EduLab(4427)IPOが新規上場承認されました。人気が出そうな銘柄が登場しましたが、吸収金額が想定発行価格ベースで約46.4億円と大きいようです。主幹事はまたしてもSMBC日興証券となっています。公開株数1,440,100株でオーバーアロットメント216,000株になります。


事業はIPOでも人気が高い部類に入ると思われますが、悩ましい案件だと思います。連結売上51.5億から34.5億へ急激に下がっていることが気になります。


EduLab(4427)新規上場と初値予想


創業者の髙村淳一氏がインターネット上での教育、資格、テスト事業を構想し、英語教育サービスに加えて種々の教育サービスをインターネットを介して広く顧客に提供する会社の設立を企画したのが設立の始まりのようです。時期は平成12年となります。


EduLab(4427)IPOの詳細データ

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容教育測定技術とAIを活用した次世代教育向けe-Testing/e-Learning事業及びテスト運営・受託事業
公開予定12月21日
ブックビルディング期間12月06日~12月12日
想定価格2,800円
仮条件2,800円~3,200円
公開価格12月13日
企業情報https://www.edulab-inc.com/


【手取金の使途】

差引手取概算額2,368,832千円に本第三者割当増資の手取概算額上限554,468千円を合わせた、手取概算額合計上限2,923,300千円については、主に事業拡大のための設備投資資金に充当する予定であります。その具体的な内容は全額子会社への投融資資金です。投融資の内容は以下の通りです。

①e-Testing/e-Learning事業
株式会社教育測定研究所における英ナビ・スタディギア、英検Jr.、TEAP CBT、CASECの内容充実を目的としたソフトウエア開発、Edutech Lab, Inc.における英ナビ・スタディギアの内容充実及びシステム強化等を目的としたソフトウエア開発、Edutech Lab AP Private Limitedにおける英ナビ・スタディギア、英検Jr.、TEAP CBT、CASEC、テストシステム提供の機能追加やシステム強化等を目的としたソフトウエア開発に2,112,026千円(平成31年9月期:512,662千円、平成32年9月期:758,816千円、平成33年9月期:840,549千円)を充当する予定であります。

②テスト運営・受託事業
Edutech Lab AP Private Limitedにおける学力調査事業の業務効率向上に寄与する集計システムの開発に48,980千円(平成31年9月期:48,980千円)を充当する予定であります。

※なお、残額は株式会社教育測定研究所における平成31年9月期のテスト運営・受託事業の学力調査事業に関する人件費及び外注費等の運転資金に充当する予定であります。また、上記調達資金は、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。



項目株数データ
公募株数932,000株
売出株数508,100株
公開株数(合計)1,440,100株
オーバーアロットメント216,000株
上場時発行済み株数8,474,600株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約237.3億円
幹事団SMBC日興証券(主幹事)
みずほ証券
三菱UFJモルガン・スタンレー証券
auカブコム証券
マネックス証券 ←完全平等抽選


EduLab(4427)上場評判とIPO分析

想定発行価格2,800円を基に吸収金額を算出すると約40.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約46.4億円規模の上場となります。新興市場の上場ではかなり荷もたれ感があります。


同社グループは、持株会社である同社及び連結子会社5社並びに非連結子会社7社で構成されています。教育分野における能力測定技術(テスティング)の研究開発及びその成果であるテスト法の実践を通じて、英検協会等の公的試験実施団体、文部科学省、各地方公共団体等の公的機関、一般企業、教育関連企業、学校法人などを顧客とし、英語その他の能力検査の試験開発、実施、分析、教育サービスの提供等を行っています。


国内のみならずアジアを中心とした海外市場にも事業エリアを広げてビジネスを行い、「e-Testing/e-Learning事業」及び「テスト運営・受託事業」の2つの事業を展開しています。


EduLab(4427)上場評判


e-Testing/e-Learning事業は、英検協会を主な顧客として、大学等教育機関や民間企業・個人向けに教育サービスを提供しています。現在の主たるサービスは、英検協会と株式会社教育デジタルソリューションズと提供する「英ナビ・スタディギア」、英検協会から実施・運営を委託されている「英検Jr.」、英検協会及び上智大学と共同で開発し英検協会と共同で運用している「TEAP CBT」、企業・学校向けに販売する英語能力判定テストの「CASEC」等です。


