表示灯(7368)のIPOが東証2部に新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。
主幹事は野村證券が務め公開株数1,220,000株、オーバーアロットメント183,000株です。上場規模は想定発行価格1,610円から計算すると約22.6億円になります。
久しぶりの東証2部案件となり、地味企業ですが初値利益が出ると考えています!
※表示灯公式サイト引用
公共性の高い事業のため確実な収益が期待できそうです。主力のナビタでは設置者も広告納金という形で利益を得ることが可能だそうです。案内版やインフォメーションと言えばわかりやすいと思います。
ステーションナビタではJR各社(地下鉄や私鉄)の全国2,504駅の改札付近に設置され、掲出されている飲食業、医療関連、サービス業等のスポンサーの数は延べ44,000件を超えているそうです。
同社製品が市区町村等の自治体庁舎内に設置されたり、交番や警察署、運転免許センターなどにも設置されています。
今後は大学病院等の特定機能病院や公立病院等の地域医療支援病院へのアプローチ、参拝者数の多い神社や観光名所などへのアプローチを考えているようです。
では詳しく内容を確認してみましょう。
表示灯(7368)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | 東証2部 |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 各駅周辺案内図の広告の設置、運営及び交通広告、屋外広告等を取り扱う一般広告代理店業務 |
上場日 | 4月07日 |
ブックビルディング期間 | 3月22日~3月26日 |
想定価格 | 1,610円 |
仮条件 | 1,800円~2,000円 |
公開価格 | 2,000円 |
初値結果 | 2,672円(公開価格1.34倍) |
企業情報 | https://www.hyojito.co.jp/ |
監査人 | 仰星監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額959,012千円については、「1新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限272,532千円と合わせてナビタ事業における全国の駅他周辺案内図346契約単位数の設置に関する設備資金として560,000千円(2022年3月期560,000千円)及び社内業務効率化のための基幹システム投資に関する設備資金として300,000千円(2022年3月期150,000千円、2023年3月期150,000千円)を充当する予定。
残額につきましては、将来の駅他周辺案内図の設置に関する設備資金に充当する予定。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 650,000株 |
売出株数 | 570,000株 |
公開株数(合計) | 1,220,000株 |
オーバーアロットメント | 183,000株 |
上場時発行済み株数 | 4,537,245株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約73.05億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) 東海東京証券 SBI証券 楽天証券 |
委託見込 | SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
表示灯(7368)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,610円を基に吸収金額を算出すると約19.6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約22.6億円規模の上場となります。東証2部への上場規模を考えるとややサイズが大きいようです。同社は1967年2月に名古屋市中区において、市バスのバス停に交通広告を掲出する会社である日本交通表示灯株式会社として創業しています。また1977年に商号を表示灯株式会社に変更しています。
同社は主に全国の鉄道、自治体、病院等公共施設等ナビタの設置場所の所有者(ロケーションオーナー)、協賛スポンサー、利用者の3者にとってメリットのあるナビタ事業を展開しています。
元々ナビタ事業のみでの展開でしたが、交通広告や屋外広告等ナビタ事業用の周辺領域もカバーすべくアド・プロモーション事業を開始しています。さらに広告の設置工事まで自社で内製化するためにサイン事業も展開するに至っています。
ナビタ事業、アド・プロモーション事業、サイン事業の3セグメント事業により、企画立案から設置まで自社で一気通貫で対応ができる体制を有しています。わかりやすい事業ですよね。
※有価証券届出書引用
ナビタとは、全国の鉄道駅や路面電車の電停や、市(区)役所等の自治体庁舎、交番、警察署、運転免許試験場等に設置された、自社開発の周辺案内図を基礎媒体とした連合広告です。
スポンサー数は延べ約78,000件と安定的な収益の基盤となっています。※2021年1月31日現在
ナビタは、地図情報、公共施設情報はもとより災害時の避難場所の情報も盛り込んだ、公共性の高い媒体です。同社は自社内に地図とデジタルコンテンツ制作体制を有していることから、設置場所のエリア・用途にあわせたナビタの制作が可能になっているそうです。
2020年3月期(前期)売上の64.8%がナビタ事業によるものとなっています。
※有価証券届出書引用
同社は独自性のあるナビタ事業を端緒として全国の主要駅やエリアで指定業者となっており交通媒体(車内・駅構内等)、マス媒体(テレビ・ラジオ・新聞・雑誌)、屋外媒体(看板・ボード等)による広告各種を幅広く手がけています。
広告目的に沿った最適な企画立案・プレゼンテーション・予算管理までを含めたトータルプランニングを提案しているそうです。
駅広告や車両広告、屋外広告、バス広告、Webサービス、マス広告の6つを手掛けています。これらがアド・プロモーション事業になります。
※有価証券届出書引用
サイン事業は、ナビタ事業の取引先である鉄道会社、自治体等のネットワークを活かして、広告・看板・案内板等の企画設計から施工に至るサービスを提供しています。
サイン事業はスポンサーにとって利便性の高い、快適で機能的な生活空間の創造をコンセプトに提供しており、4種類に大別することができます。
交通サインではJR各社をはじめ全国の地下鉄や私鉄各社の施工実績があります。公共サインでは自治体等の個別案件に対し、企画設計から製品製作、施工を行います。
