トライアルホールディングス(5882)がグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。小売業で公開株数が多く微妙なIPOだと思います。


主幹事は大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券が共同で務めます。公開株数25,655,600株、オーバーアロットメント3,848,300株です。


上場規模は想定発行価格2,000円から計算すると約590.1億円と巨額吸収になります!


トライアルホールディングス(5882)IPOが上場承認 
※トライアルホールディングス公式サイト引用


IPOはグローバルオファリングになり日本国内だけの吸収だとOAを含め約295.0億円になります。海外配分が多いため何とかなりそうな気もします。


同日上場にはispace(アイスペース)もあるため資金分散が起きる可能性もあります。個人投資家はispaceに注力するかもしれません。IPOで小売業は基本的に人気がありませんからね。


生鮮を中心とした多様な商品展開によるワンストップショッピングの提供はトライアルホールディングスの強みであり、既存店成長を支える唯一無二と自負するビジネスモデルだそうです。


肉などを加工するプロセスセンターやお惣菜加工を担うセントラルキッチンを自社内に有することで、生産インフラを強化しているそうです。


また、特定のエリアに複数フォーマットの店舗をドミナント展開し当該エリア全体の市場シェア拡大を狙うことを方針としています。


22期連続の増収増益となり上場タイミングは悪くないと思います!


トライアルホールディングス(5882)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日上場中止
市場グロース市場
業種小売業
事業内容小売、物流、金融・決済、リテールテックなど、各事業を中心とした企業グループの企画・管理・運営(純粋持株会社)
ブックビルディング3月27日~3月31日
想定価格2,000円
仮条件1,800円~2,000円
公開価格4月03日
初値結果
監査人PwC京都監査法人
手取金の使途
  • 新規出店及び既存店の改装のための設備投資資金
  • 物流センターへの設備投資資金
  • 飲料水工場の設備投資資金
  • 借入金の返済資金
  • スマートショッピングカートの製造資金
  • 事業拡大に向けた運転資金


項目株数データ
公募株数23,800,000株
国内募集株式数9,048,100株
海外募集株式数14,751,900株
売出株数1,855,600株→ 1,795,600株
公開株数(合計)25,655,600株→ 25,595,600株
オーバーアロットメント3,848,300株→ 3,839,300株
上場時発行済み株数121,490,400株
※公募分を含む
想定ベースの時価総額約2,429.8億円
幹事団大和証券(共同主幹事)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同主幹事)
野村證券
みずほ証券
SBI証券
FFG証券
委託見込CONNECT
auカブコム証券
SBIネオトレード証券
DMM.com証券


トライアルホールディングス(5882)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格2,000円を基に吸収金額を算出すると約513.1億円となり、オーバーアロットメントを含めると約590.1億円規模の上場となります。


同社グループは持株会社制を導入し、純粋持株会社である同社並びに各事業を担う連結子会社24社、関連会社3社から構成されています。


事業は流通小売事業とリテールAI事業などを行います。1974年4月創業になり元々家電製品販売業を行う「あさひ屋」から出発しています。


私は九州に住んでいるためトライアル店舗が多くたまに買い物に行きます。


多様な店舗フォーマットとワンストップショッピングを可能にする豊富な商品ラインナップ、そしてローコストオペレーションを確立したユニークな店舗運営となっています。


また、リテールテックを活用した独自のビジネスモデルを採用しています。


トライアルホールディングス(5882)の業績
※有価証券届出書引用


同社の中核事業会社であるトライアルカンパニーを中心に、TRIALブランドのディスカウントストアを全国に展開しています。


店舗フォーマットはメガセンター、スーパーセンター(SuC)、smart及び小型店の4種のフォーマットになります。


商圏人口や立地、店舗面積等に応じて様々なエリアに出店ができるマルチフォーマット戦略を軸に市場のニーズに応じた店舗開発に取組んでいます。


トライアルホールディングスIPOの実績まとめ
※有価証券届出書引用


商品ラインナップは生鮮食品などの食品を強みとして、日用消耗品などの生活必需品から家電製品、アパレル用品及びホビー用品などの非食品まで豊富な品揃えを特徴としています。


営業時間は原則24時間になりワンストップショッピングストアとして、利便性や価格優位性も追求しています。


流通小売業をはじめ、デジタルトランスフォーメーション(DX)の浸透が顕著化し、IoTやAIなどのデジタル技術を活用することで新製品やサービス、新しいビジネスモデルを通じた価値の創出に取組んでいます。


