ヤマイチエステート(2984)IPOが東証2部に新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。


主幹事は大和証券が務め公開株数2,300,000株、オーバーアロットメント345,000株です。上場規模は想定発行価格950円から計算すると約25.1億円になります。


ヤマイチエステートIPO上場承認と初値予想


2020年3月に上場した東証2部銘柄はウィルテック(7087)、木村工機(6231)、日本インシュレーション(5368)、リバーホールディングス(5690)の4銘柄になります。またバリオセキュアが上場中止を発表しました。


上場した3銘柄が公開価格割れ、そして1社が公開価格同値となる大惨事です。新型肺炎の影響により市場が悪化すればするほど需要がなくなり今回も厳しい戦いが予想されます。


しかもありふれた不動産業を手掛け、本社が和歌山県和歌山市になっており首都圏ではありません。直近の業績は良さそうですが上場市場の流動性を考えると初値買いする投資家は少ないでしょう。


上場時期が今回のように悪くなくてもあまり人気があるIPOではないと考えています。


ヤマイチエステート(2984)IPOの上場基本データと引受幹事

項目上場基本データ
市場東証2部
業種不動産業
事業内容不動産の開発、売買、賃貸、管理及び仲介業
上場日上場中止
ブックビルディング期間4月13日~4月17日
想定価格950円
仮条件4月09日
公開価格4月20日
企業情報https://www.yg801.jp/
監査人仰星監査法人


【手取金の使途】

手取概算額1,738,500千円及び「1 新規発行株式」の(注)5に記載の第三者割当増資の手取概算額上限301,168千円については、不動産開発・販売セグメントにおける販売用不動産の取得及び開発に係る運転資金として2021年3月期に充当する予定であります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



項目株数データ
公募株数2,000,000株
売出株数300,000株
公開株数(合計)2,300,000株
オーバーアロットメント345,000株
上場時発行済み株数7,326,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約69.6億円
幹事団大和証券(主幹事)
SMBC日興証券
SBI証券
エース証券
委託見込SBIネオトレード証券
DMM.com証券


ヤマイチエステート(2984)上場評判とIPO分析

想定発行価格950円を基に吸収金額を算出すると約21.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約25.1億円規模の上場となります。東証2部上場にしては上場規模が大きいため公開価格割れ懸念があります。


グループ企業は同社と連結子会社の合計3社で構成され「不動産開発・賃貸事業」「不動産開発・販売事業」「マンション事業」「その他の事業」の4事業を展開しています。


不動産関連領域において不動産仕入から商品化、賃貸又は販売、管理業務等の関連サービスをワンストップで提供することを特徴としています。特に商業用地や住宅用地等の開発業務において、顧客ニーズ又は不動産物件の特性に応じたソリューションや多様な出口戦略の提供により、競合する事業者との差別化を図っているそうです。


不動産開発・賃貸事業は、収益不動産の開発・取得及び賃貸を行う事業であり、主力である商業施設(主に事業用地)のほか、オフィスビル、共同住宅、駐車場等の賃貸により賃貸料収入を受領しています。


賃貸に供する収益不動産の選定については長期保有を原則とし、短期的な地価変動は重視せず物件が生み出す長期的なキャッシュフローを重視した選定を行っています。


また長期的視点での用途変更(一定期間賃貸後に住宅・マンションとして開発分譲等)も視野に入れた展開も検討しています。収益不動産物件の保有については自社保有を基本方針とし、物件規模等に応じ地主より賃借した上でテナント企業に転貸するサブリース形態も展開しています。


当該事業は主に近畿圏を中心とした展開になり、近年において東海・関東地方における物件取得を実施し、今後人口の集中する首都圏や有力な地方都市におけるエリア拡大を目指すそうです。


ヤマイチエステート上場評判と業績


不動産開発・販売事業は、主に住宅用地等の開発及び分譲販売並びに戸建住宅にかかる一般建築請負を行う事業です。


住宅用地開発については、独自の土地情報ネットワークを活用した開発用地を取得するとともに、開発物件ごとの立地や地域特性を考慮した開発を志向しており、自社企画及び外注活用による宅地プランニング・開発許可取得・造成工事等により分譲物件としての開発を行っています。


住宅用地にかかる分譲販売は建築条件付販売を基本としており、自社営業で住宅建築請負と併せて展開しています。また自社開発物件等の一部は、地域特性に応じて建築条件を付さない形態での販売を行っています。さらに顧客ニーズに応じて自社物件以外の不動産仲介も行っているそうです。


ヤマイチエステートIPO事業系統図


マンション事業は、主にファミリー層向け分譲マンションの企画開発及び分譲販売を行う事業です。当該事業は子会社のユニハイムエステートが展開し、自社ブランドの「ユニハイム」「ユニハイムエクシア」を中心として展開しています。


