Enjin(エンジン)[7370]のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はみずほ証券が務め公開株数2,500,000株、オーバーアロットメント375,000株です。上場規模は想定発行価格1,380円から計算すると約39.7億円になります。


業績が急拡大していることで注目されるIPOになりそうです!!


Enjin(エンジン)IPOの初値予想と上場
※Enjin公式サイト引用


しばらく前まで赤字だった企業です。しかし売上・利益が急拡大し上場タイミングとしては面白そうです。積極的に抽選に参加しておきたいと思います。


ブランディングの需要が少なかった医療機関などで同社サービスのニーズが高まっているそうです。コロナ禍といイレギラーな状況下ではありますが、業績が物語っているようです。


理由としては、インターネットの普及とモバイル機器が進化した結果、従来のTV・新聞等によるメディア露出に限らない、多様なメディア露出が可能になったことが関係しているそうです。


業績が伸びていると言っても売上は2020年5月期で約15.3億円しかありません。四半期利益は約3億円となっています。にもかかわらず想定ベースで約39.7億円の吸収なので欲張り過ぎかな?と感じるところはあります。


ベンチャーキャピタル出資がなく株主も2名で98.62%を保有しているため、初値が低ければセカンダリー期待もできそうです。公開株数は多いようですがそれ以外の株式流通は少ないと思います。


Enjin(エンジン)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種サービス業
事業内容法人/経営者、医療機関/医師向けPR支援サービスの提供及びマッチングプラットフォームの運営
上場日6月18日
ブックビルディング期間6月02日~6月08日
想定価格1,380円
仮条件1,300円~1,380円
公開価格1,380円
初値結果2,150円(公開価格1.56倍)
企業情報https://www.y-enjin.co.jp/
監査人PwC京都監査法人


【手取金の使途】

手取概算額1,259,600千円については、「1新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限476,100千円と合わせた手取概算額合計上限1,735,700千円については、全額運転資金として、①採用活動費及び②人件費、③広告宣伝費に充当する予定であります。具体的な内容及び充当時期は、以下のとおりであります。

①採用活動費として110,000千円。業容拡大に伴う人員の増加を計画しており、その採用活動費へ調達資金を充当していく予定。

②人件費として、1,525,700千円。業容拡大に伴う人員の増加を計画しており、営業人員を中心とする人件費に調達資金を充当していく予定。

③広告宣伝費として100,000千円。主にPR事業において、さらなる認知度向上による案件獲得機会の増大を目的として、マス広告を含むプロモーションを予定しており、当該広告宣伝費に調達資金を充当する予定。

※また上記調達資金は、具体的な充当時期までは安全性の高い金融商品等で運用していく方針

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数1,000,000株
売出株数1,500,000株
公開株数(合計)2,500,000株
オーバーアロットメント375,000株
上場時発行済み株数7,000,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約96.6億円
幹事団みずほ証券(主幹事)
SBI証券
楽天証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


Enjin(エンジン)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,380円を基に吸収金額を算出すると約34.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約39.7億円規模の上場となります。やや上場規模が大きいようですね。


同社は主に中小・中堅企業、医療機関を対象としたPR支援サービスや顧客とメディア又は決裁者をつなぐプラットフォームサービスを提供するPR事業を展開しています。


PR事業の単一セグメントになり、「法人/経営者向けPR支援サービス」「 医療機関/医師向けPR支援サービス」「メディチョク」「アポチョク」の4つのサービスを展開しています。


既存のPR業界のリテーナー契約やスポット契約におけるPRサービスは、注文住宅のように顧客ごとにオリジナルにオーダーしたアウトプットを必要とすることから、高額になりやすくメディアへの露出の結果にかかわらずコストが発生するため効率が悪い課題があったそうです。


Enjin(エンジン)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


Enjin(エンジン)では幅広い業界に対するPRのノウハウを生かし、TV・新聞等の他社既存メディアやオウンドメディア、プラットフォーム等のサービスの提供においてマニュアライズと制作運用のパッケージ化を行うことで、PRサービスを安価に顧客に提供できる仕組みを構築しています。


またメディアへの露出が保証されない従来型のリテーナー契約とは異なり、オウンドメディアや長年積み上げてきたメディアとのコラボ提案実績やオリジナル企画実績を有しています。


そのため成功報酬型にてメディアへの露出・掲載をより効果的かつ確度を高く行うことが可能となっています。


Enjin(エンジン)IPOの事業内容詳細
※有価証券届出書引用


収益モデルとしては、顧客が希望するメディアへの露出を獲得した場合にのみ料金が発生する成功報酬型ビジネス、月額課金型プラットフォームビジネスの2つのモデルを展開しています。


