AeroEdge(エアロエッジ)[7409]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。航空機エンジン用の部品を作っている企業です。


主幹事はみずほ証券が務め公開株数799,600株、オーバーアロットメント119,900株です。上場規模は想定発行価格1,460円から計算すると約13.4億円になります。


評価しにくいIPOだと感じます。


AeroEdge(エアロエッジ)[7409]IPOが上場承認
※エアロエッジ公式サイト引用


航空機エンジン産業の事業収益モデルは莫大な初期投資が必要になるそうです。


長期に渡る品質管理体制と生産管理体制の準備と構築を必要とすることが特徴みたいですね。同社の場合は前期から黒字に転換しているため初期投資が終わったのか?とそこが焦点になりそうです。


あとは受注状況でしょうか。航空機産業の開発期間は通常10年以上かかるそうです。


国際基準に照らした認証・証明、もちろん厳格な品質管理が求められます。製品サイクルは20年~30年程度となっています。


参入障壁が高く、新規参入企業が少ないため将来の利益を計画しやすいという特徴があるそうです。現在の黒字となった状況を調べる必要がありそうです!!


AeroEdge(エアロエッジ)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日7月04日
市場グロース市場
業種輸送用機器
事業内容航空機エンジン部品等の製造、販売
ブックビルディング6月16日~6月22日
想定価格1,460円
仮条件1,460円~1,690円
公開価格1,690円
初値結果5,860円(公開価格3.47倍)
企業情報https://aeroedge.co.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人
手取金の使途新工場の建設並びに設備の取得に充当する予定


項目株数データ
公募株数368,000株
売出株数431,600株
公開株数(合計)799,600株
オーバーアロットメント119,900株
上場時発行済み株数3,702,230株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約54.1億円
幹事団みずほ証券(主幹事)
野村證券
大和証券
SBI証券
楽天証券
マネックス証券
水戸証券
委託見込大和コネクト証券
DMM.com証券


AeroEdge(エアロエッジ)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,460円を基に吸収金額を算出すると約11.7億円となり、オーバーアロットメントを含めると約13.4億円規模の上場となります。


同社は2015年に航空機エンジン用チタンアルミブレードの製造販売を目的とする会社として設立されています。現在の筆頭株主である菊地歯車株式会社から分社化され設立されています。


菊地歯車は2000年初めに主力顧客としていた自動車・建機産業各社のサプライチェーンの再編や世界的な景況の先行き不透明さから、これまで培った技術力を活かしより付加価値のある産業領域を模索していたそうです。


その結果、グローバル航空製造事業への参入を目指すことになったようです。


航空機エンジンメーカー大手の仏SAFRAN社に対して、2011年頃から営業活動を行った結果、菊地歯車はLEAPと呼ばれる次世代航空機エンジンに搭載されるチタンアルミブレードの取引契約を締結しています。


一方で、チタンアルミブレードの事業規模が将来的に菊地歯車自体の事業規模を超える可能性があるため、菊地歯車から分社する形でAeroEdgeを設立することにつながったそうです。


見解はいろいろあると思います。


AeroEdge(エアロエッジ)[7409]の業績
※有価証券届出書引用


同社は商業用航空機である、仏Airbus社製A320neoファミリー機と米Boeing社製737MAX機用エンジンである「LEAP」に搭載される、チタンアルミ製の低圧タービンブレードの加工生産・販売を行っています。


航空機エンジンは主にファン、低圧コンプレッサー、燃焼器、高圧コンプレッサー、高圧タービン、低圧タービンから構成されています。


低圧タービンは燃焼ガスのエネルギーを回転力に変換しシャフトを介してファンに伝達する役割を担っており、チタンアルミブレードはその低圧タービンの最後段を構成しているそうです。


AeroEdge(エアロエッジ)IPOの事業内容とハイライト
※有価証券届出書引用


同社は、航空機エンジンメーカー大手の仏SAFRAN社とLEAPエンジンに搭載される、当該チタンアルミブレード需要の35%のシェアを原則として一定の価格で供給する契約を締結しています。


生産・販売するチタンアルミ製の低圧タービンブレードが搭載されるLEAPエンジンは、米GE社と仏SAFRAN社の合弁企業であるCFM International社により開発生産されています。


先端の技術を搭載することにより、従来機種より消費燃料とCO2排出量の15%削減を実現したエンジンとなっています。


また、航空機グローバルシェアNo.1の仏Airbus社製A320neoファミリー機とNo.2の米Boeing社製737MAX機に搭載されています。


AeroEdge(エアロエッジ)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


航空業界においては、燃料費高騰や環境負荷等への対応を背景に燃費の向上が求められているそうです。


チタンアルミブレードは従来使用されていたニッケル合金製のものと比較し、約半分の比重であるため機体の軽量化に貢献するとともに、高温における強度劣化が少なく耐熱性も兼ね揃えた部品となっています。


個人的には飛行機のエンジン需要がそんなにあるのか?競合は?もっと凄い企業があるのでは?などと考えてしまいます。


開発費用がかなり掛かるため初期投資が大きいようですからね。


AeroEdge(エアロエッジ)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2015年9月16日、栃木県足利市寺岡町482番地6に本社を構えます。社長は森西淳氏(1967年4月01日生まれ)、株式保有率は20.38%(800,000株)です。


