ダイコー通産(7673)IPOが東証2部に新規上場承認されました。主幹事は野村證券が務め公開株式542,400株、オーバーアロットメント81,300株、上場規模は想定発行算出で約9.4億円となります。業績が横ばいになり個人投資家から好まれる事業ではないため初値上昇率もそれほど高くないでしょう。
ただし公開価格を割れることはなく初値利益は見込めると思います。IT系の東証2部は人気ですが、卸売業なので人気はそれほどないはずです。今後業績が拡大する見込みも低いのではないか?とやや疑問視するところもあります。
今後の課題として取り扱う商品数を更に増加させるとありますが、ネット時代に反する形で自社在庫を抱える企業になります。事業的にそうなるのかもしれませんが業績は横ばいです。売上は152.8億円、利益4億円と企業規模は大きいようです。
ダイコー通産(7673)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | 東証2部 |
業種 | 卸売業 |
事業内容 | CATV及び情報通信ネットワーク向け各種商品の仕入れ・販売 |
公開予定 | 3月12日 |
ブックビルディング期間 | 2月22日~2月28日 |
想定価格 | 1,510円 |
仮条件 | 1,510円~1,540円 |
公開価格 | 3月01日 |
企業情報 | http://www.daiko-tsusan.co.jp/ |
【手取金の使途】
手取概算額217,480千円については、「1 新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限113,555千円と合わせて、全額を東日本ブロックの東京営業所及び東京物流センター拡充のための設備資金として充当する予定であります。具体的には、東日本ブロックの東京営業所及び東京物流センター設備資金の土地取得資金の一部として、2020年5月期に全額を充当する予定であります。
なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 160,000株 |
売出株数 | 382,400株 |
公開株数(合計) | 542,400株 |
オーバーアロットメント | 81,300株 |
上場時発行済み株数 | 2,585,090株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約39億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) SMBC日興証券 ←主幹事多い みずほ証券 大和証券 岡三証券 岡三オンライン証券 ←前受け金不要 SBI証券 SBIネオトレード証券 ←委託取扱い決定 |
ダイコー通産(7673)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,510円を基に吸収金額を算出すると約8.2億円となり、オーバーアロットメントを含めると約9.4億円規模の上場となります。上場規模は小さく期待はできますが、初値が何倍にもなるようなことはないでしょう。同社はCATV及び情報通信ネットワークにおいて使用される各種商品(ケーブル、材料、機器等)の仕入及び販売を主な事業としています。全国主要都市に営業所を配置し、顧客のネットワーク整備やシステム構築に際して、最先端技術の情報提供及びネットワーク構築に関する提案等を行います。
電線・ケーブル製造業者、通信機械器具製造業者及び金属製品製造業者等の国内外のメーカー等から仕入れた各種商品を、通信工事施工業者、電気通信事業者、電力会社及び官公庁等の顧客に販売しています。
また、地域ごとに顧客の商品ニーズが異なることから営業所ごとに仕入先及び販売先を把握しており、各営業所を「四国九州ブロック」「東日本ブロック」「西日本ブロック」「東海北陸ブロック」の4つのブロック単位で管理しているそうです。
同社は独立系の企業であり、取扱商品をCATV及び情報通信ネットワークにおいて使用される商品に特化した専門商社です。それによりメーカー関連会社のように、仕入先及び販売先が特定の相手先に依存すことがなく、仕入先及び販売先は多岐に渡っており、取引先から一定の独立性を有していることが特徴として挙げられます。
仕入先は約400社で販売先は約2,600社になっています。仕入先が限定されていないことから、同社の取扱商品は多岐に渡り、本書提出日現在において、取扱商品は約43,000点あるそうです。
また、汎用性の高い商品の販売単価を下げ、かつ当該商品の利益率を維持・向上させることを目的として、自社企画製品を取り扱っています。具体的には、同社が企画した商品をメーカーに提案して製造委託しこれを仕入れて顧客に販売しています。
自社流通網の整備状況は、本社がある愛媛県松山市に3箇所、東京営業所内に1箇所の合計4箇所の物流センターと営業拠点に10箇所の倉庫を配置し、全国各地の顧客へ商品を流通させるための自社物流網を整備しています。
メーカーから仕入れた商品を自社倉庫に在庫として保管することにより、顧客からの大量発注にも対応できるほか、本社だけでなく、全国に自社物流網を整備することで、配送費用の増加を抑制することを可能としています。
ダイコー通産(7673)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第42期 | 第43期 |
決算年月 | 2017年5月 | 2018年5月 |
売上高 | 13,514,288 | 15,281,363 |
経常利益 | 634,417 | 658,420 |
当期純利益 | 384,425 | 402,694 |
資本金 | 411,798 | 411,798 |
純資産額 | 4,724,029 | 5,017,733 |
総資産額 | 11,155,896 | 12,671,672 |
1株当たり純資産額 | 1,948.04 | 2,069.15 |
1株当たり当期純利益 | 158.52 | 166.06 |
自己資本比率(%) | 42.3 | 39.6 |
自己資本利益率(%) | 8.4 | 8.3 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | 28.4 | 30.1 |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 402,634 | 612,846 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 16,890 | △535,157 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △305,001 | △145,667 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 863,353 | 796,722 |
第44期第2四半期累計期間(2018年6月01日~2018年11月30日)
売上高7,561,481千円
売上総利益率15.6%
営業利益360,602千円
経常利益356,877千円
四半期純利益は230,932千円
我が国経済は、政府による積極的な経済政策などを背景に企業収益や雇用情勢は緩やかな回復基調が続いているものの、米国の貿易摩擦施策の影響の懸念など、先行きは不透明な状況にあります。
