rakumo(ラクモ)のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しく情報をご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認しIPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はみずほ証券が務め公開株数1,326,000株、オーバーアロットメント198,900株です。上場規模は想定発行価格1,100円から計算すると約16.8億円になります。株数が多いため狙えるIPOだともいます。


最近はVC保有株が多くても事業に魅力があると買われる傾向にある気がします!


rakumo(ラクモ)IPO上場承認と初値予想
※ラクモ公式サイト引用


主要サービスの企業向けグループウェア「rakumo」は、料金を顧客企業の使用期間及びユーザー数に応じてサブスクリプションとして課金する仕組みなので継続的な収益期待があります。


重要なポイントは解約率になるため調べてみると2020年上期平均で1%未満となっています。ビジネスとして結構凄い数値だと思います。


解約数が新規契約数を上回らない限り、収益が前年度を上回るストック型ビジネスなので投資先としても安心感があると思います。


新規契約数の増加に伴う高い成長を目指すことができるビジネス期待があるでしょう!


rakumo(ラクモ)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種 情報・通信業
事業内容企業向けクラウド型グループウェア製品「rakumo」の開発・販売等
上場日9月28日
ブックビルディング期間9月08日~9月14日
想定価格1,100円
仮条件1,100円~1,250円
公開価格1,250円
初値結果3,800円(公開価格3.04倍)
企業情報https://corporate.rakumo.com/
監査人有限責任監査法人トーマツ


【手取金の使途】

手取概算額259,596千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限201,286千円と合わせた手取概算額合計上限460,883千円について、①事業の拡大に伴う人材確保に関する人件費(各期の増加見込額)、②新製品及び追加機能開発費、③事業の拡大に向けた広告費及び販売促進費、④事業拡大に伴うクラウドサーバー費用(各期の増加見込額)、⑤業務の効率化を目的とした販売システム改修費用及び⑥当社の借入金の返済に充当する予定であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数266,400株
売出株数1,059,600株
公開株数(合計)1,326,000株
オーバーアロットメント198,900株
上場時発行済み株数5,292,900株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約58.2億円
幹事団みずほ証券(主幹事)
東海東京証券
野村證券
SBI証券
いちよし証券
岩井コスモ証券
丸三証券
岡三証券
東洋証券
水戸証券
楽天証券
松井証券 ←前受け金不要
委託見込岡三オンライン証券
SBIネオトレード証券
DMM.com証券


rakumo(ラクモ)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,100円を基に吸収金額を算出すると約14.6億円となり、オーバーアロットメントを含めると約16.8億円規模の上場となります。この規模であれば事業的に十分吸収可能だと思います。


rakumoグループは、同社と連結子会社1社「rakumo Company Limited(ベトナム)」により構成されています。ビジョンは「仕事をラクに。オモシロく。」とし、企業の業務の生産性向上に貢献するサービスを提供すべく事業を展開しています。


rakumoグループの主要サービスは、同社及び他社のライセンスサービス提供である「SaaSサービス」、ライセンスサービスに関する導入支援や業務支援等を中心とした「ソリューションサービス」、ベトナムを拠点にラボ型ITシステム開発等を行う「ITオフショア開発サービス」です。


rakumo(ラクモ)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


SaaSサービスは企業向けグループウェア製品「rakumo」の開発・販売の他、他社ライセンスの代理店販売を実施しています。グループウェアとは、企業など組織内のコンピューターネットワークを活用し、組織メンバーのコミュニケーション円滑化や情報共有、業務効率化等を支援するためのソフトウェアです。


rakumoは同社グループが企画・開発を手がける企業向けグループウェアにおけるサービス群の総称です。カレンダーや勤怠管理、経費精算、稟議申請等の各種機能を有しています。


rakumoの名称は、ユーザーがサービスをより楽に利用するための「楽(らく)」と、「雲(=クラウド)」をかけたもだそうです。ネーミング的には覚えやすくて個人的に好きですね。


なおrakumoは、SaaS(Software as a Service)と呼ばれる方式でサービスを提供しています。これは、ユーザー側でソフトウェアを保有するのではなく、サービス提供側がクラウド上でソフトウェアの機能を提供し、ユーザーはインターネット経由でサービスを利用する形態になります。


サービスの種類には以下のようなものがあります。


rakumo(ラクモ)IPOが提供するサービス
※有価証券届出書引用


Google版rakumoは、Google社が提供するグループウェア「G Suite」と連携し、機能拡張したアドオンツールとして提供しています。


G Suiteは一般ユーザー向けに提供が開始されたこともあり、rakumoでは企業がG Suiteを利用する際に不足する機能の補完や、より使いやすい画面の設計、より便利に利用できる機能を提供しています。


また、Google社のG Suiteライセンス販売の他に関連サービスである「他社ライセンス販売」を行っています。


rakumo(ラクモ)IPO販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


同社グループが採用している「クラウド」方式では、従来のようにユーザー側でサーバーやソフトウェア等の設備を利用企業側で保有するのではなく、インターネットを介してサービスを利用するため、低コストかつ短期間での導入が可能です。


