セーフィー(4375)のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事はSMBC日興証券とみずほ証券が共同で務め公開株数9,008,700株、オーバーアロットメント1,351,300株です。上場規模は想定発行価格2,280円から計算すると約236.2億円になります。


上場規模が大きいため内容をしっかり確認しておきましょう。売出人も多く売出株だけでも5.7万株以上あります!


セーフィー(4375)IPOの初値予想と上場
※セーフィー公式サイト引用


同社はクラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」を開発・提供している企業です。


映像とクラウド、そしてAI技術を駆使し、世界中の様々な映像デバイスとインターネットを繋ぎデータ化することで、一人一人の日々の意思決定を迅速にかつ効果的に行うことができる世界の実現を目指しています。


正直なところ内容が深すぎて人気なのか不人気なのかわかりません。上場規模から考えれば懸念材料が複数あります。


ただ大手企業との提携やリカーリング型の収益のためどこまで許容されるのか?とそこが問題です。仮条件発表後に大手予想を交えてこの記事に個人的な予想を追記したいと思います。


上場時点ではあまり積極的に申込むつもりはありません。ただこれまで微妙だと思われていた銘柄の初値が高騰したこともあるため、最後まで悩みたいと思います!


セーフィー(4375)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容クラウド型映像プラットフォーム「Safie」の開発・運営
上場日9月29日
ブックビルディング期間9月10日~9月16日
想定価格2,280円
仮条件2,280円~2,430円
公開価格2,430円
初値結果3,350円(公開価格1.38倍)
企業情報https://safie.co.jp/
監査人有限責任 あずさ監査法人


【手取金の使途】

差引手取概算額6,942百万円に、海外販売の手取概算額及び本第三者割当増資の手取概算額上限2,855百万円を合わせた、手取概算額合計上限9,797百万円については、以下に充当する予定であります。

①人件費として5,335百万円を充当する予定
②オフィススペース拡張に係る費用として2,157百万円を充当する予定
③広告宣伝費として1,819百万円を充当する予定
④借入金の返済資金として309百万円を充当する予定
⑤海外展開準備資金として177百万円を充当する予定

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数3,297,700株
売出株数5,711,000株
公開株数(合計)9,008,700株
オーバーアロットメント1,351,300株
上場時発行済み株数49,147,700株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約1,120.6億円
幹事団SMBC日興(共同主幹事)
みずほ証券(共同主幹事)
東海東京証券
野村證券
SBI証券
大和証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
楽天証券
いちよし証券
丸三証券
委託見込SBIネオトレード証券
auカブコム証券


セーフィー(4375)上場評判とIPO分析

想定発行価格2,280円を基に吸収金額を算出すると約205.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約236.2億円規模の上場となります。


前期売上が50億円程度なので流石に吸収金額と見合っていないと感じます。ただサブスクリプション型のビジネスモデルのため投資家に好感されるのかもしれません。


会社設立後すぐにソニーネットワークコミュニケーションズが第三者割当増資を実施しているため、戦略的に上場を狙っていた感があります。


同社は「映像から未来をつくる」をビジョンに掲げ、家から街まであらゆるビジネスシーンの映像をデータ化することで、人々の意思決定を支援していきたいと考え、クラウド録画型映像プラットフォーム「Safie」を開発・運営しています。


Safieはサブスクリプション型で提供される録画サービスと同時に、録画以外に様々な映像分析サービスや連携サービスを追加することができるプラットフォームとなっており、直販及び様々な販売パートナー経由で展開されています。


Safieの特徴は高画質・安価・安全で、誰でも簡単にスマホやパソコンで使えることであり、監視カメラサービスとして、小売・外食・不動産・建設・警備・自治体などの幅広い業界で活用されています。


セーフィー(4375)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


顔認証技術による年齢性別属性分析サービス「Safie Visitors」や、顔認証によりオフィスの鍵の開閉や勤怠管理システムとの連携が可能な「Safie Entrance」、店舗のPOSレジ情報と連携した「Safie POSジャーナル連携オプション」、


