ビーアンドピーIPOがマザーズに新規上場承認されました。主幹事はいちよし証券が務め公開株数600,000株、オーバーアロットメント90,000株で上場規模は想定発行価格1,900円算出で約13.1億円になります。


事業は業務用のインクジェットプリンター等を使って販売促進用広告物の制作や生活資材・製品制作を行っています。取引先大手には東証1部上場のフリュー(6238)の名前があります。フリューはプリントシール機シェア率が国内NO.1になりプリクラで有名な企業です。


ビーアンドピーIPO上場承認と初値予想


個人的には少しニッチな業種だと思いますが、近年の売上や利益は増加傾向にありIPO的には初値1.5倍以上が狙えるのではないでしょうか。また競合に関してはインクジェット出力事業の参入障壁が低く今後競争激化の可能性は残されているようです。


ただ同社は設立から34年目になるため市場開拓として考えれば知名度は高いと感じます。上場企業と提携していることもプラス要因です。またECサイト経由の注文もできると言うことでネットを使ったビジネスもプラス要因でしょう。


ビーアンドピー(7804)IPOの詳細データ

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種その他製品
事業内容業務用インクジェットプリンターを使用した販売促進用の広告制作、インテリア等の生活資材・製品制作
公開予定7月24日
ブックビルディング期間7月05日~7月11日
想定価格1,900円
仮条件1,900円~2,000円
公開価格7月12日
企業情報https://www.bandp.co.jp/


【手取金の使途】

手取概算額513,400千円については、①設備投資資金、②新規拠点設立費用、③ECサイト用ITシステム構築費用に充当し、残額については成長のための投資資金に充当する予定であります。その具体的な内容は以下の通りであります。

①設備投資資金
大阪本店、東京本社、ニコール事業部におけるインクジェット出力機・加工機等への設備投資資金として160,000千円(令和元年10月期に21,800千円、令和2年10月期に36,500千円、令和3年10月期に51,700千円、令和4年10月期に50,000千円)を充当する予定であります。

②新規拠点設立費用
当社では、営業エリアの拡大を計画しており、小規模営業所を全国に展開し新規商圏の開拓を推進する方針です。平成30年11月に池袋営業所、平成31年4月には福岡営業所を開設し、令和元年10月には名古屋営業所の開設を予定しております。これらの営業所の人件費、家賃等の運転資金、名古屋営業所の初期開設費、保証金等として131,000千円(令和元年10月期に13,000千円、令和2年10月期に54,000千万円、令和3年10月期に64,000千円)を充当する予定であります。

③ECサイト用ITシステム構築費用
当社では、地域密着型の対面営業を戦略とした営業エリアの全国展開を加速させていくとともに、Webマーケティングを活用したインターネット経由による受注を拡大・強化させていく方針を立てております。このため、ITシステム専門部署を社内に新設し、Webサイト(ホームページ、ECサイト、ランディングページ)の企画・作成や、リスティング広告を活用した全体プロモーション、またSEO対策(検索エンジン最適化)やデータ解析も内製化していく予定であります。これに伴い、ITシステム構築資金として50,000千円(令和元年10月期に10,000千円、令和2年10月期に20,000千円、令和3年10月期に10,000千円、令和4年10月期に10,000千円)を充当する予定であります。



項目株数データ
公募株数300,000株
売出株数300,000株
公開株数(合計)600,000株
オーバーアロットメント90,000株
上場時発行済み株数2,300,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約43.7億円
幹事団いちよし証券(主幹事)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
auカブコム証券 ←後期型抽選です
SMBC日興証券
大和証券
極東証券
マネックス証券 ←完全平等抽選
岩井コスモ証券
SBI証券
エース証券
東洋証券


ビーアンドピー(7804)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,900円を基に吸収金額を算出すると約11.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約13.1億円規模の上場となります。


