ベイシス(4068)のIPOがマザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。
主幹事はみずほ証券が務め公開株数349,000株、オーバーアロットメント52,300株です。上場規模は想定発行価格1,960円から計算すると約7.9億円になります。
上場規模や業績、事業内容などをトータルで見てもIPOでは人気が見込めそうです。初値2倍は軽いのでは?と考えています。上場ラッシュ中でも買われるIPOでしょう。
※ベイシス公式サイト引用
ベイシスの事業はコロナ禍の影響はあまりないようです。2019年4月に5Gが各携帯キャリアへ割当てられ、2020年度以降の5Gに係る設備投資が本格化されているため同社に追い風が吹いています。
また、2020年4月に第4の携帯キャリアが新規参入したことを受け、携帯電話料金の見直しに関する議論の活発化等、携帯キャリアの設備投資費削減のニーズが高まっています。
楽天モバイルが業界の仕組みをぶっ壊すようにも思いましたが、実はあまり変動はないようです。政府が携帯料金高すぎと発言し各携帯キャリアが大きく動きましたが、複雑な仕組みでわかりにくいですよね。
どちらにしても中長期的に成長する事業のため上場後も楽しみのある銘柄だと思います。
ベイシス(4068)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 携帯電話のインフラ・ネットワーク構築・運用保守、IoT インフラ・ネットワーク構築・運用保守 |
上場日 | 6月24日 |
ブックビルディング期間 | 6月08日~6月14日 |
想定価格 | 1,960円 |
仮条件 | 1,960円~2,040円 |
公開価格 | 2,040円 |
初値結果 | 5,200円(公開価格2.55倍) |
企業情報 | https://www.basis-corp.jp/ |
監査人 | 仰星監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額343,427千円については、「1新規発行株式」の(注)5.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限94,307千円と合わせた手取概算額合計上限437,734千円について、(1)設備投資資金に153,000千円、(2)運転資金に236,070千円、(3)借入金返済資金に48,664千円を充当する予定です。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 196,000株 |
売出株数 | 153,000株 |
公開株数(合計) | 349,000株 |
オーバーアロットメント | 52,300株 |
上場時発行済み株数 | 1,758,100株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約34.5億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) SMBC日興証券 SBI証券 岡三証券 いちよし証券 東海東京証券 岩井コスモ証券 マネックス証券 楽天証券 |
委託見込 | 岡三オンライン証券 SBIネオトレード証券 LINE証券 |
ベイシス(4068)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,960円を基に吸収金額を算出すると約6.8億円となり、オーバーアロットメントを含めると約7.9億円規模の上場となります。小粒上場のため需給の心配はなさそうです。同社は通信・電力・ガス等のインフラ事業者に対し、通信インフラの設計・施工・運用・保守サービス及び各種プロジェクト支援等のサービスを提供しています。
サービスの特徴は、自社システムであるBLASに加え、RPA、AIなどのテクノロジーを利活用することで、現場管理や現場作業・プロジェクト管理等のIT化を推進していることです。
また、国内各地域に営業拠点を設置し施工等を担う協力会社を擁しているため、日本全国にサービス提供可能な基盤を有しています。
※有価証券届出書引用
モバイルエンジニアリングサービス(携帯電話のインフラ・ネットワーク構築・運用保守)では、携帯電話基地局の施工案件など請負による現地でのフィールド業務対応を行います。
この他、通信事業者等に対してエンジニアを常駐させ通信インフラの構築、運用、監視等に係る一連の作業を担っています。主要顧客は通信事業者です。
また、モバイルエンジニアリングサービスの中で同社が主たる領域としているのは、客先常駐型のプロジェクト支援業務です。
通信機器が設置されたあとに電波環境の最適化をするためのインテグレーション業務の他、定常的な運用監視・保守に係る業務により通信ネットワークが正常に稼働しているか監視し、異常を検知すれば速やかに遠隔、また現場作業にて対応しています。
※有価証券届出書引用
IoTエンジニアリングサービス(IoTインフラ・ネットワーク構築・運用保守)では、電力、ガス等の生活インフラ提供事業者や鉄道、駐車場、小売等のIoTインフラを構築する事業者向けにIoT機器の設置、交換、運用・監視、ネットワーク構築等のサービスを提供しています。
主要顧客は通信事業者、通信機器メーカー、電力会社、ガス会社です。
IoT機器設置における工事の仕様を検討し、現地で機器設置、ネットワーク工事を行い、設定・動作確認を行います。これまでの設置実績として電力スマートメーター設置台数は140万台(2021年4月末累計実績)です。
BLAS、AI画像認識、RPAなどのテクノロジーを活用することでオペレーションコストを削減するのみならず、ヒューマンエラーの低減を可能とするサービスを提供しています。
※有価証券届出書引用
その他サービスでは、モバイルエンジニアリングサービス、IoTエンジニアリングサービスの現場業務で培ったノウハウを基に、RPAツールの販売やRPA導入支援、ドローンを活用した設備点検等のサービスを提供しています。
BLASとは自社開発の通信インフラ構築に特化したプロジェクト管理システムのことを指します。これまで通信インフラ構築の工程管理はFAXやメールなどアナログで行っていましたが、一連の作業がBLASのみで完結することができると目論見にあります。
簡単に言えば、人手による作業の自動化と効率化を実現するサービスです。
ベイシス(4068)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第19期 | 第20期 |
決算年月 | 2019年6月 | 2020年6月 |
売上高 | 3,092,659 | 3,263,020 |
経常利益 | 101,438 | 117,606 |
当期純利益 | 61,616 | 69,983 |
資本金 | 93,470 | 93,470 |
純資産額 | 560,928 | 630,912 |
総資産額 | 1,593,656 | 1,696,135 |
1株当たり純資産額 | 359.09 | 403.89 |
1株当たり当期純利益金額 | 39.44 | 44.80 |