当社が事業展開するCATV及び情報通信関連分野における、FTTH等の通信インフラ基盤の大容量化や、防災関連分野における、地方自治体防災システムの更新等が続いております。このような状況のなか、当社は中期的な経営戦略に沿って、重点施策を着実に推進するとともに、積極的な営業活動を展開いたしました。
ダイコー通産(7673)従業員と株主の状況
会社設立は1975年6月12日、愛媛県松山市姫原三丁目6番11号に本社を構えます。社長は河田晃氏(1972年7月09日生まれ)、株式保有率は9.30%です。従業員数133人で臨時雇用者12人、平均年齢36.6歳、平均勤続年数10.37年、平均年間給与5,669,000円です。氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
株式会社ディー・ケー・コーポレーション | 810,200 | 33.41 |
ダイコー従業員持株会 | 244,130 | 10.07 |
河田 晃 | 225,530 | 9.30 |
河田 充 | 149,950 | 6.18 |
西村 晃 | 128,140 | 5.28 |
東京センチュリー株式会社 | 100,000 | 4.12 |
河田 正春 | 87,140 | 3.59 |
【目論見抜粋】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である河田晃並びに売出人である西村晃、河田正春、小谷幸恵、岡野拓哉及び髙本克哉並びに当社株主である株式会社ディー・ケー・コーポレーション、河田充、河田すみ子、白井充、兵頭誠治、岡田保、玉井清二及び前田照雄は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2019年6月9日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)を行わない旨合意しております。
また、売出人である麓譲、生田剛、竹則辰秋、本多昭文、小島和枝及び河田邦子並びに当社株主である東京センチュリー株式会社、東神電気株式会社、株式会社高知銀行及び中央電機工業株式会社は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2019年6月9日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く。)を行わない旨合意しております。
当社株主であるダイコー従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の2019年9月7日までの期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
上位株主には90日間(2019年6月09日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率は1.5倍となり売出人に対して設定されています。ベンチャーキャピタルはみずほキャピタルが20,000株(0.82%)保有となります。
ダイコー通産(7673)IPO大手初値予想と各社配分
仮条件は想定発行価格を下限として1,510円~1,540円に決定しました。上限1,540円から吸収額を算出すると約8.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約9.6億円です。10億円以下と言うことで軽量級になると思われます。2019年5月期の単独業績予想は売上3.8%減、経常利益8.6%減の減収減益予想となっています。EPS159.59からPERを算出すると約9.65倍、BPS2,128.28からPBRを算出すると約0.72倍となります。配当が50円出る予想が見込まれており配当利回り3.2%とそこそこでます。
上場規模が軽量級になるため公開価格を超えてくると思いますが、東証2部で減益予想なので盛り上がらないでしょう。
初値予想1,500円~2,000円
幹事名 | 配分単位(株) |
野村證券(主幹事) | 488,400 |
SMBC日興証券 | 10,800 |
みずほ証券 | 10,800 |
大和証券 | 10,800 |
岡三証券 | 10,800 |
SBI証券 | 10,800 |
類似企業 | PER | PBR |
エフティグループ(2763) | PER13.71倍 | PBR3.49倍 |
レカム(3323) | PER20.83倍 | PBR3.98倍 |
大塚商会(4768) | PER22.53倍 | PBR3.35倍 |
野村證券主幹事で公開株数がOAを含め623,700株なのでやや当選は厳しのかもしれません。事業も卸売業になっているためIPO的にはあまり魅力がありません。業績も横ばい状態で初値は公開価格30%増しあたりが妥当かもしれません。
個人的には当選狙いになり幹事引受企業の全てから申し込みを行うスタンスです。岡三オンライン証券が前受け金不要なので資金効率はよさそうです。申込者は少ないと思いますが、当選もしにくいでしょう。
前受け金不要でIPO抽選に参加できる企業が増えているため口座を開設しておくとそのうちチャンスがあると思います。DMM.com証券でもついにIPO取扱いが始まりました!地味な努力ですけどね。
ダイコー通産のストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
ストックオプション制度は採用なし | – | – |
ストックオプション(新株予約権)は該当事項がありません。ライツプランも同じく該当事項なしです。ダイコー従業員持株会が株主第二位で244,130株を保有し、東京センチュリー(8439)が100,000株保有しています。
【追記】
SBIネオトレード証券がダイコー通産の委託幹事に入り取扱いを決定しました。口座を開設している方は前受け金不要で抽選に参加できます。あまり人気があるとは言えない銘柄のため申込者は少ないでしょう。とりあえず参加しておきます。
ダイコー通産(7673)IPO私見と申し込みスタンス
ダイコー通産はいかにも東証2部銘柄と言った感じになります。業績は横ばいですし、社名も堅いためIPO市場では好まれません。20億円規模の上場であれば心配ですが、10億円規模の上場であれば利益が狙えると思います。上場後は企業の知名度が向上し、直近では東京オリンピックによるケーブルテレビ(CATV)や4Kまたは8Kと言った放送開始に業績期待があります。この他ソフトバンクでも話題になった5Gの整備網などにも関係があるようです。ただ、付き合いがある企業の入札なども絡むため市場全体で取り組んだ結果利益が出る構造です。
企業規模は予想以上に大きく、在庫を自社物流センターで抱えているあたりは感心します。私も仕事をしていて支店が統合されたりなくなった企業によく出会うためキャッシュリッチな企業なのか?と感じました。自己資本比率は今期第2四半期開示で43.2%になっています。
キャッシュは7.4億円弱あり、配当性向は30.1%(前期)になっています。決算が5月になり上場後配当を受け取ることも可能なタイミングとなっています。今の地合いであれば全力申し込みでしょう。余談ですが、ヒロセ通商さんのタイアップが今月も更新となりました。現金や食品が貰えるのでよかったら参加してみてください。
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