SREホールディングス(2980)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。


主幹事はSMBC日興証券と大和証券が共同主幹事となります。公開株数4,484,600株でオーバーアロットメント672,600株、想定発行価格2,975円から上場規模を計算すると約153.4億円です。


SREホールディングスIPO上場承認と初値予想


元々はソニー不動産として設立されZホールディングス(旧ヤフー)やマネーフォワードとの提携を行っています。不動産にITやAI(人工知能)を導入したビジネスモデルです。


設立当初は赤字でしたが現在は黒字転換となり売上が拡大傾向にあります。前期売上が連結で約29億円、四半期利益が約2.6億円となっています。売上規模はそれほど大きくないようです。


SREホールディングス(2980)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種不動産業
事業内容不動産事業、ITプラットフォーム事業、AIソリューション事業
公開予定12月19日
ブックビルディング期間12月04日~12月10日
想定価格2,975円
※2,500円~3,450円の平均価格算出
仮条件2,550円~2,650円
公開価格12月11日
企業情報https://sre-group.co.jp/
監査人PwCあらた有限責任監査法人


【手取金の使途】

差引手取概算額3,813,618千円については、海外販売の手取概算額(未定)と合わせて、以下のとおり充当する予定であります。

①AI技術の基礎研究や実業での実用化・応用化・汎用化に向けた応用研究のための研究開発費として281,328千円 ②AIソリューション事業における販売用ソフトウエアの開発費として1,175,176千円

③AI関連の人材、不動産仲介に係る法人営業や不動産開発に係る人材の増強のための人件費及び人材採用研修費として201,328千円 ④ITプラットフォームにおける不動産売買仲介の物件情報や集客に係る各メディアへの広告宣伝費として125,902千円

⑤IoT環境を備えたスマートホーム「AIFLAT(アイフラット)」を提供するための物件取得費用に係る短期借入金の返済や営業用不動産の取得費用として1,900,000千円 ⑥当社業務処理の最適化を目的とした統合基幹業務システムの開発費として129,884千円

また上記調達資金は具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数1,400,000株
売出株数3,084,600株
公開株数(合計)4,484,600株
オーバーアロットメント672,600株
上場時発行済み株数15,128,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約450億円
幹事団SMBC日興証券(共同主幹事)
大和証券(共同主幹事)
SBI証券
野村證券
マネックス証券
楽天証券
委託見込岡三オンライン証券
SBIネオトレード証券
DMM.com証券


SREホールディングス(2980)上場評判とIPO分析

想定発行価格2,975円を基に吸収金額を算出すると約133.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約153.4億円規模の上場となります。上場規模は大きめになり欧州及びアジアを中心とする海外市場への販売も行われるようです。


グループ企業は同社と連結子会社1社、持分法適用関連会社1社により構成されています。ソニー株式会社は同社グループの親会社になり、Zホールディングス株式会社はその他の関係会社です。



実業の「不動産事業」、ITの高度なテクノロジーとAI技術を基盤とした「ITプラットフォーム事業」及び「AIソリューション事業」の3つの事業を有機的に結合させた「AI×リアル」ソリューション事業を展開しています。この3つの事業を統合的に行う企業はこれまでなく、相互に補完し合う強固なビジネスモデルを構築していることが同社の特徴となっています。


不動産事業では、1人の社員が売主と買主の双方を担当せずにどちらか一方のみを担当し、担当する売主又は買主の利益のみを徹底追求する「エージェント制」を採用しています。


SREホールディングスIPO上場評判と業績


2018年度に担当した不動産取引の契約額は、売主を担当する場合が9割以上を占めています。売主に対して不動産査定価格を提案する際に不動産の市場動向、不動産の専有面積、築年数、間取りなどの入居状況をAI技術によって処理する「不動産価格推定エンジン」を活用ています。


客観的な不動産査定価格を提示し担当する社員の専門性を加味した不動産査定価格を提示しています。「エージェント制」と「不動産価格推定エンジン」の2つの特色を有することで、公平かつ客観的な不動産コンサルティングサービスを顧客に提供しています。


SREホールディングスIPOの事業内容


ITプラットフォーム事業では、物件を売りたい売主からの問合せをインターネット上で集め、問合せがあった売主に対して「不動産価格推定エンジン」の提示する不動産査定価格を盛り込んだ査定書を提示しています。


不動産売却媒介契約を締結できた売主の物件をインターネット上で広告し買主を募集するといった一連の不動産仲介業務を、一気通貫で支援する不動産仲介会社向けのサービスを「おうちダイレクト」というITプラットフォームを通じて提供しています。


おうちダイレクトを不動産仲介会社に提供することでその利用料をサブスクリプションフィー形式で頂き、不動産仲介に係る取引データを蓄積することができています。また、不動産仲介業者を通さずに個人が自らマンションの売出しを行うことができる個人向けサービスも提供しています。


SREホールディングスIPOの販売実績


AIソリューション事業では、不動産事業やおうちダイレクトを利用する不動産取引データを、AI技術によって処理する「不動産価格推定エンジン」を不動産仲介会社及び金融機関向けに提供しています。


さらに、不動産仲介業者や金融機関、電力業界や情報通信業界に対して、マーケティング活動、営業活動、人事業務、在庫管理業務といった顧客企業の様々な潜在的な経営課題を、AI技術を用いて解決するコンサルティングサービスを提供しています。


kimukimu

事業別に前期の売上げ率を計算してみると不動産事業が70%、ITプラットフォーム事業が27.1%、AIソリューション事業が2.9%になっていて不動産事業がメイン事業となっています!


