ゼネテック(4492)IPOが東証JASDAQに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。
主幹事はみずほ証券が務め公開株数441,300株、オーバーアロットメント66,100株です。上場規模は想定発行価格1,700円から計算すると約8.6億円となります。上場規模が小さく組込みソフトウェア等を行うため初値2倍超えが狙えそうですね。
ソフトウェアとハードウェアの一体型システム開発力を強みを持つ企業になり、オートモーティブやデジタル家電などの分野を主力にし確実に成長しています。
さらにソフトとハードの開発力により独自の製造業向けIoTソリューションを開発し、新しいビジネスモデル開拓にも挑戦している企業です。
ゼネテック(4492)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | JASDAQスタンダード |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 組込みソフトウェア及びハードウェアのシステム受託開発、製造業を中心とするエンジニアリングソリューションの提供 |
公開予定 | 3月19日 |
ブックビルディング期間 | 3月03日~3月09日 |
想定価格 | 1,700円 |
仮条件 | 1,600円~1,700円 |
公開価格 | 3月10日 |
企業情報 | https://www.genetec.co.jp/ |
監査人 | 太陽有限責任監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額483百万円のうち431百万円を運転資金に充当する予定であり具体的には以下のとおりであります。
①当社グループが培ってきたシステム開発力、販売力を活かし製造業の変革、デジタルトランスフォーメーションの推進に向けた新製品・サービスソリューションを開発するための開発費用や展示会出展費用等の広告宣伝費として186百万円を充当いたします。
②既存事業であるシステム受託開発事業においては、優秀なエンジニアを確保するための採用費およびエンジニアの教育訓練費に183百万円を充当いたします。
③また、エンジニアリングソリューション事業につきましては、販売代理店のトレーニング強化に要する費用および取扱商品に係るマーケティング強化のための費用として62百万円を充当いたします。
※残額については、借入金の返済及び社債の期日前償還原資として2021年3月期に充当する予定
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 312,000株 |
売出株数 | 129,300株 |
公開株数(合計) | 441,300株 |
オーバーアロットメント | 66,100株 |
上場時発行済み株数 | 1,920,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約32.6億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) 岡三証券 いちよし証券 SBI証券 マネックス証券 ←完全平等抽選 |
委託見込 | 岡三オンライン証券 DMM.com証券 |
ゼネテック(4492)上場評判とIPO分析
想定発行価格1,700円を基に吸収金額を算出すると約7.5億円となり、オーバーアロットメントを含めると約8.6億円規模の上場となります。IPOでは人気の業種になり上場規模も小さいため大きな利益が狙えそうです!グループ企業は同社と子会社1社により構成され「システム受託開発事業」「エンジニアリングソリューション事業」を主たる事業としています。
システム受託開発事業は1985年7月に設立以来、移動体通信機分野(ポケットベル、携帯電話、PHSなど)の各種情報端末、自動車関連(カーナビ、カーオーディオ、インフォテインメント)の組込みシステム設計開発をコア事業として発展してきたそうです。
カーエレクトロニクス全般、デジタル情報家電、半導体製造装置分野などの組込みシステムに係るソフトウェア開発およびハードウェア開発において、長年培ってきた受託開発ノウハウを駆使し、仕様分析・検討、基本設計から製造までシステムの一括受託開発を行っています。
今後は特に、モビリティ分野の自動運転システム、安全運転アシストシステム、インフォテインメントシステムなどの成長が期待されています。
また各種制御系機器のインテリジェント化やデータ収集ニーズに伴う各種センサーの情報を取りまとめるエッジコンピュータやゲートウェイの需要なども成長が期待され、製造業分野でIoT関連の需要が大きく高まっていくと予測されています。
ただしソフトウェア専業開発と異なり、組み込みシステム開発にはハードウェア制御の知識が必須です。
そのため製品の性格上、ソフトウェア開発と比べて非常に厳しい品質確保が要求されるものになり、この領域は同社の強みであるソフトウェアとハードウェアの一体型システム開発力および通信・ネットワーク分野の開発技術力を活かせる分野になるそうです。
