POPER(ポパー)[5134]のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。VC出資が多く軽量級のIPOとなっています。 


主幹事は大和証券が務め公開株数526,400株、オーバーアロットメント78,900株です。上場規模は想定発行価格630円から計算すると約3.8億円です!


POPER(ポパー)[5134]IPOが上場承認
※ポパー公式サイト引用


学習塾を中心とした講師等のバックオフィス業務をサポートする企業です。


教育業界は少子化による学齢人口の減少に伴い市場全体が伸び悩んでいます。同業間での生徒数確保に向けた競争が激化し、顧客の奪い合いが予測され今後も厳しい状況に置かれるようです。


民間教育の業務管理市場のポテンシャルは500億円程度と言われ、2026年以降の民間教育におけるICT市場のポテンシャルが2,000億円程度と船井総合研究所が2021年10月に算出しています。


同社は生徒数1,000名以下の中小塾等でバックオフィス業務はほぼシステムを利用していないと考えており、普及率上昇に伴う高い成長が見込まれるそうです。


一般的にはエクセル管理が多く、同社サービスを利用すれば効率化できるという話ですね。エクセル管理で済めば人件費で済むため事業規模が小さい企業はこのままエクセル管理になると思います。


POPER(ポパー)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日11月15日
市場グロース市場
業種情報・通信業
事業内容教育事業者等のバックオフィス業務の効率化及び保護者とのコミュニケーションを強化するSaaS型業務管理プラットフォーム「Comiru」の開発・提供
ブックビルディング10月28日~11月04日
想定価格630円
仮条件630円~700円
公開価格700円
初値結果1,110円(公開価格1.59倍)
企業情報https://poper.co/
監査人PwC京都監査法人
手取金の使途
  • サービス構築費用
  • サービスプロモーション費用
  • 借入金返済
  • 人材の採用費及び人件費


項目株数データ
公募株数200,000株
売出株数326,400株
公開株数(合計)526,400株
オーバーアロットメント78,900株
上場時発行済み株数3,780,053株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約23.8億円
幹事団大和証券(主幹事)
みずほ証券
SBI証券
岩井コスモ証券
松井証券
東洋証券
委託見込CONNECT(コネクト)
DMM.com証券


POPER(ポパー)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格630円を基に吸収金額を算出すると約3.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約3.8億円規模の上場となります。


同社は学習塾を中心とする教育事業者等のバックオフィスのアナログ的な業務をデジタル化(DX)することで効率化を目指すビジネスを行っています。


講師等が多くの生徒と向き合える「教える時間」を捻出できるよう、教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム「Comiru」の開発・運用に注力しています。


2015年12月に「Comiru」を開発し、その後「Comiru」と連動する形で、2020年8月にリモート教育をより効果的に実現しやすいオンライン授業・自宅学習支援サービス「ComiruAir」をリリース、


2020年12月には講師等の労務管理・コミュニケーションサービス「ComiruHR」をリリースしています。


POPER(ポパー)の業績
※有価証券届出書引用


教育業界の業務管理の特性、あるいは煩雑さから業界横断型のSaaS型サービスでは最適な管理が難しく、UI/UX面において改善の余地が残っている状況だそうです。


同社の場合は教育業界に特化したサービスになり、教育業界の中でもバックオフィス等の業務が煩雑である学習塾業界にフォーカスして、サービスのUI/UXを進化し続けています。


習塾経営経験者の知見に基づいて最適な業務プロセスと各種機能や帳票のフォーマットを洗い出したサービス提供しています。


ローンチ後も開発部門やカスタマーサクセス部門等を中心に、教育事業者等からの要望や改善要請を常にヒアリングし、絶えずアップデートし続けてきたそうです。


現時点でサービスの月間解約率は0.6%以下になるそうです。


POPER(ポパー)IPOのSaaS型業務管理プラットフォーム
※有価証券届出書引用


今の講師等は授業時間以外の事務作業に追われているため気持ちと時間に余裕がないそうです。時代の変化により講師の仕事が増えているのかもしれません。


講師等と生徒の関係性は相互に尊重し合うことが重要だと思いますが、この関係性を構築することが難しくなっているようです。


同社は講師等が「Comiru」を活用することにより、バックオフィス業務の作業時間を減らし、多くの生徒の成長や学習効果の向上に良い影響を与えられる環境を実現したいそうです。


POPER(ポパー)IPOの販売実績と取引先
※有価証券届出書引用


講師等が生徒や保護者と向き合うことに心と時間の余裕を持てない環境も考えものですが、時代的に同社のようなサービスが必要になるのかもしれません。


講師(教師)のバックオフィス業務も大変だと思われます。


POPER(ポパー)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2015年1月15日、東京都中央区日本橋茅場町一丁目13番21号に本社を構えます。社長は栗原慎吾氏(1983年11月02日生まれ)、株式保有率は30.38%(1,176,000株)です。


従業員数53人で臨時雇用者3人、平均年齢33.0歳、平均勤続年数2.3年、平均年間給与5,184,000円です。


セグメントは教育事業者等向けSaaS型業務管理プラットフォーム事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
栗原 慎吾1,176,000株30.38%
学校法人駿河台学園464,490株12.00%
大和ベンチャー1号投資事業有限責任組合450,000株11.63%
KVPシード・イノベーション1号投資事業有限責任組合231,000株5.97%
繆 仁軍177,900株4.60%
株式会社DGベンチャーズ150,000株3.88%
ニッセイ・キャピタル9号投資事業有限責任組合150,000株3.88%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年5月13日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


