オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


OPSの主幹事はみずほ証券が務め公開株数880,000口、オーバーアロットメント132,000口です。上場規模は想定発行価格950円から計算すると約9.6億円になります。


アキュセラ・インク以来の外国株式の上場になります。何でも買われるようであれば人気化するかもしれません!


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)IPOの初値予想と上場
※オムニ・プラス・システム・リミテッド公式サイト引用


オムニ・プラス・システム・リミテッド(OPS)の上場規模は小さめです。伊藤忠プラスチックが関わる企業になり株主でもあります。


事業はIPOで人気があるとは言えません。発行株数は多いようですが今回の上場ではOAを含め4.84%の株式公開にとどまるようです。これって戦略的に上場するパターンかもしれませんね。


同社最大の強みは、シンガポールにある本社に隣接するエンジニアリング・センターを中心とした研究開発能力だそうです。


山形大学とは機械学習と人工知能(AI)を使用したポリマー着色剤ライブラリについて共同研究開発を行っています。IPOに参加すると思いますが少し様子を伺いたい銘柄だと思います。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ(外国株)
業種卸売業
事業内容汎用およびエンジニアリングプラスチックの流通、製造業
上場日6月29日
ブックビルディング期間6月10日~6月16日
想定価格950円
仮条件940円~960円
公開価格960円
初値結果1,510円(公開価格1.57倍)
企業情報https://www.omniplussystem.com/ja
監査人KPMG LLP


【手取金の使途】

差引手取概算額558,120,000円については、「募集に関する特別記載事項2第三者割当増資とシンジケートカバー取引について」に記載の第三者割当増資における差引手取概算額上限115,368,000円と併せて、その全額を、2021年12月までに、原材料仕入に係る運転資金に充当する予定です。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募口数880,000口
売出口数-口
公開口数(合計)880,000口
※JDR1口に対して1株
オーバーアロットメント132,000口
上場時発行済み株数20,925,844株(普通株式かつJDR公募分を含む)
想定ベースの時価総額約198.8億円
幹事団みずほ証券(主幹事)
SBI証券
岡三証券
委託見込岡三オンライン
SBIネオトレード証券


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)上場評判とIPO分析

想定発行価格950円を基に吸収金額を算出すると約8.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約9.6億円規模の上場となります。


同社グループは「エンジニアリング・プラスチック」を軸に、顧客のニーズに応じたカタログ販売や汎用品(ジェネリック)の販売を行うエンジニアリング・プラスチックの流通事業を行います。


また、顧客ニーズにより深く関与して高耐久・高耐熱、デザイン性を有する樹脂コンパウンドを行う「開発・製造事業」を行っています。


2021年3月末現在、同社グループはシンガポール国内外の連結子会社14社、ジョイント・オペレーション1社及び持分法適用関連会社2社で構成されています。


IPO的には人気が高いとは言えませんが吸収額は低いようです。マザーズでは10億円を切れば初値期待が高ります。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


流通事業は、エンジニアリング・センター機能及び同社グループによる高機能エンジニアリング・プラスチックのコンパウンド(混合、着色等)を介さない製品の流通であり、その多くは汎用品の販売として、売上収益の約60~70%を占めているそうです。


開発・製造事業は、最終顧客(ブランドメーカー)が生産する家庭用電気機器、電子機器、OA機器、自動車、通信関連機器、医療機器等の製品において、筐体や内蔵部品等の部品用途のニーズに対応した素材の耐久性、


耐熱性等に優れた高機能エンジニアリング・プラスチックの開発を行うほか、最終顧客との共同研究、さらにシンガポール科学技術研究庁、シンガポールの各種研究機関との共同研究を行っています。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)IPOの事業とグループ企業
※有価証券届出書引用


原材料となる樹脂は、シンガポール及び周辺国のポリマーメーカーより、現地商社等も通じて調達しており、長期契約に基づいた安定調達体制を構築しています。


販売先はオリジナル機器メーカー(OEM)、電子機器製造サービス(EMS)、契約メーカー(CM)、製造パートナー(MPA)、及び成形事業者など多岐に渡り、マレーシア、タイ、中国、インドネシア、フィリピン、ベトナム等の東南アジア諸国に設置された販売子会社や販売代理店を通じた販売を行っています。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


