ENECHANGE[エネチェンジ](4169)のIPOが東証マザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。
主幹事はみずほ証券が務め公開株数380,000株、オーバーアロットメント57,000株です。上場規模は想定発行価格520円から計算すると約2.27億円になります。
これは爆上げIPOになると思います!ただ当選しにくいだけだと思います。
※エネチェンジ公式サイト引用
日本市場はエネルギー自由化市場としては世界最大規模の電力・ガス市場を有し、近年の電力・ガス自由化、スマートメーターの普及等により競争環境が整備されています。
そこで同社のような企業がそれぞれの強みを生かして事業を行うことが多くなっています。2020年10月16日に上場を行ったアースインフィニティ(7692)は、小売り電気事業やガス小売り事業を行っていました。
類似企業と意識してよさそうです。またアースインフィニティの主幹事は今回と同じくみずほ証券が務めます。公開価格1,970円の初値が10,410円になり、上場規模が6.9億円でした。
ENECHANGE[エネチェンジ]の初値も期待できると思います!
ENECHANGE(4169)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 消費者向けの電力・ガス切り替えプラットフォーム「エネチェンジ 」等の運営を行うエネルギープラットフォーム事業、エネルギー会社等向けのクラウド型DXサービス「EMAP(デジタルマーケティング支援SaaS)」及び「SMAP(スマートメーター活用SaaS)」等の提供を行うエネルギーデータ事業 |
上場日 | 12月23日 |
ブックビルディング期間 | 12月07日~12月11日 |
想定価格 | 520円 |
仮条件 | 520円~600円 |
公開価格 | 600円 |
初値結果 | 2,400円(公開価格4.00倍) |
企業情報 | https://enechange.co.jp/ |
監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額13,920千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限27,268千円と合わせた、手取概算額合計上限41,188千円について、運転資金として充当する予定であります。具体的には、当社グループが展開する2つの事業、(I)エネルギーの自由化領域において消費者向けに電力・ガス等の最適な選択をサポートする「エネルギープラットフォーム事業」と、(II)エネルギーのデジタル化領域において電力・ガス会社向けにクラウド型DXサービスを提供する「エネルギーデータ事業」の事業規模の拡大のため、エンジニア人員や営業人員等の人材採用費、人件費及び人材育成費の一部として、2021年12月期に30,000千円を充当し、残額を2022年12月期に充当する予定です。
上記調達資金につきましては、具体的な支出が発生するまでは安全性の高い金融商品等で運用していく方針
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 50,000株 |
売出株数 | 330,000株 |
公開株数(合計) | 380,000株 |
オーバーアロットメント | 57,000株 |
上場時発行済み株数 | 5,750,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約29.9億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) 大和証券 野村證券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 SMBC日興証券 いちよし証券 SBI証券 マネックス証券 楽天証券 松井証券 |
委託見込 | auカブコム証券 SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
ENECHANGE(4169)上場評判とIPO分析
想定発行価格520円を基に吸収金額を算出すると約1.98億円となり、オーバーアロットメントを含めると約2.27億円規模の上場となります。この規模だと事業内容はあまり関係なく需給がひっ迫するため、初値が高くなると思います!エネチェンジグループは、エネルギー革命の軸となる「エネルギーの4D」、すなわち自由化、デジタル化、脱炭素化、分散化に資する分野を主な事業領域としています。
同社グループは、自由化領域において消費者向けに電力・ガス等の最適な選択をサポートするBtoC型ビジネスである「エネルギープラットフォーム事業」を行います。
また、デジタル化領域において電力・ガス会社向けにクラウド型DXサービスを提供するBtoB型ビジネスである「エネルギーデータ事業」を展開しています。
※有価証券届出書引用
エネルギープラットフォーム事業は、家庭向け顧客に対しては電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジ」、法人向け顧客に対しては電力・ガス切替プラットフォーム「エネチェンジBiz」の2サービスを展開しています。
「エネチェンジ」「エネチェンジBiz」はともに最適な電力・ガス会社等を選択するための比較・診断・切替申込機能を、インターネット上でワンストップにて提供する電力・ガス切替プラットフォームであり、当該サービスを電力の消費者である家庭や法人の顧客に対して無償で提供することで、電力・ガスの切替のデジタルトランスフォーメーションに取り組んでいます。
同社は国内大手の電力・ガス会社との戦略的な業務提携を始めとして、2020年10月末時点において「エネチェンジ」と「エネチェンジBiz」合わせて52社の電力・ガス会社と提携しています。
それら電力・ガス会社とのネットワークにより、価格面での訴求だけではなく、電気・ガスセットでの提供や、「再生可能エネルギー100%の電力プラン」の取り扱いを開始しており、幅広いユーザーのニーズに合わせたサービス展開を行っています。
※有価証券届出書引用
エネルギーデータ事業は、電力・ガス自由化、スマートメーターのデータ解析、再生可能エネルギー発電所の運営効率化等、「エネルギーの4D」の進行に伴い必要となる新たなITシステムを、エネルギー事業者向けにクラウド型で提供しています。
現在は、3サービス(EMAP、SMAP、JEF)を展開しており、これらのサービスは、独自データを活用した電力・ガス業界特化型のシステムを汎用的に展開することに特徴があります。
