かっこ(4166)のIPOが東証マザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はSBI証券が務め公開株数250,000株、オーバーアロットメント37,500株です。上場規模は想定発行価格1,890円から計算すると約5.4億円になります。


上場規模が小さく事業もIPOでは人気のため初値高騰が予想されます!


かっこ(4166)IPO上場承認
※かっこ公式サイト引用


EC市場の継続的成長及びオンライン決済における不正被害の急増、法規制等の不正対策に対する社会的要請の高まりといった事業環境にあるため、同社主力製品である「O-PLUX」のニーズはますます高まると自負しています。


「O-PLUX」はこれまで主にECにおける物販分野においてサービス提供していましたが、旅行業界やチケット業界、デジタルコンテンツ等のWebサービス業界に特化した新たなサービスの提供を開始し定評のようです。


海外競合製品が日本市場へ参入し、競争が一段と激化してきているため信用の面で導入が決定することもあるでしょう。


また、不正の多様化及び複雑化により不正検知に求められる精度や品質が今後より高度化していくものと予測されています。


かっこ(4166)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容データサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウェアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援する「SaaS型アルゴリズム提供事業」
上場日12月17日
ブックビルディング期間12月02日~12月08日
想定価格1,890円
仮条件1,860円~2,020円
公開価格2,020円
初値結果7,890円(公開価格3.91倍)
企業情報https://cacco.co.jp/
監査人仰星監査法人


【手取金の使途】

手取概算額418,006千円及び「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限65,205千円については、①不正検知サービスにおけるシステムのアーキテクチャ(注1)刷新等に伴うソフトウエア開発、②決済コンサルティングサービスにおける後払い決済システム(注2)に係るソフトウエア開発、③借入金及び社債の返済に充当する予定であります。

①不正検知サービスにおけるシステムのアーキテクチャ刷新等に伴うソフトウエア開発
当社の中核サービスである不正検知サービスにおいて提供する、ECにおける注文データを分析することで、代金未回収となり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型の不正注文検知サービス「O-PLUX」に関して、サービス品質の向上、保守性の向上、コスト削減等を目的としたアーキテクチャ刷新等に伴うソフトウエア開発の設備投資資金として、2021年12月期に107,200千円の充当を予定

②決済コンサルティングサービスにおける後払い決済システムに係るソフトウエア開発
当社の決済コンサルティングサービスにおいて提供する、後払い決済システムに関して、SaaS型の提供による利用拡大を目的としたシステム開発等の設備投資資金として、2021年12月期に55,000千円の充当を予定

③借入金及び社債の返済
運転資金及び設備投資資金として調達した借入金及び社債の返済資金として2021年12月期に321,011千円の充当を予定

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数245,000株
売出株数5,000株
公開株数(合計)250,000株
オーバーアロットメント37,500株
上場時発行済み株数2,582,081株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約48.8億円
幹事団SBI証券(主幹事)
SMBC日興証券
みずほ証券
あかつき証券
岩井コスモ証券
岡三証券
極東証券
静銀ティーエム証券
東洋証券
松井証券
マネックス証券
水戸証券
楽天証券
委託見込岡三オンライン証券
SBIネオモバイル証券


かっこ(4166)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,890円を基に吸収金額を算出すると約4.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約5.4億円規模の上場となります。上場規模が小さくIPOとして魅力があります。


同社はインターネット・スマートフォンの普及に伴うECビジネスの拡大の一方で、不正利用者が増加するであろうことに着想し、一過性のコンサルティングではなく、継続的に利用できるシステムを提供することを事業にしています。


増加する不正利用を食い止めることができ、安全なECの発展を支援することで社会貢献ができると考え、2011年1月に会社設立を行っています。


同社が有するデータサイエンスの技術とノウハウをもとに、アルゴリズム及びソフトウエアを開発・提供することで、企業の課題解決やチャレンジを支援する「SaaS型アルゴリズム提供事業」を展開しています。


