スペースマーケット(SPACEMARKET)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。メディアでも取り上げらる機会が多くご存知の方も多いと思います。


主幹事は大和証券が務め公開株数が1,794,700株、オーバーアロッメント269,200株と株数が多いようです。想定発行価格は520円と低いようです。上場によって市場から吸収される金額は約10.7億円です。


事業内容や吸収金額は魅力的となっていますが業績が少し不安です。それでも初値は高くなるのではないかと考えています!


スペースマーケットIPO上場承認と初値予想


売上げ増でも赤字拡大は減点対象だと思います。今期業績は第3四半期開示で黒字となっているようです。スペースシェアリングエコノミーは地方創生などとも関わり合いがあり注目されています。


デジタル社会ならではのサービスになり、同社は今後海外展開も視野に入れているそうです。シェアリング取引環境がメジャーになり認知度が高くなっているビジネスです。


スペースマーケット(4487)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容遊休不動産のスペースの貸し借りのプラットフォームである「スペースマーケット」の運営等
公開予定12月20日
ブックビルディング期間12月05日~12月11日
想定価格520円
仮条件520円~590円
公開価格12月12日
企業情報https://spacemarket.co.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人


【手取金の使途】

手取概算額263百万円については、事業拡大・機能拡充のためのプラットフォームサービスに係る無形固定資産の取得(設備の内容:ソフトウェア)に206百万円(2020年12月期95百万円、2021年12月期111百万円)、金融機関に対する借入金の返済資金に40百万円(2021年12月期40百万円)を充当する予定であります。

なお、上記使途以外の残額は将来における当社サービスの成長に寄与する支出、投資に充当する方針でありますが、当該内容等について具体化している事項はなく、具体的な資金需要が発生し、支払時期が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数520,000株
売出株数1,274,700株
公開株数(合計)1,794,700株
オーバーアロットメント269,200株
上場時発行済み株数11,213,800株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約58.3億円
幹事団大和証券(主幹事)
みずほ証券
SBI証券
SMBC日興証券
松井証券
マネックス証券 ←完全平等抽選
いちよし証券
エース証券
岩井コスモ証券
委託見込 SBIネオトレード証券
DMM.com証券 ←前受け金不要


スペースマーケット(4487)上場評判とIPO分析

想定発行価格520円を基に吸収金額を算出すると約9.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約10.7億円規模の上場となります。上場規模は小さく株単価も低いため個人投資家に好まれそうです。


同社はインターネットやスマートフォン上で、遊休不動産等のスペースの貸し借りのためのプラットフォーム「スペースマーケット」を提供している企業です。スペースマーケットは遊休不動産等のスペースの貸し借りのプラットフォームであり、誰でも簡単にスペースを貸し借りできるという今までになかったユニークなサービスを提供しています。


近年、貸し会議室等の需要の高まりもあり、時間単位で不動産を利用するという市場が広がってきたものの、従来型の貸しスペースは無機質・画一的で、エリアが首都圏に限定され、ビジネス用途以外の利用はしづらいという課題がありました。


同社の掲載スペースは全国47都道府県に渡り、2019年9月現在は11,900件を超える掲載数を有しています。種類は法人利用の多い会議室・セミナー会場の他、レストラン・カフェ、スポーツ施設、住宅、映画館、廃校、お寺、お城などの多種多様の貸しスペースを掲載しています。



このような特徴から「映画館でセミナー」「無人島でコスプレ撮影会」「レンタルスペースでお花見・スポーツ観戦」など、ユニークで新しいスペースの活用文化を創造し続けてきたそうです。


スペースの貸し借りの際にホスト・ゲストが負う賠償責任を補償する保険サービスや、協業先による修繕サービスの提供などの付加価値提供、スマートロックや遠隔型の監視カメラなどIoT機器メーカーとの提携により、安全かつ安心なスペースの貸し借りを後押ししています。


スペースマーケットIPO上場評判と業績


スペースマーケットではスペース料金に応じた手数料を頂く仕組みとなっています。ゲスト(スペース利用者)はスペースを利用した際に、スペース料金にゲスト手数料5%が加算された金額を利用料金として同社に支払います。