サービス提供については成功報酬型であることから、メディアへの露出が決定した後で運用フローに入るため必要なコストを最小限に抑えます。


メデイア露出後においては制作費用などのイニシャルフィー及び顧客との契約が継続する限りにおいて、安定的に収益を獲得できる月額での継続課金モデルとなっています。


月額課金のプラットフォーム収益と合わせ収益モデルを複数に分散することで、安定的な事業の遂行と安定収益源が成長を下支えしていることで積極的な事業展開をすることが可能となっています。


Enjin(エンジン)IPOの販売実績
※有価証券届出書引用


また、従来は暗黙知とされ共有が難しかった一人一人の貴重な知見をデータベース化し、テクノロジーとノウハウを組み合わせることで、メディア担当者を直接顧客に自動マッチングするメディアマッチングサービスの「メディチョク」。


そしてそのノウハウを活かした、その他のサービスとして、決裁者を直接顧客にマッチングする決裁者アポイントマッチングサービス「アポチョク」の2つのサービスを提供しています。


「法人/経営者向けPR支援サービス」と「医療機関/医師向けPR支援サービス」は創業から培ったメディアネットワークを駆使し、中小・中堅企業、医療機関を対象としてPR支援サービスを提供しているとあります。


外部CMOとして、オウンドメディアである「KENJA GLOBAL」「覚悟の瞬間」「Qualitas」等を中心とした、複数のメディア媒体の中から顧客のニーズに合わせて露出のサポートを行います。


具体例では「採用における学生に向けた情報発信」「ステークホルダーに向けた情報発信」「営業活動における情報発信」などがあるそうです。


Enjin(エンジン)の企業財務情報と配当性向

回次第13期第14期
決算年月2019年5月2020年5月
売上高1,251,5251,528,948
経常利益156,808309,693
当期純利益91,694300,476
資本金30,00030,000
純資産額509,884810,361
総資産額1,043,3661,458,393
1株当たり純資産額84.98135.06
1株当たり当期純利益金額15.2850.08
自己資本比率(%)48.955.6
自己資本利益率(%)19.845.5
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー367,081190,580
投資活動によるキャッシュ・フロー261,386155,755
財務活動によるキャッシュ・フロー△150,926
現金及び現金同等物の期末残高661,2361,007,461
※数値は千円単位



第15期第3四半期累計期間(2020年6月01日~2021年2月28日)
  • 売上高は1,546,643千円
  • 営業利益は418,534千円
  • 経常利益は414,705千円
  • 四半期純利益は270,593千円



【第15期第3期のチェックポイント!】

コロナ禍でもPR業界では多様化するメディア環境を背景に、企業・団体において広報・PR活動の重要性に対する認識が一層高まっています。また新しい広報・PR手法の開発、人材育成・確保が課題となっているそうです。

インターネットの普及やモバイル機器の進化により、SNSやブログといった生活者が自ら情報を発信できる場が急増する中、同社はこうした時代の変化にいち早く対応し、幅広い業界に対するPRノウハウと既存メディア・オウンドメディアを組み合わせ、多くの顧客のブランディングPRに寄与してきたそうです。


Enjin(エンジン)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2007年3月06日、大阪府大阪市北区梅田一丁目11番4号大阪駅前第4ビル9Fに本社を構えます。社長は本田幸大氏(1979年8月01日生まれ)、株式保有率は49.31%(3,000,000株)です。


従業員数152人で臨時雇用者0人、平均年齢26.5歳、平均勤続年数2.3年、平均年間給与5,145,000円です。


セグメントはPR事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
本田 幸大3,000,000株49.31%
株式会社S&Sホールディングス3,000,000株49.31%
平田 佑司18,000株0.30%×
多鹿 晴雄18,000株0.30%×
湯浅 直哉12,000株0.20%×
小川 浩平12,000株0.20%×
廣瀬 哲夫6,000株0.10%×
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である本田幸大並びに当社株主である株式会社S&Sホールディングスは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日後180日目の2021年12月14日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等を除く)等を行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2021年12月14日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


また親引けは行われません。


Enjin(エンジン)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が下限方向に引き下げられ1,300円~1,380円に決定しています。吸収金額は最大で39.7億円となり時価総額は96.6億円になります。


上場規模が小さければ初値期待がもう少しできたようですが、上場規模の大きさから初値上昇率が低下するようです。同社のサービス価格は低くても利益率が高いことが評価対象になっています。