SREホールディングス(2980)の企業財務情報と配当性向

回次第4期第5期
決算年月2018年3月2019年3月
売上高2,597,3702,853,923
経常利益196,019380,287
当期純利益300,340220,650
資本金1,822,4501,822,450
純資産額2,918,8043,118,376
総資産額3,568,6914,022,476
1株当たり純資産額212.54227.00
1株当たり当期純利益金額21.8816.07
自己資本比率(%)81.877.5
自己資本利益率(%)10.97.3
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー327,985
投資活動によるキャッシュ・フロー△300,724
財務活動によるキャッシュ・フロー△276
現金及び現金同等物の期末残高2,375,916
※数値は千円単位で単体決算


第6期第2四半期連結累計期間(2019年4月01日~2019年9月30日)

  • 売上高1,389,957千円
  • 営業利益260,445千円
  • 経常利益263,432千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益168,179千円



【SREホールディングスIPOの第6期第2期のチェックポイント!】

同社グループが展開するAI市場とIT市場は、政府によるAI技術者の人材育成案策定等のテコ入れや技術革新等によりこれまでにない活況となっています。新規法人契約の獲得が順調に進んでいる事やAIソリューション事業において「AI生成ツール」を用いて解決するコンサルティングサービスの提供を本格的に開始しているそうです。

全体的に事業は拡大傾向にあり業績期待が出来そうです。不動産市場では個人向け投資事業に一部陰りが見られましたが、歴史的な低金利政策や新築住宅価格の高騰を背景として依然堅調な状況が続くと同社は予想しているそうです。


SREホールディングス(2980)従業員と株主の状況

会社設立は2014年4月14日、東京都港区北青山三丁目1番2号に本社を構えます。社長は西山和良氏(1975年4月09日生まれ)、株式保有率は2.61%(380,100株)です。


従業員数111人で臨時雇用者5人、平均年齢40.3歳、平均勤続年数2.8年、平均年間給与6,805,677円です。連結従業員数は115人で臨時雇用者5人となっています。


またセグメント別従業員数は「AI×リアル」ソリューション事業の単一セグメントです。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
ソニー株式会社7,727,400株53.01%
Zホールディングス株式会社6,000,000株41.16%
西山 和良380,100株2.61%
角田 智弘63,000株0.43%
河合 通恵51,000株0.35%×
青木 和大42,000株0.29%
喜志 武弘32,100株0.22%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人かつ貸株人であるソニー株式会社及びZホールディングス株式会社、当社株主かつ当社代表取締役社長である西山和良、並びに当社新株予約権者である角田智弘、青木和大、喜志武弘、清水卓、小野三郎、上出昇及び吉村正直は、SMBC日興証券株式会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の2020年6月15日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中は、SMBC日興証券株式会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2020年6月15日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。よって180日後まで売却不可となります。


株式の売出しはZホールディングス2,084,600株、ソニー1,000,000株となっています。ZホールディングスはZOZO(3092)を連結子会社化したり、LINE(3938)の経営統合などで話題が上がっています。そしてこのタイミングで株式売却となっています。


企業規模がどんどん大きくなりますね。Zホールディングスはソフトバンクグループ傘下の持株会社となります。


SREホールディングス(2980)IPOの初値予想と幹事引受け株数

想定発行価格から仮条件範囲が引き下げられ2,550円~2,650円に決定しました。成長性高いと言われながらも株価設定が依然高いことで初期投資段階では需要の心配があるようです。ソニーとZホールディングスが殆どの株式を保有していることから公開株式以外の株流通は少ないと見られています。


不動産関連と考えた場合は期待できませんが、不動産テックの位置づけになることから株価設定が高いようです。成長性はあるのかもしれませんがわざわざ同社に投資を行わなくても良いのでは?と感じます。ITプラットフォームではAI技術を用い価格を算出できるようなので利便性は高いと思います。


2020年3月の連結業績予想では売上38.1億円で前期の29億円から31.7%増と好調です。経常利益は5.9億円で前期の4.4億円から34.7%増、四半期利益は3.9億円で前期の2.6億円から48.6%増となる予想が出ています。


EPS27.27から仮条件上限でPERを算出すると約97.18倍、BPS487.56からPBRを算出すると約5.44倍になります。配当金の設定はありません。


初値予想2,300円~3,300円

初値予想2,550円~2,650円前後(修正値)


kimukimu

業績拡大中だけど割高と言われる株はなかなか買えないよね。SREホールディングスはスルーでも良いかも?