同社はゲストが支払ったスペース料金から、ホスト手数料として基本手数料30%を差し引いた金額をホストに支払っております。当社では当該ゲスト手数料及びホスト手数料の合計額を売上高に計上しています。


ホスト(遊休不動産等を保有する提供者)に対して、売上に応じて手数料が還元されるインセンティブ制度を導入しています。月の売上金額に応じて手数料をホストに還元し、売上が高ければ高いほど還元される仕組みなので、貸し出すスペースをスペースマーケットに集約するほどホストにインセンティブが生まれます。


スペースマーケット(SPACEMARKET)IPOのビジネスモデル


法人向けソリューションでは、法人によるイベント企画や運営の支援サービスとして「スペースマーケット」で貸し出されているスペース等から会場を選定し、イベントの企画・プロデュース、当日の運営・ディレクション等をワンストップで支援するサービスを提供しています。


これまで映画館で開催するベンチャー企業のピッチコンテスト、お寺で開催する大企業とスタートアップの合同祈願会、廃校で開催するフェス型の目標達成会イベント等のユニークなセミナー・カンファレンス、社内イベント等の開催を支援しています。


企業のマーケティング目的で、新製品等を「スペースマーケット」で貸し出されているスペースに無料で設置し、同社が製品の設置やホストとのコミュニケーション等を行う、スペースを活用したサンプリング配布のサービス等も提供しているそうです。


法人向けソリューションでは顧客からの要望に応じて個別に見積もりを行い、役務提供の完了に対して対価の支払いを受け取っています。


スペースマーケット販売実績


スペースを貸したいホストは掲載スペースの住所などの詳細を登録し、身分証明書や登記簿謄本などの証明書類、宿泊を伴う貸し出しの場合は営業許可証などを審査資料として提出します。審査完了となれば掲載が開始される流れです。


スペースを借りたいゲストは利用目的やエリア、利用日時や利用時間など簡単な検索で場所を探すことが出来ます。決済方法はクレジットカード又は後払い決済となっています。


スペースマーケットではゲストの予約リクエストをホストが承認した時点で、ゲスト側での決済が行われゲストがスペースを利用した後に、同社からホストに対してスペース利用料金が支払われる仕組みとなっています。


スペースマーケット(4487)の企業財務情報と配当性向

回次第4期第5期
決算年月2017年12月2018年12月
売上高392,638578,247
経常損失△148,188△271,923
当期純損失△148,598△274,213
資本金253,747625,192
純資産額83,156551,835
総資産額282,2721,083,453
1株当たり純資産額△42.89△63.44
1株当たり当期損失△15.77△28.70
自己資本比率(%)29.450.9
自己資本利益率(%)
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△153,698△278,964
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,502△7,295
財務活動によるキャッシュ・フロー△6,421896,644
現金及び現金同等物の期末残高150,933761,318
※数値は千円単位


第6期第3四半期累計期間(2019年1月01日~2019年9月30日)

  • 売上高550,995千円
  • 営業利益6,869千円
  • 経常利益5,204千円
  • 四半期純利益3,485千円



【スペースマーケットIPOの第6期第3期のチェックポイント!】

今期は現在まで、貸切空間で仲間と一緒にスポーツ観戦等を楽しむ「プライベートビューイング」を提案したメディアへの露出や、デジタルマーケティングを中心とした広告宣伝投資を積極的に行ったそうです。今後のサービスの拡充を見据え、組織体制強化のために人材採用に注力したと内容が少し薄いようです。

前期は開発体制及び広告宣伝活動の強化に継続して取組み初の単月GMV2億円超を達成したそうです。加盟するシェアリングエコノミー協会はシェアリングシティ認定(30自治体)や、官民共同による規制の試金石となるシェアリングエコノミー認証制度を実施し3回目となるシェア経済サミットを主催したそうです。


スペースマーケット(4487)従業員と株主の状況

会社設立は2014年1月08日、東京都新宿区西新宿六丁目15番1号に本社を構えます。社長は重松大輔氏(1976年1月27日生まれ)、株式保有率は34.84%(4,086,000株)です。