同社は顧客からの受注に基づき、業務用の大判インクジェットプリンターを使用し、プリント・加工・納品までを一貫して行うインクジェット出力事業を行っています。


事業は広告代理店や広告制作会社、印刷会社、デザイン会社等から発注される「販売促進用広告物の制作」及びゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、並びにインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う、内装壁紙や床材等の「生活資材・製品制作」を主たる事業としています。


年々多様化してきている顧客ニーズに対応するべく、大阪本店、東京本社、ニコール事業部(横浜)、福岡営業所において、100台以上の多種多様な業務用インクジェットプリンターや各種加工マシンを保有しています。また100名を超える制作オペレーターを配置しインクジェット出力サービスを市場に展開しています。


ビーアンドピー業績推移と四半期利益


主な販売市場としては、販売促進用POP・什器製品を主な商材としたセールスプロモーション市場、店舗・商業施設・展示会など屋外広告物で使用するサイン製品を商材としたサイングラフィックス市場、テーブルクロスやファブリック素材など布地プリント製品を商材としたテキスタイル市場、壁・窓・床を中心とした壁紙やカーテン、内装インテリア製品を商材とした内装インテリア市場の4つに区分されます。


販売促進用広告制作において、広告代理店、広告制作会社、印刷会社、デザイン会社、屋外サイン業者等から発注される販売促進用広告物を制作しています。


営業体制では広告業界の特性として、広告代理店等が広告主から即応体制を求められるようになり、即納体制を整備することが受注獲得の上で非常に重要になりました。このため、顧客から近い地域に制作拠点を設けることが顧客にとって非常に利便性が高く、安心して発注できるというメリットがあります。


都心部エリア外に位置する広域エリアの顧客に関しては広域エリア専任営業を配置し、受注獲得を行っています。インターネット経由による問い合わせに関しても専任窓口も配置し、ECサイトとWEB受注専用ページ(ランディングページ)を運用し受注獲得を行っています。


ビーアンドピー事業系統図


制作部門は営業部門と同じく大阪や東京、神奈川、福岡に体制を置いています。主要な拠点において24時間体制で生産を行っており、顧客からの短納期の注文や緊急案件を含め様々な要望にも対応可能なサービス体制を構築しております。


また1箇所の拠点に受注が集中した場合においては、拠点間での連携制作を行い生産機会の逸失を防ぐ体制をとっています。各拠点間での製品の品質差異を防ぐために、拠点間同士での色統一が可能となる測色システムを導入し、品質管理体制を強化しています。


販売促進用広告製品の概要では、店頭用セールスプロモーションツールや屋外広告サイン、展示会装飾、3D立体造形サービスなど多種多様な販売促進用の広告製品を制作しています。


ビーアンドピー販売実績と取引先画像


生活資材・製品制作においては、ゲーム機メーカーが取り扱うプリントシール機の外装カーテン、及びインテリアメーカーやインテリア専門商社が取り扱う壁紙や床材などの製品、並びにオリジナル壁紙製品などを制作しています。


これらの顧客からは、顧客の長期的な計画に基づいて同社に対する発注があるため、顧客ごとに専任の営業部員を配置し、顧客との関係を密にして顧客の動向を把握しています。また、製品の大量連続生産が必要となるため高い生産技術や、定期的な材料試験を通して適切な材料品質の管理体制を構築しています。


多店舗展開企業・病院・幼稚園・スーパー・ホテル・アミューズメント施設・オフィス・個人住宅などの内装インテリア業界へ、壁紙などのインクジェット出力製品のサービスも行っています。


主力売上は販売促進広告制裁が売上の87.9%を占めています。


ビーアンドピー(7804)の企業財務情報と配当性向

回次第32期第33期
決算年月平成29年10月平成30年10月
売上高2,899,2473,067,197
経常利益480,021639,124
親会社株主に帰属する当期純利益277,139464,069
包括利益277,139464,069
純資産額1,421,372
総資産額2,097,826
1株当たり純資産額710.68
1株当たり当期純利益138.56232.03
自己資本比率(%)67.75
自己資本利益率(%)21.11
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー476,332391,159
投資活動によるキャッシュ・フロー△142,514△39,157
財務活動によるキャッシュ・フロー△94,203△88,829
現金及び現金同等物の期末残高1,094,4181,357,591
※数値は千円単位


