日本グランデ(2976)IPOが札幌証券取引所アンビシャスに新規上場承認されました。主幹事は藍澤證券になり、公開株数は185,800株でオーバーアロットメントの設定はありません。上場により市場から吸収する金額は約1.3億円と規模が小さく株数も少なくなっています。
事業が不動産業と言うことでIPO的にはあまり魅力がないと考えています。主に分譲マンション販売を行っていますが、同社の強みは用地仕入や企画立案、設計や施工監理なども自社で行っている強みがあり、全てグループ内で担う自社一貫体制により事業展開することにあります。
時価総額から考えると機関投資家が参入することはなく個人投資家による売買が殆どだと考えられます。初値プラス20%あたりであれば成功でしょうか。
マンション分譲業界は競争激化にともないマンション用地の価格上昇と、職人不足等の要因による建築費の上昇が続いているそうです。需要量は今後も一定の水準を維持し、低金利等を背景に需要堅調が見込まれ底堅く推移する見込みだそうです。
日本グランデ(2976)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | アンビシャス(札幌証券取引所) |
業種 | 不動産業 |
事業内容 | 不動産分譲事業、不動産賃貸事業、不動産関連事業 |
公開予定 | 6月19日 |
ブックビルディング期間 | 5月31日~6月06日 |
想定価格 | 720円 |
仮条件 | 720円~750円 |
公開価格 | 6月07日 |
企業情報 | http://www.nippon-grande.co.jp/ |
【手取金の使途】
手取概算額95,360千円については、全額不動産賃貸事業における開発資金に充当する予定であります。具体的には、2019年6月に開発予定のサービス付き高齢者向け住宅(所在地 札幌市西区)の開発資金である建築工事代、初期費用の一部として95,360千円を2020年3月期中に充当する予定であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 150,000株 |
売出株数 | 35,800株 |
公開株数(合計) | 185,800株 |
オーバーアロットメント | 設定なし |
上場時発行済み株数 | 1,150,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約8.28億円 |
幹事団 | 藍澤證券(主幹事) 北洋証券 岡三証券 岡三オンライン証券 ←前受け金不要 SBI証券 あかつき証券 エース証券 |
日本グランデ(2976)上場評判とIPO分析
想定発行価格720円を基に吸収金額を算出すると約1.3億円となり、オーバーアロットメントの設定はありません。札幌証券取引所アンビシャス市場への上場を考慮しても上場規模が小さく需給的に魅力がありそうです。業績面についてはやや波があるように感じます。同社グループは連結子会社2社(グランコミュニティ株式会社、グランホーム株式会社)と同社の計3社で構成され、「人に優しい、生活に優しい、環境に優しい、未来に優しい」を基本コンセプトに掲げ不動産分譲事業、不動産賃貸事業、不動産関連事業の3事業を行っています。
主力事業は不動産分譲事業になり「分譲マンション事業」「分譲戸建住宅事業」「不動産取引事業」に細分化されます。主要事業である分譲マンション事業及び分譲戸建住宅事業は、札幌市において用地仕入・企画立案・設計・施工監理・販売・マンション管理業務をグループで担う自社一貫体制により事業展開し、建築施工期間中の適切な品質管理及び事業コスト管理等を行う開発体制を構築しています。
分譲マンション事業は、自社ブランドの「グランファーレ」シリーズとして事業展開しています。グランファーレは、環境・エコに配慮した居住機能として同社が開発した、室内の空気をクリーンな状態に保つ「炭パワークリーンシステム)」を備えており、建築基準法に基づき換気設備の設置が義務付けられている「24時間換気システム」による第一種換気方式を採用しています。
分譲マンションの共用スペースには、温泉、フィットネスジム、シアタースタジオ&通信カラオケルーム、屋上庭園、オーナーズサロン、読書ルーム、ペット対応等多彩な共用施設、「パノラマビューウインドウ」などを、マンションごとの仕様に応じて採用した、付加価値のある永住型マンションを提供しています。
不動産賃貸事業は主に札幌市において、同社分譲マンション事業で培った永住型マンションの共用施設や管理等のノウハウを活かし、天然温泉の大浴場施設を備えたサービス付き高齢者向け住宅を「グランウエルネス」シリーズとして事業展開しております。
更に24時間換気システム、フィットネスルーム、娯楽ラウンジ、カラオケルーム等の共用施設をグランウエルネスシリーズの運営物件ごとの仕様に応じて採用しています。その他の不動産賃貸事業として、賃貸マンションや立体駐車場の収益不動産の賃貸等も行っています。
不動産関連事業では、連結子会社グランコミュニティ株式会社がマンション管理事業を行っており、同社が供給する分譲マンションの管理組合からマンションの管理事務及び建物等の点検・保守等の管理業務を受託し、顧客資産の品質管理、サポート体制を構築しています。
また、その他の不動産関連事業として、火災保険等の保険代理店事業、業務委託斡旋事業、設計監理事業等の事業を行っています。
日本グランデ(2976)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第14期 | 第15期 |
決算年月 | 2017年3月 | 2018年3月 |
売上高 | 5,314,741 | 3,772,732 |