従業員数85人で臨時雇用者22人、平均年齢36.0歳、平均勤続年数3.6年、平均年間給与5,166,000円です。


セグメントは加工事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
菊地歯車株式会社958,530株24.41%
森西 淳800,000株20.38%
豊田通商株式会社460,000株11.72%
株式会社日本政策投資銀行430,000株10.95%
DMG森精機株式会社400,000株10.19%
ナイン・ステーツ・4投資事業有限責任組合285,710株7.28%
水田 和裕130,000株3.31%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年12月30日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けはありません。


AeroEdge(エアロエッジ)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が1,460円~1,690円と上限方向に拡大され吸収金額が最大で約15.5億円、時価総額約62.6億円となりました。


同社のような下請け製造業は本来であれば人気薄となるはずです。ただ、航空機向けは成長余地が高くコロナ禍後の経済再開局面では評価を高めやすいようです。


世界格国で航空機生産が回復していることも好材料となりそうです。


同社製品は汎用性があり使いまわしも可能のようですね。また納入先は1社になるため営業費が殆ど必要ないようです。


逆に受注が入らないと減益は避けられませんが、設備投資が一巡しているため中長期で今後は黒字を維持できそうです。


これまで赤字だったため繰延税金のメリットや円安効果による増収増益となる可能性も高く、来期以降の業績にも魅力があります。


大手初値予想2,000円~3,000円
修正値3,000円~3,500円
最終予想3,900円

※注目度B


業績を確認すると2023年6月期の単独予想を確認することができました。売上29.03億円となり前期比47.81%増、経常利益5.51億円となり前期比5410%増となります。


四半期利益は6.39億円となり前期比9028.6%増を予想しています。前期はようやく黒字となりましたが今期は大幅な増収増益となるようです。


公開価格が1,690円決定の場合の指標はEPS191.79からPER8.81倍、BPS482.82からPBR3.50倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


取引先のフランスSAFRAN(サフラン)社との取引が終了するリスクはないとは言えません。


また、世界で2社との取引となっていますが技術力はAeroEdge(エアロエッジ)のほうが高いのではないか?との観測があるようです。


kimukimu

まとめると、航空機の需要回復や高い技術力、設備投資が終わり黒字化維持の期待、円安効果による増益など投資材料があります。

逆に買われない材料があるとすれば、ニッチ事業や部品メーカー、下請け製造業などになると思います。観測的には航空業界の回復により盛り上がりを見せる可能性が高いようですね!



公開株数がそこそこあるため公募組は期待しておきましょう。


幹事名割当株数引受割合
みずほ証券(主幹事)728,200株91.07%
野村證券23,900株2.99%
大和証券15,900株1.99%
SBI証券11,900株1.49%
楽天証券11,900株1.49%
マネックス証券3,900株0.49%
水戸証券3,900株0.49%


面白い事業を行っていますが継続した利益を計上できるのか?とそこが疑問です。


今期は増収増益となるようですがこれまでの赤字額が結構凄いです。大手予想を確認しながらIPO抽選に参加したいと思います。


ニッチ事業で注目される可能性はありそうです。スタンダード市場に上場か?と事業内容から感じましたけどね。


当選を狙うのであればみずほ証券からでしょう、店頭系幹事が上位を占めているためネット組の当選は難しそうです。


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気になっていた方はこの機会をご利用いただけたらと思います。タイアップページはありません。当サイト経由のお申込みになり詳しい内容は下記記事でまとめています。




また、融資型クラウドファンディング大手と言えばFunds(ファンズ)だと思います。上場企業を中心とした貸付先になるためリスク軽減となりそうです。


こちらもAmazonギフト券がプレゼントされるキャンペーンが行われていたためまとめました。リスク分散のためにクラウドファンディング口座も増やしておいたほうが良いと思います。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
旭精機工業(6111)PER30.97倍PBR0.41倍
三菱重工業(7011)PER12.04倍PBR1.31倍
IHI(7013)PER11.78倍PBR1.37倍
※2023年6月16日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2017年10月01日~2027年9月30日475,000株300円
2019年3月15日~2027年3月14日11,000株300円
2022年9月30日~2030年9月29日66,000株1,500円
2024年4月16日~2032年4月15日40,000株1,750円


ストックオプション(新株予約権)は552,000株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数3,334,230株に対する新株予約権の割合は17.75%に相当します。新株予約権による潜在株式数は592,000株です。


AeroEdge(エアロエッジ)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

AeroEdge(エアロエッジ)のIPOは参加予定です。


ただ利益がどのくらい見込めるのか現時点でわかりません。公開価格は超えてきそうですが業種が輸送用機器なので資金が入りにくいと考えています。


機関投資家の参加は規模的に厳しそうですからね。


AeroEdge(エアロエッジ)[7409]IPOのまとめ
※エアロエッジ公式サイト引用


航空会社は新型コロナウイルス感染症により甚大な影響を受けています。同社の売上・利益も大きく落ち込んでいます。


現在はアフターコロナで需要回復が見込めると思います。目論見によれば同社のチタンアルミブレード需要は増加しているそうです。


また、LEAPエンジン向けチタンアルミブレードは世界で2社のみが供給しているパーツだそうです。今後中小型機の急激な需要拡大に伴い売上の期待が見込めるようです。


チタンアルミブレード生産に関しては設備投資が一巡しているため大型の設備投資が不要だそうです。この状況は好感できます。


収益の大半が仏SAFRAN社に対するLEAPエンジン向けチタンアルミブレードの生産・販売となっていることは投資リスクがありそうです。


日本の最先端技術が利用されているため面白みもありますが、投資先としてはどうでしょうか。


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