特にEC分野において、近年急増するオンライン決済での不正対策として、代金未払いとなり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型サービス「O-PLUX(オープラックス)」を主力製品とする「不正検知サービス」を展開しており、事業の中核サービスと位置づけているそうです。


かっこ(4166)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


また、不正検知サービスとシナジー効果を発揮するサービスとして、クレジットカード等を用いずに、商品の受け取り後に支払いができる後払い決済を提供する後払い決済事業者に向けて、システム提供及びコンサルティングを行う「決済コンサルティングサービス」を展開しています。


後払い決済の審査エンジンとして「O-PLUX」をご利用いただくことで、ワンストップのサービスを提供できるそうです。


かっこ(4166)IPO事業系統図
※有価証券届出書引用


加えて、SaaS型アルゴリズム提供事業をEC分野のみならず、小売・流通業や製造業をはじめとした様々な分野において展開するべく、マーケティングや生産効率向上等に資するアルゴリズムを開発・提供する「データサイエンスサービス」を展開しています。


「O-PLUX」は、ECにおける注文データを分析することで、代金未回収となり得る注文をリアルタイムに検知するSaaS型の不正注文検知サービスです。


AI・統計学・数理最適化といったデータサイエンスの技術で独自の検知モデルを構築し、日本語独特の表記ゆれを名寄せする正規化機能や、注文のあった端末を特定するデバイス認証機能などの機能により、単純なブラックリスト照合や担当者の目視による審査ではなしえなかった検知精度を実現します。


かっこ(4166)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


同社の決済コンサルティングサービスは、主に後払い決済を提供する後払い決済事業者に向けて、後払い決済に関するノウハウをもとに、決済システムの提供及び後払い決済事業の立上げ・運用のコンサルティングを行っています。


後払い決済は、購入者にとって利便性が高い一方、それを提供する後払い決済事業者にとっては、代金未払い等の回収リスクが高く、高精度な審査が不可欠となるため、「決済コンサルティングサービス」の提供とともに、後払い決済の審査エンジンとして「O-PLUX」を利用することで、後払い決済の構築をワンストップで支援しています。


データサイエンスサービスは、マーケティングや業務生産性などの課題に対し、企業が保有するビッグデータを、AI、統計学、数理最適化等データサイエンスにおける最適な技法を用いて分析し、アルゴリズムを開発・提供するサービスです。


かっこ(4166)の企業財務情報と配当性向

回次第8期第9期
決算年月2018年12月2019年12月
売上高720,064745,680
経常利益81,26091,499
当期純利益80,569114,488
資本金372,651100,000
純資産額378,987494,266
総資産額629,619894,691
1株当たり純資産額160.75210.08
1株当たり当期純利益金額34.4748.99
自己資本比率(%)59.754.9
自己資本利益率(%)24.026.4
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー50,40173,548
投資活動によるキャッシュ・フロー43,611△112,221
財務活動によるキャッシュ・フロー△585110,824
現金及び現金同等物の期末残高517,860590,011
※数値は千円単位



第10期第3四半期累計期間(2020年1月01日~2020年9月30日)
  • 売上高は619,329千円
  • 営業利益128,345千円
  • 経常利益121,050千円
  • 四半期純利益129,081千円



【第10期第3期のチェックポイント!】

不正アクセス検知サービス「O-motion」においては、日本ヒューレット・パッカードの提供する多要素認証基盤IceWall MFAとの連携を完了させるなど、機能充実を図りつつ引き続き多分野での販路開拓に取り組んでいます。その他、後払い決済に関するシステム提供及びコンサルティングを行う決済コンサルティングサービスや、AI、統計学、数理最適化等データサイエンスにおける最適な技法を用いて分析し、アルゴリズムを開発・提供するデータサイエンスサービスを提供しています。

また、オウンドメディアの立ち上げ等マーケティング活動による認知度向上及び新規顧客開拓に努めています。さらに2020年5月には旅行、チケット、Webサービスの各業界に特化した不正検知サービスの提供を開始したそうです。


