シキノハイテック(6614)のIPOがJASDAQに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事は みずほ証券が務め公開株数1,230,000株、オーバーアロットメント177,000株です。上場規模は想定発行価格390円から計算すると約5.5億円になります。


上場規模から考えると初値2倍~3倍の期待があります。QDレーザーの上昇で意識した買いが入るかも?と期待先行で考えています。


シキノハイテック(6614)IPOの初値予想と上場
※シキノハイテック公式サイト引用


シキノハイテックの事業は半導体検査装置の開発・製造などを行い、取引先にはデンソーやソニーグループの「ソニーLSIデザイン」などがあります。


半導体産業は今後も期待され株式市場でも注目されていますが、同社の売上は右肩下がりとなっています。今期業績を調べてみると前期とあまり売上が変わりません。四半期利益は17.6%くらい増えるようです。


市場全体を考えるとデジタル家電やモバイル通信端末の成長、自動車の半導体搭載比率の増加などが考えられるため成長期待があるように思います。


半導体関係は国内外のメーカーとの価格競争の激化という問題があります。同社の場合は半導体検査装置になるため半導体業界の市場動向に左右された業績になるそうです。


株単価が低く上場による市場からの吸収額が低いため初値不安はありません。しかしセカンダリーは他のIPOの動向次第でしょう。


シキノハイテック(6614)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場JASDAQスタンダード
業種電気機器
事業内容半導体検査装置の開発・製造、LSIの設計及びIPコアの開発、カメラモジュール及び画像処理システムの開発・製造
上場日3月24日
ブックビルディング期間3月08日~3月12日
想定価格390円
仮条件360円~390円
公開価格390円
初値結果1,221円(公開価格3.13倍)
企業情報https://www.shikino.co.jp/
監査人有限責任あずさ監査法人


【手取金の使途】

手取概算額406,458千円については、「1新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限63,507千円と合わせた手取概算額合計上限469,965千円について、①設備資金に200,000千円、②新製品に関する研究開発に200,000千円、③人材採用費及び人件費に69,965千円として、①、②、③の優先順位をつけて充当する予定です。なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針です。

①設備資金
事業拡大に対応するための業務効率化を目的とした全社基幹システム(ERP)導入費用として200,000千円を2023年3月期中に充当する予定です。導入の効果として、売上増加に伴う受注業務・発注業務量の増加による増員を抑制できます。

②新製品に関する研究開発
新技術や新製品の創出早期化にあたり、電子システム事業は新型バーンイン装置開発関連、マイクロエレクトロニクス事業はIPコア開発関連、製品開発事業はカメラ画像処理及びシステム開発関連の研究開発に充当する予定です。具体的な充当時期は、100,000千円を2022年3月期中に、100,000千円を2023年3月期中に充当する予定です。

③人材採用費及び人件費
AI+IoTものづくり戦略による専門技術者の人材採用費、事業拡大に伴う人件費に69,965千円を2023年3月期中に充当する予定です。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数1,150,000株
売出株数80,000株
公開株数(合計)1,230,000株
オーバーアロットメント177,000株
上場時発行済み株数4,150,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約16.2億円
幹事団みずほ証(主幹事)
野村證券
大和証券
SMBC日興証券
SBI証券
マネックス証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


シキノハイテック(6614)上場評判とIPO分析

想定発行価格390円を基に吸収金額を算出すると約4.8億円となり、オーバーアロットメントを含めると約5.5億円規模の上場となります。


シキノハイテックは半導体に関連する事業分野について設計・生産・販売・サービス活動を展開し、自社で製造及び販売の一貫体制を整えています。


魚津工場では電子機器製品や半導体検査装置、画像処理システム、カメラモジュール製品などを生産し、魚津工場、大阪デザインセンター、東京デザインセンター、九州事業所及び福岡デザインセンターの各拠点では設計業務を行っています。


同社は将来拡大が期待される車載関連、5G、ロボット、AI等今後の技術革新であるAI+IoTものづくり戦略と需要拡大に対応するため、「選択と集中を進め、成長戦略を加速させる」をスローガンとして、「成長戦略」「経営体質の強化」「経営品質の向上」「品質と信頼性の追求」を重視しているそうです。


シキノハイテック(6614)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


電子システム事業では半導体製造工場で使用される検査関連機器及び装置を扱っています。半導体検査業務は顧客企業の製品に必要な工程であり、特に車載向けの顧客製品では同工程は重要な検査工程です。


