テクノフレックス(3449)IPOが東証2部に新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。


主幹事は大和証券になり公募株数200,000株、売出株数2,150,000株の売出株中心のIPOです。オーバーアロットメントは350,000株で上場規模は約23.5億円です。


テクノフレックスIPO上場承認と初値予想


事業は金属製管継手と周辺部材の製造販売などを行っています。また介護事業も行っているそうです。


直近の東証2部上場は恵和(4251)やワシントンホテル(4691)がありました。恵和は予想外の買いを集め公開価格770円が1,026円になり33.25%上昇してスタートしました。


テクノフレックスも同様のパターンとなるかもしれませんが、恵和に比べると公開株数が多く売出株が多くなっています。もちろん上場規模も大きくなります。


最近の東証2部はバリュー株として買われる傾向があるためテクノフレックスIPOに参加する投資家も多そうです。ただ大きな懸念材料は2019年12月10日に上場する企業が3つもあることです。


その一つがSOSiLA物流リートになり想定ベースの吸収金額が約511.4億円と巨額なことです。


kimukimu

IPOに当選する確率はかなり高そうですが不安と期待が入りまじりそうです!ネット証券が幹事に入っていないことはプラス材料?


テクノフレックス(3449)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場東証2部
業種金属製品
事業内容金属製管継手および周辺部材の製造・販売、ならびに配管工事と介護事業
公開予定12月10日
ブックビルディング期間11月25日~11月29日
想定価格870円
仮条件870円~900円
公開価格12月02日
企業情報https://www.technoflex.co.jp/
監査人三優監査法人


【手取金の使途】

手取概算額164,000千円については、全額をベトナム子会社TF(VIETNAM) CO.,Ltd.への投融資に充当する予定であります。この具体的な内訳としては、管継手事業における生産能力増強に向けたベトナム工場増床のための設備投資資金として2020年12月期に全額を充当する予定であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数200,000株
売出株数2,150,000株
公開株数(合計)2,350,000株
オーバーアロットメント350,000株
上場時発行済み株数21,360,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約185.8億円
幹事団大和証券(主幹事)
野村証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
みずほ証券
SMBC日興証券
委託幹事auカブコム証券?
SBIネオトレード証券
DMM.com証券


テクノフレックス(3449)上場評判とIPO分析

想定発行価格870円を基に吸収金額を算出すると約20.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約23.5億円規模の上場となります。上場規模は少し荷もたれ感があります。


同社グループの事業は、金属加工技術を活用し「管継手」と呼ばれる配管同士の接続部分を製造する管継手事業を中心に行っています。また、その管継手の活用やその関連技術の応用分野において管継手関連事業、金属塑性加工事業、介護事業の4つの事業を展開しています。


グループ企業は同社と連結子会社9社及び関連会社1社で構成されています。中国やベトナムにも連結子会社があります。


「管継手」とは鉄鋼や樹脂でできた配管等の接続部分を指します。ホース状に製品自身を曲げて使用するフレキシブル継手及び提灯のように製品を伸縮させて使用する伸縮管継手の製造・販売を行っています。



フレキシブル継手及び伸縮管継手は継手自身が可動することから、配管等の屈曲運動や振動等を吸収することが可能です。インフラや産業配管に生じる様々な負荷から機器本体と配管を守るために使用される継手で、地震時等に大きく歪曲しても接続部分からの流体の漏洩等を防ぐことができます。


テクノフレックス上場評判と業績


本体素材はステンレス鋼で出来ており、ゴム製品やその他の樹脂製品と比較し、高温度性能及び高耐圧性能に優れていることから様々な配管の耐震措置、熱膨張変位の吸収、振動吸収が可能です。


また近年では配管作業の省力化を目的として様々な配管にフレキシブル継手が使用され、人手不足の解消等に寄与しているそうです。納入先は建築設備・製鉄設備・プラント設備・造船設備・電力設備・ガス設備・上水道設備など多岐に渡っています。


