29776,503
純資産額58,546135,049
総資産額1,543,2732,067,167
1株当たり純資産額47.68109.98
1株当たり当期純利益金額63.7662.30
自己資本比率(%)3.86.5
自己資本利益率(%)403.679.0
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△42,331192,109
投資活動によるキャッシュ・フロー△3,487△360,655
財務活動によるキャッシュ・フロー43,912317,641
現金及び現金同等物の期末残高260,670409,766
※数値は千円単位



第11期第3四半期連結累計期間(2020年1月01日~2020年9月30日)
  • 売上高2,243,812千円
  • 経常利益118,066千円
  • 親会社株主に帰属する当期純利益81,568千円
  • 包括利益81,568千円



【第11期第3期のチェックポイント!】

当期のサービス付き高齢者向け住宅の運営状況は、2020年3月に静岡県焼津市に拠点を開設し、2020年6月に愛知県一宮市に開設した拠点では事業計画値を上回る入居ペースで推移しています。

当第3四半期連結累計期間では営業体制の立て直し、経営上の重要指標の強化等を行い、経営成績は計画を上回る形で着地しています。稼働率も当期の段階で22棟688室の全社稼働率は92.6%、開設後1年以上経過拠点に限っては稼働率が97.2%となっているそうです。

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、多くの企業で営業自粛が求められましたが、介護業界では利用者やその家族が健やかに生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、政府・自治体より事業継続要請が出ていたそうです。


T.S.I(ティーエスアイ)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2010年2月02日、京都市西京区桂南巽町75番地4に本社を構えます。社長は北山忠雄氏(1954年9月26日生まれ)、株式保有率は53.58%(658,000株)です。


従業員数260人で臨時雇用者132人、平均年齢45.8歳、平均勤続年数2.6年、平均年間給与3,675,727円です。


連結会社のセグメント別従業員数は、介護事業243人(臨時130人)、不動産事業8人(臨時0人)、全社共通17人(臨時2人)となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
北山 忠雄658,000株53.58%
北山 優吾128,000株10.42%
北山 千賀子100,000株8.14%
北山 裕美100,000株8.14%
北山 雄三100,000株8.14%
北田 翔士30,000株2.44%
北山 由紀子25,000株2.04%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である北山忠雄、並びに当社株主である北山優吾、北山千賀子、北山裕美、北山雄三、北山由紀子、吉国潤子、中村眞里、髙岡まり子、三宅裕介、北山英一及び日原直人は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年6月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。

当社株主である北田翔士、平田勇介、松嶋美智子、横田和恵、宇野亜沙美、福村高志、藤井清史、永島栄子、小林由佳、片山崇、横田裕之、井筒大輔、丹羽孝介、山下貴洋、清水美智代、梅原源文及び和田浩興は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年6月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く)を行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



株主には90日間(2021年6月16日まで)のロックアップが付与されています。一部の株主は発行価格の1.5倍以上でロックアップ解除となっています。


株主名簿から北山家に大きな資金が流れ込むと推測されます。ベンチャーキャピタル出資や金融機関の保有株はありません。


親引けの設定もありません。


T.S.I(ティーエスアイ)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が1,700円~2,000円に上振れし吸収額は6.8億円~9.2億円になります。機関投資家からの人気が高く初値が高くなる見込みだそうです。時価総額は26.0億円~30.6億円になります。


高齢者居住施設の需要が年々高まる中で同社の成長は目を見張るものがあります。利益が出る水準にまで事業拡大を行いこれから業績期待できる可能性が高いようです。


サービス付き高齢者向け住宅は建設子会社がグループ内にある事でコスト削減ができると考えられます。


大手初値予想3,000円~5,000円
修正値4,000円~5,000円

※注目度B


ただし類似企業の指標がバラバラなので注意が必要のようです。高PERでも成長期待が先行すれば買われる可能性が高いようです。指標的にはPER30倍あたりが妥当のようです。


北山一族と思われる株主構成となっているため公開株以外の株流通は少ないと思います。個人投資家には人気が低く機関投資家好みとなっていますが、果たして機関投資家が購入するのか?という疑問もあります。


