アールプランナー(2983)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。


主幹事は野村証券が務め公開株数400,000株、オーバーアロットメント60,000株です。上場規模は想定発行価格1,680円から計算すると約7.7億円と規模が小さめです。業績面もよく上場タイミングが良ければ初値2倍が見込めそうなIPOです!


アールプランナーIPO上場承認と初値予想


既にメディアでも取り上げられている事ですが、新築住宅の納期が遅れている情報が流れています。新型肺炎の影響が幅広い業種で確認されアールプランナーでも同様だと考えています。


同社では新築住宅の一部に海外生産の資材を使用しているため感染症の蔓延により資材の生産停止が起こった場合は業績に直結しそうです。


また注文住宅・分譲住宅の建設の多くで施工業務を外注委託していることから、外注先に感染症が発生した場合に工期遅延が生じる可能性もあります。さらに追い打ちをかけるように消費税引き上げの影響もジワジワくる可能性があるように思います。


アールプランナー(2983)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種不動産業
事業内容注文住宅の請負事業等の注文住宅事業、分譲住宅販売等の不動産事業
上場日上場中止
ブックビルディング期間4月06日~4月10日
想定価格1,680円
仮条件4月02日
公開価格4月13日
企業情報https://www.arrplanner.co.jp/
監査人太陽有限責任監査法人


【手取金の使途】

手取概算額408,312千円については、「1 新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限92,736千円と合わせて、2021年1月期に運転資金(不動産仕入及び建築費用)として全額充当する予定であります。

当社は分譲住宅用地及び分譲土地の土地仕入れ、注文住宅及び分譲住宅の建築を行っており、付随費用を含む土地仕入費用及び住宅建築費用の一部に資金を充当する予定であります。

※なお具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数270,000株
売出株数130,000株
公開株数(合計)400,000株
オーバーアロットメント60,000株
上場時発行済み株数1,270,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約21.3億円
幹事団野村證券(主幹事)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
みずほ証券
委託見込auカブコム証券
SBIネオトレード証券


アールプランナー(2983)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,680円を基に吸収金額を算出すると約6.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約7.7億円規模の上場となります。業績面の心配は現在のところあまりなさそうです。


グループ企業は同社と連結子会社1社により構成され、「注文住宅事業」と「不動産事業」を展開しています。住宅・不動産業界では住宅又は不動産のいずれかに特化した会社が多数存在しています。


そこで同社グループはデザイン力と不動産情報力、集客力を強みとすることで、注文住宅事業と不動産事業の両方でビジネス展開が可能となっているそうです。


注文住宅事業において「注文住宅」を取扱うことで、時代に合わせたデザイン・仕様・性能等のノウハウがグループ内に蓄積され、不動産事業で「分譲住宅」を取扱うことで、土地に合わせた住宅を提供するノウハウも蓄積されます。


注文住宅と分譲住宅で培ったノウハウを相互に利用することで、顧客ニーズに合った住宅の提案を行っているそうです。


アールプランナーIPOの上場評判と業績


不動産事業で「不動産仲介」を取扱う中で、豊富な土地情報がグループ内に蓄積されることで、「注文住宅」を希望している顧客に対しては最適な土地情報を提供でき、「分譲住宅」においては建築に適した用地を確保することが可能となっています。


また不動産仲介においても土地購入者に対して住宅を提案するなど、「注文住宅」及び「分譲住宅」を同時に取扱うことのメリットを活用しているそうです。


「注文住宅」×「分譲住宅」×「不動産仲介」のビジネスモデルにより、同社グループは住宅に関する様々な提案を行うことができ、様々な顧客ニーズに対応することができると考えているそうです。


アールプランナーIPOの連結子会社とセグメント別売上


同社グループは営業拠点を2020年2月29日現在、愛知県を中心として21拠点(愛知県20拠点、東京都1拠点)構えており、住宅一次取得者のボリュームゾーンを主要顧客層として住宅・不動産に関わるサービスをワンストップで提供しています。


通常であれば土地の所有状況や目的に応じて不動産業者、工務店、モデルハウスや住宅展示場へと足を運ぶことになりますが、同社グループでは注文住宅事業と不動産事業を一体としたことで、住宅購入のすべてのステージにおいて顧客への対応が可能だそうです。


