ランドネット(2991)のIPOがジャスダックに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はSMBC日興が務め公開株数357,000株、オーバーアロットメント53,500株です。上場規模は想定発行価格3,680円から計算すると約15.1億円になります。


IPOではあまり人気と言えない不動産業になりますが、株数が少なくIPOも減る時期なので面白いかもしれません!


ランドネット(2991)IPOの初値予想と上場
※ランドネット公式サイト引用


同社は不動産の資産運用コンサルティングを行う総合不動産商社になります。


不動産売買や賃貸、リフォームに関し「購入と売却」「再生と運用」という視点から様々なアイデアを提案する企業です。


いわゆる普通の不動産屋だと思いますが勢いが感じられます。創業当初から蓄積された約752万件の不動産データを保有しているとあり、そのデータは各事業部が管理するサーバに保管されている状態だそうです。


そのデータを今後はクラウド上で複数所有することにより、事業継続計画の強化が可能になると言っています。さらにAI(人工知能)導入、ビッグデータ利用を計画しているそうです。


既にAIやビッグデータを利用している類似企業が多い中で遅れていると感じます。ただ海外投資家に販路を持つ企業のためアフターコロナの期待もできるでしょう。


と言うことで今回も上場承認の内容を考察してみたいと思います!!


ランドネット(2991)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場JASDAQスタンダード
業種不動産業
事業内容中古不動産の買取販売、買取り後のリフォーム・リノベーション、仲介及び賃貸不動産の管理
上場日7月21日
ブックビルディング期間7月06日~7月12日
想定価格3,680円
仮条件3,680円~3,830円
公開価格3,830円
初値結果5,320円(公開価格1.39倍)
企業情報https://landnet.co.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人


【手取金の使途】

差引手取概算額946,510千円に本第三者割当増資の手取概算額上限180,495千円を合わせた、手取概算額合計上限1,127,005千円については、以下の通り充当する予定であります。

①販売用不動産の取得
当社は投資用中古マンションを中心とした仕入活動を行っており、販売用不動産の取得費用として503,005千円を充当する予定

②賃貸用不動産の取得
賃貸収入の獲得を目的とした収益不動産の取得資金として399,000千円を充当する予定

③システム開発投資
業務効率化を目的とした社内基幹システムであるRCP等へのシステム開発投資として126,000千円を充当する予定

④人件費及び人材採用関連費
不動産売買、仲介に係る営業部門の人材、専門性を有した管理部門の人材の増強のための人件費及び人材採用関連費として84,000千円を充当する予定

⑤支店及び本店造作設備工事資金
取扱不動産の更なる拡充及び、国内におけるサービス基盤強化の為の支店及び本店造作設備工事資金に関わる設備投資資金として15,000千円を充当する予定

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数284,000株
売出株数73,000株
公開株数(合計)357,000株
オーバーアロットメント53,500株
上場時発行済み株数1,428,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約52.6億円
幹事団SMBC日興証券(主幹事)
SBI証券
野村證券
楽天証券
水戸証券
マネックス証券
松井証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
委託見込auカブコム証券
DMM.com証券


ランドネット(2991)上場評判とIPO分析

想定発行価格3,680円を基に吸収金額を算出すると約13.1億円となり、オーバーアロットメントを含めると約15.1億円規模の上場となります。


同社グループは、ランドネットと連結子会社(株式会社ランドインシュア、日昇房屋有限公司、日商朗透房屋股份有限公司)の合計4社で構成されています。


東京都豊島区の本店、横浜支店、大阪支店を主たる拠点として中古不動産の買取販売、買取り後のリフォーム・リノベーション、仲介及び賃貸不動産の管理を主たる事業としています。


直近では首都圏の投資用中古ワンルームマンションの売買及び仲介を中心に事業を拡大し、関東一円、関西圏及び全国主要都市の物件まで取扱エリアを拡大しているそうです。


また、中古マンションのリフォーム・リノベーションも手掛け、中古不動産の再生にも力を入れています。さらに、外国籍の従業員を積極的に雇用し、台湾や香港の投資家向けに国内不動産の販売も行っているそうです。


ランドネット(2991)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


中古不動産を同社グループで買い取り、不動産業者や投資家等に販売するスタイルで営業しています。買取りを行う対象の不動産は、「ワンルームタイプ」及び「ファミリータイプ」の2つに区分し管理しています。


同社グループが対象の不動産を買い取り、自社のデータベースから市場における不動産の最適な価格を割り出し、販売に取り組むほか、不動産の修繕工事、リノベーションによる部屋の再生、内装工事、ユニットバス・システムキッチンなどの設備類の刷新、間取りの変更を積極的に不動産購入者に提案しいます。


