テノ.ホールディングス(7037)IPOが新規上場承認されました。主幹事は野村證券となり上場市場は東証マザーズになります。公開株式数400,000株、オーバーアロットメント60,000株となり想定発行価格ベースの上場規模は約20.4億円となります。事業は、直営保育所や受託保育所の運営の他、保育士派遣やベビーシッターサービス等を行っています。
待機児童問題は、いまだ首都圏を中心として社会問題となっており同社の上場も注目されそうです。業績は第1期に赤字を計上しているようですが、その後の業績から問題とはならないでしょう。過去の上場銘柄からも初値需要は大きいと思われるたため積極的にIPOを狙って良さそうです。
本社が地方にあるものの首都圏(東京)に39施設が存在し、関西にも12施設あるようです。地場である九州は204施設にもなります。公的保育所の他、受託保育所、その他の施設があります。
テノ.ホールディングス(7037)IPOの詳細データ
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ(福岡証券取引所も同日上場) |
業種 | サービス業 |
事業内容 | 直営保育所・受託保育所の運営、幼稚園や保育所に対する保育士派遣、ベビーシッターサービス・ハウスサービスの提供、tenoSCHOOL(保育士養成講座等)の運営 |
公開予定 | 上場中止 |
ブックビルディング期間 | 9月03日~9月07日 |
想定価格 | 4,440円 |
仮条件 | 4,440円~4,600円 |
公開価格 | 4,600円 |
企業情報 | https://www.teno.co.jp/ |
【手取金の使途】
手取概算額1,420,680千円については、「1 新規発行株式」の(注)4.に記載の第三者割当増資の手取概算額上限245,088千円と合わせて、公的保育事業における設備資金として全額を平成30年12月期中及び平成31年12月期中に充当する予定であります。
当社は、平成31年12月期に開設予定の認可保育所(7施設)に総額2,314,640千円(不動産の建設工事代金に1,881,660千円、不動産の賃貸借に伴う敷金・保証金に260,000千円、その他什器設備等に172,980千円)の支払いを想定しており、その支払いのために本件で調達する資金全額を充当する予定であります。
なお、支払いは不動産の賃貸借に伴う敷金・保証金に対する支払い、不動産の建設工事代金の支払い、その他什器設備等への支払いの順を計画しており、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用する方針であります。
項目 | 株数データ |
公募株数 | 350,000株 |
売出株数 | 50,000株 |
公開株数(合計) | 400,000株 |
オーバーアロットメント | 60,000株 |
上場時発行済み株数 | 1,460,000株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約64.8億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 auカブコム証券 みずほ証券 FFG証券 西日本シティーTT証券 岡三証券 岡三オンライン証券 SBI証券 マネックス証券 |
テノ.ホールディングス(7037)上場評判とIPO分析
想定発行価格4,440円を基に吸収金額を算出すると約17.8億円となり、オーバーアロットメントを含めると約20.4億円規模の上場となります。上場規模的には荷もたれ感がありますが株数が少ないため初値は高くなると思います。純粋持株会社である同社と、連結子会社2社により構成されています。株式会社テノ.コーポレーションが「公的保育事業」における公的保育所の運営、株式会社テノ.サポートが「受託保育事業」における受託保育所の運営のほか、その他の幼稚園や保育所に対する保育士派遣、ベビーシッターサービスの提供、ハウスサービスの提供、tenoSCHOOL(テノスクール)の運営等を行っています。
公的保育事業では、主に国の社会課題となっている待機児童解消に貢献することを目的に事業展開を行っているそうです。同社グループでは平成30年7月31日現在で、首都圏を中心に認可保育所47施設、認証・認定保育所等6施設を直営で運営しています。一部の保育所を除き、「ほっぺるランド」というブランド名で認可保育所や認証・認定保育所等を展開しています。
受託保育事業では、女性の就業率が高まる中で病院や企業等も人材確保のために保育サービスが必要となっています。そこで受託保育事業では、病院や企業等で勤める従業員の「仕事」と「子育て」の両立支援を目的に事業展開を行っています。
受託保育所は、病院や企業等が事業所の中で保育所を開設する際にその運営を受託するものです。同社グループでは平成30年7月31日現在で、九州を中心に受託保育所141施設、学童保育所32施設、わいわい広場24施設を受託して運営しています。
その他(事業)では、公的保育所や受託保育所の運営の他、女性の育児・家事・介護を支援する家庭総合サービスとして幼稚園や保育園等に対する保育人材の派遣、ベビーシッターサービスの提供、ハウスサービスの提供、tenoSCHOOL(テノスクール)の運営などを行っています。