かっこ(4166)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2011年1月28日、東京都港区元赤坂一丁目5番31号に本社を構えます。社長は岩井裕之氏(1971年9月15日生まれ)、株式保有率は19.66%(523,176株)です。


従業員数26人で臨時雇用者10人、平均年齢34.1歳、平均勤続年数3.6年、平均年間給与5,603,289円です。


セグメントはSaaS型アルゴリズム提供事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
岩井 裕之523,176株19.66%
Symbolキャピタル合同会社465,000株17.48%
中沢 雄太247,803株9.31%
SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合229,200株8.61%
亀山 誠225,588株8.48%
みずほ成長支援投資事業有限責任組合173,685株6.53%
関根 健太郎137,928株5.18%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である岩井裕之並びに当社株主であるSymbolキャピタル合同会社、中沢雄太、亀山誠、中山勝史及び川口祐介は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年6月14日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。

また、当社株主であるSMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合、みずほ成長支援投資事業有限責任組合、Fin Techビジネスイノベーション投資事業有限責任組合、MSIVC2012V投資事業有限責任組合、 ~省略~ SBIベンチャー企業成長支援投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年3月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く)等を行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2021年6月14日まで)のロックアップが付与されています。また、VC等に対しては90日間(2021年3月16日)のロックアップとロックアップ解除倍率1.5倍が設定されています。


この他、新株予約権を保有する株主に対して180日間(2021年6月14日まで)売却等を行わない合意を行っています。


親引けはありません。


かっこ(4166)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲は1,860円~2,020円になり上振れとなっています。吸収レンジは4.7億円~5.8億円と規模も小さく初値高騰になることが予想されます。同日5社上場となっていることが残念です。さらに翌18日も上場が2社となっていることから日程に恵まれないようです。


それでも初値期待は高く大手初値予想は下記のようになります!


大手初値予想4,000円~5,000円
修正値4,600円~6,000円

※注目度B


最低でも初値2倍はクリアーしてくると思いますが、修正値でさらに上方修正されるはずです。IPOチャレンジポイントをつぎ込む投資家は少ないかもしれませんね。セカンダリーがやや弱い状況が続いているためです。


2020年12月の業績予想は売上8.1億円で前期比8.5%増、経常利益9,100万円で前期同値、四半期利益は9,600万円となり前期比15.8%減の予想が出ています。意外と業績が伸び悩み状態のようです。


EPS41.03からPER49.23倍、BPS388.81からPBR5.20倍になります。株主優待や配当はありません。


事業規模は小さめですが、公開株式数が少ないため初値高騰につながるIPOだと思います。ストック収益期待となりますがVC保有が多いため初値伸び悩みとなることが予想されるようです。


地合いが不安定にると初値2倍程度が予想されます。強烈な買い需要が戻れば初値3倍~4倍はクリーアしそうです。公開価格割れはないと思われるため抽選参加スタンスは全力でしょう!


幹事名割当株数引受割合
SBI証券(主幹事)212,400株84.96%
SMBC日興証券6,300株2.52%
みずほ証券6,300株2.52%
あかつき証券2,500株1.00%
岩井コスモ証券2,500株1.00%
岡三証券2,500株1.00%
極東証券2,500株1.00%
静銀ティーエム証券2,500株1.00%
東洋証券2,500株1.00%
松井証券2,500株1.00%
マネックス証券2,500株1.00%
水戸証券2,500株1.00%
楽天証券2,500株1.00%


SBI証券主幹事なので当選期待ができそうです。ただしIPOチャレンジポイントを使っても100株配分だと思います。SBI証券のIPO配分傾向がつかめないため判断に困ります。


SBI証券IPO当選


とりあえずMITホールディングス(4016)のIPOは当選できましたが、なんと100株配分でした。今回はあまり深く考えずに当選を狙いましたが、良い判断とは言えないようです。タスキに続き100株配分は勿体ないですね。




使いたい理由があったので仕方がありません。セカンダリー突撃で放置になるかもしれません。億り人の方は複数株申し込みで当選しているようですね。深掘りすると心が痛むため調べないようにしたいと思います!