同社ではフレキシブル継手の製造技術を生かし、金属製品のみならず食品、医薬、化学分野に向け、耐食性や衛生上の安全を重視したフッ素樹脂製のホースの製造・販売及び真空機器関連業務として、主に半導体分野に向けパーティクルレスや微細化を行う半導体製造装置間の真空工事・ガス工事及び装置の設計・製作・据付等の業務も行っています。


テクノフレックスIPOの事業内容


管継手関連事業は、消防設備の設計・施工・管理、貯水機能付給水管装置の製造・販売及び水道管や電柱の切断装置の製造・販売を行っています。


消防設備の設計・施工・管理では、状況や製品に合わせ、衛生設備・消防設備業者が使用する配管の加工も行っています。配管の加工と設備の工事をセットで請け負うことができることが特徴となっています。


また今後のニーズとして挙げられるのは、東京都は都道での電柱新設を原則禁止し無電柱化を推進する条例を制定したことです。都道2,200㎞のうち無電柱化率は2017年3月末時点で2割前後とされており、今後の工事ニーズの拡大が見込まれているそうです。


テクノフレックスの製品種類


金属塑性加工とは、機械的力により金属を変形させ力を取り除いた後も変形が残る性質を利用して金属を所定の形状、寸法の製品に成形する手段を言います。


この金属塑性加工技術は、建設機械、工作機械、精密機械、医療器械、自動車といった様々な産業分野における部品製造で活用されています。


金属塑性加工事業では、金属管(鉄・ステンレス・アルミ・銅・チタン等)の各種塑性加工品の製造・販売を行っています。主な製品は大手完成車メーカーの1次部品メーカー向け部品です。


テクノフレックスIPO販売実績と受注実績


介護事業では、要介護者向けに福祉用具のレンタル・販売、介護用住宅改修(バリアフリー化・手すりの取り付け等)、介護用マットレスの洗浄等を中心に事業を展開しています。


エンドユーザーは個人であり主な販売先も個人です。一部介護福祉施設向けの販売も行っているそうです。



商品の販売に加え、利用者の方々や実際に介護を行われているご家族から直接要望や悩みを伺い、プロの目からの知識や経験を生かすことで従来の汎用な介護用品・福祉用具とは異なる、一歩踏み込んだ機能的なシーツやクッション等のオリジナル製品の開発も行っているそうです。


kimukimu

管継手事業や加工技術からだいぶ離れて介護事業も行っているようですね。


今期の販売高を計算してみると介護事業が8.7%位あります。第3期で12.5億円の売上げなので規模はそこそこありそうです。


テクノフレックス(3449)の企業財務情報と配当性向

回次第17期第18期
決算年月2017年12月2018年12月
売上高18,692,39019,858,989
経常利益2,493,5222,721,587
親会社株主に帰属する当期純利益1,786,6811,333,735
包括利益1,771,5971,164,105
純資産額16,713,77417,333,858
総資産額28,065,10728,861,948
1株当たり純資産額916.36951.71
1株当たり当期純利益金額99.5874.34
自己資本比率(%)58.659.2
自己資本利益率(%)11.38.0
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー1,481,6902,173,783
投資活動によるキャッシュ・フロー△108,417△939,744
財務活動によるキャッシュ・フロー△1,058,234△1,328,324
現金及び現金同等物の期末残高4,270,7594,091,149
※数値は千円単位


第19期第3四半期連結累計期間(2019年1月01日~2019年9月30日)

  • 売上高14,431百万円
  • 営業利益1,902百万円
  • 経常利益1,991百万円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益1,374百万円



【テクノフレックスIPOの第19期第3期のチェックポイント!】

前期は米中貿易摩擦の激化懸念や海外のマクロ経済政策の変更などが不安定要因となり、今期は中国経済の減速や米中貿易摩擦など不透明な状況で推移とあります。いつでも不安定のようですね。