また、ソフトウェアサービスをクラウド上で提供し、利用者が必要な機能を必要な分だけ利用できる「SaaS」方式を採用しています。これにより、ソフトウェアの保守や機能追加等はサービス提供側で一括して実施するため運用コストも安価であり、中小企業での導入も容易となっています。


同社グループの主要サービスである「rakumo」の収益構造は、サービス料金を顧客企業の使用期間及びユーザー数に応じて定期定額契約(サブスクリプション)として課金することで、継続的な収益を得ることができる「サブスクリプション型リカーリングレベニューモデル」となっているそうです。


また、同社及び他社SaaSサービスの導入支援や業務支援等のソリューションサービスに加え、ライセンスサービスに関連した他社ハードウェアの販売等もおこなっています。


この他、rakumoグループでは他社企業からの開発依頼に応えるため、連結子会社のrakumo Company Limited(ベトナム)を拠点として、ITオフショア開発サービスを提供しています。


幅広い事業に取り組んでいるためこれから収益機会となることを願っています。この手の企業は上場後快調に株価上昇になるパターンも多いですよね。


rakumo(ラクモ)の企業財務情報と配当性向

回次第15期第16期
決算年月2018年12月2019年12月
売上高534,035664,845
経常利益又は経常損失△14,12420,195
親会社株主に帰属する当期純損失△8,937△38,394
包括利益△9,650△38,544
純資産額33,32454,630
総資産額458,833515,122
1株当たり純資産額△105.42△94.57
1株当たり当期純損失△5.06△21.65
自己資本比率(%)7.310.6
自己資本利益率(%)
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー111,481115,505
投資活動によるキャッシュ・フロー△73,049△66,679
財務活動によるキャッシュ・フロー△30,06036,665
現金及び現金同等物の期末残高196,919282,324
※数値は千円単位



第17期第2四半期連結累計期間(2020年1月01日~2020年6月30日)
  • 売上高385,248千円
  • 営業利益45,461千円
  • 経常利益42,212千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益41,432千円



【第17期第2期のチェックポイント!】

ソフトウェア業界では政府が推進する「働き方改革」への取り組みに加え、新型コロナウイルス感染症の影響による在宅勤務の実施などを背景に、企業の生産性向上や業務効率化、テレワークに関連したシステム投資需要は引き続き拡大が見込まれているそうです。

同社は企業向けグループウェア製品「rakumo」の機能強化及び更なる拡販に注力していくそうです。新型コロナウイルス感染症への対応による国内企業のテレワーク移行もあり、中小規模の企業を中心に新規案件の増加やライセンス追加が発生し、サービスの拡大につながったそうです。


ラクモ社の特徴は?どんな会社のか動画を探してみた

rakumo(ラクモ)の公式動画を見つけることができました。rakumoシリーズのことをまとめてある内容になっています。


製品ダイジェスト版というタイトルになるため、動画を見ることでどんなサービス取扱いがあるのかわかると思います。


https://youtu.be/Hdv-Yjhk7PY


時代にマッチングしたサービスだと思います。ただ前期まで赤字が続いていたため上場ゴール感があります。そしてベンチャーキャピタル売出株となっています。


初期投資を行うのであれば気を付けたほうが良さそうですね。ビジネスとしては面白そうです。


rakumo(ラクモ)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2004年12月17日、東京都千代田区麹町三丁目2番地に本社を構えます。社長は御手洗大祐氏(1972年4月21日生まれ)、株式保有率は19.36%(1,057,700株)です。


従業員数47人で臨時雇用者4人、平均年齢35.5歳、平均勤続年数4.1年、平均年間給与5,603,000円です。連結従業員数は90人で臨時雇用者5人、ITビジネスソリューション事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
MICイノベーション4号投資事業有限責任組合1,179,000株21.58%
御手洗 大祐1,057,700株19.36%
アイ・マーキュリーキャピタル株式会社555,500株10.17%
田近 泰治544,500株9.97%
BIG1号投資事業有限責任組合530,600株9.71%
Spiral Capital Japan Fund 1号投資事業有限責任組合500,000株9.15%
株式会社創世377,000株6.90%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である御手洗大祐並びに当社株主である田近泰治、株式会社創世及びHENNGE株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年3月26日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。

売出人であるMICイノベーション4号投資事業有限責任組合、アイ・マーキュリーキャピタル株式会社、BIG1号投資事業有限責任組合、Spiral Capital Japan Fund 1号投資事業有限責任組合及び高間徹は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2020年12月26日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う売却等は除く)を行わない旨合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2021年3月26日まで)のロックアップが付与されています。売出人等のベンチャーキャピタルに対しては90日間(2020年12月26日)のロックアップ、そしてロックアップ解除倍率が発行価格の1.5倍となっています。


親引けは行われません。


rakumo(ラクモ)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件が1,100円~1,250円に決定し想定発行価格を下限として上限方向に広げられました。上場による吸収金額は16.8億円から19.1億円と幅があるようです。また、IPO市場の過熱感から公開価格は仮条件上限の1,250円で決定すると思います。


IT系の上場になり公開価格割れはないと思われますが業績から考えると欲張った仮条件だと感じます。売出株の多くはベンチャーキャピタルになっているため上場ゴール感があります。


