note(ノート)[5243]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。赤字が拡大し今期業績も期待できそうにありません。知名度は抜群に高いです。


主幹事は大和証券が務め公開株数1,279,300株、オーバーアロットメント191,800株です。上場規模は想定発行価格300円から計算すると約4.4億円になります。


初値売却で儲かると思いましたが業績を確認すると厳しさも感じます!


note(ノート)[5243]IPOが上場承認
※note公式サイト引用


成長している企業だと思いますが売上がやや鈍化しているようにも感じます。ここ数年はnoteはもちろん「note pro」にも注力しているようです。


テレビ東京ホールディングスや日本経済新聞社、文藝春秋、UUUM等の資本業務提携先も確認できます。


noteに投稿されたコンテンツから、ドラマ化や映画化、書籍化につながった作品が多数誕生し、クリエイターの創作活動を後押しする仕組みには高感度が持てます。


個人・法人問わず創作活動、そして情報発信の場としての需要は引き続き拡大すると考えられます。


しかし赤字なんですよ。そもそもnoteには広告がないためこの辺りが響いているように思います。


note(ノート)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日12月21日
市場グロース市場
業種情報・通信業
事業内容CtoCメディアプラットフォーム「note」、メディアSaaS「note pro」の運営
ブックビルディング12月06日~12月12日
想定価格300円
仮条件300円~340円
公開価格340円
初値結果521円(公開価格1.53倍)
企業情報https://note.com/
監査人EY新日本有限責任監査法人
手取金の使途
  • 広告宣伝費
  • 長期借入金の返済


項目株数データ
公募株数210,000株
売出株数1,069,300株
公開株数(合計)1,279,300株
オーバーアロットメント191,800株
上場時発行済み株数14,827,900株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約44.5億円
幹事団大和証券(主幹事)
野村證券
SBI証券
楽天証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
SMBC日興証券
岩井コスモ証券
岡三にいがた証券
松井証券
マネックス証券
委託見込CONNECT
DMM.com証券


note(ノート)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格300円を基に吸収金額を算出すると約3.8億円となり、オーバーアロットメントを含めると約4.4億円規模の上場となります。


同社はクリエイターが文章やマンガ、写真、音声、動画等のコンテンツを自由に投稿・販売することができ、ユーザーはそのコンテンツを楽しんで応援・購読できるメディアプラットフォーム「note」の運営を主要な事業としています。


noteが身近な存在となっている方も多そうです。一度は見かけたことがある媒体だと思います。


同社の強みは「クリエイティブ」「デザイン」「テクノロジー」の3つが三位一体となった経営、組織力、プロダクト開発力とサービス運営に特長があります。


クリエイターと読者双方から使い勝手の良い場を提供し、従来なかったクリエイター、メディア、読者をつなぐエコシステムを提供しています。


note(ノート)の業績
※有価証券届出書引用


事業内容は、あらゆるクリエイターの創作活動やマーケティング活動・収益化の機会を提供する「note事業」、「note pro事業」「法人向けサービス事業」「その他事業」を展開しています。※セグメントはメディアプラットフォーム事業です


「note」は、初期費用・月額利用料なしで誰でも利用することができます。※月額有料のプレミアム会員登録を除く


クリエイターはnoteに会員登録を行うことで無料または有料のコンテンツの投稿が可能となり、読者は会員登録をせずとも様々なコンテンツを自由に閲覧・購入することができます。


「CtoC×課金」のユニークなビジネスモデルのため、数多くの芸能人や経営者、アスリート、政治家、作家、インフルエンサー等の知名度の高いクリエイターにも情報発信の場として選ばれているそうです。


