PRISM BioLab[プリズムバイオラボ](206A)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。創薬バイオベンチャー企業なのでIPOとしては人気が低いと思います。
主幹事はSMBC日興証券が務め公開株数4,000,000株、オーバーアロットメント600,000株です。上場規模は想定発行価格435円から計算すると約20.0億円になります。
※PRISM BioLab公式サイト引用
不安なIPOがまた登場しました。
製薬業界ではグローバル競争が激化し新薬開発の効率化が製薬企業各社の課題となっています。同社もその中にいます。
パイプラインはエーザイと大原薬品工業とのライセンス契約があり第Ⅱ層まで進んでいます。自社開発事業の他、共同開発事業も行います。
同社の「PepMetics技術」がどの程度期待されているのかはわかりませんがマイルストーン収益が発生しています。このまま契約を積み重ねることができれば新薬登場の期待はあるのかもしれません。
難しい業種なので内容がわからない方はバイオ株に投資しないことをお勧めします。上場直後が株価のピークとなることも多々あります。
PRISM BioLab(206A)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 7月02日 |
市場 | グロース市場 |
業種 | 医薬品 |
事業内容 | 独自の創薬基盤(PepMetics技術)を用いた新規医薬品の研究・開発 |
ブックビルディング | 6月17日~6月21日 |
想定価格 | 435円 |
仮条件 | 435円~450円 |
公開価格 | 450円 |
初値結果 | 489円(公開価格1.09倍) |
企業情報 | https://prismbiolab.com/ |
監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
手取金の使途 |
|
項目 | 株数データ |
公募株数 | 4,000,000株 |
売出株数 | 0株 |
公開株数(合計) | 4,000,000株 |
オーバーアロットメント | 600,000株 |
上場時発行済み株数 | 35,354,800株 ※公募分を含む |
想定ベースの時価総額 | 約153.8億円 |
幹事団 | SMBC日興証券(主幹事) 大和証券 みずほ証券 SBI証券 岩井コスモ証券 松井証券 丸三証券 |
委託見込 | 大和コネクト証券 SBIネオトレード証券 |
PRISM BioLab(206A)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格435円を基に吸収金額を算出すると約17.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約20.0億円規模の上場となります。ビジネスモデルは独自の創薬基盤技術である「PepMetics技術」を活用した医薬品の研究開発を行います。製薬会社等と提携、共同研究、導出することにより収入を得る創薬事業を展開しています。
これまで創薬が困難とされていた標的を創薬可能にすることで新たな創薬パラダイムを作り出し、治療法のなかった病気を治療することを目標に新たな創薬基盤を構築して新薬開発に取り組んでいます。
※有価証券届出書引用
PepMetics技術を最大限に活用するために、自社で創薬標的を選定してプログラムを創出する自社開発事業と大手製薬会社の創薬標的に同社の技術を利用してプログラムを創出する共同開発事業の2つのビジネスモデルを並行しています。
これにより、限られたリソースで多くの創薬プログラムを生み出すことができ、技術の発展やノウハウの蓄積の相乗効果も得られるそうです。
自社開発事業の製薬会社との主な提携として、エーザイ及び大原薬品工業とのライセンス契約があります。アップフロント、マイルストン、ロイヤリティの収入を得ています。
共同開発事業ではMerck KGaA社、Boehringer Ingelheim International GmbH社などの提携があり、それぞれ創薬標的を定めてHit化合物の探索を行っています。
※有価証券届出書引用
PepMetics技術を活用し独自パイプラインの開発を行っていますが、第Ⅱ層(フェーズ2)が2本あるだけのようです。
PepMetics技術はPPIを狙った低分子創薬において競合優位性を保持しているそうです。
バイオベンチャー企業としての実力はどうなんでしょうね。大手企業とライセンス契約があると目論見にありますが黒字化はまだ先のようです。
※有価証券届出書引用
PRISM BioLab(206A)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2012年4月02日、神奈川県藤沢市村岡東二丁目26番1号に本社を構えます。代表取締役は竹原大氏(1963年5月18日生まれ)、株式保有率は6.37%(2,279,000株)です。リクルート出身となっています。従業員数22人で臨時雇用者8人、平均年齢44歳、平均勤続年数1.4年、平均年間給与6,808,000円です。
セグメントは創薬事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
DBJキャピタル投資事業有限責任組合 | 5,829,000株 | 16.30% | ○ |
大和日台バイオベンチャー2号投資事業有限責任組合 | 4,308,200株 | 12.05% | ○ |
WMグロース3号投資事業有限責任組合 | 3,965,800株 | 11.09% | ○ |
ライフサイエンス3号投資事業有限責任組合 | 2,965,400株 | 8.29% | ○ |
Eli Lilly and Company | 2,500,000株 | 6.99% | × |
竹原 大 | 2,279,000株 | 6.37% | ○ |
中島 喜一郎 | 1,872,000株 | 5.23% | ○ |
上位株主には180日間(2024年12月28日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
ベンチャーキャピタル(ファンド)等に対しては90日間(2024年9月29日まで)のロックアップ付与、ロックアップ解除倍率は発行価格(売出価格)の1.5倍以上となっています。
上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。
親引けはありません。
