アルマード(4932)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。
主幹事は野村証券が引受け売出株中心の上場になっています。売出人がベンチャーキャピタルになっていることからIPO投資としては人気があまりないでしょう。
上場規模は約99.8億円で公開株数5,400,000株、オーバーアロットメント810,000株になります。この地合いで大丈夫なのか未知数ですね。
2019年で行くと新日本製薬(4931)みたいな感じですね。ただ既存株主に大きな違いがあります。
アルマードの主要売上はTVショッピング販売とOEM商品販売になります。また自社で製品を作っているわけではなく製造を外部委託しています。自社ECサイトでの販売よりもこの2つの販売方法での売り上げが高くなっているようです。
国内景気に左右されるところはあると思いますが、既に利用している方は余程のことがないかぎり利用を続けることでしょう。
2021年5月21日に東京証券取引所から再承認が発表されました。そのため新しく記事を書きなおしているので下記記事を参考にして頂けたらと思います。
【再承認】アルマード(4932)IPOの初値予想と上場データ
アルマード(4932)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | 化学 |
事業内容 | 卵殻膜原料を活用した化粧品・健康食品の販売 |
上場日 | 上場中止 |
ブックビルディング期間 | 3月23日~3月27日 |
想定価格 | 1,620円 |
仮条件 | 3月18日 |
公開価格 | 3月30日 |
企業情報 | https://www.almado.co.jp/ |
監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額66,125千円については、運転資金として①海外販売に係る事業資金として64,000千円を充当し、残額は②全社広告、ブランディング費用に充当する予定であります。具体的には、以下のとおりであります。
①海外販売に係る事業資金
当社は、新規の顧客獲得のために、海外での化粧品・健康食品のECを中心とした販路拡大を検討しており、2020年3月期に台湾での取組みを始めております。台湾での更なる販売拡大に係る事業資金として64,000千円を2021年3月期に充当予定であります。
②全社広告、ブランディング費用
「アルマード」「卵殻膜」「Ⅲ型コラーゲン」の認知度向上及びブランドイメージの確立のため、広告展開を強化する必要があると当社は考えており、雑誌広告やデジタルサイネージ等を用いた積極的な広告展開により、顧客獲得効率の向上及び規模の拡大に取り組んでまいります。
また当社ブランドイメージの確立のため、ウェブデザイン、商品パッケージリニューアルなどのビジュアル面や、広告・PR等における発信メッセージ等を通じて、イメージ形成を推進してまいります。上記を目的に全社広告、ブランディング費用として充当予定であります。
※なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 50,000株 |
売出株数 | 5,350,000株 |
公開株数(合計) | 5,400,000株 |
オーバーアロットメント | 810,000株 |
上場時発行済み株数 | 12,000,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約194.4億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) みずほ証券 SMBC日興証券 マネックス証券 ←完全平等抽選 岡三証券 いちよし証券 エース証券 東海東京証券 |
委託見込 | 岡三オンライン証券 SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
アルマード(4932)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,620円を基に吸収金額を算出すると約87.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約99.8億円規模の上場となります。VCのために上場するようなものですから個人投資家には人気がないと思います。同社は今後、先進諸国で深刻な社会問題となる高齢化社会到来に対して「卵殻膜」という素材の持つ美容・健康効果を科学的に解明しながら、卵殻膜商材をより安心・安全・低価格にて市場に供給する事でアンチエイジングの側面から社会貢献を果たすべく事業を展開していくそうです。
卵殻膜とは鶏卵の殻の内側にある薄い膜で、シスチンを含む18種類のアミノ酸、プロテオグリカン、ヒアルロン酸等で構成されており「美容・健康成分」が含まれています。
バクテリアなどの外敵から卵の中のひなを保護するためのバリアとして機能する他、卵が落下した場合などの物理的なダメージにも耐えられるよう、強固な繊維状のメッシュ構造をしているそうです。また酸素を透過させ水分を保有する力もあるそうです。
卵殻膜は設立より以前から食品及び化粧品の原料として既に流通していましたが、天然素材であるがゆえに品質面でばらつきがあります。
また加工コストも非常に高く、その効果を科学的に立証できる研究も十分になされていなかったため、一般に広く受容されるレベルの卵殻膜製品を流通させるのが困難な状況にありました。
しかし同社創業者である長谷部由紀夫が中心となり、大学や他企業等の外部機関との研究開発活動を進め、品質面やコスト面での課題を解決する独自の卵殻膜原料の加工技術を開発したそうです。