トライアルホールディングスIPOの販売実績
※有価証券届出書引用


リテールAI事業では、小売事業者や食品・消費財メーカーに対して、顧客の買い物体験の向上やリアル店舗のオペレーション改善、広告・販売促進活動の効率化等に資するプロダクトやソリューションを提供しているそうです。


同社グループが開発したセルフレジ機能付きのショッピングカートや、その他のプロダクトの月額利用料・ライセンス利用料等の収入があるそうです。


セルフレジ機能付きのショッピングカートはまだ利用したことがありません。トライアル店舗のレジはいつも混雑しているため利用価値はありそうです。


来店頻度が11.0%のプラスになった効果も確認されているそうです。


この他、「久織亭」「虎の湯」「古民家煉り」やゴルフ場運営などのリゾート関連事業、建築・不動産管理等も行っているそうです!


トライアルホールディングス(5882)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2015年9月18日、福岡県福岡市東区多の津一丁目12番2号に本社を構えます。社長は亀田晃一氏(1964年3月22日生まれ)、株式保有率は0.35%(345,600株)です。


従業員数48人で臨時雇用者1人、平均年齢41.2歳、平均勤続年数1.8年、平均年間給与10,601,000円です。連結従業員数は6,021人で臨時雇用者は15,576人です。


連結のセグメント別従業員数は流通小売事業5,034人(臨時15,451人)、リテールAI事業689人(臨時19人)、全社共通173人(臨時51人)となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
株式会社ティー・エイチ・シー66,000,000株66.38%
株式会社Heroic investment9,374,200株9.43%
永田 久男1,963,800株1.98%
株式会社PALTAC1,200,000株1.21%
サントリー株式会社1,000,000株1.01%
三井食品株式会社1,000,000株1.01%
ヤマエ久野株式会社1,000,000株1.01%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年10月08日)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


多くの株主がロックアップ対象となり新株予約権者もロックアップ対象となっています。


上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けは行われません。


トライアルホールディングス(5882)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件は1,800円~2,000円に決定し想定発行価格が上限になります。吸収金額は最大で約590.1億円、時価総額約2429.8億円です。


上場によって得られる資金の多くは新規出店に利用されるため、企業規模拡大となるイメージはしやすいでしょう。それに伴い業績拡大が見込まれます。


ただ類似企業比較ではかなり高いバリュエーションになるため要警戒だと思います。食品売上が大きいということで業務スーパー運営の神戸物産(3038)との比較も出ているようです。


また先日、実際にトライアルのメガセンターに妻が買い物に出かけるというので食品の価格を確認してもらいました。


すると地域の競合店よりも割安で提供されていて満足していました。お弁当も買ってきたため私も食べましたが価格の割に美味しいと思いました!


大手初値予想1,900円~2,500円
修正値2,000円前後

※注目度A


業績を確認すると2023年6月期の連結予想を確認できました。売上6,658.26億円となり前期比11.41%増、経常利益134.75億円となり前期比6.21%増となります。


四半期利益は80.72億円となり前期比13.13%増を予想しています。


公開価格が2,000円決定の場合の指標はEPS78.52からPER25.47倍、BPS908.68からPBR2.20倍になります。配当金は15円予定され配当利回りは0.75%になります。株主優待は現時点でありません。


類似企業比較で株価設定が高いため買いは限定的なのかもしれません。また、株主に北尾吉孝氏の名前がありロックアップ対象となっていないとの観測があります。


このことから売る気なんだろうな~と感じます。SBI系ベンチャー企業もいますからね。野村HDもロックアップ対象外のようです。


少し引っかかるのは「仮条件の下振れが200円幅で済んでいる」ことがポジティブとの観測があります。地合いが悪い方向に向かうなら割れそうな気がしますね。


成長している企業だと思いますが小売業で高PERはリスクがありそうです。そのため個人的には消極的に抽選に参加する予定です。


IPOの抽選に申込めば当選する活率はかなり高いと思います!