2022年8月時点の日本人Twitterフォロワー数上位1万人のうち、1,000人を超える著名人がnoteとTwitterをアカウント連携し利用しているそうです。


note(ノート)IPOのポジションと利用者
※有価証券届出書引用


note pro事業では、「note」の基盤を活用しつつ、企業がオリジナルな自社サイトとして情報を発信できる機能を拡充したメディアSaaSです。


note proの利用企業は、noteのシンプルなUIを用いて、初期費用をかけることなく最短即日でオウンドメディアやホームページの構築・運用ができます。


法人向けサービス事業では、クリエイターの創作意欲を喚起するためにnote上で定期的に企業協賛型のコンテストを開催しています。企業側は自社の取り組み等の発信に繋げることができます。


また、「note place」におけるイベント運営を行っています。


同社が運営する「note place」において、イベントや同社とクリエイターの共催イベントを実施しているほか、クリエイター主催のイベント、オンラインイベントのスタジオ、発表会等のためのレンタルスペースとして活用しているそうです。


note(ノート)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


その他の事業として、noteコンテンツの外部配信等副次利用による収入を計上しています。


一番身近なのは「note事業」になると思います。著名人が利用するケースが多く情報発信の場になっています。


note(ノート)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2011年12月08日、東京都港区北青山三丁目1番2号に本社を構えます。代表取締役CEOは加藤貞顕氏(1973年6月11日生まれ)、株式保有率は34.87%(5,690,000株)です。


アスキーやダイヤモンドを経て同社を設立した人物です。


従業員数179人で臨時雇用者36人、平均年齢35.4歳、平均勤続年数2.2年、平均年間給与6,787,000円です。


セグメントはメディアプラットフォーム事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
加藤 貞顕5,690,000株34.87%
フェムトグロースキャピタル投資事業有限責任組合1,820,000株11.15%
株式会社日本経済新聞社991,000株6.07%
Image Frame Investment (HK) Limited970,000株5.94%×
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合950,000株5.82%
CA Startups Internet Fund1号投資事業有限責任組合710,000株4.35%
UUUM株式会社410,000株2.51%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年6月18日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


また、ベンチャーキャピタル等に対して90日間(2023年3月20日)のロックアップ付与、ロックアップ解除倍率が発行価格又は売出価格の1.5倍以上となっています。


新株予約権者の多くもロックアップ期間中の売却を行わない合意がなされています。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けはありません。


note(ノート)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件は想定発行価格を下限として300円~340円に決定しました。吸収金額は最大で約5.0億円、時価総額約50.4億円になります。


売上が拡大するも赤字拡大となるヤバイIPOだと思います。ダウンラウンド案件となっていますが仮条件引上げにより安心感があるそうです。


そのおかげもあり、公開価格を超えてくるとの観測が出ているようです。上場後は一旦ロックアップを外しに行ってその後は下げ続ける可能性もあります。


某紙によればこれまで費用を圧迫していた人件費が一巡するとの観測があります。人件費が赤字要因の多くを占めるようです。この他にも決済手数料や通信費なども重荷となっているようです。


そもそもそんなことは事業を続けていてわかっているはずなんですよね。収益のスキームがまずいはずです。


しかし赤字だろうが既に知名度が高くなった「note」をつぶすわけにもいかず、今後も売上をばし改善を繰り替えすしかなさそうです。


コンテンツ課金の波が来ているようなので今後も拡大する市場のようです。ゲーム課金などはするけど文章などを読むのに課金する人はまだ少ないようですね。


大手初値予想400円~450円
修正値450円~500円
直前予想500円

※注目度B


業績を確認すると2022年11月期の単独予想を確認することができました。売上22.81億円となり前期比21.07%増、経常利益-8.69億円となり前期-4.33億円から赤字額が増加します。


四半期利益は-8.72億円となり前期-4.36億円から赤字額が倍増します。この状況で上場することが恐ろしいですね。


公開価格が340円決定の場合の指標はEPS-61.24からPERは算出不可、BPS116.44からPBR2.92倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


大手では「まぐまぐ」との収益比較が出ていますが、noteは酷い状況です。本当に黒字化できるのか心配です。


また、ベンチャーキャピタルの売り圧力が相当高いと考えられているため公開価格1.5倍にあたる510円は意識しておきましょう。


510円を超えるような展開は想定されていないようです。VCが売り抜けた後に株価が上向くには相当な力が必要だと思います。


来期業績は多少改善する可能性があるようです。公募組は利益が見込めそうです!!