上場による吸収額が約136億円強になり、株数もOA含め約516万株ですよね。他の銘柄を攻めたほうが利益が狙えそうな気がしています。前日に上場するJTOWER(4485)の方が人気かもしれません。


幹事名配分単位引受割合
SMBC日興証券(共同)3,587,800株80.00%
大和証券(共同)493,300株11.00%
SBI証券224,200株5.00%
野村證券134,500株3.00%
マネックス証券22,400株0.50%
楽天証券22,400株0.50%


当選を狙うなら単独ブックランナーになっているSMBC日興証券からの申込でしょう。公開株数とオーバーアロットメントを含め5,157,200株あるため当選確率が高そうです!


悪くないIPOだと感じるためブックビルディングに参加したいと考えています。上場日が重なっているIPOが多くあるため抽選参加のことを考えると少し悩みます。限られた資金の中で利益が出そうなIPOへ参加しておきましょう。


SMBC日興証券のIPO概要と当選履歴


SMBC日興証券以外だとマネックス証券からの申込みが有効そうです。銘柄別に資金が拘束されるため資金効率は悪くなりますがその分当選しやすくなる傾向にあります。いつでも申込できる環境を整えておきたいと思います。話題性が大きい銘柄でしょうね。


マネックス証券のIPO抽選ルールと当選画像


ソーシャルレンディングって詐欺じゃない?そして評判悪くない?と考えた過去があります。しかし業界のイメージを払拭するため頑張っている企業があります。クラウドバンクは私が初めて口座を開設した企業です。今ではメイン口座になっています。


それにOwnersBookにも注力しています。不動産投資だと担保設置があればより安心できます。どちらも経営は黒字なので期待してよいでしょう!


もっと詳しく知りたい

クラウドバンクの詳細情報を知りたい方は下記記事にまとめているので参考にしてください。記事作成時よりも現在は利回りが上がっています。

【評判と評価】クラウドバンクに投資をしたら儲かるの!?デメリットと口コミ


類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ハウスドゥ(3457)PER13.79倍PBR2.67倍
GA technologies(3491)PER78.49倍PBR11.04倍
センチュリー21・ジャパン(8898)PER14.92倍PBR2.11倍
※2019年12月05日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2016年1月29日~2026年1月28日318,000株304円
2017年12月22日~2025年12月21日66,300株300円
2018年8月06日~2028年8月05日238,500株405円
2020年6月18日~2028年6月17日84,600株400円
2022年7月27日~2029年7月26日107,100株1,997円
2022年7月27日~2029年7月26日34,800株1,967円


ストックオプション(新株予約権)で行使期限を迎えている株数は622,800株となっています。新株予約権保有者の一部にはロックアップが付与されています。


※ロックアップの行使条件には以下の内容も含まれていました。
「当社損益計算書に記載の営業利益の金額が2020年3月期において560百万円、2021年3月期において650百万円及び2022年3月期において650百万円をそれぞれ超過したこと」


kimukimu

上記内容をクリアーできないと行使期間に入っていても新株予約権は売却できないようです。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

IPOの最新情報やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入しています。


SREホールディングス(2980)IPOの評価と申し込みスタンス

SREホールディングスのIPOは日程的に後半になるため市場の資金が枯れるかもしれないことが悩みです。大手企業関連であることやソニーとZホールディングスが株式の殆どを保有しているため安定感があります。


不動産にITやAIを組み込ませた商品は最近多くなってきています。業績も良い銘柄が多いようなので同社も期待が出来るでしょう。


SREホールディングスIPOの事業内容の簡単図


取扱い件数の多い中古マンション市場では、新築分譲マンション価格の高騰に対する中古マンションの割安感や購入者層の中古マンションに対する抵抗感が減少し、より需要が増大しているそうです。これにより安定的に収益を確保しやすい環境が出来ているそうです。


最大の懸念はメディアで不動産価格が暴落すると言われたりしていることでしょう。そのような状況になれば壊滅的な状況に陥る可能性があります。需要等供給のバランスが崩れます。そこをITとAIで上手く切り抜けることが出来れば勝ち組?



親会社が大きいため他企業よりも体力はあるでしょう。大手不動産ポータルサイトとの競合については、ビジネススタイルが異なるため現在のところそれほど影響はないようです。ただし大手企業が同社のようなサービスへ方向転換してきた場合には注意が必要のようです。


同社系列の「Yahoo!不動産」は不動産を購入するユーザー向けに、不動産の広告情報を掲載する広告ビジネスなので不動産取引のプロセス全般に対してサービスを提供しておらず競合にはならないそうです。


被っている気がするのは私だけかな?SREホールディングスはコンサルティングサービスの提供ですけどね。またソニーネットワークコミュニケーションズとのつながりがあるためIPO的にも気になります。ITやAI、IoTなどワード的にはOKなんですけどね。


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