来店人数を把握する人数カウントサービス「Safie AI People Count」、YouTubeに録画映像を配信する「YouTube Live連携オプション」、自動で定点撮影した画像を保存・配信する「オートスナップショット」などのサービスを展開しています。


また、2020年7月に遠隔業務を変革するウェアラブルカメラ「Safie Pocket2」、2021年4月に建設現場向けに重機取付型セーフティカメラシステム「ドボレコJK」、クレーンカメラと「Safie」の連携サービスをリリースしています。


セーフィー(4375)IPOの継続課金による顧客売上
※有価証券届出書引用


Safieは自社で組み込みソフトウェアの開発も行っており、映像などのデータをクラウドにアップロードするだけではなく、クラウドからの制御に従ったデバイスの制御や、デバイスでの画像処理もできる柔軟なシステムとなっています。


同社は2021年2月に、APIを公開し様々な開発パートナーが同社サービスとデータ連携を行うためのアプリケーション開発を行うことができるようになっています。


API公開により広範な開発技術をもつ企業とエコシステムを構築し、「見るだけでなく、聞く、記憶する、話す、考える」ソリューションを提供する手段と位置付けています。


セーフィー(4375)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


販売面については、自社の直販販売網による販売のほかに、Safieサービスをより迅速に拡大するために、大手企業を中心に100社以上の販売パートナー網を構築しています。


特にNTTグループ、Canonグループ、SECOMグループ、関西電力グループなどの企業グループと資本・業務提携を行い、販売パートナーとしてサービスをOEM提供することで先方のブランド力を生かしたSafieサービスの拡大を担っているそうです。


2021年6月末時点でOEM提供パートナーは8社あり、残りの販売パートナーはSafieブランドのまま再販する販売パートナーとなっています。


Safieはサブスクリプション型のサービスとして提供されており、2021年6月末時点で課金カメラ台数が12.9万台となっています。


なお、2020年のクラウドモニタリング・録画サービス市場において稼働台数ベースで約47.5%のシェアを獲得しています。


セーフィー(4375)の企業財務情報と配当性向

回次第6期第7期
決算年月2019年12月2020年12月
売上高1,957,5415,047,642
経常損失△495,219△97,204
当期純損失△495,587△99,494
資本金100,000100,000
純資産額2,195,1232,095,628
総資産額2,975,0003,093,360
1株当たり純資産額47.7645.59
1株当たり当期純損失△11.91△2.17
自己資本比率(%)73.667.6
自己資本利益率(%)
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△779,337△317,739
投資活動によるキャッシュ・フロー△35,677△188,088
財務活動によるキャッシュ・フロー2,289,569△44,408
現金及び現金同等物の期末残高2,090,3321,540,096
※数値は千円単位



第8期第2四半期累計期間(2021年1月01日~2021年6月30日)
  • 売上高3,808,826千円
  • 営業利益95,411千円
  • 経常利益88,574千円
  • 四半期純利益86,823千円



【第8期第2期のチェックポイント!】

当期第2期は遠隔業務の需要の高まりから「Safie Pocket2」や「Safie GO」などの商材が建設業界のみならず、他の業界でも導入され全社の業績が好調に推移しています。

また、課金カメラ台数及び月次売上高の拡大に向けて、人材採用をはじめとした営業体制の強化のほか、新機能のリリース、様々な業界の現場のデジタルトランスフォーメーション推進に向けたプロモーション施策に取り組んでいます。


セーフィー(4375)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2014年10月23日、東京都品川区西五反田一丁目5番1号に本社を構えます。社長は佐渡島隆平氏(1979年10月23日生まれ)、株式保有率は29.27%(15,376,000株)です。