不動産事業では土地を所有していない顧客に対して、分譲住宅の紹介や自社建築条件付き土地の紹介、土地の紹介や仲介と様々な選択肢を提案しています。


同社グループ内に蓄積された豊富な土地情報をもとに、顧客の希望するエリアにて住宅建築に適した土地を提案することで、注文住宅の成約率の向上にもつながっています。


また最終的に他社にて土地を購入することになった顧客でも、土地購入の検討過程で案内した分譲住宅やモデルハウスの情報をもとに、住宅について注文住宅を購入してもらえる可能性もあるそうです。


アールプランナーIPOの販売実績


同社グループは、住宅展示場と不動産店舗の同一エリアへの出店を進めています。また住宅購入を検討している顧客に対する注文住宅・分譲住宅・分譲土地の提案及び土地を探している顧客に対する不動産仲介を行っています。


同一エリア内に住宅展示場と不動産店舗を開設することで、同社グループ内での事業間の連携を密に行うことができ、住宅展示場と不動産店舗を往来する顧客の利便性の向上にも寄与しています。


集客についてはネットとリアルの両方で行っており、顧客が不動産店舗、住宅展示場、ショールーム、ウェブサイト、SNS、広告等、どの手段を使っても同社グループにたどり着くような全方位型の集客戦略を実行しているそうです。


アールプランナー(2983)の企業財務情報と配当性向

回次第15期第16期
決算年月2018年1月2019年1月
売上高12,802,58216,635,122
経常利益594,222679,486
親会社株主に帰属する当期純利益443,060423,504
包括利益443,060423,504
純資産額1,088,7631,512,268
総資産額10,395,46013,175,198
1株当たり純資産額1,088.761,512.27
1株当たり当期純利益金額443.06423.50
自己資本比率(%)10.511.5
自己資本利益率(%)51.132.6
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△1,642,386△950,312
投資活動によるキャッシュ・フロー△156,185△280,579
財務活動によるキャッシュ・フロー1,937,4552,211,177
現金及び現金同等物の期末残高1,616,6872,596,972
※数値は千円単位


第17期第3四半期連結累計期間(2019年2月01日~2019年10月31日)
  • 売上高13,228,175千円
  • 営業利益398,425千円
  • 経常利益328,194千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益254,619千円


【アールプランナーIPOの第17期第3四半期連結累計期間のチェックポイント!】
 
住宅業界では全国新設住宅着工戸数2019年10月月次データが、2019年1月から10月の累計で前年同期比97.4%となりました。同社グループは新築一戸建ての建設を主な事業とし、これに関連する「持家」の新設着工戸数については前年同期比で104.1%、「分譲住宅(一戸建)」の新設着工戸数については前年同期比104.8%と引き続き堅調な需要が見られるそうです。

新卒採用や中途採用による積極的な「人財」を発掘しテレビCMの放映や屋外看板の設置等、積極的な広告宣伝活動も行うそうです。


アールプランナー(2983)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2003年10月03日、愛知県名古屋市東区東桜一丁目13番3号に本社を構えます。社長は梢政樹氏(1975年7月26日生まれ)、株式保有率は28.49%(290,000株)です。


従業員数199人で臨時雇用者14人、平均年齢33.9歳、平均勤続年数3.2歳、平均年間給与5,241,000円です。


連結従業員数は243人で臨時雇用者20人、セグメント別従業員数は注文住宅事業149人(臨時14人)、不動産事業65人(臨時6人)、全社共通29人です。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
梢 政樹290,000株28.49%
古賀 祐介260,000株25.54%
Ko.International250,000株24.56%
TreeTop200,000株19.65%
安藤 彰敏2,000株0.20%
舟橋 和2,000株0.20%
森川 祐次1,500株0.15%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である梢政樹、売出人である古賀祐介、当社株主であるKo.International株式会社及びTreeTop株式会社、並びに当社新株予約権者である安藤彰敏、舟橋和、森川祐次、山下洋祐、山崎寛征、楯純二、廣角祐輔、桒原辰哉、村上和也及び当社従業員1名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年7月20日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く)を行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には90日間(2020年7月20日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にないため基本的に90日間の売却不可になります。主幹事会社は裁量で当該合意の内容を一部若しくは全部につき解除できる権限があります。