【追記】
売出株数とオーバーアロットメント株数が変更されています。中山哲良氏の60,000株の売出しが無くなりました。これにより吸収金額は最大約588.7億円、時価総額約2429.8億円となります。初値予想に大きな変化はありません。



幹事名割当株数引受割合
大和証券(共同)5,997,000株55.00%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同)2,944,000株27.00%
野村證券545,200株5.00%
みずほ証券545,200株5.00%
SBI証券545,200株5.00%
FFG証券327,100株3.00%


久しぶりに個人の売出株が大量にあります。ロックアップが外れた後も売り圧力が強そうな銘柄だと思います。


しばらくは横ばい展開でしょうか、そのうち株主優待の設定などもあるかもしれません。ただ承認時点では配当も実施されていません。


IPOとしては当選しやすい反面、小売業ということで人気はあまりないと思います。特に個人投資家には人気がないと思われます。勢いある企業なのは間違いなさそうですけどね。


当選を狙うのであれば主幹事2社と委託販売を行うCONNECT(コネクト)やauカブコム証券からの申込みを優先させたほうが良いと思います。


欲しければの話ですけどね。


ただ1年を通すと当選確率が高い銘柄が出てくるため、委託販売を行う証券会社の口座開設は行っておきましょう。IPOで儲かりたいなら基本です!


大和証券経由の委託販売が行われているCONNECT(コネクト)について詳しく調べたのでよかったら下記記事を参考にしていただけたらと思います。




三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの委託販売はauカブコム証券が行います。こちらも詳しく調べてみました。


今回は海外販売も多いため仮条件発表時に公開株数のチェックも行っておきましょう。2023年は当選しやすいIPOも出てきているため最後まであきらめずに利益を狙いたいと思います。


2022年はコネクトとauカブコム証券の両方で当選を頂いています。また、大和証券は当選しましたが三菱UFJモルガン・スタンレー証券は当選しなかった気がします。




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ジェーソン(3080)PER11.00倍PBR1.19倍
MrMaxHD(8203)PER7.62倍PBR0.72倍
マキヤ(9890)PER6.46倍PBR0.41倍
※2023年3月28日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2022年4月08日~2029年6月19日20,000株1,150円
2022年6月18日~2029年6月19日276,200株1,150円
2023年10月23日~2031年10月21日401,800株1,350円
2023年10月23日~2031年10月21日10,000株1,350円
2023年10月23日~2031年10月21日50,000株1,350円
2026年10月23日~2031年10月21日59,800株1,350円
2026年10月23日~2031年10月21日7,600株1,350円
2024年5月21日~2032年5月20日142,000株1,350円
2024年5月21日~2032年5月20日14,000株1,350円
2024年6月21日~2032年6月20日385,200株1,350円
2024年6月21日~2032年6月20日1,600株1,350円
2024年6月21日~2032年6月20日5,200株1,350円
2027年6月21日~2032年6月20日491,600株1,350円
2027年6月21日~2032年6月20日16,400株1,350円
2027年6月21日~2032年6月20日1,000株1,350円
2024年8月24日~2032年8月23日20,000株1,720円


ストックオプション(新株予約権)は296,200株が上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数97,690,400株に対する新株予約権の割合は1.95%に相当します。新株予約権による潜在株式数は1,902,400株です。


トライアルホールディングス(5882)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

トライアルホールディングスのIPOは様子見です。機関投資家需要があれば参加したいと考えています。


個人投資家に限られますが、小売業で人気が見込めるのは株主優待が付いている場合くらいですからね。


トライアルホールディングス(5882)IPOのまとめ
※トライアルホールディングス公式サイト引用


今後少子高齢化によるマーケットの縮小が見込まれているため、競合との差別化がより必要だと思います。


スーパーマーケットやGMS、ドラッグストア等との間で激しい競争が既に起きています。


今後はITやAIにより顧客の購買動向の把握や分析等を推し進め、ローコストオペレーションにより高い価格競争力を有することで競合他社との差別化を行うそうです。


また、どうなのかわかりませんがリテールAI事業は世界トップレベルだと自負しています。コストを追求する姿勢は感じ取れます。


お店に実際に行くと食品は安いと感じます。


不動産・リゾート事業については旅館運営事業の黒字化の目途が立っているそうです。売上規模も小さいため上場に関してはあまり影響がないと思います。


上記でも書きましたが機関投資家の評価待ちでよさそうです!!


FOLIO ROBO PROのETF投資は短期投資でも利益見込みがあるそうです!基本的に中長期投資が一般的になりますがAIレベルが高いため可能のようです。


公式サイトに成績が公開されているため気になる方は確認しておきましょう。下記記事でも詳しく投資内容を説明しています!


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