連結子会社の株式会社教育測定研究所が、国内において上記のサービスを提供しています。また、連結子会社のEdutech Lab AP Private Limited、Edutech Lab, Inc.では、ソフトウエア・コンテンツ開発業務を行っています。その他、海外において「CASEC」を中心とした自社開発ソフトウエアのライセンス収入を得ています。


EduLab(4427)IPOの成長戦略


テスト運営・受託事業は、テストの問題作成・システム構築・管理・運営・採点等に関する受託事業です。テスト問題の作成から印刷、配送、採点、集計、分析、システム構築等、テストの実施・運営に必要なすべての機能またはその一部を提供しています。発注主体は、学力調査事業を実施する国、地方公共団体、英検協会等の公的機関や大学等教育機関です。


また、英検協会等の提供するアセスメント及び学習サービスにおけるコンテンツ及びシステム開発等を受託しています。さらに、教育機関や民間企業を対象に、テスト分析・コンサルティングサービスを提供しています。


EduLab(4427)販売実績と取引先


連結子会社はアメリカや中国、シンガポールとなっています。主要事業において、特定の取引先に対する販売に大きく依存しているようです。特に英検協会関連のサービスを提供するために英検協会及び株式会社教育デジタルソリューションズに対する平成29年9月期の全売上高に占める売上割合はそれぞれ39.2%及び25.5%となっています。


また、主要顧客には教育機関(公的機関を含む)が多く、その多くが3月末を会計年度末としているため、受託事業における検収や、ライセンス収益の従量部分の清算などが3月に集中する傾向にあるそうです。


EduLab(4427)の企業財務情報と配当性向

回次第2期第3期
決算年月平成28年9月平成29年9月
売上高5,154,2443,449,512
経常利益262,123532,094
親会社株主に帰属する当期純利益72,694335,947
包括利益48,953339,990
純資産額702,2771,492,092
総資産額4,260,3575,978,975
1株当たり純資産額104.65208.98
1株当たり当期純利益金額10.8349.23
自己資本比率(%)16.525.0
自己資本利益率(%)10.730.6
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー26,618269,880
投資活動によるキャッシュ・フロー△903,768△696,324
財務活動によるキャッシュ・フロー1,364,9081,453,831
現金及び現金同等物の期末残高1,674,3672,708,149
※数値は千円単位


第4期第3四半期連結累計期間(平成29年10月01日~平成30年6月30日)
売上高2,708,031千円
営業利益497,347千円
経常利益428,399千円
親会社株主に帰属する四半期純利益197,438千円


当第3四半期連結累計期間においてはe-Testing/e-Learning事業、テスト運営・受託事業ともに順調に売上が拡大し、また株式会社NTTドコモとの資本・業務提携に基づき同社が開発・運営する大学入試に向けた英語4技能学習サービス「English 4skills」に英語4技能学習コンテンツやAI自動採点技術を搭載したレベルチェックテスト等を提供するとともに、株式会社旺文社との共同事業である英語以外の教科も含めた動画学習アプリを「スタディギア」ブランドにて提供する多教科プラットフォームを開始しました。



EduLab(4427)従業員と株主の状況

会社設立は2015年3月31日、東京都港区北青山3丁目2番4号日新青山ビル5階に本社を構えます。社長は髙村淳一氏(昭和38年12月23日生まれ)、株式保有率は37.24%です。


従業員数は32人で臨時雇用者9人、平均年齢41.9歳、平均勤続年数3.8年、平均年間給与約8,554,080円です。連結従業員数は123人で臨時雇用者499人となります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)
髙村 淳一3,190,00037.24
松田 浩史1,510,00017.63
林 規生800,0009.34
曽我 晋600,0007.00
株式会社NTTドコモ429,2005.01
関 伸彦419,6004.90
株式会社旺文社402,8004.70
株式会社旺文社キャピタル268,4003.13
※株主上位8名の状況


【目論見抜粋】

本募集及び引受人の買取引受による売出しに関し、売出人である髙村淳一、松田浩史及び林規生、売出人かつ貸株人である曽我晋、当社株主かつ当社役員である関伸彦及び和田周久、当社株主である株式会社旺文社キャピタル及び株式会社オハナインベストメント、当社役員かつ当社新株予約権者である北條大介、大竹博之、田中作磨及び安積和彦、当社新株予約権者である髙橋幸嗣、細谷誠一、首藤大介、佐々木剛、佐野真也及び澤田玲子は、SMBC日興証券株式会社(以下「主幹事会社」という。)に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して180日目の平成31年6月18日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。