大手初値予想(A社)1,800円~2,900円
修正値2,500円~3,000円

※注目度A、修正値は9月08日に追記


2020年12月期の連結業績予想は売上8.17億円で前期比23.04%増と好調です。経常利益は7,100万円で前期比3.55倍、四半期利益は6,000万円で前期-3,800万円から黒字化します。実績は乏しいようですが上場タイミングとしては悪くなさそうです。


EPSは15.34と低くPERは81.48倍と既に高い数値になっています。類似企業比較では妥当もしくは割安のようですが、何しろ実績が乏しいため評価がしずらいと感じています。BPS70.63からPBRは17.70倍になります。配当や株主優待はありません。


初期コストが低く契約件数が伸びているため業績拡大は今後も続くと考えられます。コロナ禍もラクモの業績を押し上げているそうなのでしばらくは増収増益期待があると思います。


直近のIPOは業績よりも出遅れ感があるIPOに資金が流入しているように思います。この流れが続くのであれば同社株もどちらかといえば上昇する見込みが強そうです。


日本では総裁選があり、アメリカでは大統領選挙がこれから行われます。地合いの乱高下も起きやすいと考えられるためIPOに当選した場合の売却時期も迷いが出そうですね。


幹事名配分単位引受割合
みずほ証券(主幹事)1,127,600株85.04%
東海東京証券66,300株5.00%
野村證券33,100株2.50%
SBI証券19,800株1.49%
いちよし証券13,200株1.00%
岩井コスモ証券13,200株1.00%
丸三証券13,200株1.00%
岡三証券13,200株1.00%
東洋証券6,600株0.50%
水戸証券6,600株0.50%
楽天証券6,600株0.50%
松井証券6,600株0.50%


当選狙いだとみずほ証券でしょう。それに今回は東海東京証券引受け株数が多そうなので当選を狙うのであれば申込んでおいたほうが良さそうです。買付余力も必要になりますからね。詳しくは下記記事でまとめています。




岩井コスモ証券がここ最近幹事引受けで頑張っているようです。あとは前受け金不要の松井証券も幹事引受けが増えています。


東洋証券や水戸証券は支店申込みになるので支店口座の方は優位だと思います。いちよし証券も支店口座だと配分濃厚でしょうね。


株数が多いため岡三オンライン証券でも申込を行っておきましょう。岡三証券からの委託販売が行われると思います。前受け金不要なので申込者が多いと思いますが誰かに当選します!野村證券からの抽選申込も忘れないようにしておきましょう。




それと上場予定企業の株式を買えるファンディーノで口座開設を行うと2020年9月30日まで1,000円分のAmazonギフト券が貰えます。


興味がある方は口座開設しておくと投資がすぐできます。たまに「このビジネス凄くね?」と思うような企業が登場します。株式投資型クラウドファンディングも盛り上がっていますからね。キャンペーンについては下記記事でまとめています!




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ネオジャパン(3921)PER95.58倍PBR11.41倍
サイボウズ(4776)PER145.64倍PBR32.68倍
ソフトブレーン(4779)PER60.14倍PBR5.23倍
※2020年9月06日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2019年10月19日~2027年10月18日212,500株180円
2021年3月14日~2029年3月13日104,500株190円
2021年11月14日~2029年11月13日63,500株190円
2017年12月20日~2024年12月10日55,500株180円


ストックオプション(新株予約権)で行使期限を迎えている株数は268,000株になるようです。


上場ではVCが何処で仕掛けてくるのか?と言うことが最大のポイントだと思います。ロックアップ1.5倍は超えてくるでしょう。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


rakumo(ラクモ)IPOの評価と申し込みスタンス

rakumo(ラクモ)IPOは初値需要がそこそこあると思います。黒字化したばかりなので業績不安はあるもののクラウド型ビジネス、そして便利なので上場後に取引先が増える可能性も見込めます。


同社グループが事業を展開する法人向けグループウェア市場は、競合企業が複数存在しクラウド市場の普及に伴い、規模の大小を問わず競合企業の新規参入が予測されているようです。それでも上場企業なので期待できると思います。


rakumo(ラクモ)IPOの評価
※ラクモ公式サイト引用


気になったのはGoogle社が提供するクラウドプラットフォームやsalesforce.com社が提供するクラウドプラットフォーム上に同社サービスを展開していることです。


調べてみると、グーグル・クラウド・ジャパン合同会社とG Suiteに関する再販売代理店契約を締結しており、株式会社セールスフォース・ドットコムとの間でも同社製品と結合したソリューションの一部として、グループサービスの再販を可能とする契約をそれぞれ締結しているそうです。


そして両社が撤退する予定はなく円滑な関係を維持できているそうです。じゃないとIPO(上場)してきませんよね。


また大事なベンチャーキャピタル保有株割合を計算してみると、公募増資前の発行済株式総数に対する割合は55.5%となっています。株数にして2,790,100株にもなります。


VC保有株全てが上場後に即売されることはないと思いますが、いずれ大きな売り圧力になるでしょう。上場後の出来高にも注目したいと思います。


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