自己資本比率(%) | 35.2 | 37.2 |
自己資本利益率(%) | 11.6 | 11.7 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 420,037 | 206,037/td> |
投資活動によるキャッシュ・フロー | 10,953 | △35,055 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △260,000 | △60,000 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 653,044 | 764,026 |
- 売上高3,461,975千円
- 営業利益316,302千円
- 経常利益315,115千円
- 四半期純利益216,778千円
同社の事業領域である情報通信分野では、通信キャリア各社が楽天モバイルに対応してグループのサブブランドを使った通信料の値下げを行っており、これにより将来のインフラ投資に影響を与える可能性がありますが今のところその影響は出ておりません。むしろ現状は5Gのインフラ投資が本格化しており、モバイルエンジニアリングサービスは計画を上回る売上を計上しています。
一方で通信事業者以外では、IoTエンジニアリングサービスで展開しているスマートメーター設置サービスが中国で生産していた設置機器の物流の遅れにより機器の枯渇を招いています。その遅れを取り戻すことは現状ではできていないそうです。
ベイシス(4068)の株主状況とロックアップについて
会社設立は2000年7月19日、東京都品川区北品川一丁目9番2号に本社を構えます。社長は吉村公孝氏(1972年10月19日生まれ)、株式保有率は31.13%(510,000株)です。従業員数330人で臨時雇用者6人、平均年齢36.1歳、平均勤続年数4.8年、平均年間給与3,415,000円です。
セグメントはインフラテック事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
ワイズマネージメント株式会社 | 875,000株 | 53.42% | ○ |
吉村 公孝 | 510,000株 | 31.13% | ○ |
ベイシスグループ従業員持株会 | 115,000株 | 7.02% | ○ |
Accuver株式会社 | 55,000株 | 3.36% | △ |
和田 健士 | 7,500株 | 0.46% | ○ |
高野 竜介 | 7,500株 | 0.46% | ○ |
三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合 | 7,100株 | 0.43% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である吉村公孝、並びに当社株主(新株予約権者を含む)であるワイズマネージメント株式会社、ベイシスグループ従業員持株会、和田健士、高野竜介、遊佐武文、田中裕輔、松下弘樹、佐藤倫大、~省略~ は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年12月20日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。
また、当社株主である三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年9月21日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、その売却価格が「第1募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等を除く)等を行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には180日間(2021年12月20日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の設定は目論見にありませんん。
三菱UFJキャピタル4号投資事業有限責任組合にだけ90日間(2021年9月21日まで)のロックアップと発行価格の1.5倍以上のロックアップ解除設定が設けられています。
親引け設定は5,800株を上限としてベイシスグループ従業員持株会が引受ける予定となっています。Accuver株式会社は売出し株により全株式を売却する予定となっています。
ベイシス(4068)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が1,960円~2,040円となり上振れしています。これにより吸収額が最大で8.2億円となり時価総額は35.9億円を見込みます。
携帯電話基地局の施工案件を請負う企業になり、ソフトバンクや楽天モバイルなどからの依頼が多くのウェイトを占めています。5Gインフラの成長株であるため初値需要が見込めるようです。
ベンチャーキャピタル保有株も少なく需給の心配はないと思います。ただ株価設定は類似企業と比べると割高になります。
修正値5,000円~6,000円
※注目度B
2021年6月期の単独業績予想は売上48.19億円となり前期比47.69%増、経常利益3.25億円となり前期比177.78%増となる見込みです。
四半期利益は1.99億円となり前期比188.41%増を予想しています。EPS127.46からPERは16.01倍、BPS667.39からPBRは3.06倍になります。配当金や株主優待の設定はありません。
来期業績予想の開示が現段階では行われていないため、初値だけは高くなるパターンかもしれません。上場時に業績がピークとなる事業ではないと思いますが、初値が高すぎると急落もあり得るでしょう。
株価設定は公開価格が妥当だと思います。来期の成長を確認した後に売買い交錯となる可能性も考えられます。新型コロナウイルス感染症による事業縮小は考えられないため、積極的な売買が期待できそうです。
上場規模から考えると初値2倍程度はしっかり付けてくると思います。同日上場が4社となっているため初値持越しは微妙なところでしょう。
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
みずほ証券(主幹事) | 314,500株 | 90.11% |
SMBC日興証券 | 10,400株 | 2.98% |
SBI証券 | 6,900株 | 1.98% |
岡三証券 | 5,200株 | 1.49% |
いちよし証券 | 5,200株 | 1.49% |
東海東京証券 | 1,700株 | 0.49% |
岩井コスモ証券 | 1,700株 | 0.49% |
マネックス証券 | 1,700株 | 0.49% |
楽天証券 | 1,700株 | 0.49% |
みずほ証券主幹事となり株数が少ないため激戦となりそうです。幹事構成はネット派にも申込みやすい環境だと思います。
SMBC日興証券からの申込みも忘れないようにしておきましょう。ダメもとで申込んでおけば気が楽だと思います!