第34期第2四半期累計期間(平成30年11月01日~平成31年4月30日)
売上高1,505,647千円
営業利益257,307千円
経常利益256,843千円
四半期純利益は177,287千円


当社は、お客様からの信頼をより高めるべく、引き続き営業力・提案力の強化を図り、当社の顧客である広告代理店から発注される案件の確保に努めてまいりました。当第2四半期累計期間においては、平成30年12月に江東事業所をニコール事業部(横浜市神奈川区)の隣接地に移転し、ニコール事業部内に広幅印刷物を専門に扱うワイドフォーマットスタジオを開設致しました。

当移転に併せて広幅インクジェットプリンターを最新型へ入替導入しております。また、未開拓営業エリアへの進出を目的に、平成30年11月に池袋営業所、平成31年4月に福岡営業所を開設し、営業体制と制作体制の両方の強化に着手してまいりました。

しかしながら、当第2四半期累計期間に受注を予定しておりました案件が延期になったこと、人件費の増加が主な原因により、業績は当初計画よりも鈍い結果となりました。



ビーアンドピー(7804)従業員と株主の状況

会社設立は1985年10月22日、大阪市西区江戸堀二丁目6番33号に本社を構えます。社長は和田山朋弥氏(昭和57年7月26日生まれ)、株式保有率は1.45%です。また会長という役職があり和田山英一氏(昭和25年3月04日)が株式を同じく1.45%(30,000株)保有しています。


従業員数190人で臨時雇用者9人、平均年齢33.9歳、平均勤続年数5.5年、平均年間給与5,304,326円です。会社設立から34年目になり労働組合はないそうです。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)
英知興産株式会社1,900,00091.79
和田山 英一30,0001.45
和田山 朋弥30,0001.45
和田山 恵子20,0000.97
和田山 陽子10,0000.48
和田山 順子10,0000.48
小林 恒文4,8000.23
※株主上位7名の状況


【目論見抜粋】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である英知興産株式会社及び和田山英一並びに和田山朋弥は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の令和2年1月19日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)等は行わない旨合意しております。

また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行または当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割及びストックオプションとしての新株予約権の発行等を除く。)等を行わない旨合意しております。



上位株主には180日間(令和2年1月19日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載はありません。英知興産株式会社の保有率が高く、ベンチャーキャピタルや金融機関の株式保有はありません。


株主の状況を見る限り和田山家と関係がある企業だと推測できます。


ビーアンドピー(7804)IPO大手初値予想と各社配分

想定発行価格を下限として仮条件範囲は1,900円~2,000円と上限に100円引上げられています。指標的にやや割安と言うこともあり引上げは想定内だと思われます。


2019年10月の単独業績予想は売上31.5億円となり前期比で約30.9%増、経常利益5.5億円となり前期比で約0.7%減となる見込みです。四半期利益は前期比で31.5%減の3.7億円を予定しています。


PERはEPS178.83を基に算出すると約11.18倍、BPS1,135.14からPBRを算出すると約1.76倍になります。また配当が50円予定され10月決算と言うことで下値では配当狙いの買いも入ると考えられます。公開価格が2,000円とすれば配当利回りは約2.5%となりまずまずの水準です。


ロックアップは180日間、ベンチャーキャピタル出資はなく新株予約権の行使期限を迎えている株もありません。需給はよいと考えられ初値利益が狙えるようです。


kimukimu

業務用インクジェットプリンターを使用していることから少量の注文から対応できる強みがあります。

設備は整っていることから営業が頑張れば利益拡大か?