テノ.ホールディングス(7037)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第2期 | 第3期 |
決算年月 | 平成28年12月 | 平成29年12月 |
売上高 | 4,776,160 | 6,678,939 |
経常利益 | 89,979 | 152,750 |
親会社株主に帰属する当期純利益 | 49,388 | 96,636 |
包括利益 | 49,388 | 96,636 |
純資産額 | 556,497 | 653,133 |
総資産額 | 3,742,352 | 5,219,368 |
1株当たり純資産額 | 501.35 | 588.41 |
1株当たり当期純利益金額 | 44.49 | 87.06 |
自己資本比率(%) | 14.9 | 12.5 |
自己資本利益率(%) | 9.3 | 16.0 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 272,096 | 224,995 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △1,558,372 | △499,754 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 1,038,114 | 1,048,665 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 393,259 | 1,167,165 |
第4期第2四半期連結累計期間(平成30年1月01日~平成30年6月30日)
売上高4,466,325千円
営業利益99,588千円
経常利益80,011千円
親会社株主に帰属する四半期純利益は54,789千円
我が国経済は、政府の経済政策や日銀の継続的な金融緩和姿勢などを背景に、企業収益や雇用・所得環境が改善するなど、緩やかな回復基調が継続しております。このような環境の中、当社グループを取り巻く事業環境は、待機児童解消に向けた政府・自治体による各種支援が継続的に実施され、認可保育所や企業主導型保育所がハイペースで新規に整備されるなど、当社グループ事業への追い風は継続しております。平成30年6月末時点では認可保育所等53施設、受託保育所137施設、学童保育所32施設、その他29施設の計251施設を運営。
テノ.ホールディングス(7037)従業員と株主の状況
会社設立は2015年12月15日、福岡市博多区上呉服町10番10号に本社を構えます。社長は池内比呂子氏(昭和34年4月02日生まれ)、株式保有率は32.53%です。
従業員数は22人となり平均年齢37.2歳、平均勤続年数1.5年、平均年間給与4,154,000円になります。連結従業員数は1,606人で年間臨時雇用者数が1,189人です。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) |
株式会社夢源 | 500,000 | 42.50 |
池内 比呂子 | 382,800 | 32.53 |
ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合 | 150,000 | 12.75 |
三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合 | 50,000 | 4.25 |
土屋 悦子 | 9,800 | 0.83 |
福士 泉 | 9,800 | 0.83 |
吉野 晴彦 | 9,000 | 0.76 |
【目論見抜粋】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人及び貸株人である池内比呂子並びに当社株主である株式会社夢源、土屋悦子、福士泉、吉野晴彦、古谷勇樹、古賀光雄及び田中隆一は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年12月18日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びオーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)は行わない旨合意しております。
また、当社株主であるジャフコSV4共有投資事業有限責任組合及び三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後90日目の平成30年12月18日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、主幹事会社を通して行う売却等は除く。)は行わない旨合意しております。
上位株主には90日間(平成30年12月18日まで)のロックアップが付与されています。ベンチャーキャピタルの「ジャフコSV4共有投資事業有限責任組合」と「三菱UFJキャピタル5号投資事業有限責任組合」にはロックアップ解除倍率が発行価格の1.5倍以上の条件が付けられています。
VC保有株数は多くありませんが、1枚あたりの単価が高いため一度に売られると大きく株価が変動することになりそうです。発行価格は9月10日に発表されるためセカンダリーに参加される場合は数値だけでも押さえておきましょう。
