ココペリ(4167)のIPOが東証マザーズに新規上場承認されたので詳しくご紹介したいと思います。今回も業績や上場規模などを確認し、IPO抽選に参考になるような情報を評価してみたいと思います。


主幹事は大和証券が務め公開株数1,082,400株、オーバーアロットメント162,300株です。上場規模は想定発行価格1,300円から計算すると約16.2億円になります。


連日上場でもこの程度であれば吸収可能だと思います。


ココペリ(4167)IPO上場承認
※ココペリ公式サイト引用


ココペリは「Big Advance」を主力サービスとし、地域金融機関とパートナーシップを結んで事業展開を行い40社を超える金融機関と連携しています。また会員企業が増加傾向にあり、上場後も市場開拓を進めるそううです。


競合企業が今後増える可能性があるそうですが、全国の金融機関を通じて会員企業を拡大するビジネスモデルは参入障壁が高く、競合企業が簡単に参入することは難しいようです。


収益方法がサブスクリプション型のビジネスモデルになるためIPOでも人気が見込めそうです。公開株数も100万株を超えるため当選狙いで申込を行いたいと思います!


ココペリ(4167)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance」及びAIモジュール「FAI」の開発・提供等
上場日12月18日
ブックビルディング期間12月03日~12月09日
想定価格1,300円
仮条件1,400円~1,600円
公開価格1,600円
初値結果3,610円(公開価格2.26倍)
企業情報https://www.kokopelli-inc.com/
監査人EY新日本有限責任監査法人


【手取金の使途】

手取概算額350,800千円及び「1 新規発行株式」の(注)5に記載の第三者割当増資の手取概算額上限209,690千円については、当社の主力事業である中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance」の機能強化や新機能の開発等を行うにあたり必要となる優秀な人材を確保するため、エンジニア、営業及びカスタマーサクセス等の人件費・採用教育費に504,324千円を充当する予定であります。

なお、残額については将来における事業拡大に寄与する成長資金として充当する方針でありますが、当該内容等について具体的に決定している事項はなく、具体的な資金需要が発生し、支払時期が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数276,000株
売出株数806,400株
公開株数(合計)1,082,400株
オーバーアロットメント162,300株
上場時発行済み株数7,243,380株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約94.2億円
幹事団大和証券(主幹事)
SBI証券
丸三証券
マネックス証券
松井証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


ココペリ(4167)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,300円を基に吸収金額を算出すると約14.1億円となり、オーバーアロットメントを含めると約16.2億円規模の上場となります。


ココペリは、日本全国の地域金融機関と連携し、各金融機関に対してSaaS形式の経営支援プラットフォーム「Big Advance」を主として提供しています。


「Big Advance」は、各金融機関の取引先の中小企業に対して、課題解決や成長支援につながる機能を提供しています。地域金融機関及び中小企業のニーズを汲んだサービスの構築を実現しており、2018年4月の「Big Advance」リリース以降も継続的に金融機関及び中小企業のニーズを収集し、PDCAを回すことで継続的な機能改善及び新機能追加を行っています。


同社では地域金融機関が保有する、取引先に関する各種ビッグデータや、中小企業のソリューション活用の活動ログデータを元にしたAI(人工知能)の研究を行っており、各AIをAPIで利用可能にしたAIモジュール「FAI」を開発しています。


地域金融機関と中小企業の「Face to Face」の信頼感をベースにし、AIモジュール「FAI」などの先進的な「テクノロジー」を融合させてサービスを提供している点が特徴です。


ココペリ(4167)上場評判と業績
※有価証券届出書引用


地域金融機関と連携して地域の中小企業にサービスを提供することにより、経営支援プラットフォームの活用効果を最大化すると同時に、地域金融機関のビジネス変革を支援するソリューションとしても効果を発揮しており、「Big Advance」に参加する全てのステークホルダーがメリットを享受できるWin-Winのビジネスモデルを構築しているそうです。


「Big Advance」では金融機関より、サービス導入時の初期導入費用に加えて、毎月運用・保守費を受領しています。


運用・保守費はサブスクリプション型(継続課金型)であり、金融機関より月額固定形式で受領する収益、金融機関と会員企業との間の月額利用料に対するレベニューシェア方式を採用した収益により構成されています。