買い取った不動産は必要に応じてリノベーションを行い、不動産購入者である国内外の個人や法人、不動産業者に対し販売を行っています。


ランドネット(2991)IPOの事業系統図
※有価証券届出書引用


取り扱う対象不動産は、主に不動産仲介会社を介さずに不動産所有者から直接買い取る方法によって行います。


仕入に際しては原則買取の形態をとっていますが、不動産所有者のニーズや交渉条件などにより「仲介」の形態をとる場合もあるそうです。


販売に関しては不動産仲介会社に対し、仲介もしくは買取りを依頼する形態と、同社販売部門がセミナーや雑誌、ソーシャルメディア等を通じて集客した顧客に対して直接販売する形態があります。


ランドネット(2991)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


また、台湾及び香港の現地法人において「日本の不動産投資に関するセミナー」を定期的に開催し、セミナーを通じて海外投資家に対する国内不動産の販売も手掛けているそうです。


この他、顧客のニーズや交渉条件などにより同社を仲介とした不動産の売買も行っています。


さらに、不動産売買事業で取引のあった顧客中心に賃貸管理業務を受託しています。子会社では賃貸管理業務を受託した賃貸用不動産において家賃保証も行うそうです。


ランドネット(2991)の企業財務情報と配当性向

回次第20期第21期
決算年月令和元年7月令和2年7月
売上高30,152,77135,773,981
経常利益1,073,572831,131
親会社株主に帰属する当期純利益773,219594,617
包括利益又は四半期包括利益773,885593,968
純資産額2,937,7063,454,454
総資産額8,190,6768,398,358
1株当たり純資産額2,567.933,019.63
1株当たり当期純利益金額675.89519.77
自己資本比率(%)35.941.1
自己資本利益率(%)29.818.6
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー279,010638,924
投資活動によるキャッシュ・フロー△427,860△357,070
財務活動によるキャッシュ・フロー894,466△484,202
現金及び現金同等物の期末残高1,862,5181,660,466
※数値は千円単位



第22期第3四半期連結累計期間(令和2年8月01日~令和3年4月30日)
  • 売上高30,692百万円
  • 営業利益951百万円
  • 経常利益902百万円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益592百万円



【第22期第3期のチェックポイント!】

不動産業界は公益財団法人東日本不動産流通機構によると、令和2年2月から7月までは新型コロナウイルス感染症の影響もあり前年対比で月間成約件数はマイナスが続いていたそうです。同年8月以降はプラスに転じる等、不動産取引については持ち直しの動きが見られ令和3年4月度の首都圏中古マンションの成約件数は3,428件(前年同月比110.4%増)となっています。

一方、新型コロナウイルス感染症の終息時期は見通しが立っておらず、先行きは依然不透明が続いています。

同社グループは引き続き取扱不動産のエリア、販路、種類の拡大、買取りを強化しウェブによる商談及びセミナー開催、IT重説の活用等、非対面接客を積極的に取り入れ様々な取り組みを継続的に行うそうです。


ランドネット(2991)の株主状況とロックアップについて

会社設立は1999年9月29日、東京都豊島区南池袋一丁目16番15号に本社を構えます。社長は榮章博氏(昭和35年2月19日生まれ)、株式保有率は48.48%(572,000株)です。


従業員数379人で臨時雇用者67人、平均年齢31.0歳、平均勤続年数3.5年、平均年間給与6,194,000円です。連結従業員数は381人になり臨時雇用者は67人となっています。


連結のセグメント別従業員数は不動産売買事業217人(臨時3人)、不動産賃貸管理事業35人(臨時6人)、全社共通129人(臨時67人)です。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
榮 章博572,000株48.48%
株式会社ブレインネット572,000株48.48%
浦 好之1,400株0.12%
塩尻 直樹1,350株0.11%
柳 久之1,300株0.11%
矢嶌 卓1,150株0.10%
萬代 茂明1,150株0.10%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人である榮章博並びに当社株主である株式会社ブレインネット、浦好之、塩尻直樹、柳久之、矢嶌卓、萬代茂明、小礒純、中嶌大輔、逆瀬川幸生、~省略~ 髙橋祐平は、SMBC日興証券株式会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しにかかる元引受契約締結日に始まり、上場日から起算して180日目の令和4年1月16日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(令和4年1月16日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


親引けは35,700株を上限としてランドネット従業員持株会が買い付けを予定しています。


ランドネット(2991)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が想定発行価格を下限として3,680円~3,830円に上振れしています。これにより上場による吸収金額が15.7億円となりました。時価総額は54.7億円です。


想定発行価格を4.08%上回りましたがその価格帯でも割安と言えそうです。売上が好調のため買われると思いますが、深追いする銘柄ではないと思います。現在の地合いだと他社比較でPER10倍~15倍が参考値になりそうです。