上場規模が小さいことで初値が飛ぶ条件はそろっていますが、機関投資家が買うにはサイズが小さすぎます。個人投資家の多くは同日上場のココナラ(4176)に集中する気がしています。


2021年12月の連結業績予想は売上33.24億円となり前期比13.4%増、経常利益1.63億円となり前期比21.6%増の予想が出ています。四半期利益は1.24億円となり前期比21.6%増と好調のようです。


公開価格が2,000円に決定した場合のPERは23.57倍、PBRは3.54倍になります(EPS84.87、BPS565.41)


上場当日の気配は4,600円が上限になるため初値持越しの可能性もあると予想しているようです!!


幹事名割当株数引受割合
野村證券368,000株92.00%
大和証券8,000株2.00%
SMBC日興証券8,000株2.00%
SBI証券8,000株2.00%
西村証券4,000株1.00%
東海東京証券4,000株1.00%


株数から考えると野村證券からの申込みを優先させたほうがよさそうです。資金不要でIPO抽選に参加できるため申込を行っておきましょう。当選後に入金すればよいため非常に楽な証券会社です。


ただ競争倍率も高いため当選できたらラッキー程度に考えておきましょう!2021年も当選できるように私も頑張りたいと思います。1回の当選で数十万円の利益が出る可能性が常にありますからね。詳しくは下記記事でまとめています。




ネット抽選からの申込みは今回厳しいと思いますが、東海東京証券の口座も開設しておきましょう。主幹事を引受ける時があるため侮れない証券会社です。主幹事をする際に公開価格割れしないイメージが個人的にあります。


大型の上場時に幹事に入る場合も申込を行っておいたほうがよいです。中部地方にある企業の主幹事を引受けることが多い証券会社となっています。




また、PayPay証券の口座開設の準備はできていますか?みずほ証券が主幹事を引受ける場合に取扱いが行われる見込みになっています。社名を2021年2月01日変更しているためそろそろ取扱い期待ができると考えています。


競争相手が少ないうちに当選できれば嬉しいですよね。ということでIPOルールをまとめてみました。よかったら参考にしてください。既に公開されている内容です!




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
セントケア・ホールディング(2374)PER16.07倍PBR2.16倍
チャーム・ケア・コーポレーション(6062)PER27.61倍PBR4倍
ユニマット リタイアメント・コミュニティ(9707)PER72.76倍PBR0.73倍
※2021年3月03日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
該当事項なし-株-円


ストックオプション(新株予約権)は該当事項なしとなっています。


上場に際しての売出し株は代表取締役社長の北山忠雄氏1人となっています。その他は公募によるものです。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


T.S.I(ティーエスアイ)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

T.S.I(ティーエスアイ)のIPOは高齢化社会と言った「テーマ性」があるため、通常であればある程度人気だと考えられます。


問題はコロナ禍にあることですよね。万が一クラスターが発生すれば大きな損失が出るはずです。そのため投資家が意欲的に参戦してくるのかが焦点でしょう!


コロナの他にもインフルエンザやノロウイルスなど問題がありますが、今はコロナ一色だと思います。


T.S.I(ティーエスアイ)IPOの評価
※ティーエスアイ公式サイト引用


とは言え、事業が拡大傾向にあるため公開価格割れはないと思います。そもそも吸収額が低いため利益見込みは強いでしょう。


高齢化社会や超高齢化社会が今後待っているとされているため競合も増えているようです。介護関連ビジネス市場は今後も拡大が予測されているそうですね。逆に倒産している企業も出ているため実力ある企業しか生き残らないと考えられます。


有利子負債を調べると第11期第3四半期連結会計期間末時点における有利子負債残高は1,456,208千円、有利子負債依存度は71.5%となっていました。


損益分岐点はわかりませんが何らかの理由で稼働率が下がると経営に大きな影響があると考えられます。


これまでの個人的な経験ではT.S.IのIPOは公開価格割れせず利益が見込めると考えています。というか申込者が少なければ当選のチャンスだと考えています。


コロナが初値にどう影響するのか?と心配していますが、野村證券主幹事なので当選した後に購入するのか考えてよいと思います!!


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