PRISM BioLab(206A)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件が435円~450円に決定し上場による吸収金額は最大で約20.7億円、時価総額は約159.1億円になります。
仮条件の引上げには驚きましたがChordia Therapeutics(190A)の初値が高かったためバイオ株に関心が向く可能性があります。
ただ同社の場合は上場規模がChordia Therapeuticsよりも大きく不安があります。
エーザイと大原薬品に導出実績、さらに製薬大手と多数提携しているため投資材料自体はあります。どうやら某紙では「第2のペプチドリームなのか?」とも言われているようです。
それもこれもファンド出身の経営者によるもので創業者では上場は果たせなかった可能性が高いようです。
修正値435円~470円
最終予想450円
※注目度B、幹事引受け価額414円
業績を確認すると2024年9月期の単独予想を確認することができました。売上3.00億円となり前期比167.86%増、経常利益-9.14億円となり前期-4.97億円から赤字拡大となります。
四半期利益は-11.60億円となり前期-5.26億円から赤字額が倍増する予想になっています。
公開価格が450円決定の場合の指標はEPS-37.22からPERは計算不可、BPS85.93からPBR5.24倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
事業への期待は高いようですが上場規模が大きく短期筋のターゲットになるのか微妙のようです。それに某紙では初値が高くなるとは考えていないようです。
微妙なIPOだけどシンジケートカバー発動的な暴落は考えられていないようです。そのため少し申込んでみたいと考えています。意外高の可能性は低いみたいですけどね。
リスクある投資になりそうなので気を付けてください!!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
SMBC日興証券(主幹事) | 3,280,000株 | 82.00% |
大和証券 | 240,000株 | 6.00% |
みずほ証券 | 200,000株 | 5.00% |
SBI証券 | 160,000株 | 4.00% |
岩井コスモ証券 | 40,000株 | 1.00% |
松井証券 | 40,000株 | 1.00% |
丸三証券 | 40,000株 | 1.00% |
IPOには当選しやすいと思います。売出株はありませんが上場後の売り圧力が怖い銘柄だと思います。
当選狙いなら主幹事のSMBC日興証券から申込んでおけば良いと思います。平幹事からの申込みはIPOチャレンジポイント狙いでSBI証券くらいでしょう。
個人的には魅力を感じないIPOだと思います。
海外販売が30%~50%になれば面白いと思いますが厳しいと思います!
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類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
ペプチドリーム(4587) | PER19.13倍 | PBR7.25倍 |
ファンペップ(4881) | PER-倍 | PBR1.75倍 |
ペルセウスプロテオミクス(4882) | PER9.03倍 | PBR3.97倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2017年9月01日~2027年3月16日 | 770,600株 | 27.55円 |
2019年3月17日~2027年3月16日 | 92,400株 | 27円 |
2019年3月17日~2027年3月16日 | 100,000株 | 27円 |
2019年3月17日~2027年3月16日 | 255,600株 | 27円 |
2019年6月17日~2027年3月17日 | 462,400株 | 27円 |
2020年2月17日~2027年3月17日 | 15,400株 | 27円 |
2021年7月20日~2029年7月19日 | 140,000株 | 150円 |
2022年8月20日~2030年8月19日 | 240,000株 | 150円 |
2022年8月20日~2030年8月19日 | 20,000株 | 150円 |
2024年1月22日~2032年1月21日 | 330,000株 | 150円 |
2024年1月22日~2032年1月21日 | 20,000株 | 150円 |
2024年6月18日~2032年6月17日 | 230,000株 | 150円 |
2024年6月18日~2032年6月17日 | 20,000株 | 150円 |
2024年6月18日~2032年6月17日 | 100,000株 | 150円 |
2025年4月06日~2033年4月05日 | 996,000株 | 200円 |
2025年4月06日~2033年4月05日 | 40,000株 | 200円 |
2026年1月20日~2034年1月19日 | 364,000株 | 400円 |
2026年2月15日~2034年2月14日 | 216,000株 | 400円 |
ストックオプション(新株予約権)は2,796,400株が上場時に行使期限を迎えます。
発行済株式総数31,354,800株に対する新株予約権の割合は14.07%に相当します。新株予約権による潜在株式数は4,412,400株です。
PRISM BioLab(206A)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
PRISM BioLab[プリズムバイオラボ]のIPOは無理せずに参加したいと思います。今期純損失は約11.6億円にもなるそうです。上場時期に大赤字なのは厳しいですね。
※PRISM BioLab公式サイト引用
医薬品開発は研究開始から承認まで長期間を要します。また、多額の研究開発投資が必要になるため黒字化できる企業は僅かしかありません。
黒字化できれば投資額の数倍の利益期待は十分ありますが、多くの企業は新薬承認までたどり着くことができません。
投資先として魅力もありますが不確実性が高い業種なんですよね。
同社のペプチド模倣低分子技術は国内外の大手製薬企業やバイオベンチャーが参入しているため競争が激化しています。IPO承認時にどれだけ優位性があるのかがポイントになりそうです。
とりあえず仮条件待ちで良さそうですね!
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