Fusic(フュージック)[5256]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。IPOチャレンジポイントの出番ですが業績水準が低いようです。


主幹事はSBI証券が務め公開株数300,000株、オーバーアロットメント45,000株です。上場規模は想定発行価格1,830円から計算すると約6.3億円になります。


公募組は積極的に抽選に参加すると思いますがセカンダリーは難しそうです。


Fusic(フュージック)[5256]IPOが上場承認
※フュージック公式サイト引用


IPO的には上場規模が小さく公開株数も少ないため魅力があります。ベンチャーキャピタル出資がないIT系の企業ですからね。


事業はデジタルトランスフォーメーション(DX)系のサービスを手掛けています。システム開発はもちろんIoTやクラウド、AI(人工知能)を組合わせたサービスに強みを持ちます。


また、日本初のAWSパブリックセクターパートナーとして様々な学術・研究機関へのクラウドインテグレーションサービスの提供を行っているそうです。


日本国内の公共分野のクラウドインテグレーション、AI、IoT、量子コンピューターなど新たな技術領域の社会実装の支援も九州大学などで行っているそうです。


この辺りが評価され、高い技術力と判断されれば上場1日目は初値持越しも期待できそうですね。



Fusic(フュージック)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日3月31日
市場グロース市場
※福岡証券取引所Q-Boardにも同時上場
業種情報・通信業
事業内容クラウド環境を活用したシステム開発、IoT・クラウド・AIを組み合わせてデータ活用を支援するデジタルトランスフォーメーション事業
ブックビルディング3月15日~3月22日
想定価格1,830円
仮条件1,830円~2,000円
公開価格2,000円
初値結果6,530円(公開価格3.27倍)
企業情報https://fusic.co.jp/
監査人有限責任監査法人トーマツ
手取金の使途
  • 人員体制強化費用
  • マーケティング費用
  • 借入金返済費用


項目株数データ
公募株数200,000株
売出株数100,000株
公開株数(合計)300,000株
オーバーアロットメント45,000株
上場時発行済み株数1,200,000株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約22.0億円
幹事団SBI証券(主幹事)
SMBC日興証券
大和証券
みずほ証券
岡三証券
岩井コスモ証券
FFG証券
東海東京証券
東洋証券
西日本シティTT証券
松井証券
丸三証券
極東証券
委託見込SBIネオトレード証券
岡三オンライン
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Fusic(フュージック)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,830円を基に吸収金額を算出すると約5.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約6.3億円規模の上場となります。


Fusicはテクノロジーカンパニーとしてクライアントのシステム開発やビジネスモデル変革を支援するデジタルトランスフォーメーション(DX)事業を展開している企業です。


「インフラ資源」「計算資源」「ソフトウェア資源」に関する事業をクラウドインテグレーションサービスとし、クラウドコンピューティングの提供やソフトウェアを中心としたソリューションの提供を行っています。


また、企業・組織が持つ「データ資源」を解析・活用する事業をデータインテグレーションサービスとし、AIやIoTといった技術領域を中心にソリューションを提供しています。


Fusic(フュージック)の業績
※有価証券届出書引用


DX事業の単一セグメントはサービス別に分類され、「クラウドインテグレーションサービス」「データインテグレーションサービス」「その他サービス」に細分化されます。


クラウドインテグレーションサービスでは、AWSによるサーバーインフラの構築・運用から、AWSのマネージドサービスを活かしたシステム開発を行います。


単にシステムを提供することに留まらず、社内デザイナーの知見を活かしたUI/UXのノウハウによる優れた顧客体験の実現や、アジャイル開発等の手法による顧客ニーズへの柔軟な対応を実現しているそうです。


また、2012年6月にAWS(Amazon Web Services)の「APNコンサルティングパートナー」に認定されています。その後もAPNアドバンストコンサルティングパートナーやAWSパブリックセクターパートナーなどにも認定されています。


Fusic(フュージック)IPOの事業概要
※有価証券届出書引用


データインテグレーションサービスでは、センサーデバイスから得られる音声や画像などのデータのINPUT(IoT)、STORE(クラウドインフラ)、OUTPUT(AI/ビッグデータ解析)まで、データにまつわる様々な技術・解決策を一貫して提供するサービスを行います。


概念実証の設計、実施に留まらず、「クラウドインテグレーションサービス」と掛け合わせることで、データを中心とした新たな仕組みと既存システムとの連携課題を解決し、最終的なシステム運用に至るまでトータルでサポートするそうです。