親引けは20,000株を上限として福利厚生を目的に実施予定となっています。


アールプランナー(2983)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は後日記載します。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


※上場中止になったため業績分析と初値予想は再承認時に行いたいと思います


幹事名配分単位引受割合
野村證券(主幹事)376,000株94.00%
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券12,000株3.00%
みずほ証券12,000株3.00%


特別珍しい事業は行っていないようですが業績が良く上場規模も小さいことから基本的に人気となるはずです。不動産業なので配当を調べるとこれまで実施は行っていないそうです。役員には積水ハウス系の方が多いようですね。


当選狙いだと野村證券からの申し込みでしょう。株数が少なめなのでネット抽選派は当選が厳しいかもしれません。三菱UFJモルガン・スタンレー証券の委託でauカブコム証券でもIPOの取扱いが行われるはずです。意外に穴場かもしれません!この地合いで委託経由の申込み者は少ないでしょうね。




地合いが悪い時は東証1部上場企業が運営するソーシャルレンディングはいかがでしょうか?他社にはない永久不滅ポイントの取扱いがあるRimple(リンプル)が人気です。短期間運用で利回りも高めなので人気急上昇中です。




利回りが高いと個人投資家に人気ですよね。しかも東証1部の不動産に特化した企業がクラウドファンディングを紹介しているため定評があります。


上場企業だとOwnersBook(オーナーズブック)も人気です。こちらは既にサービスを開始し実績を積み重ねているため投資家登録者が多いです。創業以来ずっと黒字なので安心できると思います。




投資先を数社作っておくことでリスク分散になると考えています。また不動産以外にも様々なクラウドファンディング投資があるため選択肢を広げると面白いと思います。




物流系倉庫のクラウドファンディングも登場しているので分散投資を考えている方はCRE Fundingも良さそうです。先日、私も口座をを申し込んでみました。新型肺炎で逆に利回りが高くなるかも?と少し期待しています。

類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ランディックス(2981)PER5.35倍PBR0.81倍
グランディーズ(3261)PER4.06倍PBR0.63倍
フォーライフ(3477)PER5.18倍PBR0.51倍
※2020年4月02日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2020年2月01日~2028年1月28日14,000株600円
2020年12月19日~2028年12月12日4,000株1,040円


ストックオプション(新株予約権)は14,000株が上場時点で関係があります。


ただし行使条件が設定されており、株式上場日以降1年間は付与された数の2分の1まで行使することができ、上場1年経過後は付与されたすべてを行使することができるそうです。株数が少ないため市場への影響はあまりなさそうです。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。


アールプランナー(2983)IPOの評価と申し込みスタンス

アールプランナーIPOは期待したい銘柄です。不動産事業を手掛けるIPOは2020年で初登場だと思います。ニッソウ(1444)は不動産物件のリフォームなので事業が異なります。


新型コロナウイルス感染症により世界がパニック状態となっています。しかし日本では何とかパニックにならずに済んでいます。この状況が改善するにはアメリカ次第だと思いますが上場日の4月22日までに落ち着いているでしょうか。


アールプランナーIPO評価


これまでのIPO投資を考えると初値利益1.5倍~2倍は狙えそうです。ただ現状だと公開価格割れせずに無事上場すればよし!という環境だと思います。


ベンチャーキャピタル出資がなく公開株数も少な目、さらに手掛けやすい株価設定なので頑張ってほしいですね。景気と不動産市場の関係は大きいため上場後の大幅な業績修正となることも考えられます。決算期が1月になっているため2021年1月期の業績見通しが難しそうです。


そろそろゴールデンウィークを意識した上場になるため上場数が減る時期に突入します。面白い展開を期待したいと思います。


今後の事業戦略は愛知県内の空白エリアや愛知県以外の東海エリア(岐阜県・三重県・静岡県)への出店を行い、東海エリア全域におけるシェアアップを目指すそうです。さらに東京都や神奈川県、埼玉県、千葉県でも事業展開を行う予定があります。


東京は支店を2019年10月に東京都武蔵野市に開設しています。2020年4月には東京都立川市に住宅展示場を開設する予定だそうです。また住宅の販売を開始してから10年以上経過しているため中古住宅再生事業への展開を進めることも意識しているようです。


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