また業績期待はあるもののそれほど新味のない業態であり、収益性と上場規模が伴っていない指摘も出ているようです。


大手初値予想2,000円~2,500円
修正値1,700円~2,000円

※注目度B


業績を確認すると2021年5月期の単独予想が出ており、売上21.22億円となり前期比38.87%増、経常利益4.98億円となり前期比61.17%増を見込んでいます。


四半期利益は3.24億円となり前期比8.00%増で着地するようです。EPS54.12からPERは25.50倍、BPS189.06からPBRは7.30倍になります。配当や株主優待はありません。


類似企業との競争激化から成長期待はあるものの「中小・中堅企業」相手に高い利益率がいつまで続くのか?と感じます。来期業績予想で鈍化するようであれば売られる展開もあるでしょう。


公開価格が1,380円に決定したという前提であれば、初値2,000円超えは視野に入るようです。株数が多いだけに公募組は忘れないように申し込みを行っておきましょう!


幹事名割当株数引受割合
みずほ証券(主幹事)2,375,000株95.00%
SBI証券100,000株4.00%
楽天証券25,000株1.00%


公開株数が多いため全ての幹事から申込を行っておきましょう。平幹事でも当選の可能性があります!


PayPay証券がみずほ証券のIPOを取扱うことを発表しています。これから本格化すると考えられますが、証券口座の準備だけ行っておきましょう!




LINE証券もIPO(新規上場株)の取扱いを2021年5月末から行うと発表しています。ネット抽選派には嬉しい情報だと思います。


どんなサービスを打ち出してくるのか楽しみにしておきたいと思います。LINE証券の詳しい情報は下記記事でまとめているのでよかったら参考にしてください。


最高3株分の購入代金が貰えるため自己資金0円で投資デビューすることができます。




また楽天証券からの申込みも今回は有効だと思います。利益が出るのかは別な話になりますが、後期型抽選を採用しているため申込み忘れに気を付けましょう。


ブックビルディングが重なると申込み忘れが頻発します。引受株数が多いことを祈りたいと思います。IPOルールは下記記事でまとめました。




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
サニーサイドアップグループ(2180)PER69.2倍PBR5.39倍
ソーシャルワイヤー(3929)PER52.82倍PBR3.7倍
ベクトル(6058)PER43.1倍PBR3.64倍
※2021年6月01日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2021年6月01日~2029年5月20日まで66,000株73円
2022年8月01日~2030年7月12日まで18,000株135円


上場時に関係があるストックオプション(新株予約権)は66,000株となります。行使条件に1年間は割当数の5分の1を上限と記載があります。


株数が少ないことで殆ど影響はないと考えられます。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


Enjin(エンジン)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

Enjin(エンジン)IPOはそこそこ人気があると考えています。個人的には抽選に全力参加のスタンスです!


このIPOで利益が出ないのであれば、他の銘柄も厳しくなると思います。地合い悪化の場合は15億円以下の吸収(上場規模)を狙いましょう。


Enjin(エンジン)IPOの評価
※Enjin公式サイト引用


同社は医療機関からの委託を受けて、医療機関のために医療法上の規制対象である「広告」を行う場合があり、医療広告ガイドラインを遵守する必要があるそうです。


医療広告ガイドラインに即して違法な広告とならないかをチェックしているそううです。一般的な広告とは異なり専門性が求められそうですね。そのため競合他社のハードルはやや高いと感じます。


同社も参入壁が高いと判断しているようです。


PR事業のPR支援サービスは「Yahoo!」や「Google」等の他社が運営する検索サイトの検索結果に依存したサービスの提供となっています。


さらに、特定のオウンドメディアへの依存があり、売上高総額に占める「KENJA GLOBAL」及び「覚悟の瞬間」等のオウンドメディアに係る売上高の割合は、2019年5月期39.50%、2020年5月期37.01%となっていました。


上場後はテレビ局・新聞社等の外部の提供可能な複数のメディアと提携し、依存度の低下を図っていく方針となっています!


また、ストックオプションによる潜在株式数は84,000株になり、発行株式総数6,000,000株の1.4%に相当しています。上場後の不安はあまりなさそうです。


ここ数年前まではテレビや新聞や雑誌などの広告が当たり前でしたが、インターネットとスマートフォンの普及でネットを利用した広告へシフトしています。これからさらにこの流れが加速化すると言われているためEnjin(エンジン)の業績にも期待できそうです。


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