YCPホールディングス(グローバル)リミテッド(9257)のIPOがマザーズに新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。2021年2本目の外国株信託受益証券(JDR)になります。
オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)に続く銘柄になり、私はIPOに当選して利益が出たためよく覚えています。今回はどうなるのか心配しています。
主幹事は野村證券が務め公開口数3,925,400口、オーバーアロットメント588,800口です。上場規模は想定発行価格790円から計算すると約35.7億円になります。
※YCPホールディングス公式サイト引用
社名と同じでグローバル展開している企業になり、国際間で行われるM&Aなどに特化しています。またDXによる企業変革支援も行います。
この他、スキンケア市場でブランド展開している商品があったり、ペット領域で子犬用しつけ教材や成犬用おたのしみボックスなどを扱います。5つの動物病院の事業継承なども行っているそうです。
複合的なビジネスを行っていますが、投資家が気になるのはクロスボーダーのM&Aでしょう。
IPO的にはあまり人気が見込めないと思います。
YCPホールディングス(グローバル)リミテッド(9257)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 12月21日 |
市場 | マザーズ(外国株) |
業種 | サービス業 |
事業内容 | マネジメントサービス事業(各種コンサルティング及び調査等)並びにプリンシパル投資事業(パーソナルケア領域、ペットケア領域、戦略投資領域) |
ブックビルディング | 12月03日~12月08日 |
想定価格 | 790円 |
仮条件 | 790円~830円 |
公開価格 | 830円 |
初値結果 | 770円(騰落率-7.23%) |
企業情報 | https://ycp.com/ja |
監査人 | アーンスト・アンド・ヤング・エルエルピー |
手取金の使途 | 連結子会社への投融資資金に充当予定 |
項目 | 株数データ |
公募口数 | 3,925,400口 |
売出口数 | 0口 |
公開口数(合計) | 3,925,400口 |
オーバーアロットメント | 588,800口 |
上場時発行済み株数 | 19,626,676株(JDRの公募口数を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約155.1億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) みずほ証券 SMBC日興証券 SBI証券 マネックス証券 松井証券 岡三証券 |
委託見込 | LINE証券 岡三オンライン |
YCPホールディングス(グローバル)リミテッド(9257)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格790円を基に吸収金額を算出すると約31.0億円となり、オーバーアロットメントを含めると約35.7億円規模の上場となります。同社グループは、シンガポール会社法に基づき2021年3月に設立された企業になります。
同社を統括会社とし連結子会社30社と持分法適用関連会社1社を通じ、日本・シンガポール・香港を中心にアジア全域でマネジメントサービス事業とプリンシパル投資事業を展開しています。
※有価証券届出書引用
日本で創業し10年で世界17拠点へと拡大し、マネジメントサービス事業を担うプロフェッショナルのうち60%以上が海外人材となっています。
アジア全域に拠点を構えることで、市場ノウハウに精通した現地プロフェッショナルが、他拠点とも綿密に連携しながらスピーディーかつ柔軟な事業展開を支援することが可能となっています。
マネジメントサービス事業では2021年9月30日現在、238名のプロフェッショナルが必要に応じて一部外注先の協力も得つつ、各種の経営支援を提供しています。
強みとなるM&Aに関連した支援では、一気通貫でのサービスを特徴とし、マネジメントサービス事業の売上収益における51%を占める中核サービスとなっています。
※有価証券届出書引用
プリンシパル投資事業では、マネジメントサービス事業を通じて培った経営人材のプラットフォームを活用し、中小/新興企業に対して資金を投下する他、ゼロから事業立ち上げを伴うインキュベーションも行います。
投資先事業に対しては、マネジメントサービス事業と同様に3つの強みである「クロスボーダー」「M&A」「DX」を掛け合わせる形で事業拡大を推進しています。
※有価証券届出書引用
なんだかどんな事業を行っている企業なのか見えにくいですよね。
簡単に言うなら、マネジメントサービス事業では様々なコンサルティングやDX、オペレーション改善やマーケティング支援を行います。
プリンシパル投資事業ではパーソナルケア商材の企画・開発及び販売、ペット向け医療及び関連サービスの提供、将来の重点領域の育成を目的とした投資を行っています。
YCPホールディングス(グローバル)リミテッド(9257)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2021年3月05日(実質上2011年8月22日)、 シンガポール共和国フレイザー・ストリート3デュオ・タワーに本社を構えます。社長は石田裕樹氏(1982年3月10日生まれ)、ゴールドマン・サックス証券への入社後、大手企業の取締役などを経て同社代表になられています。
従業員数9人で臨時雇用者1人、平均年齢32.0歳、平均勤続年数1.3年、平均年間給与7,713,000円です。連結従業員数は437人で臨時雇用者は0人です。
連結のセグメント別従業員数はマネジメントサービス事業238人、プリンシパル投資事業199人になります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
Y Asset Management Limited | 12,690,000株 | 80.82% | ○ |
粕本 晋吾 | 1,320,000株 | 8.41% | ○ |
