True Data[トゥルーデータ](4416)のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はいちよし証券が務め公開株数1,233,400株、オーバーアロットメント185,000株です。上場規模は想定発行価格2,220円から計算すると約31.5億円になります。


上場規模が大きく赤字体質となっています!!


True Data[トゥルーデータ]IPOの初値予想と上場
※トゥルーデータ公式サイト引用


同社は日本最大規模の消費者マーケティングデータ(ID-POSデータ)を取り扱う企業です。


またGoogle CloudからCo-Sellパートナーに認定されているそうです。


グローバルで競争力を持つDXソリューションと同社のデータや分析基盤を組み合わせて、クライアントに提供する体制構築にも取り組む企業です。


どうもインパクトに欠ける気がします。だってINCJ(産業革新投資機構)の売出しIPOですからね!!


いちよし証券の腕の見せどころでしょうか。SaaS販売を行っているため強気に攻めてきた感じかもしれません。


True Data[トゥルーデータ]IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日12月16日
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容全国の消費者購買データを扱うビッグデータプラットフォームを運営
ブックビルディング11月30日~12月06日
想定価格2,220円
仮条件2,000円~2,220円
公開価格2,220円
初値結果2,250円(公開価格1.01倍)
企業情報https://www.truedata.co.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人
手取金の使途
  • 人材の新規採用費及び人件費
  • システム開発資金
  • 借入金の返済
  • 研究開発費
  • 広告宣伝費


項目株数データ
公募株数170,000株
売出株数1,063,400株
公開株数(合計)1,233,400株
オーバーアロットメント185,000株
上場時発行済み株数4,609,400株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約102.3億円
幹事団いちよし証券(主幹事)
みずほ証券
大和証券
マネックス証券
SBI証券
松井証券
楽天証券
東洋証券
極東証券
水戸証券
岡三証券
委託見込岡三オンライン
SBIネオトレード証券
DMM.com証券


True Data[トゥルーデータ]の上場に伴う評判とIPO分析を行いました

想定発行価格2,220円を基に吸収金額を算出すると約27.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約31.5億円規模の上場となります。


赤字体質で上場規模も荷もたれ感があり投資を行うには不安なIPOだと思います。ただしお決まりのストック型売上率が高い企業となっています。


同社の主たる事業はスーパーマーケットやドラッグストアなど、全国の小売業の顧客ID付きPOSデータ(ID-POSデータ)を活用した分析及び開示支援ツールを提供するなど、データマーケティングに関わるサービス提供を行っています。


同社のサービスはメーカー向けソリューション、リテール向けソリューション、あらゆる産業向けソリューションに分かれているそうです。


メーカー向けソリューションにおいては「イーグルアイ」「ドルフィンアイ」等のサービスを行っており、リテール向けソリューションにおいては「ショッピングスキャン」等のサービスを提供しています。


あらゆる産業向けソリューションは、消費者購買に関わるデータや分析レポート、AI等の提供サービスとなっています。


データを活用することで、企業は過剰な商品数を市場に投下することがなくなり、在庫削減やコスト効率が向上し、大量生産・大量消費時代からの脱皮、顧客や企業のサステナビリティに貢献することを目指しています。


True Data[トゥルーデータ]の上場評判と業績
※有価証券届出書引用


同社は「ID-POSデータ」の将来性に着目して2000年に三菱商事株式会社の新規事業として立ち上げられた企業です。


設立後10余年は小売業のサポートを業務内容として事業を展開しており、2006年3月期を境に毎年の売上高の減少トレンドの中、コスト削減に注力することで黒字を維持する縮小均衡の経営状況にあったそうです。


2012年に現行の経営体制への変更ととも、連携する「ID-POSデータ」を拡大し、提供するソリューションの価値向上を図りながら持続的な売上成長を目指す成長路線へと経営方針を転換したそうです。


