ホロスホールディングス(5839)のIPOがスタンダード市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。VC案件で保険業となっていることから個人投資家には不人気でしょう。


主幹事はSMBC日興証券が務め公開株数1,548,400株、オーバーアロットメント232,200株です。上場規模は想定発行価格1,710円から計算すると約30.4億円になります。


ホロスホールディングス(5839)IPOが上場承認
※ホロスホールディングス公式サイト引用


新味のない保険分野(生命保険、損害保険)のIPOになります。


上場規模も大きめなので本来であれば人気がなさそうです。買われる材料は特になさそうですがIPOが減るタイミングでの上場となっています。


6月上場であれば利益は望めなかったと感じます。


保険業界は景気低迷や少子化の影響から縮小傾向にあります。同社の場合は乗合保険代理店を通じた保険販売手法の浸透により恩恵があるようですね。


生命保険会社23社、損害保険会社12社の合計35社と保険代理店委託契約を締結し、幅広い顧客ニーズに応える体制を構築しているそうです。


黒字企業となっていますが勢いは感じられません。


ホロスホールディングス(5839)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日上場中止
市場スタンダード市場
業種保険業
事業内容保険代理店事業を中心とする企業グループの持株会社
ブックビルディング7月05日~7月11日
想定価格1,710円
仮条件1,710円~1,840円
売出価格7月12日
初値結果
企業情報https://www.holos-hd.jp/
監査人有限責任あずさ監査法人


項目株数データ
公募株数0株
売出株数1,548,400株
公開株数(合計)1,548,400株
オーバーアロットメント232,200株
上場時発行済み株数3,349,600株
想定ベースの時価総額約57.3億円
幹事団SMBC日興証券(主幹事)
みずほ証券
岡三証券
アイザワ証券
三菱UFJモルガンスタンレー証券
SBI証券
岩井コスモ証券
楽天証券
委託見込岡三オンライン
SBIネオトレード証券
DMM.com証券


ホロスホールディングス(5839)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,710円を基に吸収金額を算出すると約26.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約30.4億円規模の上場となります。


同社は総合生活支援業を志向しており、同社と連結子会社3社(株式会社ホロスプランニング、株式会社ジェー・ピー・ディー清水、株式会社エルティヴィー)で構成されています。


同社は純粋持株会社として、グループの経営戦略の立案・決定、経理・財務・総務業務等の各事業に共通する管理サービスの提供及びグループ経営のモニタリングを行います。


各連結子会社では保険代理店事業、土地バンクリース事業、教育研修・マーケティング事業の3事業を展開しています。


主要事業は保険代理店事業になり、200名を超える将来設計士が全国規模で保険募集活動を行っているそうです。


ホロスホールディングス(5839)の業績
※有価証券届出書引用


保険代理店事業は、連結子会社のホロスプランニングが保険代理店として全国主要都市にオフィスを展開し、訪問販売を中心に広域型の生損保乗合保険代理店として事業を行っています。


同社に所属する将来設計士は、各々得意とする保険分野(生命保険、損害保険)を中心に保険募集活動を行います。


土地バンクリース事業は、連結子会社のジェー・ピー・ディー清水が行い主としてサブリースを提供しています。


近畿地方を中心に農地などの土地保有者から遊休土地を借り受け、土地活用価値を高めたうえで運送事業者等の大口土地ユーザーに転貸等を行う土地バンクリース事業を展開しています。


事業用土地として長期契約がベースとなるため安定的かつ収益性の高い事業となっています。


ホロスホールディングス(5839)の事業概要
※有価証券届出書引用


教育研修・マーケティング事業は、連結子会社のエルティヴィーが行い、保険業界周辺の事業として将来設計士が持つ顧客に対するコミュニケーションスキルを教育研修サービスとして提供しています。


教育研修事業は保険営業において営業実績を誇る将来設計士のコミュニケーションスキルを可視化しています。


金融機関の富裕層に特化した営業部門やハウスメーカーなど高額商品を取り扱う営業部門等に対して教育研修サービスを提供しているそうです。


ホロスホールディングス(5839)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


上記の販売実績の数値では保険代理店事業が売上の77.4%を占めています。


ホロスホールディングス(5839)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2014年2月03日、京都市中京区烏丸通錦小路上ル手洗水町659番地烏丸中央ビル4階に本社を構えます。社長は堀井計氏(1958年7月27日生まれ)、株式保有率は14.93%(508,800株)です。


従業員数10人で臨時雇用者5人、平均年齢46.5歳、平均勤続年数3.9年、平均年間給与4,508,000円です。連結従業員数は358人で臨時雇用者は34人です。


連結のセグメント別従業員数は保険代理店事業332(臨時28人)、土地バンクリース事業7人(臨時1人)、教育研修・マーケティング事業9人(臨時0人)、全社共通10人(臨時5人)となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
TKTH投資事業有限責任組合1,640,600株48.14%
堀井 計508,800株14.93%
第一生命保険株式会社312,400株9.17%
ソニー生命保険株式会社237,600株6.97%
清水 三雄154,000株4.52%
株式会社MIO76,800株2.25%
アイザワ・インベストメンツ株式会社60,000株1.76%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2024年1月16日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