経常利益 | 171,752 | 106,189 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 129,340 | 85,652 |
包括利益 | 129,295 | 85,650 |
純資産額 | 919,418 | 1,003,069 |
総資産額 | 8,477,110 | 6,552,657 |
1株当たり純資産額 | 919.42 | 1,003.07 |
1株当たり当期純利益金額 | 129.34 | 85.65 |
自己資本比率(%) | 10.8 | 15.3 |
自己資本利益率(%) | 14.9 | 8.9 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,906,204 | △930,356 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △10,193 | △113 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 423,710 | △659,284 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 3,655,832 | 2,066,077 |
第16期第3四半期連結累計期間(2018年4月01日~2018年12月31日)
売上高4,668,582千円
営業利益377,415千円
経常利益360,649千円
親会社株主に帰属する四半期純利益229,453千円
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、堅調な企業収益を背景に設備投資や雇用・所得環境の改善が続き、緩やかな回復が続きました。また、世界経済につきましては、通商問題の動向及び影響、金融市場の変動の影響等先行きが不透明な状況が続きましたが、緩やかに回復いたしました。
このような状況の中、当社グループの主力事業である不動産分譲事業では、当第3四半期連結累計期間において、新築分譲マンション126戸及び新築分譲戸建住宅2戸の引渡、既存竣工物件による分譲マンション3戸の引渡となりました。
日本グランデ(2976)従業員と株主の状況
会社設立は2003年4月10日、札幌市中央区大通西五丁目1番地1に本社を構えます。社長は平野雅博氏(1958年1月18日生まれ)、株式保有率は27.44%です。従業員数37人で平均年齢45.1歳、平均勤続年数6.2年、平均年間給与4,781,000円です。連結のセグメント別では不動産分譲事業29人、不動産賃貸事業2人、不動産関連事業4人、全社共通8人となっています。臨時雇用者は年間37人となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
雅リアルエステート株式会社 | 350,000 | 28.04 |
平山恒産株式会社 | 344,000 | 27.56 |
平野 雅博 | 342,600 | 27.44 |
矢代 俊二 | 61,000 | 4.89 |
米盛 公和 | 38,700 | 3.10 |
木村 司 | 35,900 | 2.88 |
佐々木 裕一 | 13,300 | 1.07 |
小林 正義 | 10,000 | 0.80 |
日本グランデ従業員持株会 | 7,100 | 0.57 |
【目論見抜粋】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、当社株主である雅リアルエステート株式会社、平山恒産株式会社、平野雅博、矢代俊二、米盛公和、佐々木裕一、石井雅之、北谷博之及び宮前匡雄は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2019年12月15日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出しを除く。)は行わない旨合意しております。
また、当社は主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2019年12月15日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の発行、当社普通株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社普通株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行等(ただし、本募集、株式分割及びストックオプションとしての新株予約権の発行等を除く。)を行わない旨合意しております。
なお、上記のいずれの期間中であっても、主幹事会社はその裁量で当該合意の内容を一部若しくは全部につき解除できる権限を有しております。
上位株主には180日間(2019年12月15日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
日本グランデ(2976)IPO大手初値予想と各社配分
仮条件が発表され720円~750円に決定し、想定発行価格から30円の上限引き上げです。これにより560万円程度吸収額が引き上がり、約1.4億円になる見込みです。公開価格割れは考えられませんが上値もそれほど高くならない予想が出ています。2020年3月の連結業績予想は増収増益見込みとなり、売上4億円増(前期比7.98%増)、経常利益1,600万円増(前期比5.05%増)の予想が出ています。需給不安はなさそうですがあえて地方上場を買う投資家がいるのかやや疑問です。
類似企業の光ハイツ・ヴェラスの株価や出来高を確認すると、やはりそうなるのか?と感じました。
初値予想750円~800円!