デジタル化を軸としながらも、「エネチェンジ」「エネチェンジBiz」によって蓄積される大量のユーザーデータを活用した「EMAP」、スマートメーターデータの解析を軸とした「SMAP」、再生可能エネルギー発電所のデータ活用の「JEF」とそれぞれ異なる特徴を有しています。
※有価証券届出書引用
株式会社Looopと東京瓦斯株式会社への売上げが大きいようです。どちらもENECHANGEの株主になっています。
サミットエナジー株式会社は株主ではありませんでした。
ENECHANGE(4169)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第4期 | 第5期 |
決算年月 | 2018年12月 | 2019年12月 |
売上高 | 1,140,739 | 1,268,110 |
経常利益又は経常損失 | 104,924 | △304,907 |
親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失 | 91,102 | △238,375 |
包括利益 | 89,799 | △243,650 |
純資産額 | 586,261 | 342,611 |
総資産額 | 859,504 | 1,073,716 |
1株当たり純資産額 | 107.71 | △154.50 |
1株当たり当期純利益又は当期純損失 | 17.35 | △45.40 |
自己資本比率(%) | 65.8 | 30.6 |
自己資本利益率(%) | 18.0 | – |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 219,577 | △310,049 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △143,590 | △16,868 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 18,329 | △125 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 530,932 | 204,693 |
- 売上高1,252,179千円
- 営業利益82,807千円
- 経常利益59,772千円
- 親会社株主に帰属する四半期純利益37,936千円
同社グループが属する電力業界を取り巻く環境は、2016年4月の電力の小売全面自由化に伴う小売電気事業者の登録事業者数が679事業者(2020年10月01日時点)となり、電力小売事業への参入事業者数が増加しているそうです。
また、一般家庭向けのスイッチング数が1,811万件(2020年9月末時点)を上る等、国全体としては順調に電力の切り替えが進捗しています。
さらに、新型コロナウイルス感染症の流行による社会全体でのDXニーズの高まりにより、オンラインでの切替需要増加、電力ガス事業者からのDXサービスの導入需要増加等、業績にとっては好影響になる要素も多い状況となっているそうです。
ENECHANGE(4169)の株主状況とロックアップについて
会社設立は2015年4月27日、東京都千代田区大手町二丁目6番2号に本社を構えます。社長は城口洋平氏(1987年8月05日まれ)、株式保有率は23.86%(1,879,725株)です。従業員数77人で臨時雇用者0人、平均年齢35.2歳、平均勤続年数1.8年、平均年間給与5,947,345円です。
連結従業員数は90人になり、セグメント別ではエネルギープラットフォーム事業37人、エネルギーデータ事業35人、全社共通18人で臨時雇用者はいません。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
城口 洋平 | 1,879,725株 | 23.86% | ○ |
有田 一平 | 794,379株 | 10.08% | ○ |
植野 泰幸 | 630,000株 | 8.00% | × |
B Dash Fund2号投資事業有限責任組合 | 600,000株 | 7.62% | ○ |
Energy Station Company Limited | 599,850株 | 7.61% | ○ |
株式会社大和証券グループ本社 | 450,000株 | 5.71% | × |
BIG1号投資事業有限責任組合 | 360,000株 | 4.57% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である城口洋平及び当社株主である有田一平は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2021年6月20日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。
当社株主であるEnergy Station Company Limited、株式会社エプコ、大和エナジー・インフラ株式会社、住友商事株式会社、出光興産株式会社、~省略~ 主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年3月22日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。
当社株主であるB Dash Fund2号投資事業有限責任組合、BIG1号投資事業有限責任組合、Spiral Capital Japan Fund 1号投資事業有限責任組合、~省略~ は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2021年3月22日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等を除く)等は行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には90日間(2021年3月22日まで)と180日間(2021年6月20日まで)のロックアップが付与されています。またベンチャーキャピタル等に対しては90日間のロックアップとロックアップ解除倍率1.5倍の設定となっています。
株主数が多いため省略しています。親引けは行われません。
ENECHANGE(4169)IPOの初値予想と幹事引受け株数
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。仮条件範囲が520円~600円に決定し、想定発行価格が下限となり上限方向に広げられました。上場規模が小さいためもう少し上限を引き上げてくると思いましたが、そうではありませんでした。
やはり収益規模と事業内容から思ったほど人気化する感じではないのかもしれません。大手初値予想が低くて投資家がビックリしているかもしれません!