同社の場合は株価が割安なので公募組は利益期待があると思います。初値5,000円でもPERは7.87倍なんですよね。


大手初値予想4,000円~5,000円
修正値4,500円~5,000円

※注目度C


業績は経常利益が10億円超えとなるため機関投資家の参戦も見込まれるようです。投資用マンションの売買を主力とし薄利で回転させるスタイルとなっています。


仕入れは電話やDM、又はオーナーからの買取りになり、販売先は個人投資家や不動産販売会社となっています。事業規模も大きいことから、中古マンション市場の持ち直しにより業績上振れの期待もあると思います。


コロナ禍でも業績はV字回復となり、ウェブ商談やセミナー開催など非対面接客にも力を入れています。


2021年7月期の連結業績予想は売上409.29億円となり前期比14.41%増、経常利益10.59億円となり前期比27.44%増となります。


四半期利益は7.32億円となり前期比23.23%増を予想します。EPS635.27からPERは6.03倍、BPS3,567.77からPBR1.07倍になります。また配当金が51.5円予定されているため配当利回りを計算すると1.34%になります。


業績期待で買われる展開になると思いますが、不動産IPOは人気とは言えないため株価が高ければ見直されるでしょう。来期業績予想が今期と同じように拡大するのであれば上値を試す展開も期待できそうです。


配当金狙いであれば他社に軍配が上がりそうです。また、初値形成時において需給の心配はないと思います。


幹事名割当株数引受割合
SMBC日興証券(主幹事)321,700株90.11%
SBI証券7,100株1.99%
野村證券7,100株1.99%
楽天証券7,100株1.99%
水戸証券3,500株0.98%
マネックス証券3,500株0.98%
松井証券3,500株0.98%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券3,500株0.98%


株数が少ないため主幹事のSMBC日興証券から当選を狙うことになりそうです。6月の上場ラッシュでは主幹事が少なかったため、証券口座を開設している方は楽しみな銘柄でしょう。


IPOルールは下記記事でまとめています。口座開設時はブロンズランクになるため多少優位な抽選になります。




また野村證券松井証券だと資金不要でIPO抽選に参加できます。今回は当選が厳しいと思いますが読者は当選を頂いている方がいます。


申込みを行わないと当選できないため参加しておきましょう。そのうち当選できると思います!資金不要で抽選参加できる証券会社は下記記事でまとめています!




IPOに当選できないと考えた方は未上場企業に投資を行ってみると面白いかもしれません。


ファンディーノさんとはタイアップをさせて頂いているため興味があればご利用ください。Amazonギフト券1,000円分のプレゼントなので申込の手間賃くらいにいはなると思います。


興味があれば下記記事も面白いと思います。




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
スター・マイカ・ホールディングス(2975)PER12.84倍PBR1.13倍
イーグランド(3294)PER6.54倍PBR0.81倍
インテリックス(8940)PER5.35倍PBR0.57倍
※2021年7月06日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
平成29年2月24日~令和7年2月23日5,800株1,860円
令和3年3月18日~令和10年3月17日30,100株1,860円


ストックオプション(新株予約権)は35,900株の全てが行使期限を迎えています。


また上場後に行使できる状態のようです。対象者は取締役と従業員になります。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


ランドネット(2991)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

ランドネットIPOは株数が少ないためそれなりの利益が出ると考えられます。


面白くないと言えばそれまでですが投機的な投資に期待したいと思います。ネガサ株なので値幅を狙う投資家もいるでしょう。機関投資家の参戦期待は低く個人投資家主体のIPOだと思います。


ランドネット(2991)IPOの評価
※リディア公式サイト引用


不動産売買事業は、首都圏1都3県と関西圏2府1県を中心に展開しているそうです。


買取販売については、一般的には競合が多く優良な不動産の仕入競争は熾烈な状況にあるため自社で所有しているデータの活用が今後のポイントになりそうです。


売上が伸びていることから不動産の回転ができていると考えられます。前期は新型ウイルス感染症のため利益が落ち込んでいるように感じます。


ただ現在は非対面でのセミナー開催やITを活用した重要事項説明書による説明を実施しているため、持ち直しの傾向となっているようです。


競合には大手ハウスメーカーや個人事業主などが存在し熾烈な環境だと思います。その中でも上場できることは評価対象だと思います。その他、これと言って目立つ評価ポイントがないのも事実です。


地方ではなく首都圏を中心にしたビジネススタイルのため安心して投資を行う投資家も一定数いると思います。前期の配当は52円みたいですね。上場後も配当を行ってくると思うので、後日情報を掲載したいと思います。


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