ウィルズ(wills)IPOが東証マザーズに新規上場承認されました。今回も業績や上場規模などを確認し評価していきたいと思います。
公開株数320,000株とオーバーアロットメント48,000株と株数が少なく、想定発行価格910円からの上場規模は約3.3億円となっています。初値2倍は軽そうですね!
事業はクラウドを用いて機関投資家や個人投資家にサービスを提供しています。今後ウィルズの事業は上場企業に多く受け入れられる可能性があります。創業当時は機関投資家を対象としていたようです。
今後の経営戦略では上場企業へのネットワークを有する他社との販売提携を推進し、「プレミアム優待倶楽部」の導入企業を増やすことでシェア拡大を狙うそうです。
成長分野だと思われるためIPOでも相当人気でしょう!
ウィルズ(4482)IPOの上場基本データと引受幹事
項目 | 上場基本データ |
市場 | マザーズ |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 上場企業と機関投資家および個人投資家をクラウド上でつなぐ機関投資家マーケティングツール「IR-navi」、個人投資家マーケティングツール「プレミアム優待倶楽部」の提供、および統合報告等のESGコンテンツの企画・制作 |
公開予定 | 12月17日 |
ブックビルディング期間 | 11月29日~12月05日 |
想定価格 | 910円 |
仮条件 | 910円~960円 |
公開価格 | 12月06日 |
企業情報 | https://www.wills-net.co.jp/ |
監査人 | EY新日本有限責任監査法人 |
【手取金の使途】
手取概算額73,720千円についてはプレミアム優待倶楽部、及びIR-naviのシステム開発資金の一部に充当する予定であります。
具体的な充当時期は、2020年12月期に50,000千円、2021年12月期に23,720千円を予定しております。なお、具体的な支出が発生するまでは安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
項目 | 株数データ |
公募株数 | 100,000株 |
売出株数 | 220,000株 |
公開株数(合計) | 320,000株 |
オーバーアロットメント | 48,000株 |
上場時発行済み株数 | 4,597,600株(公募分を含む) |
想定ベースの時価総額 | 約41.8億円 |
幹事団 | みずほ証券(主幹事) 大和証券 SBI証券 三菱UFJモルガン・スタンレー マネックス証券 ←完全平等抽選 楽天証券 松井証券 ←前受け金不要 エース証券 水戸証券 |
委託見込 | auカブコム証券 SBIネオトレード証券 DMM.com証券 |
ウィルズ(4482)上場評判とIPO分析
想定発行価格910円を基に吸収金額を算出すると約2.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約3.3億円規模の上場となります。上場規模や株数が少なく個人投資家に人気となるIPOのようです。会社設立は2004年11月になりインベスター・ネットワークス株式会社という社名でした。現在のウィルズ(WILLs)は2017年1月からになるそうです。事業は株主管理プラットフォーム事業の単一セグメントです。
株主管理プラットフォーム事業は、販売先の上場企業と機関投資家及び個人投資家をクラウド上でつなぎ、インタラクティブに情報の取得・交換を行えるプラットフォームです。
機関投資家マーケティングプラットフォーム「IR-navi」、個人投資家マーケティングプラットフォーム「プレミアム優待倶楽部」、顧客企業毎に異なる株主優待ポイントの合算利用を可能とする「プレミアム優待倶楽部PORTAL」のサービスを展開しています。
また、これらの株主管理プラットフォーム上で流通するコンテンツのESGソリューションを行います。
プレミアム優待倶楽部は「ポイント制株主優待」と株主の「電子化」を組み合わせたサービスです。主な収益は、ストック型のシステム利用料と企業毎に異なる商品交換期間に発生する株主優待ポイントの利用料で構成されています。
顧客株主は企業毎の専用サイトである「企業名+プレミアム優待倶楽部」サイトへ登録することで、保有株式数や保有年数などに応じて株主優待ポイントが付与され、登録された情報をもとに上場企業が配信する招集通知をはじめとした法定書類を受領できます。
また、電子議決権行使プラットフォーム「WILLsVote」を通じ、電子議決権を行使したりすることができます。株主は投資先企業とのコミュニケーション(電子議決権行使や社長メッセージ動画の閲覧)によってもポイントが付与される仕組みも用意されています。
なお、2019年9月末日で上場企業2社に対して「WILLsVote」を通じた電子議決権行使プラットフォームを提供しています。