True Data[トゥルーデータ]のストック型売上
※有価証券届出書引用


サービスの具体的な内容は「ショッピングスキャン」になり、小売業の商品ごと、店舗ごとの購買行動を簡易に分析できる小売業向けのID-POSデータ分析ツールです。


小売業はポイントカードの利用に伴って日々蓄積される自社の購買データを分析することで、ファンが付いている商品や買い合わせ傾向などを分析し、売場や販促などマーケティングの改善に活用しています。


True Data[トゥルーデータ]の販売実績
※有価証券届出書引用


同社は「ショッピングスキャン」の分析ツールを提供するだけでなく、小売業や開示先消費財メーカーへのデータ活用セミナーやサポートデスクの設置なども行います。


データ活用支援をあわせて提供することで、現場のデータマーケティングを活性化し、小売業から消費財メーカーへのデータ外販収益の最大化にも貢献しています。


同社はイーグルアイという主要サービスを提供し、全国および地域単位での消費者の購買動向を早期かつ精緻に把握することを目的とした分析ツールを開発しています。


イーグルアイは年間契約のSaaSとして消費財メーカーなどの企業に提供しており、2021年3月末時点で導入企業数は116社となっています。


True Data[トゥルーデータ]の経営指標と業績状況を確認してみました

回次第20期第21期
決算年月2020年3月2021年3月
売上高1,011,3561,166,060
経常利益又は経常損失△93,668△64,335
当期純利益又は当期純損失△96,859△60,804
資本金1,160,5101,160,510
純資産額598,970538,166
総資産額874,031890,488
1株当たり純資産額134.92121.22
1株当たり当期純損失△21.81△13.69
自己資本比率(%)68.560.4
自己資本利益率(%)
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー25,180135,720
投資活動によるキャッシュ・フロー△281,215△80,979
財務活動によるキャッシュ・フロー98,31025,520
現金及び現金同等物の期末残高353,763434,025
※数値は千円単位



第22期第2四半期累計期間(2021年4月01日~2021年9月30日)
  • 売上高622,994千円
  • 営業損失3,076千円
  • 経常損失2,728千円
  • 当四半期純損失3,043千円


True Data[トゥルーデータ]の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2000年10月10日、東京都港区芝大門一丁目10番11号に本社を構えます。社長は米倉裕之氏(昭和41年6月14日生まれ)、株式保有率は4.73%(225,000株)です。


従業員数77人で臨時雇用者11人、平均年齢38.6歳、平均勤続年数4.6年、平均年間給与5,550,000円です。


セグメントはデータマーケティング事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
株式会社プラネット1,176,000株24.70%
株式会社INCJ1,063,400株22.34%
株式会社デジタルガレージ320,000株6.72%×
AGB Nielsen Media Research B.V.320,000株6.72%×
第一生命保険株式会社300,000株6.30%×
米倉 裕之225,000株4.73%
株式会社タケオホールディングス170,000株3.57%×
株式会社ドコモ・インサイトマーケティング170,000株3.57%×
※株主上位8名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には90日間(2022年3月15日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


ロックアップ率も低く売出株中心のIPOなので良い感じはしません。株式会社INCJ(産業革新投資機構)は全株式を売出株として処分予定です。


親引けは行われません。


True Data[トゥルーデータ]IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件は想定発行価格を上限として2,000円~2,220円に決定しました。吸収金額は最大で31.5億円、時価総額102.3億円です。ファンド出口案件となっているため需給が読みづらいようです。


収益形態がストック型となり全体の7割を占めていることから今期、もしくは来期から黒字が続くと考えらえます。


ビッグデータ関連のビジネスになりIPOでは人気業態です。しかしファンド出口案件を懸念する投資家が最近では多いため初値高騰は難しそうです。


それでも大手予想は利益が見込めると予想しているようです。私は乗り気ではないため半力でブックビルディングに参加しておきたいと思います。


売出人のINCJが売出した後はVCがいないため案外需給が良いかもしれません。ただデジタルガレージは売るかも?と心配されています。


大手初値予想2,500円~3,000円
修正値2,600円~3,000円

※注目度A


業績は2022年3月期の単独業績予想が出ており、売上13.00億円になり前期比11.49%増、経常利益2,200万円となり前期-6,400万円からの黒字化になります。