今回も前受け金不要の松井証券が幹事入りしています。過去に何度かIPOに当選しているため実は期待している証券会社です。





Twitterで探していたらアララ(4015)に松井証券で当選している方がいらっしゃいました。どんだけついているの?と思ってしまいました。でも誰かに毎回当選していますよね。



さらにネオモバで今回もIPO抽選が行われると思います。若年層だとIPOに当選しやすいルールがあるようです。またFX口座開設者は当選確率が高くなると発表されました。


IPO抽選に参加するにはアプリをダウンロードする必要があるため気を付けていください!SBI証券主幹事が増えているためネオモバにも期待したいと思います。爆発的に儲かりはしませんがIPO抽選を楽しむことができます!




かっこIPOチャレンジポイントボーダーラインは!?100株配分の可能性高い

SBI証券のIPOチャレンジポイントボーダーラインはかなり高いと思います。また100株配分が続いているため戦略を練る必要がありそうです。


かっこ(4166)IPOチャレンジポイントボーダーライン


SBI証券が過去に主幹事を引受けたIPOの幹事配分をエクセルで表してみました。今回は100株配分だと思いますが、まったく読めない状況になっていると思います。


こうなると複数配分を得ることを目標にせず、単元株で利益が出そうなIPOを狙ったほうが良いと思います。


期待させるだけでいざとなったら100株配分は流石に心が痛みますからね。またIPOチャレンジポイントキャンペーンが行われているためポイント利用者が多い気がします。色々と楽しみが増えたと思いますが、悩みは尽きません。


SBIネオモバイル証券はIPOよりもTポイント投資を活用したほうが良いと思います。私はポイントだけで35,000円をクリアーしました!現金だと簡単ですが、ポイント投資って妙にはまると感じています!




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ブレインパッド(3655)PER227.39倍PBR7.82倍
ALBERT(3906)PER231.25倍PBR8.97倍
PKSHA Technology(3993)PER174.32倍PBR2.54倍
※2020年11月30日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2015年8月01日~2023年7月31日3,600株200円
2016年3月15日~2024年3月14日95,946株200円
2018年3月30日~2026年3月29日38,001株1,267円
2019年7月01日~2027年3月28日21,585株1,267円
2020年3月29日~2028年3月28日30,552株1,267円
2018年4月01日~2038年3月31日90,000株1,377円
2022年3月26日~2030年3月25日31,956株1,267円


ストックオプション(新株予約権)は279,684株が行使期限を迎えています。多くの新株予約権者は180日間のロックアップ対象となっています。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


かっこ(4166)IPOの評価と申し込みスタンス

かっこIPOはかなり初値期待ができると思います。ただ上場ラッシュのため本来のパフォーマンスが見込めないかもしれません。


かっこ(4166)IPOの評価
※かっこ公式サイト引用


EC市場やセキュリティ市場、データサイエンス市場は発展途上の市場となっていますが、今後多くの企業の参入がする可能性があるそうでです。


またサービスは、外部クラウドサーバーのAWSでサービス提供しており、AWSの安定的な稼働が業務遂行上必要不可欠な事項となっています。


売上高に占める主要取引先上位5社の売上高合計の割合は64.7%にもなり、それら取引先はいずれも後払い決済事業者であることから、特定の市場・取引先への依存度が高い状況だそうです。


またIPO的目線で考えると発行済株式総数2,337,081株のうち、ベンチャーキャピタル関係の株式数が782,085株となり、保有比率は33.5%と高水準となっています。


新型コロナウイルス感染症について目論見に殆ど書かれていません。そのため影響は軽いと考えられます。まあIPOに当選すれば初値3倍~5倍程度が見込めるのかな?と考えています!


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