ダミアン・デュアメル | 456,965株 | 2.91% | ○ |
ハイコー・バグズ | 436,989株 | 2.78% | ○ |
天野 淳 | 150,000株 | 0.96% | ○ |
石崎 貴紘 | 120,000株 | 0.76% | ○ |
松田 清人 | 95,000株 | 0.61% | ○ |
上位株主には180日間(2022年6月18日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
ロックアップ率は高いようです!親引けは行われません。
YCPホールディングス(グローバル)リミテッド(9257)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が想定発行価格を下限として790円~830円に上振れしています。吸収金額は最大で37.5億円、時価総額162.9億円になります。
個人的には上場ラッシュにより選ばれない銘柄だと考えていますが、収益性が評価されれば機関投資家からの需要が見込めるようです。
ただし公開価格からそれほど上昇はなく安定した初値になると予想されています。そもそも成熟業態のM&A事業のため意見が分かれるところでしょう。M&A自体はIPOで評価されています。
修正値800円~960円
※注目度B
業績を確認すると2021年12月期の連結業績予想では、売上収益81.37億円となり前期比21.50%増、税引き前利益8.43億円となり前期比2.06%増になります。
四半期利益は6.26億円となり前期比13.18%減の予想となります。
公開価格が830円決定の場合の指標はEPS39.13からPER21.21倍、BPS170.74からPBR4.86倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
類似企業比較では割安な株価設定だと思いますが、個人投資家の買いが見込めないJDR株のため、よくて公開価格前後の初値ではないかと考えています。
同日上場が4社あるため個人投資家が同社株をターゲットにするとは思えません。野村證券主幹事のため安心感はあるものの初値で利益を得るのは難しいと考えています。
大手情報では1,000円目処が期待できるが上場ラッシュのため難しいとの判断がされているようです。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
野村證券(主幹事) | 3,533,100口 | 90.01% |
みずほ証券 | 117,700口 | 3.00% |
SMBC日興証券 | 78,500口 | 2.00% |
SBI証券 | 78,500口 | 2.00% |
マネックス証券 | 39,200口 | 1.00% |
松井証券 | 39,200口 | 1.00% |
岡三証券 | 39,200口 | 1.00% |
JDR銘柄は微妙なのでスルーしてもいいかもしれません。
ただしネット組は主幹事の野村證券から参加しておけば、地合いが悪化してもキャンセルができます。店頭組はそういう訳にはいかないため配分があれば購入確定でしょう。
野村證券は前受け金不要でIPO抽選に参加できるため口座開設だけは行っておきましょう。IPOに興味があればの話です。
野村證券のIPOは当選できないのか自分の当選履歴をもとに考えてみました。インターネット口座と店頭口座のIPOルールについてもふれています。野村證券がIPOの主幹事になる確率は高いと過去データからもわかりますが、当選を …
また野村證券が主幹事を引受けた場合にLINE証券でもIPOの取扱い期待が持てます。
JDRになるため取扱いは微妙かもしれませんが、本来であればLINE証券でも抽選に参加できると思います。IPOルールは下記記事でまとめています。
出金手数料が無料化されたため使い勝手がよくなっています。口座開設を行うと単元未満株を3,000円程度貰うことができます。FXキャンペーンも期間限定で開催されています!
LINE証券のIPOルールを徹底的にまとめました。そこであるデメリットにすぐに気が付いたため情報共有したいと思います。野村證券が取り扱うIPOをLINE証券で販売する流れになるため、抽選に参加できる機会が多いはずです。 …
類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
日本M&Aセンターホールディングス(2127) | PER81.25倍 | PBR21.51倍 |
山田コンサルティンググループ(4792) | PER14.68倍 | PBR1.76倍 |
ストライク(6196) | PER37.57倍 | PBR11.59倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
該当事項なし | -株 | -円 |
ストックオプション(新株予約権)はありません。
YCPホールディングス(グローバル)リミテッド(9257)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
YCPホールディングス(グローバル)リミテッドのIPOは無理して参加しなくて良いと思います。機関投資家の評価は高くないと考えられるため抽選にはぼちぼち参加する程度でしょう。オムニ・プラス・システム・リミテッドの上場はIPO閑散期でたまたま人気だっただけだと思います。
※YCPホールディングス公式サイト引用
成長戦略ではアジア地域をカバーした総合的な経営支援を提供できることから、今後もM&Aや事業提携を通じて中国やインドでサービス拡大を狙うそうです。
東南アジア地域はマクロ経済の伸びが著しいためコンサルティング市場の成長も期待できるそうです。
同社は東南アジア主要国を網羅している強みを活かし成長基盤の強化を行うようです。グルーバル企業なので業績は為替による影響を受けます。
またM&Aと言うことでもちろん「のれん」が発生します。総資産に占めるのれん割合は21.6%となっていました。それほどビックリするような感じではなさそうです。
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