エンジニアリングソリューション事業は、「製造業向け3次元CAD/CAMソリューション」「ロボットティーチングシステム」「工場・物流・マテハン3Dシミュレーションシステム」について、輸入販売、導入・技術支援、サポート、教育・研修などのソリューションサービス事業を行っています。
今後、飛躍的な成長が見込まれる製造業向けIoT分野において、創立来34年間のシステム開発で培ってきた通信・制御・センサーデバイス、ネットワーク、クラウド技術をベースにしたモニタリングプラットフォーム「Surve-i」を自社開発し、製造機械・設備の稼働監視システムや防犯・災害対策用遠隔カメラ監視ソリューションとして販売しています。
製造業向け3次元CAD/CAMソリューションの主力製品「Mastercam」はCADで設計された製品や部品に対し、工具や切削方法といったNC工作機械で加工するための様々な情報を付加し、工作機械を制御する数値データに変換するCAMソフトウェアです。
その他事業は、緊急地震速報の受信と同時に、事前に合意登録されている家族の最新の居場所が自動配信され、お互いの安否が把握できるスマートフォン用防災アプリの災害時位置情報自動通知システム「ココダヨ」を提供しています。
2018年9月より株式会社NTTドコモの提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スゴ得」に採用されています。また2019年8月からはKDDI株式会社の提供するコンテンツプロバイダー向けサービス「スマートパス」にも採用されています。
取引先大手にはパナソニックの名前があります。
ゼネテック(4492)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第33期 | 第34期 |
決算年月 | 2018年3月 | 2019年3月 |
売上高 | 4,004,951 | 4,482,808 |
経常利益 | 134,639 | 275,877 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 83,628 | 179,516 |
包括利益 | 85,256 | 178,144 |
純資産額 | 770,117 | 943,033 |
総資産額 | 2,188,470 | 2,217,877 |
1株当たり純資産額 | 515.47 | 631.21 |
1株当たり当期純利益金額 | 55.98 | 120.16 |
自己資本比率(%) | 35.19 | 42.52 |
自己資本利益率(%) | 11.45 | 20.96 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | △14,628 | 227,849 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △25,278 | △103,247 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 93,310 | △168,613 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 495,589 | 451,578 |
- 売上高3,385百万円
- 営業利益152百万円
- 経常利益153百万円
- 親会社株主に帰属する四半期純利益100百万円
今期売上高は前連結会計年度に引き続き、オートモーティブ分野を中心としたシステム受託開発事業および3次元CAD/CAMシステム「Mastercam」の販売・サポートを中心としたエンジニアソリューション事業が堅調に推移しました。
「Mastercam」はライセンスの販売だけではなく、メンテナンスやサポート、トレーニングなどの関連サービスもバランスよく伸びています。その他のソリューションソフトウェアも堅調に推移し、新発売の「FlexSim」も少しずつ実績が上がっています。
ゼネテック(4492)の株主状況とロックアップについて
会社設立は1985年7月01日、東京都新宿区新宿二丁目19番1号に本社を構えます。社長は上野憲二氏(1950年8月01日生まれ)、株式保有率は41.85%(673,000株)です。従業員数244人で臨時雇用者9人、平均年齢39.4歳、平均勤続年数7.1年、平均年間給与5,283,575円です。連結従業員数は246人で臨時雇用者9人です。
連結のセグメント別人数はシステム受託開発事業175人、エンジニアリングソリューション事業45人、その他9人、全社共通17人となっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
上野 憲二 | 673,000株 | 41.85% | ○ |
上野 大輔 | 348,000株 | 21.64% | ○ |
山田 陽國 | 162,000株 | 10.07% | ○ |
ゼネテック従業員持株会 | 122,000株 | 7.59% | × |
井上 由佳 | 87,000株 | 5.41% | ○ |
八戸 雅利 | 55,000株 | 3.42% | ○ |