従業員数193人で臨時雇用者4人、平均年齢34.7歳、平均勤続年数1.52年、平均年間給与6,095,000円です。


セグメントは映像プラットフォーム事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
佐渡島 隆平15,376,000株29.27%
下崎 守朗6,542,000株12.45%
ソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社5,800,000株11.04%
森本 数馬4,562,000株8.68%
オリックス株式会社3,250,000株6.19%
キヤノンマーケティングジャパン株式会社3,250,000株6.19%
31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースI合同会社2,600,000株4.95%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、貸株人かつ売出人である佐渡島隆平、売出人である下崎守朗、森本数馬、岩田耕一、宍戸幹央、佐渡島庸平、~省略~ 共同主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場日から起算して180日目の2022年3月27日までの期間中は、共同主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。

売出人であるソニーネットワークコミュニケーションズ株式会社、オリックス株式会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社、31VENTURES-グローバル・ブレイン-グロースI合同会社、~省略~ は、共同主幹事会社に対して、180日目の2022年3月27日までの期間中は、共同主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。ただし売出価格の1.5倍以上でロックアップ解除されます。

売出人であるNTTインベストメント・パートナーズファンド3号投資事業有限責任組合、価値共創ベンチャー有限責任事業組合、SMBCベンチャーキャピタル産学連携1号投資事業有限責任組合及び関西イノベーションネットワーク投資事業有限責任組合は、共同主幹事会社に対して、90日目の2021年12月27日までの期間中は、共同主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式及び当社普通株式を取得する権利を有する有価証券の発行、譲渡又は売却等を行わない旨を約束しております。ただし売出価格の1.5倍以上でロックアップ解除されます。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2022年3月27日まで)のロックアップが付与されています。また、一部の売出人等に対しては90日間(2021年12月27日まで)のロックアップとなっています。


ロックアップ解除倍率の記載は株主により異なり、売出価格(発行価格)の1.5倍以上でロックアップ解除となる株主が多数います。


親引けは海外販売株数に対して行われる可能性があるそうです。


セーフィー(4375)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が2,280円~2,430円に決定し想定発行価格が下限設定となっています。上場による吸収金額は最大で251.7億円、時価総額1,194.3億円になります。


意見が分かれるIPOだと思いますが、某情報を見る限り初値に期待が持てるように思います。その他の情報ではやや不安視されているようです。


今期第2四半期までは黒字化できており、いつでも黒字化させることは可能と言った意見も出ているようです。開発や営業人員の増強、広告宣伝費などに先行投資を行っているようです。


同社の希薄化後のPSRは16.9倍となり一旦は20倍を目指す展開のようです。希薄化前だと14.9倍になります。ヤプリ(4168)やAppier Group(4180)あたりが同水準になるため同社の株価もそれなりの株価になるようです。予想値なので参考程度に考えていたほうがよいでしょう。


大手初値予想2,300円~3,000円
3,000円~3,500円

※注目度A


2021年12月期の単独業績予想は売上80.20億円となり前期比58.91%増、経常利益-5.09億円となり前期-0.97億円から赤字額が5倍以上になります。


四半期利益は-5.10億円となり前期-0.99億円から大きく赤字となる予想が出ています。EPSは-10.86になりPERは算出不可、BPS178.09からPBR13.64倍になります。


高成長のサブスク型のリカーリング収益モデルを手掛け、シェア率TOPでコロナ禍が追い風となっている企業です。海外勢は積極的な投資を行ってくる観測があるため初値期待はあると思います。


同社には国内大手企業の資本が入っており、組み込み型ソフトウエアを専門にしているビジネスを行います。カメラの生産はしていないのは競合を避けるためだそうです。


本来は中長期的な目線で投資を行う銘柄だと思います。ただ毎回この手の銘柄はある程度の初値を付けてくるため公募組も期待しているはずです。


大手予想を信じるならばブックビルディングには積極的に参加したいところです。ただ状況によっては公開価格割れも考えておいたほうがよいと思います!


