リニューアブル・ジャパン(9522)のIPOがマザーズに新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。カーボンニュートラル銘柄と言えるため注目度はそれなりにあると考えています。


温室効果ガスの排出を2050年までに実質ゼロにする働きに関係がある企業です。大手企業も参画しています。


また、主幹事はSMBC日興証券が単独で務め、公開株数4,571,000株、オーバーアロットメント685,600株です。上場規模は想定発行価格1,720円から計算すると約90.4億円とやや大きめです。


リニューアブル・ジャパン(9522)IPOが上場承認
※リニューアブル・ジャパン公式サイト引用


世界中で温室効果ガス削減目標を定めています。


本当にクリアーできるのかわかりませんが、やらなければ温暖化につながるとされているため大事なことでしょう。


同社は太陽光発電を中心にした企業になります。ESGへの取り組みも行い、再生可能エネルギーによる発電促進や環境に配慮したオペレーション等を行います。


株式は欧州及びアジアを中心とする海外市場でも販売されることになっています。上場タイミングとしては良いため注視しておきたいと思います。


リニューアブル・ジャパン(9522)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日12月22日
市場マザーズ
業種電気・ガス業
事業内容再生可能エネルギー発電所開発・運営事業
ブックビルディング12月07日~12月13日
想定価格1,720円
仮条件1,720円~1,800円
公開価格1,800円
初値結果1,663円(騰落率-7.61%)
企業情報https://www.rn-j.com/
監査人EY新日本有限責任監査法人
手取金の使途
  • 開発する太陽光発電所に対する開発資金
  • 新規の太陽光発電所取得資金に充当予定


項目株数データ
公募株数2,600,000株
売出株数1,971,000株
公開株数(合計)4,571,000株
オーバーアロットメント685,600株
上場時発行済み株数28,412,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約488.7億円
幹事団SMBC日興証券(主幹事)
SBI証券
みずほ証券
野村證券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
岡三証券
委託見込岡三オンライン証券
auカブコム証券


リニューアブル・ジャパン(9522)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,720円を基に吸収金額を算出すると約78.6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約90.4億円規模の上場となります。政府主導で再生エネルギーに力を入れているため気になる銘柄です。


同社グループは再生可能エネルギー発電所を開発、又は保有し発電事業による売電収入を得ています。


この他、同社がメインスポンサーとなり、東急不動産が共同スポンサーを務める上場インフラファンドの日本再生可能エネルギーインフラ投資法人や、同社が組成する私募ファンドに資産を売却し売却収入を獲得しています。


その売却した再生可能エネルギー発電所に関し、上場インフラファンドや私募ファンドからAM業務及びO&M業務を受託する「循環型再投資モデル」を構築しています。


手堅いビジネスのように感じます。10年くらい前だと人気はなかったと思いますが世の中の流れですよね。


リニューアブル・ジャパンIPOの業績
※有価証券届出書引用


循環型再投資モデルを構築することでフロー型収益である開発報酬、EPC報酬及び発電所売却収入と、ストック型収益である売電収入、AM報酬及びO&M報酬という二つの収益構造となっています。


これらにより、収益性と安定性を両立させることが可能となっています。


グループ企業は連結子会社21社と持分法適用関連会社4社を中心に構成されいます。


リニューアブル・ジャパンの資金調達と案件売却について
※有価証券届出書引用


開発では、地域拠点を活用し地権者、地方公共団体、金融機関や機関投資家等から再生可能エネルギー発電所候補地に関する情報を得たのち、再生可能エネルギー発電所としての適性や電力会社への効率的な接続の可能性等を検証しているそうです。


案件開発実績は、2021年9月30日現在で発電所数140ヶ所、パネル出力合計754.3MWとなっています。


東急不動産とENEOS、関西電力と資本業務提携契約を行い、同社の運営に大きく関係しているようです。


リニューアブル・ジャパンIPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


収益構造では、開発した発電所または取得した発電所の一部を、上場インフラファンドや私募ファンドに売却することで売却収益を得ています。


同社は第二種金融商品取引業及び投資助言・代理業の登録を受けているとあります。


再生可能エネルギー発電所の開発フェーズ毎のリスクやマーケット状況に応じて、自己資金や借入れの他に投資家を募り私募ファンドの組成等を含む、多様な手法による資金調達や案件売却が可能となっています。


とりあえず上場させてファンドが売り抜ける構造です。個人投資家もかなり売出しに参加しています。


リニューアブル・ジャパン(9522)の経営指標と業績状況を確認してみました

回次第9期第10期
決算年月2019年12月2020年12月
売上高20,600,83722,276,045
経常利益315,721731,546
親会社株主に帰属する当期純利益250,141462,784
包括利益277,010498,684
純資産額4,561,0336,315,927
総資産額55,368,59363,392,900
1株当たり純資産額177.39227.65
1株当たり当期純利益金額12.1819.20
自己資本比率(%)7.409.27
自己資本利益率(%)8.359.28
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△12,609,543△6,729,569
投資活動によるキャッシュ・フロー△389,925△1,323,085
財務活動によるキャッシュ・フロー20,189,1007,972,609
現金及び現金同等物の期末残高12,205,99012,056,085
※数値は千円単位



第11期第3四半期連結累計期間(2021年1月01日~2021年9月30日)
  • 売上高11,418,463千円
  • 営業利益1,708,950千円
  • 経常利益884,056千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益566,825千円


リニューアブル・ジャパン(9522)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2012年1月25日、東京都港区虎ノ門一丁目2番8号に本社を構えます。社長は眞邉勝仁氏(1965年12月03日生まれ)、株式保有率は3.95%(1,110,000株)です。