マンション用地の取得は、設計会社や仲介業者からの情報提供によるものを主としており、グループ内の担当者間で日常的に不動産情報を共有し幅広い情報取得と情報数の確保に努めているそうです。


物件開発においては同社グループにおける開発企画、設計及び建築・施工は外注活用で行っており、販売活動については販売代理業者を活用することにより物件の地域性や特徴に応じた販売活動を展開しています。


ヤマイチエステートIPOセグメント別販売実績


その他の事業は、子会社のウェルネス・コートが展開しており、高齢者(シニア)向けマンションの賃貸・分譲・管理運営、訪問介護や居宅介護支援サービス、和食飲食店の運営及び温泉施設運営等を行っています。


また不動産関連ビジネスに付随して損害保険代理店業や不動産管理業を行うほか、保有地にて太陽光発電による売電事業を展開しています。


同社グループでは権利関係の複雑な案件や他社では活用が難しい案件など、これまで様々な不動産案件を手掛けてきたことから、不動産仲介業者からの情報提供だけでなく、直接の土地利用者や地権者など様々なルートで不動産情報が提供される情報ネットワークを有している特徴や強みがあるそうです。


ヤマイチエステート(2984)の企業財務情報と配当性向

回次第29期第30期
決算年月2018年3月2019年3月
売上高7,700,10315,525,347
経常利益420,504655,272
親会社株主に帰属する当期純利益312,813496,564
包括利益311,502487,628
純資産額3,979,5234,467,152
総資産額33,260,60132,609,841
1株当たり純資産額747.19838.74
1株当たり当期純利益金額58.7393.23
自己資本比率(%)11.9613.70
自己資本利益率(%)8.1811.76
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△3,229,6153,197,781
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,023,517△259,377
財務活動によるキャッシュ・フロー4,347,715△2,014,494
現金及び現金同等物の期末残高1,262,5452,186,455
※数値は千円単位


第31期第3四半期連結累計期間(2019年4月01日~2019年12月31日)
  • 売上高10,093,575千円
  • 営業利益1,601,089千円
  • 経常利益1,330,155千円
  • 親会社株主に帰属する四半期純利益904,912千円


【ヤマイチエステートIPOの第31期第3四半期連結累計期間のチェックポイント!】

2019年10月からの消費増税の影響で一時的に業績が落ち込みましたが、経済社会構造の変化に伴う国内需要の強さに支えられ緩やかな景気回復が続いているそうです。関西の不動産業界ではホテル用地需要が一服し、大阪市内を中心に住居用の開発案件が盛り返しつつあるようです。

このような事業環境の下、分譲マンションや戸建て住宅の契約販売が順調に進捗し不動産賃貸収益も堅調に推移しているようです。


ヤマイチエステート(2984)の株主状況とロックアップについて

会社設立は1989年6月12日、和歌山県和歌山市中之島1518番地 中之島801ビル5階に本社を構えます。社長は山田茂氏(1957年8月21日生まれ)、株式保有率は54.86%(2,989,800株)です。


従業員数53人で臨時雇用者5人、平均年齢39.5歳、平均勤続年数4.6歳、平均年間給与4,516,000円です。


連結従業員数は95人で臨時雇用者47人、セグメント別従業員数は不動産開発・賃貸事業10人、不動産開発・販売事業34人(臨時4人)、マンション事業13人(臨時1人)、その他事業17人(臨時39人)、全社共通21人(臨時3人)となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
山田 茂2,989,800株54.86%
Ys’ Assortment合同会社1,500,000株27.52%
ウィル・アセット株式会社500,000株9.17%
堂村 眞由美266,200株4.88%
大橋 一寛20,000株0.37%
國定 主征20,000株0.37%
山田 富雄20,000株0.37%
※株主上位7名の状況


【ロックアップについて】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人である山田茂並びに当社の株主であるYs’ Assortment合同会社、ウィル・アセット株式会社、堂村眞由美、大橋一寛、國定主征、山田富雄、長束友紀子、山田香代、楠本義之及び山本智也は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(2020年10月24日)までの期間、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等を行わない旨を合意しております。

上記180日間のロックアップ期間終了後には上記取引が可能となりますが、当該取引が行われた場合には、当社普通株式の市場価格に影響が及ぶ可能性があります。

※有価証券届出書(新規公開時)引用



上位株主には180日間(2020年10月24日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にないため180日間は売却することが基本的にできません。


親引けは50,000株を上限とし従業員への福利厚生等を目的として行われます。


ヤマイチエステート(2984)IPOの初値予想と幹事引受け株数

大手初値予想は後日記載します。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


※上場中止になったため業績分析と初値予想は再承認時に行いたいと思います


幹事名配分単位引受割合
大和証券(主幹事)2,185,000株95.00%
SMBC日興証券69,000株3.00%
SBI証券23,000株1.00%
エース証券23,000株1.00%