幹事名割当株数引受割合
SMBC日興(共同主幹事)6,036,000株67.00%
みずほ証券(共同主幹事)2,072,000株23.00%
東海東京証券270,300株3.00%
野村證券180,200株2.00%
SBI証券135,100株1.50%
大和証券135,100株1.50%
三菱UFJモルガン・スタンレー証券45,000株0.50%
楽天証券45,000株0.50%
いちよし証券45,000株0.50%
丸三証券45,000株0.50%


株数が多いためどこからでも当選を狙えそうです。主幹事のSMBC日興証券だと資金拘束されるため当選しやすいと思います。またみずほ証券も当選を狙えると思います。


野村證券は資金不要でIPO抽選に参加できるため申込んでみる方も多いと思います。ネット申し込みだと当選後のキャンセルもしやすいですからね。




また、最近は自動売買が流行っておりFXでも自動売買ができます。上場企業のインヴァスト証券でトライオートFXというサービスが行われています。FXの他にもETFで自動で売買可能です。


5万通貨取引で3,000円貰えるタイアップが付いているのでよかったらご利用ください。既存キャンペーンの5万円と並行して行われています。トライオートFXについては下記記事で説明しています!




Funds(ファンズ)でダブルキャンペーンが行われています。口座開設で1,000円分のAmazonギフト券が貰えて、投資金額に応じて最大10万円分のAmazonギフト券を貰えます。


投資対象の多くが上場企業となっているため安心感がある企業です。優待付きファンドや特典付きファンドも用意されています!




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ブイキューブ(3681)PER21.36倍PBR9.85倍
オプティム(3694)PER97.01倍PBR26.83倍
Jストリーム(4308)PER21.43倍PBR3.82倍
※2021年9月13日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2017年10月24日~2025年10月23日1,424,000株13円
2019年4月15日~2027年4月14日1,180,000株13円
2020年6月22日~2028年6月21日990,000株125円
2020年12月21日~2028年12月20日480,000株125円
2019年10月31日~2029年10月30日666,000株408円
2021年10月05日~2029年10月04日510,000株400円
2022年8月20日~2030年8月19日269,000株410円
2023年6月15日~2031年8月14日637,500株株式公開時の公開価格
2016年1月01日~2025年12月31日96,000株13円
2016年5月11日~2023年4月30日400,000株13円
2019年6月03日~2026年5月31日10,000株486円
2019年10月04日~2029年10月03日20,000株400円


ストックオプション(新株予約権)で行使期限を迎えている株数は5,266,000株となっています。大量にあり懸念されます。


新株予約権の総発行株数は6,682,500株で発行済株式総数の14.6%となっています。ストック・オプションが行使された場合、既存株主の株式価値を希薄化させる可能性があります!


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


セーフィー(4375)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ

セーフィーIPOは上場承認時のデータ的には保留案件です。


利益が見込めると判断した場合は突撃したいと思います。株価設定も高めなので悩みたいと思います。安易に複数株を取得して損失が出たら困りますからね。


セーフィー(4375)IPOの評価
※セーフィー公式サイト引用


この手のIPOは難しいと思います。利益が出ると思っても上場日の地合いが悪く公開価格割れになるパターンもあります。


収益構造がサブスクを利用したリカーリング型の収益モデルになります。


カメラ1台当たりの収益構造になり導入時にスポット収益が発生し、その後は毎月クラウド録画サービスや画像解析サービスなどのリカーリング収益が発生する仕組みです。


そして上場時点で黒字化しています。来期も黒字化できるのであれば本格的に資金回収となりそうですね。そのタイミングが今回の上場と考えるとIPOとしては魅力があります。


追記、2021年12月期の単独業績予想を確認すると四半期利益が-5.1億円予想になっていました。このことから過去最高の赤字計上になる可能性があります。ご注意ください!



競合を確認すると既にシェア1位のためこのまま推移すれば問題なさそうです。


個人的に気になるのは上場は今のタイミングなのか?上場規模が大きくないかな?と言ったところです。東京証券取引所がOKを出して、SMBC日興証券とみずほ証券の共同主幹事の流れに期待したいと思います。


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