同社グループは、最終顧客が必要とする原材料樹脂を調達し納入、また共同研究等による開発並びに製造、及び安定供給を行う、高機能エンジニアリング・プラスチックのトータル・サプライチェーン・ソリューションを提供しています。


東南アジア地域に進出してきたグローバルブランドメーカーとの取引を開拓、深耕させているそうです。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)の企業財務情報と配当性向

回次第17期第18期
決算年月2019年3月2020年3月
売上収益209,116192,779
税引前利益11,55310,703
当期純利益9,26410,026
当期包括利益8,9129,833
純資産額38,12328,010
総資産額98,205105,283
1株当たり純資産額1.901.40
1株当たり当期純利益0.570.50
自己資本比率(%)38.826.6
自己資本利益率(%)31.830.3
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー8,2486,429
投資活動によるキャッシュ・フロー△5,534△4,114
財務活動によるキャッシュ・フロー6,858△8,456
現金及び現金同等物の期末残高20,56014,191
※数値は千米ドル(シンガポール財務報告基準に従い連結財務諸表を作成)



第19期第3四半期累計期間(2020年4月01日~2020年12月31日)
  • 売上収益は174.86百万米ドル
  • 四半期利益9.89百万米ドル(前年同四半期7.67百万米ドルから28.9%増)



【第19期第3期のチェックポイント!】

新型コロナウィルス感染症による世界的なビジネスの不確実性、サプライチェーンの混乱、市場の消費マインドの低下につながる状況にもかかわらず、売上収益は第2四半期に引き続き、当第3四半期も顧客(エンドユーザー)からの安定した受注を受けて、さらに好調に推移している状況にあるそうです。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2002年3月26日、東京都千代田区大手町一丁目1番1号大手町パークビルディング(アンダーソン・毛利・友常法律事務所外国法共同事業)に本社を構えます。


最高経営責任者はネオ・プアイ・ケオン氏です。


従業員数40人で臨時雇用者0人、平均年齢39歳、平均勤続年数5年、平均年間給与63,910(米ドル)です。連結従業員数は216人で臨時雇用者は0人です。


セグメントはエンジニアリング・プラスチック事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
Neo Puay Keong8,065,196株40.23%
ITOCHU Plastics Pte. Ltd.5,315,384株26.52%
D3cube Venture Pte Ltd4,009,168株20.00%
Ang Whai Hoon1,453,344株7.25%
Omni-2025 Pte Ltd1,202,752株6.00%
※株主全5名の状況


【ロックアップについて】

株式買取引受による募集に関連して、貸株人かつ当社の株主であるNeo Puay Keong並びに当社の株主であるItochu Plastics Pte Ltd.、D3cube Ventures Pte Ltd及びOmni-2025 Pte Ltdは、みずほ証券株式会社との間で、元引受契約締結日から本有価証券信託受益証券に係る上場日から起算して180日目の2021年12月25日までの期間中、みずほ証券株式会社による同意なしには、当社株式、当社株式に転換若しくは交換されうる有価証券等の処分等を行なわない旨を合意しております。

また、当社株主であるAng Whai Hoonは、みずほ証券株式会社との間で、元引受契約締結日から本有価証券信託受益証券に係る上場日から起算して90日目の2021年9月26日までの期間等の処分等を行わない旨を合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



株主には90日間(2021年9月26日まで)と180日間(2021年12月25日まで)のロックアップが付与されています。


ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。また、親引けは行われません。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件は940円~960円に決定し想定発行価格の950円とほぼ変わりありません。上限算出の吸収金額は9.7億円で時価総額は200.9億円になります。


大手コメントで驚いたのは「日本で上場する意味」と言ったコメントです。詳しくお話できませんがネガティブ意見だと思います。しかしながら初値予想は公開価格を超える予想が出ています。