付与された株主優待ポイントは全国から集めた優待商品と交換でき、加えて「プレミアム優待倶楽部」を導入する他の投資先企業が発行する株主優待ポイントを、「WILLsCoin」に交換して合算することで、「プレミアム優待倶楽部PORTAL」サイト上で、3,000点を超える優待商品の中からより高額な商品を取得することができます。
「WILLsCoin」での商品交換時の不足差額分をクレジットカード決済によって補填することや、商品をカード決済によって購入することが可能です。
議決権行使の集計や株主優待ポイントの合算、利用の記録について、データの改竄防止やセキュリティ強化を目的としてブロックチェーン技術を活用しているそうです。
IR-naviは同社創業来の基盤サービスであり、約260社の上場企業へ提供している機関投資家マーケティングプラットフォームです。主な収益はストック型のシステム利用料となっています。
国内投信及び海外ファンドの株式保有状況のデータベースが日次で更新されることや国内の全上場企業及び海外主要企業約32,000社の国内外機関投資家による株式保有状況を確認できます。
ESGソリューションは、統合報告書やアニュアルレポートなどの投資家とのコミュニケーションツールを企画、制作するサービスです。
統合報告書やアニュアルレポート等のIRツール制作を行う企業が多く存在する中、同社がサービスを提供した企業はWICIジャパンによる統合報告優良賞の同時複数受賞など多数の賞を受賞しているそうです。
このことから提供サービスの品質に対する評価にも繋がり、安定的な顧客基盤を作れているそうです。
ウィルズ(4482)の企業財務情報と配当性向
回次 | 第14期 | 第15期 |
決算年月 | 2017年12月月 | 2018年12月月 |
売上高 | 650,125 | 1,161,243 |
経常利益 | 55,984 | 107,710 |
当期純利益 | 3,532 | 121,822 |
資本金 | 273,356 | 67,000 |
純資産額 | 118,480 | 252,302 |
総資産額 | 345,266 | 827,373 |
1株当たり純資産額 | 32.96 | 69.67 |
1株当たり当期純利益金額 | 1.01 | 34.71 |
自己資本比率(%) | 33.5 | 30.1 |
自己資本利益率(%) | 3.1 | 66.7 |
株価収益率(倍) | – | – |
配当性向(%) | – | – |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 98,156 | 153,318 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △41,582 | △264,447 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 10,976 | 170,296 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 189,391 | 343,676 |
第16期第3四半期累計期間(2019年1月01日~2019年9月30日)
- 売上高1,176,645千円
- 売上総利益570,222千円
- 営業利益238,441千円
- 経常利益243,416千円
- 税引前四半期純利益243,416千円
- 四半期純利益166,205千円
個人消費は底堅く推移し「AI」「RPA」などの新技術による行政や企業の業務効率化を目的とした設備投資が好調となっています。東京オリンピックやインバウンドに伴う内需改善により、経済は引き続き緩やかな回復基調が継続する見通しです。
同社については、上場企業におけるIR活動が多様化しコーポレートガバナンス強化の観点から国内外機関投資家との対話促進ニーズが旺盛だそうです。
MiFID2の施行及び海外機関投資家の保有比率の上昇もあり、自社株式マーケティングを目的とした国内外機関投資家への情報配信、統合報告書やCSRレポート等のコミュニケーションツールの引き合いが増加傾向にあるそうです。
ウィルズ(4482)従業員と株主の状況
会社設立は2004年年10月18日、東京都港区虎ノ門三丁目2番2号虎ノ門30森ビルに本社を構えます。社長は杉本光生氏(1966年4月29日生まれ)、株式保有率は31.76%(1,660,800株)です。従業員数は42人で臨時雇用者が5人、平均年齢38歳、平均勤続年数2.8年、平均年間給与4,689,000円です。株主管理プラットフォーム事業の単一セグメントになっています。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
杉本 光生 | 1,660,800株 | 31.76% | 〇 |
蓮本 泰之 | 708,000株 | 13.54% | 〇 |
SUGアセット株式会社 | 330,000株 | 6.31% | 〇 |
ウィッテン・ダレル | 183,300株 | 3.51% | 〇 |
上川 博史 | 168,600株 | 3.22% | 〇 |