テノ.ホールディングス(7037)IPO大手初値予想と各社配分
想定発行価格4,440円を下限に仮条件が上限方向に広げられ、4,440円~4,600円の設定となりました。これに伴い市場からの吸収額は約18.4億円、オーバーアロットメントを含め約21.2億円となります。0.74億円程規模が大きくなっています。2018年12月の連結業績予想は売上42.5%増、経常利益84.2%増(1.28億円増)の増収増益見込みとなっています。EPS154.30を基にPERを算出すると約29.8倍となります。配当は20円予定となっており配当利回りは0.43%です。
初値予想5,500円~6,000円
初値予想(第2弾)5,800円~6,500円
ベンチャーキャピタルには90日間のロックアップが掛けられており、解除価格は6,900円(発行価格の1.5倍)となります。ストックオプションは37,600株が上場時点で行使期限を迎えます。待機児童問題と言う材料だけで買われるとは言いにくですが、度々メディアでも取り上げられているため投資家も意識していると思います。
野村證券主幹事の場合は株価設定が高くでもセカンダリーで上向くことが多いような気がします。今回どのような値動きになるのかわかりませんが、同日上場のアズーム(3496)へ個人投資家が動くような話もあるようなので投資をされる際にはお気を付けください。
幹事名 | 配分単位(株) |
野村證券(主幹事) | 356,000 |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 12,000 |
みずほ証券 | 8,000 |
FFG証券 | 8,000 |
西日本シティーTT証券 | 4,000 |
岡三証券 | 4,000 |
SBI証券 | 4,000 |
マネックス証券 | 4,000 |
類似企業 | PER | PBR |
JPホールディングス(2749) | PER27.98倍 | PBR3.52倍 |
ライクキッズネクスト(6065) | PER11.51倍 | PBR2.79倍 |
グローバルグループ(6189) | PER17.41倍 | PBR3.21倍 |
野村證券が主幹事なので抽選派の方は当選期待が薄いと思います。業績は拡大傾向にあり、マザーズ上場のネガサ株でIPOに当選すれば爆益になる可能性があるように思います。公開株数が少なく主幹事的に売り急ぐ株主も少ないかもしれません。上場規模は20億円を超えていますが、「育児」や「子育て支援」「待機児童」といった社会テーマ性がある銘柄は人気になりやすいです。
ピークは過ぎ去っているように思いますが、IPOでは社会的材料により高騰することがあります。同社が福岡県福岡市に本社があることから福岡証券取引所へも同時上場予定となっています。
また、三菱UFJモルガン・スタンレー証券からauカブコム証券へ委託が行われるとおもいますので口座を持っていない方は開設をしておくとよいでしょう。ソフトバンク上場でも申込めると個人的に考えています。下記は参考記事になります。
⇒ ソフトバンク上場は10月もしくは11月か? 【東証へIPOの予備申請】
テノ.ホールディングスのストックオプション詳細を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数(株) | 発行価格(円) |
平成28年2月01日~平成32年1月31日 | 33,600 | 250 |
平成28年8月01日~平成32年1月31日 | 4,000 | 250 |
平成31年1月01日~平成35年12月31日 | 29,000 | 550 |
上場時点で行使期限を迎えているのは37,600株になります。発行価格が250円と低く初めから上場することを考えて設立しているよね~と言った印象を受けます。社長の池内比呂子氏はメディアでも取り上げられたことがあるようです。名前を検索すると画像も出てきます。
沿革では平成11年7月にベビーシッターサービスやハウスサービスの提供を目的に、福岡県福岡市東区に有限会社ドウイットを設立したところから始まるようです。同社を上場させる前に色々と手広く事業を行っていることがわかり、業績やストックオプションも納得です。
さらに平成22年4月には、東京へ進出しているようです。平成27年12月に「テノ.コーポレーション」を完全子会社化し「テノ.ホールディングス」設立となるようです。
テノ.ホールディングス(7037))IPO私見と申し込みスタンス
テノ.ホールディングスは当選できれば大きな利益を生む可能性があります。過去にはセカンダリーにより大きく上昇した銘柄もあります。大手企業の評価も参考にしながら抽選に申込をしたいところですが、母数が少ないためIPOに当選する確率は低いでしょうか。通常どうり証券口座と資金の限り抽選に参加するスタンスでよいと思います。当選すれば30万円~50万円の利益か?同日上場にアズーム(3496)があるため資金分散が起きやすくなることはデメリットですが、どちらの銘柄も人気となるはずです。
IT系の銘柄ではありませんが、それなりの初値を付けてくると予想します。また、9月上場銘柄が多くなっているため上場承認が何となくハイペースのような気がします。ソフトバンク上場が近いのかもしれませんね。
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