従業員数52人で臨時雇用4人、平均年齢32.1歳、平均勤続年数2.4年、平均年間給与4,951,000円です。事業はスペースマーケット事業の単一セグメントとなっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
重松 大輔4,086,000株34.84%
ダブルパインズ1,500,000株12.79%
オプトベンチャーズ1号投資事業有限責任組合1,247,700株10.64%
CA Startups Internet Fund2号投資事業有限責任組合771,000株6.57%
鈴木 真一郎752,700株6.42%
壺内 靖二郎734,700株6.27%
マイナビ335,700株2.86%
オリックス256,200株2.18%
みずほ成長支援投資事業有限責任組合205,200株1.75%
東京建物171,000株1.46%×
※株主上位10名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ当社株主である重松大輔、鈴木真一郎及び益戸佑輔、並びに当社株主である株式会社ダブルパインズ及び株式会社マイナビは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目(2020年6月16日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。

また売出人かつ当社株主であるオプトベンチャーズ1号投資事業有限責任組合、CA Startups Internet Fund2号投資事業有限責任組合 ~省略~ 主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目(2020年3月18日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには当社普通株式の売却等(条件:発行価格の1.5倍以上)を行わない旨を合意しております。

さらに、当社の新株予約権を保有する鈴木真一郎 ~省略~ 主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年3月18日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した当社普通株式の売却等(条件:発行価格の1.5倍以上)を行わない旨を合意しております。また、当社の新株予約権を保有する壺内靖二郎はロックアップ180日間です。
※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日目(2020年6月16日まで)のロックアップが付与されています。また売出人(VC)等にはロックアップ90日間でロックアップ解除倍率1.5倍以上が適用されます。発行価格の1.5倍以上になれば売却ができます。


また新株予約権を保有している株主についてもロックアップが適用されることになっています。


従業員への福利厚生等を目的として従業員持株会に対し、募集株式数及び売出株式数のうち179,400株を上限として親引けが予定されています。


スペースマーケット(4487)IPOの初値予想と幹事引受け株数

仮条件が520円~590円と想定発行価格を下限として上限方向に広げられています。吸収額は590円算出で約12.2億円になります。株数が206万株以上あり当選確率が高そうです。


ただ業績がやっと黒字化する水準のためあまり初値期待はできないようです。事業は情報通信業に位置しITを使いますが初値2倍に届くことはないのかもしれません。2019年12月のIPOは5年ぶりに多い水準になるため買い疲れも指摘されています。


2019年12月の単独業績予想は売上8億円で経常利益5.8億円となり前期比39.1%増と快調です。経常利益800万円で前期の-2.7億円から黒字化します。四半期利益は600万円で前期-2.7億円から黒字化となります。


上場イメージは悪くないと思いますがベンチャーキャピタルのロックアップが解除される885円あたりから警戒が必要のようです。このパターンだと切りの良い1,000円あたりで初値が形成されるかもしれません!


初値予想700円~800円

初値予想800円~900円(修正値)


kimukimu

意外に初値予想が低くて驚きです。仮条件引き上げにより初値上振れも?


EPSは0.62になるためPERは951.6倍、BPS73.27なのでPBRは8.05倍になります。そう考えると初値1.5倍越えはなく800円あたりで初値形成となる可能性が高そうですね。


ともかくIPOに当選しても損失となることはなさそうなので公開価格割れリスクが低い銘柄は申し込みをしておきましょう。たとえ2万円程度の利益でも家族で食事を楽しむには十分でしょう!


やっと黒字化していることから、セカンダリー参戦者は上場当日の朝に大和証券から発表されるであろう業績レポート待ちかもしれませんね。


幹事名配分単位引受割合
大和証券(主幹事)1,472,100株82.02%
みずほ証券107,700株6.00%
SBI証券89,700株5.00%
SMBC日興証券35,700株1.99%
松井証券17,900株1.00%
マネックス証券17,900株1.00%
いちよし証券17,900株1.00%
エース証券17,900株1.00%
岩井コスモ証券17,900株1.00%