幹事名割当株数引受割合
大和証券(主幹事)1,152,000株90.05%
野村證券31,900株2.49%
SBI証券31,900株2.49%
楽天証券19,100株1.49%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券12,700株0.99%
SMBC日興証券12,700株0.99%
岩井コスモ証券7,600株0.59%
岡三にいがた証券3,800株0.30%
松井証券3,800株0.30%
マネックス証券3,800株0.30%


noteって赤字企業だったんですね。VC資本が入り倒産などはないと考えていましたが予想以上に赤字でした。


ただ赤字でも前向きに検討したいと思います。毎年赤字額が増加しているのは投資先としてNGですけどね。


株単価が低く吸収金額も低いため投資家のターゲットになればと考えています。知名度で4.4億円くらいの流入は可能でしょう。


大和証券主幹事なので今回もCONNECT(コネクト)からの申込を行っておきましょう。株数が多いため当選期待は高いと思います!


大和証券と合わせて申込忘れのないようにしておきましょう。IPOルールは下記記事でまとめています。店頭系の企業で当選したら手数料負けの可能性もありそうです!




大和証券つながりでFunvestで投資しても面白いと思います。クラウドファンディングを行っている企業になり大和証券グループが出資しています。


口座開設で1,000円分、初めて投資を行うと1,500円分の合計2,500円分のAmazonギフト券が貰えます。ファンド毎にキャンペーンが行われているため私も投資してみました。


詳しくは下記記事でまとめています。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
はてな(3930)PER33.41倍PBR1.30倍
まぐまぐ(4059)PER-倍PBR1.22倍
イード(6038)PER8.87倍PBR1.23倍
※2022年12月06日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2015年10月07日~2023年10月06日222,000株110円
2017年1月17日~2025年1月16日10,000株110円
2019年10月07日~2027年10月06日290,000株180円
2020年12月22日~2028年12月21日221,000株304円
2021年10月19日~2029年10月18日29,000株1,104円
2022年1月18日~2030年1月17日5,000株1,104円
2023年4月11日~2031年4月09日655,000株558円
2024年4月16日~2032年4月15日196,000株558円
2017年6月05日~2024年5月31日55,500株180円
2018年9月21日~2025年9月30日16,500株302円


ストックオプション(新株予約権)は849,000株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数14,617,900株に対する新株予約権の割合は11.63%に相当します。新株予約権による潜在株式数は1,700,000株です。


ベンチャーキャピタル等が保有する株式数は5,986,100株となり、発行済株式総数に対する割合が40.95%となっています。


note(ノート)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

note(ノート)のIPOは期待できると思いましたがそこまで人気とはならないかもしれません。


ただ赤字でも4.4億円の吸収は簡単だと思います。100万株以上の売出は悪い意味で「インパクト」だと思いますが株単価が低いため容易でしょう。


note(ノート)[5243]IPOのまとめ
※note公式サイト引用


ベンチャーキャピタルが保有する株式も多く上場後の懸念材料があります。


赤字額が縮小すれば株価が上向くはずです。黒字化するのは何時でしょうか。似たようなサービスを提供する企業も多いためどうでしょうね。


今後1年~2年の具体的な成長戦略としては、「note」は新サブスク機能「メンバーシップ」によるユーザー層の拡大やさらなる会員登録数の拡大を目指すそうです。


「note pro」は機能拡充やそれに伴うサービスラインナップの拡充、認知拡大のためのセールス&マーケティング強化などで契約数の増加・平均単価の長期的な引き上げを図るそうです。


知名度が高いため上場時は賑わう可能性があるものの中長期的な投資は怖い気もします。赤字企業は神経質になりますからね。


2022年8月末時点で「note」の累計会員登録者数5,501千人、「note pro」の有料契約数564社となっています!


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