それとメイン事業の管継手事業は、フレキシブル継手及び伸縮管継手関連製品の売上が増加し、真空機器の売上は半導体関連の需要が落ち込み減少したそうです。福祉用具のレンタル及び介護用住宅改修の売上は増加したそうです。


テクノフレックス(3449)従業員と株主の状況

会社設立は2001年10月24日、東京都台東区蔵前一丁目5番1号に本社を構えます。社長は前島岳氏(1967年11月22日生まれ)、株式保有率は1.67%(304,000株)です。


従業員数269人で臨時雇用者84人、平均年齢43.3歳、平均勤続年数11.8年、平均年間給与5,234,000円です。連結従業員は872人で臨時雇用者151人になります。


連結従業員のセグメント別人数は管継手事業553人、管継手関連事業100人、金属塑性加工事業93人、介護事業113人、全社共通13人となっています。



氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
株式会社ティーエムアセット10,726,200株59.02%
前島 崇志1,596,600株8.79%
みずほ成長支援投資事業有限責任組合700,000株3.85%
東京中小企業投資育成株式会社600,000株3.30%
SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合400,000株2.20%
DBJキャピタル投資事業有限責任組合400,000株2.20%×
株式会社ドリームインキュベータ400,000株2.20%
テクノフレックスグループ従業員持株会343,400株1.89%
前島 岳304,000株1.67%
加藤 伸哉124,000株0.68%
※株主上位10名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である前島崇志及び株式会社ティーエムアセット、並びに当社の株主である前島岳、前島諒三、株式会社オータケ、岡部バルブ工業株式会社、株式会社星輝産業、川上展生及び他13名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年6月6日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨を合意しております。

また、売出人であるみずほ成長支援投資事業有限責任組合、SMBCベンチャーキャピタル1号投資事業有限責任組合、~省略~ 他78名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後90日目(2020年3月8日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨を合意しております。※発行価格の1.5倍でロックアップ解除付き

さらに、当社の新株予約権を保有する川上展生及び他5名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年6月6日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した株式の売却等を行わない旨を合意しております。

また、当社の新株予約権を保有する平野泰輔、伊藤源太郎、岩山誉士、吉原英次郎及び他265名は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社新株予約権及び新株予約権の行使により取得した株式の売却等を行わない旨を合意しております。※発行価格の1.5倍でロックアップ解除付き

※有価証券届出書(新規公開時)引用



売出人には180日間(2020年6月06日まで)のロックアップが付与、さらに90日間(2020年3月08日まで)かつロックアプ解除倍率1.5倍の設定があります。


新株予約権者に対しては180日間の売却制限、さらには90日間かつロックアプ解除倍率1.5倍の設定が設けられています。ベンチャーキャピタル出資も多く、売りたい株主が多いように感じます。


テクノフレックス(3449)IPOの初値予想と幹事引受け株数

想定発行価格を下限として仮条件は870円~900円に決定ました。多少割安感があるため仮条件引上げとなったのかもしれません。VC保有率が高く思惑も感じないわけではありませんが無難な価格帯のようです。


2019年12月の連結業績予想は売上192.2億円で前期比3.2%減、経常利益24.4億円で前期比10.2%減、四半期利益16.9億円で前期比26.6%増となります。


EPS94.02からPERを計算すると約9.57倍、BPS1,005.1からPBRを計算すると約0.90倍になります。また配当が38円出ることから配当利回り4.22%と高利回りになります。


kimukimu

配当狙いで買いが見込まれるだけにIPOには参加のスタンスでよいのかも?