ティーケーピー(3479)あたりと企業規模が異なりますが意外と人気になるIPOなのでは?と感じています。上場規模が小さいことが魅力になり株単価が低く当選もしやすいと思います。利益が大きく見込めるような感じではなさそうですが当選狙いのIPOでしょう。


幹事構成からもIPO抽選に参加しやすいため狙って抽選に参加したいと思います。大和証券やマネックス証券狙いでしょう。SBI証券だとIPOチャレンジポイントをあまりつぎ込まなくても当選できると思います。利益も少ないと思いますけどね。


マネックス証券のIPO抽選ルールと当選画像


資金切れで岩井コスモ証券からの申込み者も少なそうです。松井証券は資金不要で抽選に参加できるため口座を開設している方は申し込んでおきましょう。


岩井コスモ証券のIPO抽選ルール記事へ


上場企業が運営するソーシャルレンディングに注目が集まっています!財務開示の面からも投資家に開示される情報が多いため人気です。OwnersBookは有名ですが、あなぶき興産が運営するジョイントアルファ(Jointoα)も人気が高まっています。


もっと詳しく知りたい

ソーシャルレンディング上場企業の詳細情報を知りたい方は下記記事にまとめているので参考にしてください。少しずつ上場企業が増えてきています。

ソーシャルレンディングは上場企業だと安全?選ばれる理由と罠



IPOに当選しない時に分配金が貰えると心が和みます。全く利益が出ないとIPO投資もモチベーションが下がります。株主優待クロス取引にデビューしていない方にもお勧めです。簡単に株主優待を取る方法記事は下記に書いてみました。これを読めばリスクゼロ?で優待が貰えるんですよね~

⇒ 初心者必見の株主優待クロス取引(つなぎ売り)とは?【SBI証券とauカブコム証券】


Wealthnavi(ウェルスナビ)

類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ティーケーピー(3479)PER58.16倍PBR12.55倍
共立メンテナンス(9616)PER19.02倍PBR2.41倍
レイ(4317)PER15.23倍PBR1.83倍
※2019年12月05日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2018年2月01日~2025年12月31日170,700株6円
2018年2月01日~2025年12月31日6,000株6円
2020年12月27日~2028年12月26日121,200株585円
2019年10月10日~2027年10月09日734,700株34円


ストックオプション(新株予約権)は176,700株が行使期限を迎えています。新株予約権を保有する株主は基本的にロックアップ対象となっているため上場時点ではあまり気にしなくてよいでしょう。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

IPOの最新情報やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入しています。


スペースマーケット(4487)IPOの評価と申し込みスタンス

スペースマーケット(SPACEMARKET)は今期業績次第では大きく買われそうなIPOだと考えています。事業内容は個人投資家に好まれそうです。


中長期的な方向性としては新たなスペース利用の可能性を創造し、スペースのシェアリングエコノミーのモデルを確立・拡充していく方針となっています。付加サービスの提供やIoTの導入、内装工事サービスとの連携といった付加価値の提供の充実を図るそうです。



1年間で利用スペース数を約8万とする事を目指して、売上高の拡大と共に広告効率・オペレーション効率が向上し、営業利益率が継続的に改善する収益構造を維持していくようです。


スペースマーケット(SPACEMARKET)のレンタルスペース情報


テクノロジーの進歩によって、シェアリングの取引が活発になりシェアリングエコノミー時代へ突入したと考えられ同社事業への関心は高いと考えられます。あとは業績が黒字化しその黒字を維持できれば一定の市場シェアを確立していくものと考えられます。


海外では既に複数のビズネスが存在しグローバル的な時間貸しスペースの需要が確認されているそうです。


赤字の理由は事業拡大に伴い人件費等経費が拡大したことやマーケティング投資、新規顧客の開拓などを積極的に進めてきたためだそうです。


競合他社についてはスペースシェアリングをターゲットとした事業展開を行う企業が複数存在するそうです。宿泊については旅館業法に基づく許可を取得している旅館やホテルを仲介しています。


まだ浅い歴史しかないため手探りでビジネス展開している部分はあると思いますが、時代の在り方が変化しているように思います。ビジネスすスタイルから新奇性も感じられます!


スペースマーケットIPO幹事入りしてます! 【完全平等抽選のマネックス証券】
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