東証2部の不動産業はあまり人気があると言えないことから積極的な投資は行わない個人投資家が多いと思います。今回は上場規模も大きいですし、株数も多く現在の地合いでは吸収することが難しいと考えています。


上場日前後の地合いが現在よりも改善していればゴールデンウィーク前の「イベント」として買われる可能性があります。不確実性が高いためスルーする投資家が現実には多そうです。


当選狙いだと大和証券からの申し込みが有効でしょう。SMBC日興証券からの抽選申込みは当選後にキャンセルすると1ヶ月IPO抽選に参加できないため当選しやすいかもしれません。5月はIPOが途切れる傾向にあるため1ヶ月間申込できなくても影響はあまりなさそうです。


SMBC日興証券のIPO抽選ルールは下記でまとめてみました。ステージ制もあるためこれからIPO抽選に申込む方は当選しやすいでしょう。口座開設でブロンズステージになります。




これからIPO投資を行いたいと考えている方は下記記事が参考になります。地合いが悪いため前受け金不要の証券会社からIPO抽選に参加してみると良いと思います。資金拘束がないため楽です。




IPO投資は全滅状態ですが為替がかなり動いているため利益を出されている投資家もいるようです!FX投資はレバレッジを効かせることができるため小額から投資ができます。


DMM FXだとAmazonギフト券4,000円分が当サイト特典で付いています。1LOT取引なので超簡単なキャンペーンです。ドル円のスプレッドが0.2銭(pips)なので即反対売買だと20円のコストで済みます。


自動売買だとトライオートFXも人気です。1,000通貨単位の取引ができるため資金が少なくて済みます。実際に取引を行ってみたので下記記事が参考になると思います。タイアップ特典も期間限定で付いています!




現在取引しているFX企業で約定に不満があればFXプライム byGMOがお勧めです。特に約定力に自信を持っている企業なので相場が急変した場合で取引できる環境にあります。スキャルピングOKの企業です。こちらもタイアップ特典が付いています。




自動売買が嫌いなタイプの方はDMM FXやFXプライム byGMOがお勧めです。ドル円も大きく動いているためタイミングによっては大きな利益を得ることができそうです。


FXは取引通貨によってスワップ金利を受け取ることもできるため色んな手法が存在します。初心者の方は注文方法をまず覚えることでリスク回避できると思います。


IPOが低迷中なので他の利益を考えないといけませんよね。


類似企業のPERやPBRを調べてみました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
ウィル(3241)PER6.46倍PBR0.94倍
リーガル不動産(3497)PER3.27倍PBR0.64倍
日本エスコン(8892)PER4.8倍PBR1.22倍
※2020年4月09日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2021年3月29日~2029年3月28日124,000株260円


ストックオプション(新株予約権)を確認すると上場時点で行使期限を迎えている株はありません。


ベンチャーキャピタル出資もないことから公開株式以外の株流通の可能性は低いようです。


ツイッターでもIPO記事のチェックができます!

最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。


ヤマイチエステート(2984)IPOの評価と申し込みスタンス

ヤマイチエステートIPOはパスしてよいと考えています。仮条件や配当金の状況によると思いますが東証2部IPOは参戦しなくてもよいでしょう。負ける可能性が高い現状で無理に参戦する必要はありません!


人気とみられるIPOが次々と公開価格割れしているためしばらくIPO投資をお休みしてもよいでしょう。


ヤマイチエステートIPOの評価


目論見には「景気の急速な悪化や個人消費の冷え込み、大幅な金利上昇、不動産需給の悪化、住宅税制の変更」などが生じた場合に業績に影響があると書かれています。


多くの企業で似たような事が書かれていますが、今回のコロナショックは相当幅広い業種に打撃を与えると考えられます。投資家の投資意欲も減退し、市場で行われるイベントも自粛、それどころか都市の封鎖なども検討されています。


まずい方向にどんどん向かっているように思います。この状況が長引くと商業施設やオフィスビル物件のテナント撤退なども起きてくるでしょう。もしかすると賃貸不動産の稼働率低下も起きる可能性があります。


また事業の一部に高齢者向けマンションや高齢者介護事業、高齢者福祉事業等を手掛けているため新型コロナウイルス感染症についても心配な部分があります。売上的にはファミリー層向け分譲マンションの「マンション事業」が大きいようです。


建設コストの増加や都市部における用地取得の競争激化により不動産価格が上昇し、一般顧客層への販売価格が高止まりしている中で東京オリンピック・パラリンピックの延期なども悪材料です。


それと現状でITツールやクラウドサービスの導入は行っていないようなので昔ながらの企業体質のようです。

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