夏野 剛 | 40,000株 | 2.49% | ○ |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ貸株人である山田陽國及び上野憲二、売出人である金井登志雄並びに当社株主である上野大輔、井上由佳、八戸雅利、夏野剛、遠藤直哉及び濱登弘一は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の2020年6月16日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く)等は行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主には90日間(2020年6月16日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率は発行価格の1.5倍となっています。
親引け設定は取得金額12,000千円に相当する株式数を上限とし、福利厚生を目的に従業員持株会を経由で行う可能性があるそうです。
ゼネテック(4492)IPOの初値予想と幹事引受け株数
システム受託開発事業では移動体通信機分野や自動車関連の組込みシステム設計や開発をしているということでIPOでは人気化が予想されます。仮条件は想定発行価格を上限としているため地合いを考慮した可能性があります。ジャスダック上場ということもあり、フィットネスや介護などのIPOと比べると好印象に感じます。公開価格が高くなると手取金が増えるためIPOを行う企業と主幹事等は得をしますからね。
2020年3月の連結業績予想は売上48.4億円を見込んでおり前期比較で8.0%増、経常利益3.0億円を見込み前期比較で7.3%増となります。四半期利益は1.9億円なので前期比6.1%増です。
EPS126.24からPERを計算すると約13.47倍、BPS892.63からPBRを計算すると約1.90倍になります。また配当が3.5%予定されているため配当利回り0.21%になります。類似企業比較では割安だと考えられるため初値2倍程度が期待できそうです。
修正値3,500円~4,000円
類似企業比較では割安なので初値2倍でも普通だよね。でも地合い悪化で投資家の買い意欲が見込めるのかが最大のポイントですね。
連日で上場が行われるため投資家の余力が減っている可能性があります。さらに地合いの影響を受けそうなのでIPO投資家も悩んでいることでしょう。公開価格割れはないと思われますが同日上場が3社あるため初値伸び悩みとなりそうです。
地合いが反転するタイミングで買い増しも期待できそうですが、ゼネテックを買わなくても安定した株もあります。なかなか難しい相場なのでIPOに当選できたら薄利でも売却しておきましょう。
幹事名 | 配分単位 | 引受割合 |
みずほ証券(主幹事) | 410,500株 | 93.02% |
岡三証券 | 13,200株 | 2.99% |
いちよし証券 | 8,800株 | 1.99% |
SBI証券 | 4,400株 | 1.00% |
マネックス証券 | 4,400株 | 1.00% |
株数的にみずほ証券狙いになると思います。また岡三証券の引受け株数が期待できそうなので岡三オンライン証券からの委託申し込みが期待できそうです。前受け金不要なのでとりあえず申し込みを行っておきましょう!
岡三オンライン証券は岡三証券引き受けを配分するかと思いきやそうでもない事が解ってきました。委託販売団になる事が多く意外と忘れがちです。口座があるとIPOの申込ができるというメールが来るので今回申込んでみました。取扱いもだ …
前受け金不要の証券会社が増えているためこの機会に口座数を増やしておくと良いでしょう。主幹事引受けの時だけ申し込むのもありですが、資金不要でIPO抽選に参加できるため取扱いのたびに申し込みを行っておきましょう。誰かに当選していますからね。
前受金不要でIPO抽選に参加できる企業を調べてみました。IPO投資を行うには基本的に前受金が必要です。銘柄別に資金が必要だったり、重複申し込みが可能だったり証券会社により申込方法は異なります。資金が少ない場合に、IPO投 …
またIPOになかなか当選できない方は未上場企業への投資を行ってみてはいかがでしょうか?FUNDINNO(ファンディーノ)ではこれから上場を狙う企業へ投資ができます。キャンペーン中なので通常時よりもお得だと思います。
FUNDINNO(ファンディーノ)に興味があるため口座を開設し投資を行ってみたいと思います。評判や評価も上々のようで案件も増えています。また、投資家の口コミを調べてみたので参考になればと思います。 …
その他には、ユニコーンだと投資するだけで株主優待が付いてくるため魅力があります。しばらく前に投資してみました。その時の記事は下記になります。
オリーブ技研がユニコーン(Unicorn)の第2号案件として投資家から資金を募集します。株式投資型クラウドファンディングによる資金募集になり、ベンチャーキャピタルなどの機関投資家よりも先に投資が出来ることに魅力があります …
2020年は特に株式投資型クラウドファンディングが盛り上がりを見せているため沢山の企業が登場する予定となっています。事業内容に共感できる企業がでてくるかもしれませんよ!