営業と製作拠点が同じ場所にあり、主要都市に拠点をおき24時間体制で生産しているためクライアント要望にも即時対応できるそうです。事業内容は悪くありませんが、今期が減益なのは評価が下がる可能性はあります。


ただ、ヤシマキザイ(7677)やユーピーアール(7065)も減益予想でありながら積極的に買われていたため同社も期待はできると考えています。


初値予想2,500円~3,000円


幹事名配分単位(株)引受割合(%)
いちよし証券(主幹事)450,00075.00
三菱UFJモルガン・スタンレー証券42,0007.00
SMBC日興証券30,0005.00
大和証券30,0005.00
極東証券12,0002.00
マネックス証券12,0002.00
岩井コスモ証券6,0001.00
SBI証券6,0001.00
エース証券6,0001.00
東洋証券6,0001.00


類似企業PER
PBR
JMC(5704)PER32.13倍PBR4.97倍
共立印刷(7838)PER17.9倍PBR0.52倍
MUTOホールディングス(7999)PER78.68倍PBR0.37倍
※2019年7月05日の株価を基に算出


2019年初めての「いちよし証券主幹事」になります。過去には連続当選をしたことがあるだけに期待したいと思いますが、そんなに甘くないでしょう。平幹事を含め全力申し込みを行いたいと思います。


三菱UFJモルガン・スタンレー証券が幹事に入っていることからauカブコム証券からの抽選申し込みもできるはずです。後期型抽選を採用しているため抽選申し込みと購入申し込みの2回が必要になるため忘れがちです。私も忘れます!


auカブコム証券のIPO抽選ルール


岩井コスモ証券も後期型抽選なので忘れないようにしましょう。ブックビルディングが重なるとどうしてもミスが出ます。


またマネックス証券は引受けた株数を全て抽選に回すため株数が多い場合には積極的に申し込みを行っておきましょう。今回は株数的に難しいかもしれませんが、ブックビルディングが重なった時は狙い目です!


マネックス証券のIPO抽選ルールと当選画像


余談ですが「Tポイント投資」に興味はありませんか?実は地味に投資を続けている私です。遠慮なく投資できるため利益が少しづつ出ています。数十円単位ですけどね。SBIネオモバイル証券に口座を作ると貯まっているTポイントだけで投資ができます。


SBI証券に口座を開設していると手数料を落とすだけでSBIポイントも貰えます。そしてTポイント2重取りもできてしまうため私は気に入ってポイントを貯めています。下記に詳細を書いているのでよかったら参考にしてください。ホント地味な投資ですけどポイントを使うと現金にかわるためお勧めです。


SBIネオモバイル証券(ネオモバ)評判とデメリット


ビーアンドピーのストックオプション詳細を調べました

ストックオプション行使期間株式の数(株)発行価格(円)
令和3年10月21日~令和10年9月20日70,0001,080


ストックオプションは70,000株存在しますが、上場時点で行使期限を迎えている株はありません。取締役3名と同社使用人90人が付与対象となっています。


ビーアンドピー(7804)IPO私見と申し込みスタンス

ビーアンドピーIPOは悪くありませんが、IT系みたいに初値が何倍にもなるような感じはしません。また公開株数や株主構成、そして上場規模から公開価格割れを起こすような銘柄ではないため積極的に抽選参加して構わないでしょう。


ベンチャーキャピタル出資はなく、ストックオプションも行使期限を迎えていないため公開株式以外の株が流通する可能性はかなり低いと思います。いちよし証券主幹事になるため初値高騰の可能性はありますが、翌日持ち越しはないのではないでしょうか。


IPO地合いは良好ですが前期売上が連結で30.7億円、四半期利益が4.6億円を今期も維持できるのかがポイントでしょう。同社は未開拓営業エリアへの進出も積極的に行っているようですが、上場段階では案件延期などもあると言うことです。さらに人件費の問題があり利益が鈍くなっているそうです。


今では珍しくなくなりましたが、3Dプリントも行っているそうなので時代に沿って新しい技術を取り入れている感があり、今後も企業規模拡大に期待が持てそうです。最終的には設備が重要だと感じますが、すでに最新大型インクジェットプリンターや自社3D制作可能な設備が整っているそうです。


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