ココペリ(4167)IPO会員企業数の推移
※有価証券届出書引用


新規の会員企業の増加に加え、既存の会員企業が継続的に利用し、解約しない限りは、当該利用料が積み上がるストック型の収益モデルであり、新規の会員企業数が解約数を下回らない限り収益は前事業年度を上回ることから、安定的に収益を確保することが可能です。


そして会員企業にサービスを継続利用してもらうことで関係性を深め、アップセル・クロスセルによる更なる収益機会の獲得を見込むことができます。


ココペリ(4167)IPO販売実績
※有価証券届出書引用


「Big Advance」は、中小企業にとって事業及び日常業務の運営に有用な機能が多数搭載されている中で、高価なソフトウェアに対する大きな初期費用をかけずに、月額利用料は3,000円(税抜)と安価な設定にてワンパッケージの機能を提供しています。


そのため、中小企業にとって導入し易い形で業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実施することが可能となっております。


また、サービスは、外部クラウドサーバAmazon Web Services社が提供するサービス(AWS)を利用して提供され、AWSの安定的な稼働が当社の事業運営上、重要な事項となっています。


ココペリ(4167)の企業財務情報と配当性向

回次第12期第13期
決算年月2019年3月2020年3月
売上高185,261413,671
経常損失△98,664△21,462
当期純損失△98,954△21,753
資本金199,450269,455
純資産額126,559244,815
総資産額176,006352,967
1株当たり純資産額△47.29△52.33
1株当たり当期純損失△22.91△5.04
自己資本比率(%)71.969.4
自己資本利益率(%)
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△87,912△12,059
投資活動によるキャッシュ・フロー△12,923△15,817
財務活動によるキャッシュ・フロー25,128162,254
現金及び現金同等物の期末残高115,353249,730
※数値は千円単位



第14期第2四半期累計期間(2020年4月01日~2020年9月30日)
  • 売上高388,172千円
  • 営業利益46,377千円
  • 経常利益46,351千円
  • 四半期純利益40,027千円



【第14期第2期のチェックポイント!】

同社が提供する経営支援プラットフォーム「Big Advance」は、新型コロナウイルス感染症の影響により、金融機関と取引先である中小企業との対面機会が減少している状況においても、チャットでのコミュニケーションやオンラインでのビジネスマッチングの提供が可能であること等から、導入する金融機関数及びその顧客である中小企業の会員企業数は順調に増加しているそうです。


ココペリ(4167)の株主状況とロックアップについて

会社設立は2007年6月11日、東京都千代田区二番町8番地3二番町大沼ビル4階に本社を構えます。社長は近藤繁氏(1978年6月26日まれ)、株式保有率は32.15%(2,450,000株)です。


従業員数37人で臨時雇用者4人、平均年齢35.7歳、平均勤続年数1.9年、平均年間給与5,060,000円です。


セグメントはビジネスプラットフォーム事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
近藤 繁2,450,000株32.15%
AT-Ⅱ投資事業有限責任組合714,000株9.37%
森垣 昭546,000株7.17%
株式会社東広476,000株6.25%
SV-FINTECH1号投資事業有限責任組合424,620株5.57%
FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合392,000株5.14%
近藤 正武280,000株3.67%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ当社の株主である近藤繁、森垣昭、株式会社東広、関根光、近藤俊太郎、株式会社エンライブ ~省略~ 主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目(2021年6月15日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。

また、売出人かつ当社株主であるAT-Ⅱ投資事業有限責任組合、SV-FINTECH1号投資事業有限責任組合、FinTechビジネスイノベーション投資事業有限責任組合、かながわ成長企業支援投資事業組合及び株式会社アドウェイズは、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目(2021年3月17日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及び売却価格が本募集等における発行価格又は売出価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う株式会社東京証券取引所取引での売却等を除く)を行わない旨を合意しております。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2021年6月15日まで)のロックアップが付与されています。また売出人等に対してロックアップ90日間(2021年3月17日)とロックアップ解除倍率1.5倍が設定されています。


新株予約権者の近藤俊太郎氏、関根光氏及びその他21名は、180日目のロックアップにより売却を行わないことになっています。


親引けはありません。


ココペリ(4167)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


直近の業績を確認すると赤字続きで不安でしたが、今期は黒字化するそうです。SaaS関連になり解約率が低いため人気化が予想されます。


来期予想を確認するまでわかりませんが、この調子であれば上場後の業績期待はできると思います。業績規模がまた小さいためその辺りは注意が必要です。


大手初値予想3,300円~3,850円
修正値2,700円~3,300円

※注目度B


金融機関を通じた販売とあって提携企業や会員数の増加が見られます。新規会員企業数が解約数を下回らない限り収益が見込めるため投資家に好まれそうなIPOです。


2021年3月期の業績予想は売上8.88億円で前期比115.0%増、経常利益7,700万円で前期-2,100万円から黒字化します。四半期利益は7,700万円になり前期-2,100万円から完全黒字化のようです!