また、ベンチャーキャピタル(VC)等に対しては90日間(2023年2月12日)のロックアップが付与され、ロックアップ解除倍率が発行価格(売出価格)の1.5倍となっています。


この他、新株予約権対象者に対してロックアップ期間中は普通株式の売却を行わない合意が行われています。さらに上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


親引けはありません。


POPER(ポパー)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が630円~700円となり吸収金額が最大約4.2億円に拡大しました。時価総額は約26.5億円です。


業績水準の低さから個人投資家主体の売買となることが予想されます。ポパーIPOの問題は業績の他に、ベンチャーキャピタル保有株が多いことです。


そのためVCのロックアップが外れる公開価格1.5倍以上は上値が極端に重くなる可能性があります。


また、SaaS型の収益形態のため今後は黒字を維持できると考えられます。業績予想では何とか通期で黒字になる予想が出ています。


あと1年上場が遅ければそれなりに利益を計上できたのでは?と個人的に感じます。この辺りが微妙ですけどね。


現時点での月間解約率が0.6%以下ということで、ストック型収益による強みが業績にも反映されるはずです。ファンドにとってはIPOが換金タイミングになりそうです。


大手初値予想900円~1,100円
修正値1,050円~1,200円
直前予想1,200円

※注目度B


業績を確認すると2023年10月期の単独予想を確認することができました。売上9.03億円となり前期比36.8%増、経常利益0.61億円となり前期-0.37億円からの黒字になります。


四半期利益は0.56億円となり前期-0.38億円からの完全黒字予想となっています。考えてみれば来期本決算まで1年もあるため、計画通りに進まない可能性も十分にあると思います。


上場時は需要が高まりロックアップを外しに行く展開が予想されますが、PERが高くなるためリスクがありそうです。


公開価格が700円決定の場合の指標はEPS14.88からPER47.04倍、BPS143.68からPBR4.87倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


初値が1,200円の場合はPER80.65倍になります。大手指標では実質PER114.4倍との観測があります。SaaS系のIPOだと買われまくった時代が過ぎ去ったため初値が高い場合は急落にも気を付けましょう。


ただ公募組は初値が高くなれば利益につながります。


株単価が低いため投機的な資金が流入する期待も強く、ロックアップを外しに行く展開でしょう。そもそも今期は黒字化できていないため予想で投資をするのも悩みますよね。IPOに当選したら当日に売却したほうが良いかもしれません!


幹事名割当株数引受割合
大和証券(主幹事)474,000株90.05%
みずほ証券21,000株3.99%
SBI証券10,500株1.99%
岩井コスモ証券10,500株1.99%
松井証券5,200株0.99%
東洋証券5,200株0.99%


公開株数はそこそこあるため積極的に申込を行っておきましょう。主幹事の大和証券からの申込は必須です。


また大和証券から委託販売が行われているCONNECT(コネクト)からも参加しておきましょう。IPO目的の口座開設者は少ないと思うので忘れずに参加しておきましょう。


IPOルールは下記記事でまとめています。工夫次第で当選確率を上げることも可能です!




新しいクラファン事業者のダーウィンファンディングが登場したため詳しく調べてみました。


口座開設でAmazonギフト券1,000円分が貰えます。利回りが高く設定されているため人気のようです!




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
すららネット(3998)PER19.74倍PBR2.88倍
サインド(4256)PER31.57倍PBR2.59倍
ライトワークス(4267)PER24.88倍PBR6.09倍
※2022年10月28日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2019年3月28日~2028年12月31日140,301株284.10円
2023年1月01日~2029年12月31日98,400株461.33円
2023年1月01日~2029年12月31日51,900株509.66円
2018年5月25日~2025年5月31日B種優先株式5,000株848円
2019年6月14日~2026年5月31日C種優先株式9,920株1,008円


ストックオプション(新株予約権)は140,301株が上場時に行使期限を迎えます。※優先株式は除く


発行済株式総数3,580,053株に対する新株予約権の割合は8.11%に相当します。新株予約権による潜在株式数は290,601株です。


POPER(ポパー)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

POPER(ポパー)のIPOは吸収金額が低いため公開価格割れはないと思います。


売上が伸びており、SaaS型のため黒字化目前となっているようです。また売出人にはベンチャーキャピタルが多く懸念材料もあります。


POPER(ポパー)[5134]IPOのまとめ
※ポパー公式サイト引用


目論見によれば2021年10月期の有料契約企業数は944社となっています。2020年10月期が711社なので、創業以来順調に拡大し続けていると言えそうです。


黒字化も近いと思われるため上場時期としては期待できそうです。どうせなら黒字化してから上場したほうが良いと思いますが、大人の事情があるのでしょうか。


情報通信業になるため初動はある程度人気だと思いますが、業績規模が小さく機関投資家からの評価が高いとは言えないでしょう。


上場後は業績規模を拡大させないと投資家も集まらないと思います。公募組は初値売却で利益確定となりそうです。地合いが強ければ1週間くらいは上値が期待できそうですね。


前期売上約4.4億円はショボイです。


SAMURAI FUNDに30万円投資を行うと現金3,000円がキャッシュバックされます。最大10万円となっているため資金が余っていれば面白そうです。


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