ただ割れることは想定しておいたほうが賢いかもしれません。多分大丈夫だと思いますがバリュー株が買われる環境が上場日まで続入れいればよいですね。


初値予想900円~1,000円


幹事名配分単位引受割合
大和証券(主幹事)1,927,000株82.00%
野村證券282,000株12.00%
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券47,000株2.00%
みずほ証券47,000株2.00%
SMBC日興証券47,000株2.00%


あまり人気があるとは思えないため積極的に抽選に参加すればIPOの配分はあるでしょう。公開株数とオーバーアロットメントを合わせて270万株あります。大和証券や三菱UFJモルガン・スタンレーからの申込だと配分確率は高めでしょう。


SMBC日興証券からの申込だと当選後のキャンセルを行うと1ヶ月間IPO抽選に参加できないため意外と高確率で当選期待も?といった感じでしょうか。抽選ルールは下記でまとめました。


SMBC日興証券IPO抽選ルール完全版の記事へ


また、DMM.com証券でトゥエンティーフォーセブン(7074)の委託幹事が決定しています。前受け金不要でIPO抽選に参加できるため口座を開設している方は申し込んでおきましょう。しばらく前から続けてIPO取扱いを発表しています!


DMM.com証券のIPO抽選ルール


ちょっと「IPO投資にも疲れた」と思っている方はソーシャルレンディングへの投資はいかがでしょうか!2019年の夏にクラウドバンクの金田創社長に直接インタビューしてみました。証券会社が運用しているソシャレンは少なく企業規模なども求められます。詳しくは下記記事でまとめています。


もっと詳しく知りたい

クラウドバンクの詳細情報を知りたい方は下記記事にまとめているので参考にしてください。普段聞けないことをズバズバ聞きましたが全てに答えて頂きました。

【独占インタビュー】クラウドバンク社長の金田創氏に直接聞いてみた



類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
イハラサイエンス(5999)PER8.18倍PBR1倍
日東工器(6151)PER14.67倍PBR0.89倍
前澤化成工業(7925)PER27.37倍PBR0.49倍
※2019年11月22日の株価算出

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2019年7月20日~2027年5月19日213,600株620円
2019年12月17日~2027年10月16日17,500株620円


ストックオプション(新株予約権)で行使期限に入っている株数は231,100株になります。しかし、ロックアップの対象となっているため安心できそうです。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

IPOの最新情報やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入しています。


テクノフレックス(3449)IPOの評価と申し込みスタンス

テクノフレックスIPOはちょっと微妙な感じがします。複数上場となっていることがデメリットであり、東証2部にしては公開規模が大きいと思います。


インフラに係る事業も取扱い業績は今後期待できる可能性があります。しかし配当がないと長期保有を行うにいは難しいでしょう。前期が12円と14円配当の年2回となっています。この辺りは仮条件発表後に改めてまとめたいと思います。


配当性向は35%になり今後40%を目標にしているそうです。上場後はグローバル生産拠点への投資やIT化などを進めるそうです。同社はM&Aなども行っているため企業規模を今後も拡大していく意向があります。


テクノフレックスIPOのインフラ技術


原材料としてステンレス鋼を多く使用していることから、原価上昇となった場合は企業損失取る場合があります。生産拠点の集中リスクを回避するため中国やベトナムなどへの生産体制も展開しています。為替が絡んできますが為替変動等のリスクヘッジ対策は行っているそうです。


他社製品との差別化を図るため、製品・技術等に関連する特許等の知的財産権を取得しているそうです。海外企業との技術提携によるライセンスの供与もあり、模倣製品が製造・販売された場合やライセンス契約の更新が困難となった場合、同社グループの業績に影響がある可能性も指摘しています。


ただ真似できるような商品ではないと感じます。


IPO投資として考えるとリターン率は低いと感じます。ただここ最近のIPOはニッチ銘柄に買いが入ることも多くなかなか読めません。東証2部と考えた場合リターン率は5%~10%になる可能性が高いでしょう。公開価格割れの可能性もあると思います。


自己資本比率などは高めなので長期的に生き残っていける企業だと思います。個人的には好きな部類なんですがどうせ買うなら株価が落ち着いてから買いたいと考えます。上に抜ければ今後買うこともなさそうです。

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