TKTH投資事業有限責任組合とアイザワ・インベストメンツ株式会社、中信ベンチャー・投資ファンド3号投資事業有限責任組合の3社は売出価格の1.5倍以上だと売却が可能となっています。


kimukimu

VC3社にだけロックアップ解除が適用されます。



また、個人投資家や新株予約権者には90日間(2023年10月18日まで)のロックアップが適用されます。解除設定はありませんが売りたいとばかりに目論見に名前が連なっています。


親引け設定は以下のようになっています。合計すると最大で5.05億円となります。


  • ネオファースト生命保険株式会社 取得金額200百万円に相当する株式数を上限
  • FWD生命保険株式会社 取得金額120百万円に相当する株式数を上限
  • 東京海上日動あんしん生命保険株式会社 取得金額30百万円に相当する株式数を上限
  • ホロスホールディングス従業員持株会 取得金額155百万円に相当する株式数を上限


ホロスホールディングス(5839)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が1,710円~1,840円に決定し上場による吸収金額は最大約32.8億円、時価総額は約61.6億円です。


大手情報によれば割安感に乏しくファンド出口案件のため初値に期待できないようです。色々と情報があるようですが結局はファンドが高値で売りたいだけの案件と観測されています。


ただ、今期業績は増収増益予想が出ているためあまり悲観しなくても良いのかもしれません。規模的にはブロードマインド(7343)あたりになるようですね。


東証スタンダード市場でファンド売出し案件、株価設定が高く投資家にあまり人気がない保険代理店事業なので初値利益を得るには難しそうです。


大手初値予想1,700円~2,200円
修正値1,800円~2,000円

※注目度B


業績を確認すると2023年7月期の連結予想を確認できました。売上66.95億円となり前期比24.63%増、経常利益6.24億円となり前期比74.30%増となります。


四半期利益は3.82億円となり前期比62.55%増を予想しています。


公開価格が1,840円決定の場合の指標はEPS114.05からPER16.13倍、BPS492.22からPBR3.74倍になります。配当金が45.62円でる予想となっており配当利回り2.48%になります。


割安感が乏しいと言われていますが、同日上場のナレルグループ(9163)よりは吸収金額が少ないため意外と公開価格を超えるかも?と考えています。


ただ事前評価が低いため積極的にIPO抽選に参加する方は少ないと思います。できるだけVC案件には手を出さないほうがいいですからね。


私も消極的に参加することになりそうです!


幹事名割当株数引受割合
SMBC日興証券(主幹事)1,394,200株90.04%
みずほ証券31,000株2.00%
岡三証券31,000株2.00%
アイザワ証券31,000株2.00%
三菱UFJモルガンスタンレー証券15,300株0.99%
SBI証券15,300株0.99%
岩井コスモ証券15,300株0.99%
楽天証券15,300株0.99%


売出株100%でベンチャーキャピタルのイグジット案件と言えそうです。売出人はVCと代表者の2名です。


コロナ禍が終わったことを感じます。今まで投資家に嫌われていたVCイグジット案件が今後も出てきそうですね。


同社の場合はスタンダード市場への上場であり、不人気の保険業なので魅力はなさそうです。ただIPOが少ない時期に上場するためBBには参加することになりそうです。


当選を狙うのであれば主幹事のSMBC日興証券から申込みを行っておきましょう。公開株数が多い銘柄の取扱いも期待できますからね。


IPOルールは下記記事でまとめています。単元未満株も100万円まで無料で購入できdポイントを利用した株式購入も可能です!!


ついでに他の証券会社も口座開設しておくと良いと思います。




新しい領域に進出したクラウドファンディングのLEVECHY(レベチー)をご存知でしょうか?


セミナーで聞いた感じではファンドを数本すでに用意できているとお聞きしています。続くファンドも利回り10%なのか?ちょっと期待できるクラファンだと思います。


詳しい内容は下記記事でまとめています。実際に口座座開設を行い抽選に申込んでみました!




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ブロードマインド(7343)PER12.89倍PBR1.67倍
FPパートナー(7388)PER30.22倍PBR11.01倍
アドバンスクリエイト(8798)PER16.00倍PBR3.83倍
※2023年7月06日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2017年10月01日~2025年8月31日58,200株600円


ストックオプション(新株予約権)は58,200株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数3,349,600株と合計した3,407,800株に対する新株予約権の割合は1.71%に相当します。新株予約権による潜在株式数は58,200株です。


ホロスホールディングス(5839)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

ホロスホールディングスのIPOは通常であればスルーしたい銘柄です。


ただIPOが少ない時期は資金が入る可能性があります。株価設定が割安であれば買われる可能性があるためしばらく投資材料を集めてみたいと思います!


ホロスホールディングス(5839)IPOのまとめ
※ホロスプランニング公式サイト引用


地味企業なので初値高騰はないと思いますが暇つぶしに参加する方も多い気がします。地合い自体は良好ですからね。


上場後はオンラインによる面談体制を充実させたり、ウェブサイト構築をしっかりしていくみたいです。


基本的に対面販売になるためホームページには力を入れていないようですね。持株会のHPとはいえ寂し過ぎますからね。


kimukimu

少子高齢化や年金財政など不安もありますが、その不安から取引を始める方も一定数いるはずです。



また、同社の言う「将来設計士」の営業力により業績の変化も起きそうです。目論見にも「属人的なスキルに依拠」する部分があると書かれています。


心配することはありませんが、短期的な資金が向かう材料があればと考えています。昔からある業種なので新味に欠けるのは事実だと思います。


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