個人投資家に人気のキーワードがたくさん含まれている企業なので初値にも期待できそうです。


ただし業績水準が低いため機関投資家の評価はあまり高くないかもしれません。前期売上11.2億円と事業規模も小さいようです。


Fusic(フュージック)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


その他サービスでは、顧客の要望に合わせて開発したシステムから汎用性の高いものを「プロダクトサービス」化して提供するサービスを行います。


同社の特徴としては創業時から社員の自由な技術習得を奨励し、技術探究を行う合宿の定期実施や研究費用支援など社員の学習機会を支援する様々な制度を行いスキルアップなどを行っているようです。


収益に関しては、クラウドネイティブインテグレーションとデータインテグレーションサービスによる売上を「フロー売上」としています。クライアントを開拓することによりフロー売上を拡大させています。


その後、システムの継続運用に伴う業務を蓄積することで「ストック売上」の拡大による安定収益化を図っています。


目論見のフロー型とストック型の売上比率を計算してみると、フロー型55.0%、ストック型38.3%、両方6.7%となっていました。意外とストック型収益もあるようです!


Fusic(フュージック)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2003年10月10日、福岡県福岡市中央区天神四丁目1番7号第3明星ビル6Fに本社を構えます。社長は納富貞嘉氏(1978年8月11日生まれ)、株式保有率は31.48%(335,000株)です。


従業員数84人で臨時雇用者0人、平均年齢32.3歳、平均勤続年数4.1年、平均年間給与5,625,000円です。


セグメントはDX事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
納富 貞嘉335,000株31.48%
濱﨑 陽一郎335,000株31.48%
NSMC株式会社140,000株13.16%
HSMC株式会社140,000株13.16%
株式会社フィックスターズ20,000株1.88%
新田 寛之15,000株1.41%×
江上 喜朗15,000株1.41%×
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年9月26日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


一部の株主にはロックアップが掛かっていません。また、親引けは行われません。


Fusic(フュージック)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件は1,830円~2,000円に決定し想定発行価格が下限となっています。吸収金額は最大で約6.9億円、時価総額約24.0億円です。


人気業態で上場規模も小さく、ベンチャーキャピタル保有株もないため需給不安は全くなさそうです。ロックアップ解除条項もないため、上場時は公開株式以外の株流通は基本的になさそうです。


となればセカンダリー期待から株高となることが予想されます。


問題なのは上場日の2023年3月31日までに市場が落ち着いているかだと思います。荒れているようなら上場1日目に初値が付くと考えられます。IPOチャレンジポイント枠当選を狙う方は悩みどころだと思います。


初値持越しとなれば翌営業日は単独になり日程面で優位になります。新年度入りということで新しい資金が入る可能性もあります。


大手初値予想4,200円~6,000円
修正値4,500円~5,000円
最終予想5,000円

※注目度B


業績を確認すると2023年6月期の単独予想を確認することできました。売上13.31億円となり前期比18.42%増、経常利益1.45億円となり前期比107.14%増となります。


四半期利益は1.01億円となり前期比129.55%増を予想しています。業績規模が小さいながら中長期的に成長期待が見込めるようです。


公開価格が2,000円決定の場合の指標はEPS96.38からPER20.75倍、BPS578.25からPBR3.46倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


とくべつ成長している企業ではなく競合と似たような成長率となっている観測が出ています。クラウドインテグレーターとしてはPER30倍程度の評価は普通にあり得るようです。


上場承認時の初値予想は上限が6,000円となっていたためPER62.25倍となります。市場が不安定な状況だと個人投資家需要で6,000円まではいかないと思います。


やはり2.3倍の4,600円あたりでしょうか。PER的には47.73倍になります!


上場2日目の即金規制でも参加者は多いと思いますが、上場日あたりの地合いがどうなっているのか予想できないためポイント利用者は難しい投資になりそうです。


日本ナレッジ(5252)のポイントボーダーラインが670Pだったことを考えると700Pあたりがボーダーラインになりそうです。その価値がFusic(フュージック)にあるのか?ですよね。


予想値を参考にすると1単元あたりの利益は25万円~30万円となりそうです。地合い回復で40万円以上の利益もないとは言えませんがIPOチャレンジポイントを使われる方はよく考えて参加しておきましょう!!