当社新株予約権者である吉川厚、呉春来、桂志乃、山田大、山梨俊夫、三宅俊毅、矢田部学、竹田信充、森田耕一、酒井さやか、井上綾子、山口かおり、広瀬直樹、横須賀恒夫及び大場誠士は、主幹事会社に対して、本募集及び引受人の買取引受による売出しに係る元引受契約締結日に始まり、上場(売買開始)日から起算して90日目の平成31年3月20日までの期間中は、主幹事会社の事前の書面による承諾を受けることなく、元引受契約締結日に自己の計算で保有する当社普通株式(潜在株式を含む。)の売却等を行わない旨を約束しております。



上位株主には90日間(平成31年3月20日)と180日間(平成31年6月18日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見に書かれていません。ベンチャーキャピタルは2社で40万株程度あるようです(397,200株)


EduLab(4427)IPO大手初値予想と各社配分

想定発行価格を下限として仮条件は2,800円~3,200円に決定しました。仮条件上限の3,200円を基に吸収額を算出すると約46.08億円、オーバーアロットメントを含めると約53億円となります。新興市場の上場としては荷もたれ感がかなりありますが、注目されている銘柄なので公開価格を超えてきそうです。


2019年9月の連結業績予想は売上71.62%増、経常利益42.70%増(3.86億円増)の増収増益予想となります。EPS104.20からPERを算出すると約30.71倍、BPS699.55からPBRを算出すると約4.57倍となります。同社のサービスを採用する企業が増えており、今後の業績期待は大きいようです。


AI(人工知能)やRPA(ロボットによる業務自動化)などのワードがあり、投資家から注目されています。今後は少子化を迎えるものの採用する企業が増加する見込みとなっています。同日上場がなければ初値2倍もあり得たかもしれません。


初値予想3,500円~4,500円


幹事名配分単位(株)
SMBC日興証券(主幹事)1,310,500
みずほ証券57,600
三菱UFJモルガン・スタンレー証券57,600
マネックス証券14,400


類似企業PER
PBR
フリービット(3843)PER84.18倍PBR2.57倍
すららネット(3998)PER68.62倍PBR11.54倍
学研ホールディングス(9470)PER14.86倍PBR1.02倍


当選するには主幹事のSMBC日興証券狙いで文句なしでしょう。株数が多いためマネックス証券も期待ができそうです。マネックス証券は引受けた株数を全て抽選に回すため期待ができます!


マネックス証券のIPO配分は完全抽選だった


SMBC日興証券は10%以上の配分をネット抽選に回しますが、主幹事のため引受株数が多く期待できます。みずほ証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券だと店頭配分のほうが期待ができそうです。


SMBC日興証券のIPO概要と当選履歴


EduLabのストックオプション詳細を調べました

ストックオプション行使期間株式の数(株)発行価格(円)
平成29年12月24日~平成37年12月17日453,000756
平成32年1月12日~平成39年12月19日59,2002,433


上場時点で関係があるストックオプションは453,000株になります。行使条件を確認すると、上場日から6ヶ月が経過するまで新株予約権を行使することはできない条件が付与されています。公開時点では基本的に売却不可になります。


EduLab(4427)IPO私見と申し込みスタンス

EduLabは人気なのかどうなのか難しい銘柄だと感じますが、公益財団法人日本英語検定協会や公的試験実施団体、文部科学省、各地方公共団体等の公的機関などへサービスを提供し、ソフトウエアのライセンス収益やテスト運営による収益を行っている企業です。


一見確実に収益を上げるビジネスモデルのような気がしますが、類似企業もあります。ただ、当選を狙うにはこの規模のIPOに参加しないと難しいのは確かです。NTTドコモも株主となり、ICT教育関連ビジネスに参加しているようです。


同社に旺文社が深く関わっているため、流れを把握したい方は目論見の沿革を是非見ていただきたいと思います。社長と副社長がコンビを組んでEduLab発足となった経緯があります。しかし、SMBC日興証券主幹事が多く驚きですね。


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