青山 洋一 | 157,200株 | 3.01% | 〇 |
神保株式会社 | 120,000株 | 2.29% | 〇 |
株式会社ケーアイティーシー | 120,000株 | 2.29% | 〇 |
【ロックアップについて】
本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、貸株人である杉本光生、売出人である秋元伸介、蒲野宏之、松村繁、ウィルズ従業員持株会 ~省略~ 主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む。)後180日目の2020年6月13日までの期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと、グリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を主幹事会社が取得すること等は除く。)等は行わない旨合意しております。
また、売出人である株式会社ケーアイティーシー及び株式会社三菱UFJ銀行並びに当社株主である神保株式会社、株式会社アスピレーション、株式会社ベクトル、株式会社IR Robotics、NVCC8号投資事業有限責任組合、株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド、株式会社MS-Japan及び株式会社あおぞらは、主幹事会社に対し、ロックアップ期間中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、その売却価格が「第1 募集要項」における発行価格の1.5倍以上であって、東京証券取引所における初値が形成された後に主幹事会社を通して行う東京証券取引所での売却等は除く。)等は行わない旨合意しております。
※有価証券届出書(新規公開時)引用
上位株主等には180日間(2020年6月13日まで)のロックアップが付与されています。また売出人の一部にもロックアップが適用されロックアップ解除倍率1.5倍の設定があります。
ベンチャーキャピタル保有株もありますが保有割合は少ないようです。ベクトル(6058)やミンカブ・ジ・インフォノイド(4436)、MS-Japan(6539)、あおぞら銀行(8304)等の上場企業も株主となっています。
ウィルズ(4482)IPOの初値予想と幹事引受け株数
仮条件が910円~960円に決定し想定発行価格が下限となっています。上場規模は約3.5億円と引き上げられても小粒上場です。初値2倍は確実視されているため当選すれば1枚で10万円の利益が狙えそうです。場合によっては初値持越しもあり得るかもしれません。2019年12月の単体業績予想は売上16億円を見込み前期比で37.8%増、経常利益は2.6億円を見込み前期比で148.6%増になります。四半期利益も1.8億円で48.8%増です。EPS44.28からPERを計算すると約21.68倍、BPS144.01からPBRを計算すると約6.67倍になります。
上場規模が小さいため資金が向かえば十分初値付かずで翌日持ち越しも考えられそうです。同日上場のフリー(freee)よりも期待できそうですからね。
株数が少ないけど誰かに当選します。それが読者であることを望みます!
初値3倍は視野に入っているようです。連日の上場になるためそれは難しそうですが本来であれば3倍は可能でしょう。ともかくIPOに当選しなければ利益にならないため抽選結果を楽しみにしておきたいIPOです。
幹事名 | 配分単位 | 引受割合 |
みずほ証券(主幹事) | 294,400株 | 92.00% |
大和証券 | 6,400株 | 2.00% |
SBI証券 | 6,400株 | 2.00% |
三菱UFJ・モルガンスタンレー証券 | 3,200株 | 1.00% |
マネックス証券 | 3,200株 | 1.00% |
楽天証券 | 1,600株 | 0.50% |
松井証券 | 1,600株 | 0.50% |
エース証券 | 1,600株 | 0.50% |
水戸証券 | 1,600株 | 0.50% |
auカブコム証券 | 委託予定 | -% |
株数が少ない割に幹事が多くなっています。みずほ証券からの申込を中心に行い口座と資金が続く限り申し込みを行ってよいでしょう。松井証券の口座を開設していない方はこの機会に持っておいてよいと思います。IPO抽選が前受け金不要となっています。
株数が少ないため当選は容易と思えませんが、マネックス証券が完全平等抽選となっています。株数が多い場合は当選確率が高くなるためIPO投資を行うなら口座は必須です。エース証券や水戸証券の店頭口座だと当選確率が高そうです。
また最近IPO取扱いが増加しているDMM.com証券も侮れません。申込者は少ないと予想されます。IPO以外にも株式売買手数料などが低く抑えてあるため株売買でも活躍しそうです。取引画面がカッコよいためモチベーションが上がります!