幹事名割当株数引受割合
SBI証券(主幹事)255,000株85.00%
SMBC日興証券6,000株2.00%
大和証券6,000株2.00%
みずほ証券6,000株2.00%
岡三証券4,500株1.50%
岩井コスモ証券3,000株1.00%
FFG証券3,000株1.00%
東海東京証券3,000株1.00%
東洋証券3,000株1.00%
西日本シティTT証券3,000株1.00%
松井証券3,000株1.00%
丸三証券3,000株1.00%
極東証券1,500株0.50%


IPOにおいては良質な銘柄だと思いますがIPOチャレンジポイントを使うのか悩ましいです。常に使いどころが難しいですよね。


業績が水準がもう少し大きければポイントを利用した当選を狙いたいところです。あとは大手情報のレポートを待ちたいと思います。


SBI証券は日本ナレッジ(5252)の主幹事も引き受けているため悩ましいですね。日本ナレッジは大きな利益が見込める予想が出ています!


Fusicのほうが上場規模が少し大きいようです。ただ株価設定が高いため上場1日目の株価上限を考えると魅力があります。


また、今回もSBIネオトレード証券で取扱いがあるはずです。


口座開設後に一度も入金せずにIPOに参加することが可能です。当選後に入金すれば良いため申込だけ行っておきましょう。IPOルールは下記記事でまとめています。




フュージックのIPOチャレンジポイントのボーダーラインを予想してみました

Fusic(フュージック)[5256]のIPOチャレンジポイントのボーダーラインを予想してみたいと思います。


これまでのボーダーラインは以下のようになっています。利益が大きく見込めることを考えると600ポイントは必要だと思います。


フュージックのIPOチャレンジポイントのボーダーライン調べ


日本ナレッジよりも同社のほうが公開株数が少ないためボーダーラインが高くなる可能性がありそうです。


初値利益が20万円程度であれば600Pは使い過ぎなので思いとどまる方もいると思います。


配分は100株の単元株になると考えられます。アイズ(5242)のように30万円の利益を狙う展開でしょうか。


しばらく前にリサーチした感じだと700Pくらい保有している方が多いような印象を受けました。600P以下の方が多いのはもちろんですが700P程度保有している方がどう動くかだと思います。


もし700Pレベルの保有者が狙うとボーダーが上がりそうです!!


kimukimu

IPOチャレンジポイントのインフレ化が進みポイントを貯めない方が出てきました。ただポイントを貯めることでいずれIPOに当選できる日が来るため落選当たり前で申し込み続けましょう。



IPOは落選するのが当たり前なので続ける努力が必要です。


IPO投資が無理だと思う方はクラウドファンディングに投資してみては如何でしょうか?「ほったらかし投資」と言われています。


クラウドバンクは証券会社という強みがあり、ファンド組成も多いためすぐに投資ができます。ログインするだけで楽天ポイントを貰えたりするため人気の企業です。


私が初めて投資したクラファン企業になります。1万円投資したら2,500円分の楽天ポイントが貰えるためキャンペーン中に口座開設したほうがお得だと思います。詳しく内容をまとめてみました!




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
テラスカイ(3915)PER126.07倍PBR2.46倍
BeeX(4270)PER23.61倍PBR3.76倍
サーバーワークス(4434)PER36.5倍PBR1.93倍
※2023年3月16日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2023年3月01日~2031年3月31日4,100株406円
2023年11月01日~2031年3月31日49,300株546円
2023年3月01日~2031年10月21日8,900株558.5円
2024年7月01日~2031年3月31日1,900株1,136円


ストックオプション(新株予約権)は4,100株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数1,000,000株に対する新株予約権の割合は6.42%に相当します。新株予約権による潜在株式数は64,200株です。


Fusic(フュージック)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

Fusic(フュージック)IPOは文句なしに全力申込でいいと思います。


IPOチャレンジポイントを利用するのかは大手予想を確認してから判断すればよいと思います。仮条件が引き上げられる可能性もありますからね。


Fusic(フュージック)[5256]IPOのまとめ
※フュージック公式サイト引用


日本初のAWSパブリックセクターパートナーという材料に反応すれば良いのですがどうでしょうか。DX市場は拡大し続けているためしばらくは収益期待があると思います。


また、上場後は日本国内だけの売上げでなく海外市場の開拓も行うそうです。


競合との差別化では、特定分野や技術に固執せず、新しい技術分野にも取り組みながら幅広い技術分野を網羅し最適なものを組み合わせてサービスを提供するそうです。


クラウド事業の多角化を積極的に展開し収益拡大を目指すようです。


同社はAWSのリセールおよびその周辺ビジネスの拡大により規模を拡大させています。AWSの市場規模が縮小する場合は収益に直結するものと考えられます。承認時点ではそのような動きはありません。


IT系の事業を行う成長企業のため初値は飛ぶと思いますが、主幹事のSBI証券でIPOチャレンジポイントを使ってしまいたい方の動向にも注目したいと思います。


資金枠で当選できる方が羨ましいですよね。それが現実なので仕方がありませんね!


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