非上場株(未上場株)に投資を行うエンジェル投資家が急増しています。そこで問題点とリスクを考察し儲かるのか考えてみました。IPO的には未公開株と表現されることが多いです。
また、株式投資型クラウドファンディング(ECF)が活性化しているため全体的な状況を考察してみました。
投資家層は若年層よりも資産に余裕がある中年の方が最も多いと考えていました。しかし金融庁から発表された年齢層では30代が意外と多いことがわかり驚いています。もし30代前半の方が多ければ投資市場に参入する投資家が増えているのかもしれません。
比較的若年層が投資を行っていることにまず驚きましたが、市場拡大に向け金融庁も動き始めています。
株式投資型クラウドファンディングという投資市場にどのくらいの投資家がいるのかな?と言った疑問の答えもある程度出たため情報共有できればと思います。
また、ハイリスクハイリターン投資の位置づけにある市場が今後どのように動いていくのか考えてみました。
投資家の多くは既にわかっていると思いますが「爆益」もしくは「爆損」のどちらかになる投資です。ただ投資を行った期間は企業の成長を楽しめる自己満足が発生すると考えられます。
非上場株(未上場株)に投資している年齢層と年収などを調べてみました
非上場株(未上場株)に投資を行っている年齢層を調べてみました。業界最大手のファンディーノさんにインタビューさせて頂きた時に「30歳~40歳」の投資家が多いとお聞きしていました。本当かな?と思うところもありましたが、金融庁から発表されたデータを確認すると詳しいことがさらにわかってきました。
※金融庁公式サイト引用
30代~40代の年齢層が多いため忙しいながらにも投資を楽しんでいると感じます。投資家の職業は会社員が多いようです。
1口10万円程度から出資できるため会社員でも投資しやすい環境だからでしょう。そもそもエンジェル投資家とは250万円以上の投資を行える富裕層を指していましたが、時代の流れにより非上場企業へ投資を行う投資家を現在はエンジェル投資家と呼ぶことが多いようです。
ECF事業者もエンジェル投資家と言っていますからね。次に私も気になっていた投資家の年収を確認してみたいと思います!
※金融庁公式サイト引用
年収が500万円未満の方が3割弱となっています。500万円~999万円の方が5割弱と多いようです。
またECF(投資型CF)を利用した理由では「発行会社の応援のため」と答えた投資家が3.5割いるようです。投資リターンを得ることよりも事業者への応援を込めて投資を行う方が多い現実があるようです。
面白いですよね。利益優先で投資を行う投資家が多いかも?と思っていましたが事業に共感を得た結果、応援したいと考える投資家が多いようです。
この資料は貴重だと思います。
株式投資型クラウドファンディングを利用した企業の資金調達理由などを調べました
株式投資型クラウドファンディングを用いて資金調達を行う企業が増えています。単にお金がないから資金調達を行っているだけではないと以前から聞いていました。その結果もデータに出ているためご紹介したいと思います。
※金融庁公式サイト引用
利用企業のステージはシードが圧倒的に多いようです。基本的に事業が成長に乗る前のシード期に資金調達を行うことが多いからですね。
アーリーやミドルくらいになると、ベンチャーキャピタルや機関投資家などから融資を受ける可能性が高まるため、投資型CFを行わなくても資金調達ができることが多くなると言われています。
※金融庁公式サイト引用
また、投資型CFを利用した理由では自社のPR戦略などによるものが多いようです。資金調達を投資型CFで行わなくても良さそうな企業もなかにはあると投資段階で気が付くこともあります。
個人投資家から3,000万円集めるよりも、VCや機関投資家、又はエンジェル投資家からの資金調達を行ったほうが早いという企業のコメントもあります。やはり宣伝効果を狙って利用する企業も一定数いるようですね。
そんな企業に投資ができれば上場(IPO)を行う確率が高いのかもしれません。
事業規模が大きい場合はVCや機関投資家からの資金調達も上手く行くことが多いようです。VCの出資は個別に投資を行うこともありますが、バスケット買いを行うことも多いそうです。
ECF事業者にインタビューをする中で皆さん同じようなことを仰るためその傾向があると感じています。VCって意外に柔軟に投資を行っているようです!
まとめると以下のことが言えると思います。
- 投資型CFを利用する企業は「シード」「アーリーステージ」にある企業が全体の9割
- ITとテクノロジーを中心に健康や医療、水産や農業など幅広い業種が利用している
- 自社PR戦略やサービス普及のために投資型CFを利用した企業が全体の4割以上を占る
- 投資型CFを利用した7割以上の企業が投資型CF利用前にベンチャーキャピタル等から資金調達を行っている
株式投資型クラウドファンディング(投資型CF)投資に見直しが入る?