修正値1,300円~1,800円
※注目度B
初値2.3倍を超えると初値持越しの可能性が高いため期待していましたが、もしかすると2.3倍プラス通常の値幅内で初値が付く可能性が出てきました。
この規模で初値持越しできない可能性があることに驚いています。今期で第6期になりますが、まだ一度しか黒字化していないため業績不安もあります。
アースインフィニティ(7692)のように上場直前で初値予想が引上げられるパターンになればよいですが、難しそうですね。
2020年12月の連結業績予想は売上16.66億円で前期比31.4%増、経常利益-900万円で前期-2.38億円から大幅に改善しています。四半期利益は-3,100万円になり、前期-2.38億円からこちらも改善しています。
極論になりますが、IPO組は儲かると思います。当選しにくいIPOであることは間違いないと思いますが、せっかく当選してもそれほど多くの利益を得ることはできないみたいですね。
初値4倍とか5倍とかにはならないようです!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
みずほ証券 | 266,000株 | 70.00% |
大和証券 | 49,400株 | 13.00% |
野村證券 | 19,000株 | 5.00% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 19,000株 | 5.00% |
SMBC日興証券 | 7,600株 | 2.00% |
いちよし証券 | 3,800株 | 1.00% |
SBI証券 | 3,800株 | 1.00% |
マネックス証券 | 3,800株 | 1.00% |
楽天証券 | 3,800株 | 1.00% |
松井証券 | 3,800株 | 1.00% |
みずほ証券が主幹事で株数も少ないことから厳しい戦いとなりそうです。とりあえず申し込みできる証券会社から徹底的に参加しておきましょう!
マネックス証券は完全平等抽選なので押さえておきましょう。
また松井証券も前受け金不要でIPOに参加できるためめんどくさがらずに申込を行っておきましょう。当選すれば大きな利益になることが予想されます!
マネックス証券のIPOルールについて詳しくまとめました。評判が良いことはわかっていますが、完全抽選方式を取り入れているため誰にでも当選チャンスがある証券会社です。当選実績も合わせてご紹介したいと思います。 …
松井証券の幹事引受け数が増加傾向にあり当選者を見かけるようになってきました。IPO抽選ルールが変更され口座数も増えているようですが、なぜ当選できているのか?改めて抽選ルールをまとめてみました。過去に何度か私も当選できてい …
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
カカクコム(2371) | PER44.63倍 | PBR13.91倍 |
じげん(3679) | PER-倍 | PBR3.06倍 |
イノベーション(3970) | PER44.88倍 | PBR4.05倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2017年10月31日~2025年10月30日 | 106,800株 | 200円 |
2018年12月26日~2026年12月25日 | 153,144株 | 800円 |
2017年7月31日~2027年7月31日 | 720,000株 | 820円 |
2019年12月26日~2027年12月25日 | 44,415株 | 1,000円 |
2020年2月06日~2028年2月05日 | 14,112株 | 1,000円 |
2018年9月10日~2028年9月09日 | 420,000株 | 1,027円 |
2018年9月10日~2028年9月09日 | 630,000株 | 1,027円 |
ストックオプション(新株予約権)は全株(2,088,471株)が行使期限に入っています。
新株予約権者の一部には90日間のロックアップ掛けられています。
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ENECHANGE[エネチェンジ]IPOは吸収額が小さいため人気化すると思います。ただし業績が不安定なので初値が高くなるだけかもしれません!あまり期待し過ぎないほうがよいでしょう。
※エネチェンジ公式サイト引用
新型コロナウイルス感染症の影響に関しては、社会全体でのデジタルトランスフォーメーション(DX)への要望の高まりにより、エネルギープラットフォーム事業ではオンラインでの切替需要増加が期待できるそうです。
エネルギーデータ事業では、電力・ガス会社からのDXサービスの導入需要増加等、同社グループの業績にとっては好影響になる要素も多いと考えているそうです。
事業よりも吸収額に魅力があると考えています。DX(デジタルトランスフォーメーション)という言葉が頻繁に出てきますが、DXを意識した買いは少ないかもしれません。
ストック型の報酬形態になるため今後はしっかりした基盤ができるようです。2018年12月期から2019年12月期にかけて、ストック型収益重視の経営方針へと変更したと目論見にあります。
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