同社は半導体検査工程のうち、主に車載用半導体部品に検査実施が要求されるバーンイン装置とバーンインボード及び周辺機器や治具の開発・製造を行っています。


また、半導体周辺機器開発により培われた技術で、産業顧客の製品生産工程における検査ボードや専用計測器、更には各種電子機器の開発・設計・製造を行います。


シキノハイテック(6614)の事業系統図
※有価証券届出書引用


マイクロエレクトロニクス事業では、半導体のLSI設計(アナログ・デジタル)及びIPコアの開発などを行っています。


LSI設計アナログ系では回路設計、レイアウト設計、特性評価から、テスト部門との連携によるLSIテストプログラム作成までの一貫設計体制を構築しています。この他、設計技術者の人材派遣を行っています。


またLSI設計デジタル系では、画像処理及び高速I/Fをメインに設計しています。開発したLSIの主な用途としては、デジタル情報家電(携帯電話、DVD、デジタルカメラ、液晶テレビなど)及び車載機器関連(カーナビゲーションなど)になります。


シキノハイテック(6614)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


製品開発事業では画像技術を活用した産業用組込カメラ、画像処理カメラの開発・製造及びシステムの開発を行っています。


複雑な画像処理をカメラ単体で実現可能としており、画像検査や計測、各種認識処理等、様々な用途に幅広く活用できます。


専用クリーンルームを完備した国内自社工場での一貫生産による、高信頼性と中長期にわたる安定供給を実現しているそうです。


シキノハイテック(6614)の企業財務情報と配当性向

回次第47期第48期
決算年月2019年3月2020年3月
売上高4,678,1404,531,640
経常利益169,821235,270
当期純利益120,833113,914
資本金170,311170,311
純資産額557,565677,300
総資産額3,266,5273,208,634
1株当たり純資産額185.86225.77
1株当たり当期純利益金額40.2837.97
自己資本比率(%)17.0721.11
自己資本利益率(%)23.8918.45
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー90,789309,157
投資活動によるキャッシュ・フロー△60,695△55,807
財務活動によるキャッシュ・フロー△77,135△234,641
現金及び現金同等物の期末残高165,098185,049
※数値は千円単位


第49期第3四半期累計期間(2020年4月01日~2020年12月31日)
  • 売上高3,200,151千円
  • 営業利益94,488千円
  • 経常利益97,506千円
  • 四半期純利益62,971千円



【第49期第3期のチェックポイント!】

新型コロナウイルス感染症の拡大による影響を受け市場は厳しい状況にあります。緊急事態宣言の解除後は輸出や生産、個人消費などで持ち直しの動きもみられ、少しずつ回復へ向かって動き出したそうです。しかしその後も緊急事態宣言が出されるなど、コロナ終息時期の見通しは立っていません。

このような状況のもと同社は、主に自動車市場向け、産業機器市場向け、スマートフォン市場向けに事業拡大を進めています。高度化する市場ニーズへの更なる迅速な対応を目指し、高付加価値新製品の開発・生産・販売体制の強化を積極的に推進するとともに、コスト削減にも取り組んできたそうです。個人的には業績評価が難しいと感じています。


シキノハイテック(6614)の株主状況とロックアップについて

会社設立は1975年1月29日、富山県魚津市吉島829番地に本社を構えます。社長は浜田満広氏(1959年12月13日生まれ)、株式保有率は6.83%(213,000株)です。


従業員数340人で臨時雇用者0人、平均年齢43.1歳、平均勤続年数13.5年、平均年間給与4,923,000円です。


セグメント別では電子システム事業70人、マイクロエレクトロニクス事業129人、製品開発事業43人、全社共通98人になります。富山県の地方企業となっていますが給与設定が若干高めのようです。年齢層も関係ありそうですね。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
塚田 隆398,000株12.76%
シキノハイテック従業員持株会337,000株10.80%
浜田 満広213,000株6.83%
名古屋中小企業投資育成株式会社205,000株6.57%
ほくほくキャピタル株式会社143,000株4.58%
岸 和彦142,000株4.55%
宮本 和子140,000株4.49%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である志貴野メッキ株式会社及び種谷幹郎、貸株人である塚田隆並びに当社株主であるシキノハイテック従業員持株会、浜田満広、宮本昭仁、広田文男、岸和彦、寺本正夫、古川卓哉、宮本幸男、西原一成、名古屋中小企業投資育成株式会社、ほくほくキャピタル株式会社、宮本和子、宮本貴子、株式会社富山第一銀行、千名泰子、塚田修司、金子周二、福田憲司、須藤耕平、深井滋、井口一樹、御手洗新一並びに当社新株予約権者である村岡信義、岩崎一生、浦﨑徹、大門直樹、上田治、中坪克幸、鶴田敦則、田中康寛、亀田登は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年9月19日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2021年9月19日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の設定はありません。


新株予約権を保有する株主もロックアップの対象になっています。


親引けは30,000株を上限として行われます。


シキノハイテック(6614)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件は想定発行価格から下限方向に広げられ360円~390円に決定しました。吸収額は最大で約5.5億円となり時価総額は約16.2億円の極小上場になります。