従業員数255人で臨時雇用者0人、平均年齢47.5歳、平均勤続年数2.6年、平均年間給与7,316,252円です。連結従業員数は278人で臨時雇用者は0人です。


連結のセグメントは再生可能エネルギー事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
株式会社H&Tコーポレーション10,640,000株37.87%
東急不動産株式会社4,100,000株14.59%
Shanghai Alliance Financial Services Co.,Ltd.2,550,000株9.08%
ENEOS株式会社2,200,000株7.83%
関西電力株式会社2,200,000株7.83%×
ヤン パン1,146,000株4.08%
眞邉 勝仁1,110,000株3.95%
JAICソーラー投資事業有限責任組合500,000株1.78%
※株主上位8名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2022年6月19日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


また、売出人のJAICソーラー投資事業有限責任組合と三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合は、ロックアップ180日間と売出価格1.5倍以上で売却が可能となっています。


第三者割当等に関しては割当人の継続所有等の確約を行っているそうです。


親引けは東急不動産が上限774,000株、同社従業員持株会が取得金額195,000千円を上限に行います。さらにオリックス銀行が取得金額100,000千円を上限として取得予定となっています。


リニューアブル・ジャパン(9522)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が1,720円~1,800円に決定しました。想定発行価を下限として80円のレンジとなり、上場による吸収金額は94.6億円、時価総額511.4億円になります。


上場ラッシュにより「あまり注目されない」と判断されているため、公開価格前後の初値であれば成功のようです。


同社の株価設定が高いためそこに大きな問題があるようです。PERだと30倍前後が標準となっていますが、同社の場合はPERが90倍を超えます。


社長が外資金融出身となっているため交渉によるものでは?との観測が出ているようです。


大手初値予想1,500円~2,000円
修正値1,800円~2,000円

※注目度A


業績を確認すると2021年12月の連結予想を確認することができました。それによれば売上153.94億円となり前期比30.9%減、経常利益9.06億円となり前期比23.94%増となります。


四半期利益は5.06億円となり前期比9.52%増を予想しています。


公開価格が1,800円決定の場合の指標はEPS19.58からPER91.93倍、BPS365.55からPBR4.92倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


比較対象だとレノバ(9519)が出ていますがレノバのような評価は上場時で付かないと思います。どんな材料から高いプライシングが行われたのかやや疑問の銘柄です。


脱炭素につながる再生エネルギーは株式市場でも人気がありますが、株価設定が高いため上値を追う展開は難しそうです。


【追記】
EV/EBITDAでレノバと比較され同社は30倍強になるそうです。レノバは42倍と言うことでこの指標だと割安になるとのこと。また情報は多いが結局は過密日程と海外販売の状況で需給が大きく変化すると観測されているようです。初値利益よりもリスクの方が高そうな感じがします。

公開価格を超えて初値が付く可能性は高いとも言われているようですがBBは消極的に参加予定です。


幹事名割当株数引受割合
SMBC日興証券(主幹事)4,296,800株94.00%
SBI証券91,400株2.00%
みずほ証券45,700株1.00%
野村證券45,700株1.00%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券45,700株1.00%
岡三証券45,700株1.00%


主幹事のSMBC日興証券から当選が狙えそうです。案外人気化するかもしれません。


テスホールディングス(5074)のように期待したいと思います。IPOルールをご存知ない方は下記記事でまとめています。




未上場株式を購入できるファンディーノをご存知でしょうか?12月から未上場株式のセカンダリー売買が行われることになっています。


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類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
いちご(2337)PER20.27倍PBR1.48倍
霞ヶ関キャピタル(3498)PER30.04倍PBR6.16倍
テスホールディングス(5074)PER31.76倍PBR3.49倍
※2021年12月07日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2017年6月30日~2025年6月28日750,000株26.2円
2017年12月23日~2025年12月22日462,000株200円
2018年6月14日~2026年6月13日136,500株200円
2019年1月01日~2026年12月11日138,000株230円
2019年4月04日~2027年3月26日63,000株370円
2019年6月02日~2027年3月26日12,000株370円
2020年7月19日~2028年7月01日178,500株450円
2022年5月01日~2030年3月27日490,000株450円
2023年2月01日~2030年3月27日35,000株450円
2023年8月01日~2031年3月19日20,000株450円


ストックオプション(新株予約権)は1,74,000株が上場時に行使期限を迎えます。


新株予約権は発行済株式総数の8.9%に相当します。


リニューアブル・ジャパン(9522)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

リニューアブル・ジャパンのIPO参加したいと思います。


脱炭素化に向けた取り組みは日本を含む124ヶ国と1地域と現時点で発表されています。


リニューアブル・ジャパン(9522)IPOの評価
※リニューアブル・ジャパン公式サイト引用


ニュースでも取上げられましたが、日本のスタンスとしては2030年の温室効果ガスの削減目標を2013年度比で26%減から46%減へ大幅に増やしています。


これに反発する企業も出てきましたが、世界規模のことなので難しいと思います。日本だけが頑張っても?という気持ちはありますよね。でもやらなければ温暖化は勢いづくばかりです。


再生可能エネルギーにおける太陽光発電の市場規模は2019年の導入量比較で、2030年度は約2倍の市場に拡大する見込みとなっています。


と言いうことは今後も成長する可能性が高い市場です。問題もありますがしばらくイケイケ状態だと思います。


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そのため分配金も再投資が可能なので私は5年~6年くらい投資を続けています。インフラリート並みの利回りで価格変動がないため気に入って投資を行っています。


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