BlueMeme(ブルーミーム)[4069]のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事は東海東京証券が務め公開株数856,000株、オーバーアロットメント128,400株です。上場規模は想定発行価格2,510円から計算すると約24.7億円になります。


IPO向きの事業なので人気があると思います。吸収額が少し大きいようですが十分吸収できると考えています!


BlueMeme(ブルーミーム)IPOの初値予想と上場
※ブルーミーム公式サイト引用


多くの企業がデジタル・トランスフォーメーション(DX)に投資を行っており、同社には追い風が吹いているようです。


新型コロナウイルス染症対策としてのリモートワークや付随する業務プロセスのオンライン化への対応が加速することにより、関連するIT分野への投資需要が引き続き堅調に推移すると同社は考えているようです。


売上は増加傾向にありますが利益面の不安はあると思います。初値だけ高くその後は適正値に戻るパターンのIPOかもしれません。


ベンチャーキャピタルが筆頭株主になり売出株にも参加しています。


BlueMeme(ブルーミーム)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容ローコードとアジャイルを活用したシステム受託開発・コンサルティング等サービスの提供及び OutSystems®等のソフトウェアライセンス販売
上場日6月29日
ブックビルディング期間6月14日~6月18日
想定価格2,510円
仮条件2,400円~2,820円
公開価格2,820円
初値結果2,850円(公開価格1.01倍)
企業情報https://www.bluememe.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人


【手取金の使途】

手取概算額1,030,140千円については、「1新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限296,501千円と合わせた手取概算額合計上限1,326,641千円を、当社グループの事業拡大を見据えた運転資金に充当する予定であります。

具体的には、ローコード技術とアジャイル手法を組み合わせた受託開発サービスの中核となる技術者人材、開発工程のうち上流を担うコンサルティング人材、最先端技術に対する高度な知見を有する人材、及び継続的なビジネスモデルの改善を担当するマネジメント人材に係る労務費に181,000千円を充当する予定。

次に、売上増加に対応するサービスパートナー企業技術者人材を新規に創出するための外注委託費として793,000千円を充当する予定。

また、この運用を支える提案営業に優れた人材及び上場後の内部管理体制をさらに充実させる人材等の増強に係る人件費として229,000千円を充当する予定。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数450,000株
売出株数406,000株
公開株数(合計)856,000株
オーバーアロットメント128,400株
上場時発行済み株数3,199,946株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約80.3億円
幹事団東海東京証券(主幹事)
野村證券
大和証券
みずほ証券
SBI証券
東洋証券
水戸証券
委託見込 SBIネオトレード証券
CONNECT


BlueMeme(ブルーミーム)上場評判とIPO分析

想定発行価格2,510円を基に吸収金額を算出すると約21.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約24.7億円規模の上場となります。上場規模がやや大きくてもIPOでは人気業態なので買われるでしょう。


同社グループは「BlueMeme」とローコード技術によるプラットフォーム事業を展開する連結子会社の「OPENMODELS」の合計2社で構成されています。


インターネットやスマートフォンなどの情報技術の急速な発展は、歴史上、類を見ないスピードで私たちの生活を大きく変え続けています。これらを支える最も重要なものは、あらゆる情報を処理し、コンピューター機器を動かすための情報システムです。


同社グループは、この情報社会を支える「情報システムを開発する技術」にフォーカスし、顧客企業と共に新たな価値を生み出すことで、「日本企業の国際的競争力を向上させる」ことを事業のミッションとしています。


BlueMeme(ブルーミーム)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


同社では最新技術を活用した独自のプロジェクト管理手法「AGILE-DX」を用いることで、低コストかつ短期間で品質の高いシステム開発を実現し、顧客と共にシステム開発のノウハウを蓄積することでスピード重視のIT投資を可能にします。


独自のプロジェクト管理手法「AGILE-DX」を活用したシステム開発に関する事業をDX事業として展開しています。


同社はこの「AGILE-DX」を活用した受託開発サービス及び技術者向けトレーニングを提供する「プロフェッショナルサービス」と、ローコード開発ツール等のソフトウェアを販売する「ソフトウェアライセンス販売」から構成されるDX事業の単一セグメントとなっています。


BlueMeme(ブルーミーム)IPOの成長戦略
※有価証券届出書引用


プロフェッショナルサービスでは「AGILE-DX」を用いた受託開発サービスと、ローコード開発ツールを使用する顧客企業の技術者向けのトレーニングの2つのサービスを「プロフェッショナルサービス」として提供しています。