大手情報によればバリュー株に資金が流れているとの観測があるようです。しかし、投資市場の頭打ちからJASDAQ平均が下落していることは気がかりです。


半導体銘柄の活況が継続しているため買われるそうですが、上場規模が小さいため値動きが荒くなりそうです。


大手初値予想800円~2,000円
修正値1,100円~1,300円

※注目度B


初値3倍程度は期待ができるようなので証券口座を開設しているところから全て申込んでおきましょう。株数が多いため当選する可能性は普段より高いと思います。


主幹事みずほ証券の店頭口座だと複数配分の可能性が高いでしょう。また野村證券ネットでは300株のセット販売になっていました。当選すれば大きな利益ですがネット抽選派は当選確率が低くなりそうです。


2021年3月期の単独業績予想は売上46.00億円となり前期比1.52%増、経常利益2.10億円となり前期比10.63%減の増収減益になります。


四半期利益は1.34億円で前期比18.58%増の予想が出ています。ここ3年の売上げがあまり変わらないため長期投資よりも短期投資を考えている投資家が多くなりそうです。


セカンダリー投資も逃げ足が早そうですね。


幹事名割当株数引受割合
みずほ証(主幹事)1,107,300株90.02%
野村證券55,300株4.50%
大和証券30,700株2.50%
SMBC日興証券18,400株1.50%
SBI証券14,700株1.20%
マネックス証券3,600株0.29%


株単価が低いため利益見込みも低くなりますが、株数は多めなので当選が狙えそうです。みずほ証券からの申込みを中心として全ての証券会社から参加できそうです。どの証券会社もネットから抽選に参加できます!


野村證券は前受け金不要なので申込を行っておきましょう!他の証券会社は資金が必要になります。前受け金不要でIPO抽選に参加できる企業は下記記事でまとめています。




SBIネオトレード証券の口座開設はできていますか?SBI証券が主幹事を引受ける以外にも委託幹事を引き受けることがわかってきました。IPO目的の口座開設者は少ないと考えられます。


タイアップ特典を付けて頂いたため良かったらご利用ください。現金2,000円が貰えることになっています!




また、前受け金不要の証券会社でタイアップを組ませて頂いた岡三オンラインも良かったら頂いてください。こちらは株式売買手数料が現物と信用で100万円まで無料なので取引で利用する投資家が増えています。


岡三証券からIPOの委託を引受けているため取扱い銘柄が多くなっています。申し込み続ければいつか当選できると思い私は参加しています。




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
インスペック(6656)PER-倍PBR4.38倍
日本マイクロニクス(6871)PER18.07倍PBR2.33倍
ホロン(7748)PER31.47倍PBR3.52倍
※2021年3月08日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2021年2月19日~2024年2月18日120,000株270円


ストックオプション(新株予約権)は120,000株が上場時点で行使期限に入りますが、売却は基本的行われないと考えられます。


付与対象者は役員7人、従業員18人となっています。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


シキノハイテック(6614)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

シキノハイテックIPOは事業や業績よりも公開規模が小さいため買われると思います。


利益見込みはあると思いますが、QDレーザーのように目立った技術がなさそうなのでセカンダリー投資はリスクがありそうです。


シキノハイテック(6614)IPOの評価
※シキノハイテック公式サイト引用


事業リスクとしては主要顧客で3月決算が多く、顧客の予算編成が通期または半期単位で行われるため下期偏重の予算執行となる傾向があるそうです。そのため同社業績は下期偏重の傾向になるそうです。


海外でも事業展開しているそうなので、外国為替相場の大きな変動が業績に影響することがあるそうです。


新型コロナウイルス感染症による影響はなさそうですが、従業員の感染リスクや取引先事業継続などの影響が考えられます。製造になると大きな影響が出ると考えられます。


ベンチャーキャピタル出資があるため多少気を付けたいIPOとなっています。ストックオプションは発行株式数の4%(120,000株)になります。


業績よりも上場前後の地合いで株価が大きく異なりそうです。公募組は全力参加でよいと思います!


みずほ証券主幹事の場合にPayPay証券でIPO取扱いが予定されています。発表されてからでは口座開設が混雑することが考えられるため早めの行動がよさそうです。1株~100株の間で配分があるとされています。


既に発表されている内容を下記記事でまとめてみました。よかったら参考にしてください!!


上場企業のCREAL(クリアル)で「当サイト経由の特典」が付きました

新規登録を行うとAmazonギフトカード1,000円分プレゼント、さらに初回投資に応じて最大5万円分貰えます。劣後出資とマスターリース契約、さらに信託銀行活用の分別管理は業界随一!

CREAL(クリアル)

1万円から投資でき「ほったらかし」で資産運用できます。賃料収入をもとに配当、想定利回り4.0%~5.5%で償還実績は元本割れ0件。最強スペック企業なので下記記事でまとめました。