創業来19年間蓄積をしてきた卵殻膜に関する技術・知見の一部は、特許として出願しており他社と比較して多くの卵殻膜関連特許を有しています。
同社は卵殻膜原料を活用した食品及び化粧品の製造販売を単一事業として行っています。食品及び化粧品の製造はすべて外注先に委託をしています。したがって同社事業は「卵殻膜ヘルスケア事業」の単一セグメントであり販売チャネル別の売上げが存在します。
TVショッピング専門チャンネルであるQVCテレビショッピングにおいて、企画・開発した卵殻膜食品及び卵殻膜化粧品をTV放送を通じて視聴者に紹介し、QVCジャパンが受注した数量をQVCに納品し、QVCが顧客に出荷するという販売を行っています。主要商品としては化粧品のOdeシリーズ、健康食品のTO-Ⅱ等です。
OEM製品の販売では取引先と共同で製品仕様を決定し、取引先からの注文に基づき製造委託先にて製品製造を行い、取引先へ販売するビジネスモデルです。これらOEM製品は取引先の製品ブランドとして消費者に販売されています。
卸販売(一般流通)では同社が企画・開発した製品を、ドラッグストアを中心とした量販店、理美容室及び他社通信販売業者等に卸売販売をする形態です。主要商品としてはⅢ型ビューティードリンク、Ⅲ型サプリメント等があります。
自社直接販売では自社ECサイト、他社ECサイト等を通じて同社が最終消費者から直接注文を受け製品を配送する販売を行っています。
主要商品としては化粧品のCELLULAシリーズ等があります。2018年4月に自社ECサイトを通じた定期購買サービスを開始して以降、定期顧客会員数は着実に増加し2019年12月末時点で会員数は3万7千人に達しているそうです。
アルマード(4932)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第18期 | 第19期 |
決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 |
売上高 | 2,753,920 | 3,788,675 |
経常利益 | 562,819 | 456,754 |
当期純利益 | 205,063 | 333,667 |
資本金 | 60,000 | 60,000 |
純資産額 | 1,417,300 | 1,297,611 |
総資産額 | 2,309,009 | 2,056,933 |
1株当たり純資産額 | 141.31 | 129.37 |
1株当たり当期純利益金額 | 23.37 | 33.27 |
自己資本比率(%) | 61.38 | 63.08 |
自己資本利益率(%) | 19.30 | 24.58 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | 193.4 | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △8,088 | 117,166 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △34,085 | △1,147 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 755,822 | △514,506 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 987,760 | 589,273 |
- 売上高4,506,914千円
- 営業利益865,639千円
- 経常利益863,543千円
- 四半期純利益564,850千円
国内化粧品市場は、国内景気が緩やかな回復基調が継続したことや訪日外国人によるインバウンド需要もあり、堅調に推移しました。また健康食品市場につきましても、中高年齢層を中心とした健康の維持、増進、美容への意識の高まりを背景に化粧品市場同様に堅調に推移しています。
こうした市場環境の中で独自の技術を使って製造した卵殻膜を主原料とした化粧品・サプリメントの研究開発、企画、販売を展開しています。事業の成長性に応じたリソース配分の適正化や社内体制の再構築を進め経営効率の改善に努めています。消費税の影響はあまり受けていないようですね。
アルマード(4932)の株主状況とロックアップについて
会社設立は2000年10月18日、 東京都中央区京橋三丁目6番18号に本社を構えます。社長は荒西俊和氏(1976年9月10日生まれ)、株式保有率は0%です。従業員数30人で臨時雇用者2人、平均年齢43.3歳、平均勤続年数4.5年、平均年間給与5,789,819円です。部門別の従業員数は営業部門17人(臨時2人)、企画・製造部門4人、管理企画部門9人になります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
アント・ブリッジ4号A投資事業有限責任組合 | 6,870,000株 | 66.42% | ○ |
株式会社DALMA | 1,540,000株 | 14.89% | ○ |
鈴江 由美 | 500,000株 | 4.83% | – |
グリーンコア株式会社 | 500,000株 | 4.83% | ○ |
CBC株式会社 | 200,000株 | 1.93% | ○ |
みずほ成長支援投資事業有限責任組合 | 150,000株 | 1.45% | × |