商業サインでは商業施設における自立式看板、外照式看板から施設内の案内表示、避難誘導サインでは全国の自治体を中心に非常時に効果的な避難誘導サインを調査、研究、開発から施工までトータルで提案しています。
表示灯(7368)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第53期 | 第54期 |
決算年月 | 2019年3月 | 2020年3月 |
売上高 | 12,116,179 | 13,065,401 |
経常利益 | 1,129,509 | 1,204,513 |
当期純利益 | 821,794 | 807,184 |
資本金 | 153,236 | 153,236 |
純資産額 | 4,567,311 | 5,173,580 |
総資産額 | 11,250,326 | 12,065,055 |
1株当たり純資産額 | 1,174.95 | 1,330.91 |
1株当たり当期純利益 | 211.41 | 207.65 |
自己資本比率(%) | 40.6 | 42.9 |
自己資本利益率(%) | 19.3 | 16.6 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | 23.7 | 16.9 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,565,195 | 1,318,109 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △753,195 | △805,733 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △235,210 | △236,794 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 3,369,057 | 3,644,638 |
- 売上高9,725百万円
- 営業利益943百万円
- 経常利益983百万円
- 四半期純利益655百万円
4月からの緊急事態宣言中は、新規顧客獲得営業活動がほとんど行えず、既存顧客の継続勧奨に注力せざるを得ない状況となったそうです。
4月に新型コロナウイルスの飛沫感染防止のためのアクリル板「安心ガード」を発売し、5月に「ワークガード」「フェイスガード」、7月に「テーブルガード」、9月に「伸縮する安心ガード」を発売し、病院、一般企業、公共機関を中心に12月末までに269百万円の売上を上げることができたそうです。
ナビタ事業については3年契約で毎年、地図・広告を最新版に更新しており掲出期間を1年毎としています。更新後1年間にわたり売上が計上される仕組みです。今期売上高は、感染拡大の影響のなかった2020年3月期に獲得した契約が寄与する結果、新型コロナウイルス感染拡大の影響は大きくはなかったそうです。
一方、アド・プロモーション事業については、新型コロナウイルス感染拡大の影響により広告需要は大きく減退しています。サイン事業については、4月からの緊急事態宣言による工事の中断が見られましたが、その後、工事が再開され完工したため、新型コロナウイルス感染拡大の売上への影響は軽微だったそうです。
表示灯(7368)の株主状況とロックアップについて
会社設立は1967年2月21日、愛知県名古屋市中村区名駅四丁目2番11号に本社を構えます。社長は上田正剛氏(1953年11月22日生まれ)、株式保有率は0.51%(20,000株)です。従業員数440人で臨時雇用者98人、平均年齢44.0歳、平均勤続年数7.8年、平均年間給与4,700,000円です。
セグメント別従業員数はナビタ事業206人(臨時0人)、アド・プロモーション事業26人(臨時1人)、サイン事業15人(臨時1人)、全社共通193人(臨時96人)になります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
喜平会株式会社 | 1,024,020株 | 26.34% | ○ |
TYシエル株式会社 | 503,725株 | 12.96% | ○ |
HKO株式会社 | 500,000株 | 12.86% | ○ |
YKT株式会社 | 500,000株 | 12.86% | ○ |
栗本 肇 | 425,000株 | 10.93% | ○ |
MKT株式会社 | 366,795株 | 9.44% | ○ |
吉田 大士 | 335,345株 | 8.63% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である喜平会株式会社、売出人である栗本肇、吉田大士、及びTYシエル株式会社、当社株主であるHKO株式会社、YKT株式会社、MKT株式会社、栗本勉、上田正剛、佐々木真郎、吉田芳子、永井東一、橋本幸夫、秋藤尚弘、佐々木雅也、佐々木光義、高桑研一、竹井大、塚本泰裕、西川章彦、篠原和良、関根弘幸、櫻井秀樹、石川勝巳、伊勢昌弘、小畠伸和、久木浩之、税所直矢、志田剛雄、富山整、西島史顕、横田章洋、小椋秀勝、髙岡次郎、田嶋好博、大隈圀彦及び佐合克典は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年7月05日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には90日間(2021年7月05日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の設定はありません。そのため90日間は基本的に売却ができません。
親引けは行われません
表示灯(7368)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が1,800円~2,000円と大きく引き上げられ某社のレポートよりも実は人気なのでは?と感くぐるところがあります。ただ地合いによる影響が大きいと思われるだけに結局のところは業績になると思います。
ウェブ広告ではなく公共性の高い駅周辺案内図の設置工事ですからね。
修正値2,500円~3,000円
※注目度B
2021年3月の業績予想は売上126.58億円になり前期比3.12%減、経常利益10.42億円となり前期比13.46%減の減収減益になります。新型コロナウイルス感染症による減益となっていますが、影響は少ないようです。
四半期利益は7.04億円となり前期比12.76%減となっています。4月07日上場のため関係がありませんが配当が35円となっています。配当利回りを計算すると約1.75%になります。
EPS181.31からPERを計算すると約11.03倍、BPS1,478.16からPBRを計算すると約1.35倍になります。※株価2,000円算出
公開価格割れはなさそうなので通常通りに参加しておきたいと思います!