EPS12.72からPERは125.79倍、BPS148.16からPBR10.80倍になります。株主優待や配当金はありません。


公開価格が1,600円とした場合、ロックアップ1.5倍の2,400円以上になると売却可能になる株主がいます。VC保有株もあることで売り圧力があることは覚えておきましょう。公募組は初値売却でガッポリでしょうね。


幹事名割当株数引受割合
大和証券(主幹事)963,500株89.02%
SBI証券86,500株7.99%
丸三証券10,800株1.00%
マネックス証券10,800株1.00%
松井証券10,800株1.00%


参加しやすいIPOなので全力で抽選に参加できそうです。また大和証券からの申込みを中心に行い、完全平等抽選のマネックス証券からも申込を行っておきたいと思います。公開株数が多くブックビルディングも重なっているため当選が狙えるかもしれません!




さらに前受け金不要で抽選に参加できる松井証券も幹事入りしています。当選報告が度々出ているため忘れないように申し込みを行っておきましょう。


丸三証券も幹事引受けが多くなっています。資金がある方は抽選に参加しておくと当選の期待があると思います。




クラウドファンディングの投資リスクをできるだけ下げるには、上場企業がファンド組成に絡んだ投資だと良いかもしれません。


Funds(ファンズ)の代表である藤田雄一郎氏に直接インタビューを行い、リスクとリターンのバランスだとお答えを頂きました。


確実性を求めた投資を期待している方に良いと思います。融資型クラウドファンディングを取扱う企業の中でも人気が高い企業です。




類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ベネフィット・ワン(2412)PER77.79倍PBR32.54倍
バリューHR(6078)PER51.92倍PBR8.13倍
リログループ(8876)PER71.76倍PBR9.02倍
※2020年12月02日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2016年7月01日~2024年6月30日56,000株8円
2017年5月01日~2025年4月30日364,000株22円
2019年6月01日~2027年5月31日49,000株129円
2020年1月01日~2027年12月31日17,500株129円
2020年11月01日~2028年10月31日29,400株211円
2021年5月01日~2029年4月30日38,850株211円
2021年12月17日~2029年12月16日9,870株363円
2022年3月01日~2030年2月28日79,100株363円


ストックオプション(新株予約権)は515,900株が行使期限に入ります。また新株予約権者にもロックアップ180日間が適用されるため多くの方は売却できないと思います。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも6年目突入!安定の利益でブログも15年目に突入。


ココペリ(4167)IPOの評価と申し込みスタンス

ココペリIPOは人気が見込めそうです。目論見によれば2018年9月~2020年9月の年平均成長率が305%となっています。


会員企業数は2020年9月末で27,914社となっています。かなり勢いが感じられるため初値も高くなると予想します。


ココペリ(4167)IPOの評価
※ココペリ公式サイト引用


主力サービス「Big Advance」の商標権は、横浜信用金庫と共同で保有しています。関係性は良好で現時点で特段の懸念事項等は生じていません。そのため、今後も経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性は極めて小さいそうです。


全国の地域金融機関とパートナーシップを結び展開する日本で最も裾野の広い中小企業向け経営支援プラットフォームだと自社で判断しているようです。


ビジネス的には金融機関が中小企業の窓口となることが予想され、提携企業が今後も増え続ける可能性を秘めています。日本の中小企業は企業全体の99.7%と言われているため、今後もサービス利用企業が増えると思います。


金融機関が窓口となるビジネススタイルが信用をさらに高めそうです。「Big Advance」はビジネスマッチングや福利厚生、ホームページ自動作成、補助金・助成金、ビジネスチャットなどを行えるサービスです。


IPOでも人気がありそうなので大きな利益が狙えそうですね!

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