類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
エクスモーション(4394) | PER44.06倍 | PBR3.01倍 |
イーソル(4420) | PER51.69倍 | PBR6.05倍 |
東海ソフト(4430) | PER21.62倍 | PBR2.14倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2019年10月24日~2027年10月23日 | 114,000株 | 480円 |
ストックオプション(新株予約権)は114,000株存在し既に行使期限を迎えています。また行使可能となっているようです。
ベンチャーキャピタル出資はないため需給に問題がなく買われるIPOとなるでしょう!
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
最新情報を手に入れたい方やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は14年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入。ゼネテック(4492)IPOの評価と申し込みスタンス
ゼネテックIPOと上場日が被っている銘柄があり残念です。大手企業との取引やNTTドコモ、そしてKDDIなどのサービスに同社のサービスが利用されています。個人投資家うけが良さそうなだけに残念です。ただジャスダック上場ということで初値パフォーマンスはマザーズに劣るでしょう。
配当も実施されるようですが前期の配当性向が3.1%と低いようです。2019年3月期の連結売上は44.8億円で四半期利益が1.8億円となっています。
利益面で少し波があるようななので心配ですが上場時点では評価が高いと思います。
モビリティ分野や自動運転システムで同社の製品が採用されれば成長が加速しそうです。情報サービス産業ではIT利活用の高度化や多様化が起きておりAI、IoT、ビッグデータ、ロボット等の技術を活用した設備投資などが活況となっています。
人手不足の問題はどの企業にもありますが成長分野として期待されています。製造業向けソリューションサービスでは約500社の販売店と約3,500社のユーザーという数値が出ています。
売上的にはパナソニックグループへの依存度が高く2019年3月期で30.9%となっています。このため上場後は依存度を下げる試みがあるようです。
ゼネテック(4492)IPO幹事入りしてます! 【完全平等抽選のマネックス証券】
⇒ マネックス証券公式へ
マネックス証券は幹事として引受けた株数を全て抽選に回している証券会社です。そして銘柄ごとに資金を拘束されるため当選しやすいと言えます。
今回の上場ラッシュでも戦略的に獲得してみましょう。人気が見込めないIPOを申し込めば当選確率が下がると思われます。
マネックス証券のIPOルールについて詳しくまとめました。評判が良いことはわかっていますが、完全抽選方式を取り入れているため誰にでも当選チャンスがある証券会社です。当選実績も合わせてご紹介したいと思います。 …
岩井コスモ証券のIPOルールをわかりやすく解説したいと思います。後期型抽選方式を採用していますが「いまいちわかりにくい」と思う読者も多いようです。 通常のIPOとの大きな違いは需要申し込みの他に「購入申し込み」を行わなけ …
上場企業のCREAL(クリアル)で「当サイト経由の特典」が付きました
新規登録を行うとAmazonギフトカード1,000円分プレゼント、さらに初回投資に応じて最大5万円分貰えます。劣後出資とマスターリース契約、さらに信託銀行活用の分別管理は業界随一!
1万円から投資でき「ほったらかし」で資産運用できます。賃料収入をもとに配当、想定利回り4.0%~5.5%で償還実績は元本割れ0件。最強スペック企業なので下記記事でまとめました。