株式会社ヒト・コミュニケーションズ | 100,000株 | 0.97% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人及び貸株人であるアント・ブリッジ4号A投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2020年7月06日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること及びその売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く)は行わない旨合意しております。
加えて、売出人である鈴江由美及びグリーンコア株式会社並びに当社株主である株式会社DALMA、CBC株式会社、株式会社ヒト・コミュニケーションズ並びに当社新株予約権者である保科史朗 ~省略~ 大西隆晴は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後90日目の2020年7月06日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却等は行わない旨合意しております。
アルマード従業員持株会は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日後180日目の2020年10月04日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには当社株式の売却等を行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
売出人のアント・ブリッジ4号A投資事業有限責任組合には90日間(2020年7月06日まで)のロックアップが付与され、ロックアップ解除倍率1.5倍の設定が定められています。
また、その他の株主には90日間のロックアップ、アルマード従業員持株会に対しては180日間(2020年10月04日)のロックアップがそれぞれ定められています。
親引けは取得金額15,000千円に相当する株式数を上限として福利厚生を目的に行われる予定です。
アルマード(4932)IPOの初値予想と幹事引受け株数
後日記載します。PERやPBR、類似企業なども後日追記します。※上場中止になったため業績分析と初値予想は再承認時に行いたいと思います。
幹事名 | 配分単位 | 引受割合 |
野村證券(主幹事) | 4,860,000株 | 90.00% |
みずほ証券 | 161,500株 | 2.99% |
SMBC日興証券 | 81,500株 | 1.51% |
マネックス証券 | 54,000株 | 1.00% |
岡三証券 | 54,000株 | 1.00% |
いちよし証券 | 40,500株 | 0.75% |
エース証券 | 40,500株 | 0.75% |
東海東京証券 | 40,500株 | 0.75% |
現在の地合いからして積極的なブックビルディングは行わないと思います。マザーズ上場で100億円規模の上場は難しいでしょう。しかもVC売出しなので業績が良くても買い需要が見込めません。
日経平均が高値を狙っている状態であれば積極的に参加すると思いますが、上場日の2020年4月08日の地合いはどうでしょうか。新型肺炎が治まっていることを願いますが難しい気がします。
当選を狙うなら野村證券とマネックス証券でしょう。マネックス証券は引受けた株数を全て抽選に回すため個人投資家の当選確率が高くなると思います。
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しばらく前に初めて投資を行ったファンドが無事償還されました。これで利益と元金を全て回収できています!投資金は再投資に回したいと思います。
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
ファンケル(4921) | PER27.67倍 | PBR4.27倍 |
シーボン(4926) | PER-倍 | PBR0.91倍 |
新日本製薬(4931) | PER10倍 | PBR1.58倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2017年3月24日~2025年3月23日 | 310,000株 | 205円 |
2017年12月08日~2025年12月07日 | 4,000株 | 205円 |
ストックオプション(新株予約権)は314,000株存在し全ての株が行使期限を迎えています。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。アルマード(4932)IPOの評価と申し込みスタンス
アルマードIPOはとりあえず様子見を行いたいと思います。選ばれるIPOとは思えないため大手企業から発表される情報を確認してみたいと思います。直近の業績は増収増益となっているため業績面の不安はなさそうです。しかも今期は業績の伸びが素晴らしいと感じます。それでも地合いが気になりますよね。
独自技術を活かした卵殻膜を主原料とした化粧品や健康食品で絞った場合、競合する企業は少ないと思いますが、需要面も気になります。業績が伸びていることで人気はあると思われ、競合商品と差別化は出来ていそうです。
上場で得た資金を使って台湾で販売拡大を狙うようです。台湾市場は日本の化粧品業界が進出している地域(国)ですよね。日本ブランドで攻めの姿勢でしょうか。
新日本製薬も上場後にCMを大々的に流すようになり、アルマードも知名度を引き上げるため広告展開を行う意向があるようです。
企業価値や製品などよりも既存株主の売出株となっているあたりが問題のIPOだと思います。上場規模が半分以下であれば好感が持てますが流石に100億は無理じゃないかな?と経験から感じています。
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