DMM.com証券の詳細情報を知りたい方は下記記事にまとめているので参考にしてください。IPO申込手順や手数料についても書いています。
DMM.com証券のIPOルール完全版【DMM株は前受け金不要】類似企業のPERやPBRを調べてみました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
フィスコ(3807) | PER-倍 | PBR-倍 |
プロネクサス(7893) | PER17.72倍 | PBR1.41倍 |
宝印刷(7921) | PER14.46倍 | PBR1.27倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2018年4月01日~2026年2月28日 | 12,000株 | 167円 |
2016年12月22日~2026年12月21日 | 240,000株 | 170円 |
2020年2月01日~2027年12月31日 | 453,000株 | 167円 |
2020年11月01日~2028年9月30日 | 27,000株 | 167円 |
ストックオプション(新株予約権)で行使期限を迎える株数は252,000株になります。2020年2月になると453,000株が行使期間に入ります。
ツイッターでもIPO記事のチェックができます!
IPOの最新情報やレア情報、気になったことをツイートしています。IPO投資歴は15年と長くソーシャルレンディングも4年目突入!安定の利益でブログも14年目に突入しています。ウィルズ(4482)IPOの評価と申し込みスタンス
ウィルズのIPOは鉄板かもしれません。前期売上が11.6億円に対し利益は1.2億円と収益性も悪くなさそうです。また業績が急拡大していることからイケイケ感がありマザーズIPOという感じがします。クラウドやブロックチェーンというワードも個人投資家に人気のワードです。しかも投資に関係がある企業となっています。電子議決権行使でブロックチェーンを導入しています。
個人株主に対し投資の魅力を高めることにつながると考えられている株主優待制度を導入する企業は1,521社となり過去最高を記録しています。その中でも中長期保有優遇型株主優待制度を設ける企業は400社を超えており、株主還元施策の一つとしての株主優待制度に対する需要は今後も継続して拡大していくものと考えています。
上記の「WILLsCoin」では商品交換時の不足差額分をクレジットカード決済によって補填することが出来るサービスがあり嬉しいかもしれません。
株主優待ではポイントが足らずに欲しい商品以外を注文することがあるため便利かもしれません。ただ登録や交換作業が面倒だと思う投資家もいるでしょう。私は面倒なので奥さんに任せてしまい後でよく後悔しています。それも自己責任ですよね。
今後の事業拡大の起爆剤となり得るのは積極的な新規事業の立ち上げが課題だそうです。ブロックチェーンを活用した株主優待共通コイン、電子議決権行使などの株主管理サービスの提供を開始していますが、今後も継続的に次の柱となるビジネス創出に積極的に挑戦するそうです。
同社の企業リスクとしては株主優待を導入している企業のコスト削減などで優待廃止になることのようです。そしてインターネット環境の整備でしょう。過去に個人情報漏えい事故を起こしているそうなのでかなり気を付けているはずです。
システム維持費用はそれほど掛からないと思いますが、今後の開発コストや人材については心配するところがあります。企業規模が小さいためですが上場後に同社サービスを導入する企業も増えてくるかもしれません。
しばらくはイケイケ業績が続くのかもしれません!またミンカブ・ジ・インフォノイドとの提携も材料として買われるかも?2019年4月に業務提携しているようです。
上場企業のCREAL(クリアル)で「当サイト経由の特典」が付きました
新規登録を行うとAmazonギフトカード1,000円分プレゼント、さらに初回投資に応じて最大5万円分貰えます。劣後出資とマスターリース契約、さらに信託銀行活用の分別管理は業界随一!
1万円から投資でき「ほったらかし」で資産運用できます。賃料収入をもとに配当、想定利回り4.0%~5.5%で償還実績は元本割れ0件。最強スペック企業なので下記記事でまとめました。