受託開発サービスは、顧客企業のニーズに合わせて、主に3パターンのローコード・アジャイルチーム体制を構築してシステム開発を行っているそうです。


BlueMeme(ブルーミーム)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


ソフトウェアライセンス販売では、ローコード技術を中心とした情報システム開発の生産性を向上させるソフトウェアのライセンスを、年単位で使用権を販売するサブスクリプションライセンス契約で販売しています。


主にプロフェッショナルサービスの提供とともにソフトウェアライセンスを販売していますが、顧客企業が自ら情報システムの開発を行う場合は、ソフトウェアライセンスのみの販売を行っているそうです。


SI(システムインテグレーター)は奥がい仕事だと思いますが、同社の場合は「AGILE-DX」サービスを利用すれば3年~5年かかる経験値を3ヶ月~6ヶ月に短縮できるそうです。


アジャイル手法とローコード技術を使用し少人数で開発が可能となっています。


BlueMeme(ブルーミーム)の企業財務情報と配当性向

回次第13期第14期
決算年月2019年3月2020年3月
売上高1,496,7211,800,132
経常利益86,26030,850
親会社株主に帰属する当期純利益61,09510,557
包括利益61,09510,557
純資産額347,872358,733
総資産額1,015,7771,272,865
1株当たり純資産額△173.72△168.57
1株当たり当期純利益金額29.805.15
自己資本比率(%)34.228.2
自己資本利益率(%)19.33.0
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△64,910174,683
投資活動によるキャッシュ・フロー△148,084△13,496
財務活動によるキャッシュ・フロー279,19259,840
現金及び現金同等物の期末残高363,094584,121
※数値は千円単位



第15期第3四半期連結累計期間(2020年4月01日~2020年12月31日)
  • 売上高1,507,935千円
  • 営業利益91,945千円
  • 経常利益90,062千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益62,202千円



【第15期第3期のチェックポイント!】

ブルーミームは手作業中心のシステム受託開発が抱える多くの問題をローコード技術とアジャイル手法を活用することで、システム開発の生産性を大幅に向上させる事業をDX事業として展開しています。

DX事業はDX実現に向けた情報システム開発に係るコンサルティング及び開発サービスの提供とプロフェッショナルサービスで使用するローコード開発やAPIインテグレーションに関連するソフトウェア販売で構成されており、その拡大による業績の向上に引き続き注力するそうです。難しい言葉が並んでいますが需要が多くあり業績好調のようです。


BlueMeme(ブルーミーム)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2006年12月20日、東京都千代田区神田錦町三丁目20番地に本社を構えます。社長は松岡真功氏(1975年1月24日生まれ)、株式保有率は14.90%(460,000株)です。


従業員数66人で臨時雇用者0人、平均年齢34.7歳、平均勤続年数2.9年、平均年間給与5,289,000円です。連結従業員数は67人で臨時雇用者0人となっています。


セグメントはDX事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
インテック・アイティ2号投資事業有限責任組合840,000株27.20%
松岡 真功460,000株14.90%
BMトラスト株式会社365,000株11.82%
MICイノベーション4号投資事業有限責任組合297,618株9.64%
辻口 真理子175,000株5.67%
モバイルクリエイト株式会社148,808株4.82%
朱 未120,000株3.89%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人であるBMトラスト株式会社、売出人である松岡真功、辻口真理子、朱未及び市川玲、並びに当社株主であるモバイルクリエイト株式会社、情報技術開発株式会社及び川根金栄は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年12月25日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨合意しております。

また、売出人であるインテック・アイティ2号投資事業有限責任組合及びMICイノベーション4号投資事業有限責任組合は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年9月26日までの期間中、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びその売却価格が「第1募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所における売却等は除く)等を行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2021年12月25日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


ベンチャーキャピタル2社に対してはロックアップ90日間(2021年9月26日まで)、ロックアップ解除倍率が発行価格の1.5倍以上となっています。


親引けは行われません。


BlueMeme(ブルーミーム)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


想定発行価格2,510円を挟み仮条件が2,400円~2,820円と大きく上振れしています。吸収金額は最大で27.8億円になり時価総額は90.2億円です。


技術としてはローコード技術に取り組んできたためその結果が出ているようです。現在は注目される分野になりアジャイル開発との組み合わせも独自性があるようです。


アジャイルソフトウェア開発とは軽量な開発手法群の総称になり、同社では時間に対してのみ義務を負う準委任契約を採用し、これまでと異なり赤字になりにくい契約方法を採用しています。