仮条件上限2,000円の吸収額は約28.1億円で時価総額は90.7億円になります。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
野村證券(主幹事) | 1,098,000株 | 90.00% |
東海東京証券 | 85,400株 | 7.00% |
SBI証券 | 24,400株 | 2.00% |
楽天証券 | 12,200株 | 1.00% |
主幹事の野村證券から申込を行い平幹事からも申込を行いたいと思います。東証2部でも表示灯は利益が狙えると考えています。
公開価格割れしないと考えているIPOは積極的に申込みを行いたいと思います。前受け金不要で抽選に参加できるため申し込んでおきましょう。詳しくは下記記事でまとめています!
野村證券のIPOは当選できないのか自分の当選履歴をもとに考えてみました。インターネット口座と店頭口座のIPOルールについてもふれています。野村證券がIPOの主幹事になる確率は高いと過去データからもわかりますが、当選を …
また、東海東京証券でも取扱いが行われるため口座を開設している方は申込んでおくと当選確率が上がります。主幹事を含め「数打てば当たる作戦」ですよね。
東海東京証券は主幹事を引受けることもあるため口座開設を行っておくことをお勧めします。
東海東京証券のIPO主幹事が増加しているため抽選ルールや取扱い実績などをまとめてみました。証券会社としては中堅に位置し、大手に比べIPO目的の口座数は少ないと考えられます。年間を通して幹事に入る割合も多いため穴場証券の …
またSBI証券よりも楽天証券から抽選参加したほうが当選確率が高いかもしれません。両方申込む方が殆どだと思いますが、こちらも詳しいIPOルールをまとめてみました!!
後期型抽選を行っているため一手間かかるため私は購入申込忘れを行うことが多いです。自慢になりませんけどね。
楽天証券のIPO抽選ルール詳細を記事にしてみました。楽天証券と言えば過去のIPO取引実績がかなり多い企業です。しばらく取扱い数が少なかった時期もありますが、ここ数年取扱い数が増加傾向にあり、申込者も減っているようなので当 …
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
地域新聞社(2164) | PER-倍 | PBR14.35倍 |
博報堂DYホールディングス(2433) | PER36.99倍 | PBR2.48倍 |
電通グループ(4324) | PER42.19倍 | PBR1.51倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
該当事項なし | -株 | -円 |
ストックオプション(新株予約権)は該当事項なしとなっています。
ベンチャーキャピタル出資はありません。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。表示灯(7368)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ
表示灯のIPOは公共機関を利用する場合に利用することが多く印象がよいです。他社との競合を確認すると「アド・プロモーション事業、サイン事業には多くの競合他社」とあるため、ナビタ事業はほぼ独占市場なのかもしれません。大きな強みだと思います。
※表示灯公式サイト引用
ただ考えてみればわかることですが、設置個所の多さから常に一定数の営業社員の確保が必要となります。また、原則として単独で営業を行うため営業社員の育成は重要課題となるそうです。
ナビタ事業やサイン事業では建設業や自治体が絡むことから、利益が年度末に集中する傾向にあるそうです。このため多くの企業が3月期決算であることから、期末に向けて受注、納品が活発になるという季節変動があります。
公共機関などが販売先に多くても事業拡大を考えると、今後の戦略が必要になります。ただ倒産の面では優位だと思います。IT系企業のように成長性はあまりないと思います。
地味にコツコツと言った感じでまさに東証2部市場が合っているように思います。配当金も出るようです。東京オリンピック・パラリンピックでは大きな収益を失っているかもしれません。目論見にも延期されたことで広告需要の減退につながったとあります。
息の長い企業へ投資を好む方には面白い銘柄かもしれませんが、値動きを狙いタイプの投資家には不評でしょう。IPO時は値動きが大きくなるため全員参加でしょうか!!
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