幹事名 | 配分単位(株) | 引受割合(%) |
藍澤證券(主幹事) | 157,900 | 84.98 |
北洋証券 | 9,300 | 5.01 |
岡三証券 | 7,400 | 3.98 |
SBI証券 | 7,400 | 3.98 |
あかつき証券 | 1,900 | 1.02 |
エース証券 | 1,900 | 1.02 |
類似企業 | PER | PBR |
光ハイツ・ヴェラス(2137) | PER8.25倍 | PBR0.43倍 |
コーセーアールイー(3246) | PER8.32倍 | PBR1.08倍 |
エストラスト(3280) | PER4.92倍 | PBR0.73倍 |
藍澤證券主幹事は2018年12月のFUJIジャパン(1449)以来です。上場市場は日本グランデと同じアンビシャスでした。公開価格740円に対して初値は22.57%上昇し907円と成功を収めています。FUJIジャパンはリフォーム事業を行っている企業になり、公開株数は110,000株でOA設定なし、上場規模は約8,100万円でした。
2社を比較すると今回は規模が少し大きいようです。また2019年6月に福岡証券取引所に上場予定の大英産業(2974)は想定ベースで約6.8億円の吸収となっています。
割れることはないと思いますが初値が飛ぶような業種でもなさそうです。
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日本グランデのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
2015年3月30日~2023年3月28日 | 248,400 | 320 |
新株予約権(ストックオプション)は248,400株存在し、既に行使期限に入っています。行使条件は下記設定となります。
本新株予約権の割当てを受けた者は、本新株予約権の権利行使時においても、当社及び当社の子会社の取締役又は使用人たる地位にあることを要する。
本新株予約権の割当てを受けた者は、本新株予約権の割当後、権利行使時までに、禁固以上の刑に処せられていないこと、当社の就業規則により降任・降格以上の制裁を受けていないことを要する。
その他の条件は、本株主総会決議及び取締役会決議の授権に基づき、当社と本新株予約権者との間で締結する「新株予約権割当契約」に定めるところによる。
取締役5人、従業員16人、子会社取締役1人、子会社従業員2人がストックオプション対象者となっています。
日本グランデ(2976)IPO私見と申し込みスタンス
日本グランデのIPOに当選するには藍澤證券の支店に口座を持っていないと厳しいと思います。ネット参加と考えると岡三証券と岡三オンライン証券、SBI証券しか参加できません。完全にSBI証券のIPOチャレンジポイント狙いを個人的に考えています。どう考えても今回の上場規模では当選を引き当てる運を持ち合わせていないと思います。それでも当選する方はいますが私には無理でしょう。
地方上場の不動産業で上場規模が小さいパターンは初値利益が見込めますが、主幹事の藍澤證券で取扱いを確認すると「対面口座」と書かれています。バルテスの取扱いはネットでもあるようです。ネット配分は10人~11人程度だと予想されます。
しかしこんなに申し込みにくい銘柄は久しぶりです。幹事の半分以上の口座を持っていませんからね。
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