SMBC日興証券のIPO概要と当選秘策のご紹介です。申込続ければIPOは当選できると思います。ただ根気が試される投資なので主幹事を中心に申込んでおきましょう。嘘なしの当選画像を掲載しています。幹事に入るとほぼすべての銘柄 …
岡三証券が幹事入りしているため岡三オンラインからの抽選参加も可能だと思います。資金不要でIPO抽選に参加することができます。
IPOルールについては下記記事でまとめています。またタイアップ特典で3,500円を貰えるため良かったらご利用ください。
岡三オンライン(旧岡三オンライン証券)のサービス全般について調べてみました。言わずと知れた岡三証券グループになり信頼や評価の面で非常に高い企業です。タイアップキャンペーンもご紹介しています!インターネット取引に特化 …
証券会社のタイアップではSBIネオトレード証券さんともタイアップさせて頂いています。こちらも資金不要でIPO抽選に参加することができます。
タイアップ特典は2,000円となっています。一度も入金することなくIPO抽選に参加することが可能です。IPOルールは下記記事でご紹介しています!!
SBIネオトレード証券さんとタイアップが始まりました。SBIネオトレード証券といえば前受け金不要でIPO抽選が行われることで知られていると思いますが、今回は1回取引をすると現金2,000円をプレゼントさせて頂くことに決定しました …
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
ミライト・ホールディングス(1417) | PER9.24倍 | PBR0.88倍 |
コムシスホールディングス(1721) | PER13.46倍 | PBR1.21倍 |
協和エクシオ(1951) | PER12.14倍 | PBR1.06倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2020年7月15日~2025年7月14日 | 76,000株 | 240円 |
ストックオプション(新株予約権)は76,000株全てが行使期限を迎えています。取締役2人と従業員27人となっています。一部の株主はロックアップ条件により180日間は売却が基本的にできません。
発行済株式数1,562,100株に対する新株予約権の潜在株式比率は4.9%となっています。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。ベイシス(4068)IPOの評価と申し込みスタンスまとめ
ベイシスIPOは人気がありそうです。今期で21期となりスピード感ある上場ではありませんが5G関連を意識した買いが期待できそうです。前期2020年6月期の販売実績委ではソフトバンクが売上の44.2%を占め、楽天モバイルが10.7%となっています。
※ベイシス公式サイト引用
上場後は、現場作業及び管理業務等の効率化を推進するという観点でRPA、AI画像認識、ドローン等最新の技術の導入を進めるそうです。
同社はDX化やIoTの進展が著しく、様々なビジネスモデルやサービスが誕生している事から業界の殻にとらわれない柔軟な発想を用い、幅広い会社とアライアンスや資本提携、M&Aなど他社との連携を強化する意向があるそうです。
従業員の給与は上場企業として低いようですが、これから本格的な収穫時期を迎える可能性があるかもしれません。また、社内エンジニアの54%が国家資格を保有しているそうです。
仮に政府の政策展開などが起きた場合はIoTエンジニアリングサービスの立ち上げなども準備しているそうです。柔軟な対応を行いリスク軽減に努めているように感じます。
競合企業を調べると全国規模のベイシスパートナーズやプロジェクトマネジメントにおける独自のノウハウを蓄積している企業は限定的だと同社は考えているようです。
欲しいIPOなので申込忘れをしないように頑張っておきたいと思います!!
未上場(非上場)企業の株式投資に興味があれば業界最大手のファンディーノで投資を行ってみると面白いかもしれません。
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ファンディーノ(FUNDINNO)に投資をしたら儲かるのか真剣に考えてみました。IPO投資をされている方には興味がある領域だと思います。上場を目指す未上場(非上場)株を買えるチャンスなのでECF投資は魅力でしょう。ただ …
上場企業のCREAL(クリアル)で「当サイト経由の特典」が付きました
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