未成熟市場と言える株式投資型クラウドファンディングの活性化のために金融庁も色々と考えているようです。株主コミュニティーを利用したセカンダリー売買についても議論しているようです。海外では未上場企業や非上場企業への資金共有に年金基金やファンドなども出資を行っているようです。
中長期的な視点で投資できる機関投資家が主な投資家となっています。日本とは大きな差があるように思います。
株式投資型クラウドファンディング(ECF)のセカンダリー投資が始まろうとしています。日本ではまだ馴染みの少ない投資方法になるため参加者が限定されると思います。しかし長期的に考えた場合に魅力がある投資だと考えられます。 こ …
株式投資型クラウドファンディングのセカンダリ投資については上記でまとめています。これからこの流れが投資の選択肢として選ばれるかもしれません。
投資家のニーズがある反面、企業側のコストが増加することが懸念材料としてあるようです。投資家側からすると早く行って頂きたいところですけどね。
また、投資型FCの問題点として挙げられている資金調達を行う企業が1年間に1億円未満しか調達できないため、算定方法の見直しが行われる可能性があります。
1億円設定になっている理由としては、発行会社が破綻した場合に、被害を受ける投資家の数や損失額を守る目的があります!
これについては意見が少し割れているように思います。エンジェル投資家の中には50万円以上の投資を行いたい方も一定数いるそうです。
それと、過去1年以内のその他の資金調達も含まれるため、VC等から私募で資金調達を行った場合も1億円の中に含まれます。この辺りが除外されれば企業側としはメリットがありそうです。
※金融庁公式サイト引用
金融庁のデータでは上記のように1億円近くを集めている企業も複数社確認できるため、投資先として人気があるとわかります。
多くの企業は1,000万円~4,000万円と言った資金調達に成功しているようです。VC出資との合算は企業目線だと事業規模により厳しいところが出てきそうです。
資金調達の時期をずらすことができればよいですが、大手だと手間がかかる株式投資型クラウドファンディング(投資型CF)を使うメリットも限られるのかもしれません。
※金融庁公式サイト引用
投資家目線だと「同一の会社が発行する株式につき1年間に50万円以下」と定められています。この辺りも投資活性化を考えた場合に少し問題があるようです。
私は10万円程度を複数社に投資を行い楽しんでいますが、データを確認するとMAX50万円の投資を行っている方も多いようです。上限50万円という制限の撤廃なども今後あり得るかもしれません。
※金融庁公式サイト引用
投資先が倒産しなければ問題ないかもしれませんが、技術やスキルがあっても潰れてしまう企業が日本でも確認されています。
海外だと成長性ある企業にお金が集まるみたいですが、日本ではそのスキームがまだ弱いようです。だからユニコーン企業が出てこないとも言われています。
非上場株(未上場株)に投資をしたら儲かるの?まとめ
非上場株(未上場株)または未公開株と言われる市場の投資家層や企業側の資金調達理由などを調べてみました。ただ投資家目線で言えることは結局投資を行ったら儲かるの?に尽きると思います。多くの投資家が企業への応援を込めて投資を行っていると思いますが、利益が出る期待も持っているはずです。
慈善活動的な感じて捉えている方もいるようですが、やはりイグジット(EXIT)が最終目的だと思います。
投資を行い上場できる企業は一握りだと思います。2017年~2020年に株式投資型クラウドファンディングを利用した企業の実績は金融庁調べで231件となっています。
また2020年末時点でIPOやM&Aを行いイグジットした企業は0件、倒産や破産等は3件、その他事業会社やVC等によるCF株主持分の買付が3件となっていました。この3件は相対取引によるイグジットと考えて良いかもしれません。
一般的に投資を行い5年程度時間が経過しなければ結果が出ないと言われている投資になります。まだ非上場株(未上場株)への投資は始まったばかりなので先は長いと思います。
しかし、明るい材料も2021年に登場しています。
なんと上場(IPO)第1号がファンディーノから登場しました。ただプロ市場への上場になるため一般投資家の売買はできません。ファンディーノで株主になっていた投資家の売却は可能でした!
詳しくは下記記事でまとめいるため参考にして頂けたらと思います。
琉球アスティーダスポーツクラブ(7364)が株式投資型クラウドファンディングを利用し初めての上場を成功させました。ECF投資家に勇気を与えた案件だと思います。 ファンディーノ(FUNDINNO)を利用して資金調達を行って …
琉球アスティーダスポーツクラブ(7364)は国内プロスポーツチームとして初めて上場を行った企業です。投資型CFを行いわずか1年半程度で上場を行っています。
投資型CFによる成功事例になるため嬉しいと感じています。
資金調達を行う企業と投資家のバランスを見ながら金融庁も改善などを行っていくと考えられます。また上場する企業はこれから増えると思いますが、倒産してしまう企業も出てくるはずです。
日本は海外に比べ資金調達方法も限られますが、少しずつ魅力ある市場に育っていると個人的に考えています。
最終的には利益目的だと考えていますが、企業の成長を見守りつつ中長期的なスタンスで投資を行ったほうがよさそうです。事業会社により取り組み方も異なることが考えられると思います。
と言うことでお時間ある方は各社にインタビューを行わせて頂いたので下記記事も参考になればと思います。
投資対象の企業は厳格な審査をクリアーしているため資金調達段階で問題はないと思います。成長できるかどうかは運次第のところもあるかもしれませんが、自分の興味ある投資先だとより楽しめると思います!!
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