そしてSI業界ではDXによる業界底上げの兆しがあり、ローコード技術に関しても需要が見込める技術となっています。同社IPOの問題点はVC売出しが多く、上場規模に荷もたれ感があることです。


大手初値予想4,000円~5,000円
修正値3,700円~4,000円

※注目度B


機関投資家の評価は高く需給に対して不安はなさそうです。ただ軽量級のIPOとは言い難いため初値1.5倍あたりが予想されているようです。


ベンチャーキャピタルは発行価格1.5倍以上で売却可能となっているため、4,230円あたりまでが勝負のようです。


2022年3月期の連結業績予想は売上19.31億円となり前期比8.09%減、経常利益2.23億円となり前期比28.16%増となります。


四半期利益は1.48億円となり前期比13.85%増を予想しています。減収になっている理由は会計基準の変更が行われたためです。そのため本来であれば26%程度の増収になるようです。


EPS47.88からPERは58.90倍、BPS544.72からPBRは5.18倍になります。配当金や株主優待はありません。類似企業比較ではかなり高めの評価となっています。


同日は注目度が高いリヴァンプが上場中止になった事から同社へ資金が向かうことも考えられます!


幹事名割当株数引受割合
東海東京証券(主幹事)744,600株86.99%
野村證券42,800株5.00%
大和証券25,700株3.00%
みずほ証券25,700株3.00%
SBI証券8,600株1.00%
東洋証券4,300株0.50%
水戸証券4,300株0.50%


東海東京証券からの申込みを徹底したほうがよさそうです。店頭口座の方は株数が多いためおねだりしておきましょう。ネット口座の方も当選を目指して申込んでおきましょう。


株数がやや多めなので運が良ければ当選できると思います。東洋証券や水戸証券の口座は持っていないため申込すらできません。


野村證券は前受け金不要なのでとりあえず抽選に参加しておきたいと思います。1年に1回当選できればよいスタンスで気楽に申込みましょう。




主幹事で外れると当選は厳しそうですよね。また大和証券が幹事入りしているためCONNECT(コネクト)からも抽選に参加できるはずです。大和証券が主幹事を引受ける場合は忘れずに申込みを行っておきましょう。


IPOルールは下記記事でまとめています。入出金を無料化する方法も書いています!




またIPOに当選しないと思っている方は未上場(非上場)企業に投資を行い、上場(IPO)をするまで待つ投資もあります。色んな企業にインタビューしているので投資の参考になればと思います。


業界最大手はファンディーノになります。こちらはタイアップ特典でAmazonギフト券が1,000円分ついています。




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
クロスキャット(2307)PER20.16倍PBR2.06倍
ヤプリ(4168)PER-倍PBR24.7倍
SYSホールディングス(3988)PER13.94倍PBR1.64倍
※2021年6月15日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2019年3月01日~2027年2月28日243,000株125円
2020年7月01日~2024年6月30日95,000株125円


ストックオプション(新株予約権)は338,000株の全株数が行使期限を迎えています。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


BlueMeme(ブルーミーム)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

BlueMeme(ブルーミーム)のIPOは事業規模がまだ小さいため不安材料があると思います。SI系のIPOはこれまで初値後に急落しているものも多くあるため要注意でしょう。


BlueMeme(ブルーミーム)IPOの評価
※ブルーミーム公式サイト引用


企業向け業務システムの開発・保守・運用を行っているため初値需要はあると思います。


これからローコード開発ツールを使用したサービス提供を行う「新たな市場を形成」するそうですが、この辺りがどうなるのか詳しくわかりません。


ただ競合企業は複数あるそうなので、上場で得た資金を利用し事業拡大につなげてほしいと思います。


また、OutSystemsジャパン社とソフトウェア製品「OutSystems®」に関する販売代理店契約を締結しており、ソフトウェアライセンス売上高の約95%を占めるそうです。このことから「OutSystems®」の市場拡大に大きく依存しているそうです。


VC保有率は発行済株式総数2,749,946株から1,137,618株になり、所有割合約が41.37%になっています。また、ストック・オプションによる潜在株式数は338,000株になるため、発行済株式総数との比率が約10.95%になります。


公募組は利益が見込めると思うので抽選に参加しておきましょう!


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