大手初値予想1,000円~1,500円
修正値1,500円前後

※注目度B


テックポイント・インクJDR(6697)に続くJDR株となり第2号になるようです。懐かしいと感じますが成熟産業であるため需給に不安が多少あるようです。


吸収金額が10億円以下なのである程度の需要はあると個人的に考えていますが、利益が出る雰囲気ではないかもしれません。伊藤忠商事グループが絡むため何かしらの思惑を持って参戦する投資家もいるはずです。


機関投資家でも詳細な情報がつかみずらいJDR銘柄になるため、個人投資家は慎重に投資を行ったほうがよいかもしれません。私は公開価格割れしなければよいと考えているため抽選に参加してみたいと思います。自己責任です!!


業績は2022年3月期の連結予想が出ており、売上収益393.20億円となり前期比42.30%増、売上総利益42.00億円となり前期比35.00%増になります。


四半期利益(純利益)は19.20億円となり前期比48.03%増を予想しています。業績は増収増益が続いています。PERはEPS91.90から10.46倍になります。


PERは類似企業比較で妥当値にあるようです!


【追記】
注目度は低いとされているようですが、某社では成長性が高く個人投資家の買い意欲が強いのではないか?と言われているようです。テックポイント・インクIPOも初値で公開価格を大きく超えたことから同社にも同じことが起きる可能性があります。長期的な安定は微妙だと思いますが初値だけは高いと個人的にも注目しています。

日本企業よりも成長スピードが早いとの情報です。※2021年6月11日


幹事名割当株数引受割合
みずほ証券(主幹事)704,000株80.00%
SBI証券132,000株15.00%
岡三証券44,000株5.00%


当選を狙うのであればみずほ証券からの抽選に参加しておきましょう。また今回はマザーズ上場の外国株なのでPayPay証券で取扱いがあるかもしれません。そろそろ本格的にIPO取扱いを行って欲しいですよね。


IPOルールは下記記事でまとめています。




また岡三証券が入っているため委託経由で岡三オンラインでもIPOの取扱いが期待できます。引受幹事が少ないた積極的に申込むのであれば領しておきましょう。


タイアップ特典で3,500円が期間限定で貰えることになっています。よかったら頂いてください。申し込み方法などは下記記事でまとめています。簡単ですけどね。




Tポイント投資をご存知でしょうか?手元にあるTポイントを利用して株式売買やFXなどができる証券会社があります。


ポイ活でポイント2重取りや3重取りに励んでいる方で投資を考えている方はSBIネオモバイル証券がお勧めです。日本で初めてTポイント投資を始めた企業です!


IPO投資も行え、株式売買手数料にも魅力があります。下記記事で詳しくまとめているので参考になればと思います。




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
日産化学(4021)PER23.29倍PBR4倍
三菱ケミカルホールディングス(4188)PER13.1倍PBR1.03倍
三井化学(4183)PER9.45倍PBR1.23倍
※2021年6月10日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
該当事項なし-株-円


ストックオプション(新株予約権)はありません。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

オムニ・プラス・システム・リミテッドのIPOは利益見込みがあると思いますが、もしかするとIPOラッシュで買い疲れが起きるかもしれません。


IPO投資を16年くらい行っていますが、2021年6月上場は異常なほど多いです。2022年4月からの東京証券取引所の市場区分見直しのために先に上場したほうがよいのかもしれませんね。


オムニ・プラス・システム・リミテッド(7699)IPOの評価
※オムニ・プラス・システム・リミテッド公式サイト引用


同社はベトナムやインドネシアなど高成長新興市場で、建設業界でのビジネス機会を確保するために、積極的にリサーチを行っています。また、電気自動車市場への参入を目指し特殊プラスチック製品の開発も行っているそうです。


伊藤忠グループがEV関連企業へ投資を行っているため、上場後は伊藤忠グループが投資したスタートアップ企業に対するビジネスを行うそうです。


鬼に金棒状態とも言えそうですね。ただ多国籍に事業を展開する競合企業が多くいるそうです。


最終的には品質と価格だと思いますが、業績を確認する限り絶好調だと思います。ということである程度人気が見込めそうです!


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