四半期利益はわずか900万円になり前期-6,000万円からの黒字予想になります。ギリギリ黒字になるみたいなんですよね。


公開価格が2,220円決定の場合の指標はEPS2.15からPER1,032.56倍、BPS191.78からPBR11.58倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


業績水準が低くファンド売出し案件のため懸念材料もあります。


ただ、最先端のテクノロジーを組合わせた事業スタイルは臨機応変の対応ができ魅力がありそうです。今後集めたデータをどのように収益に変えていくことができるのかが課題のようです。


幹事名割当株数引受割合
いちよし証券(主幹事)925,200株75.01%
みずほ証券80,100株6.49%
大和証券80,100株6.49%
マネックス証券18,500株1.50%
SBI証券18,500株1.50%
松井証券18,500株1.50%
楽天証券18,500株1.50%
東洋証券18,500株1.50%
極東証券18,500株1.50%
水戸証券18,500株1.50%
岡三証券18,500株1.50%


産業革新投資機構案件なのでスルーするかもしれません。関わると損するイメージがあります。


全株式を売る時点で印象が悪いと思います。同日上場のブロードエンタープライズ(4415)のほうが個人的に魅力がある気がします。偏見かもしれませんけどね。


松井証券が資金不要でIPO抽選に参加できます。主幹事のいちよし証券も可能ですが株式売買手数料が割高になります。


資金不要でIPO抽選に参加できる企業は下記記事でまとめています!




東証1部上場のあなぶき興産(8928)が直接運営するジョイントアルファに口座開設を行うとAmazonギフト券が1,000円分貰えます。


不動産投資型クラウドファンディングとなっているため投資初心者にお勧めできます。デフォルトを考えると上場企業は業績開示をしなければならないため魅力です。




また、モーニングスターが発行している年間52,800円(税込)の情報を無料で見れる方法をご存知でしょうか?


IPO投資が前受け金不要のDMM.com証券(PR)の口座を開設すると無料購読できてしまいます。詳しくは下記記事でまとめています!


IPOの初値予想記事も見ることができるため重宝すると思います。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ダブルスタンダード(3925)PER44.58倍PBR16.54倍
プラスアルファ・コンサルティング(4071)PER98.00倍PBR32.07倍
アイドママーケティングコミュニケーション(9466)PER13.67倍PBR1.25倍
※2021年11月30日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2016年6月17日~2024年1月31日45,000株300円
2016年7月29日~2024年1月31日77,500株300円
2017年2月17日~2024年1月31日3,000株300円
2018年6月18日~2025年5月31日162,100株350円
2021年3月29日~2028年5月31日33,900株400円


ストックオプション(新株予約権)は321,500株が上場時に行使期限を迎えます。


潜在株式数は321,200株で発行済株式総数の6.75%となっていました。300株の誤差があります。


True Data[トゥルーデータ]IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

True Data[トゥルーデータ](4416)のIPOは無理せず参加したいと思います。


主幹事がいちよし証券となっていることは何となく気になります。


True Data[トゥルーデータ]IPOの評価
※トゥルーデータ公式サイト引用


AIや機械学習の提供に組み合わせて、「KURASHI360」やID-POSデータを提供することによる差別化を行うようです。


またストック型サービスの拡大による収益構造の強化を実施し潜在顧客層の拡大などを狙うそうです。新たな領域でのストック型サービスの追加も行われるそうです。


しかし、個人的にはINCJ(産業革新投資機構)が嫌いなので最後まで考えたいと思います。マジ良いことありませんからね。


2021年3月期に税務上の繰越欠損金があるそうです。赤字なのでそうなりますよね。黒字転換し、しばらくすると負担が大きくなりそうです。


業績の開示情報を確認しても黒字化できるのか不安ですけどね。


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