トリドリ(9337)のIPOがグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。先行投資を行い赤字が拡大しているようです。


主幹事は大和証券が務め公開株数432,000株、オーバーアロットメント64,800株です。上場規模は想定発行価格1,470円から計算すると約7.3億円になります。


トリドリ(9337)IPOが上場承認
※トリドリ公式サイト引用


InstagramやYouTube、TikTokなどSNS上で活動しているインフルエンサーを支援している企業です。


同社では今後の成長可能性と社会に与えるインパクトを勘案し「toridori base」を注力サービスとしています。サービス内容は同社経由で顧客企業がインフルエンサーに直接PR投稿を依頼することです。


売上は他のサービスのほうが上がっているようです。中長期的に期待できるサービスということでしょう。


既存サービスて安定を目指し新規領域へ挑戦するそうです。ただそんなことを言っている状況ではない気がします。


インフルエンサーの増加・定着、顧客単価の増加が必要不可欠と認識しているようなのでこの辺りに積極的な投資を行っていると考えられます。


新規領域への挑戦では2021年7月には株式会社GIVINを買収しています。赤字拡大要因の1つだと思われます。


トリドリ(9337)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました

項目上場基本データ
上場日12月19日
市場グロース市場
業種サービス業
事業内容インフルエンサーと企業をマッチングするマーケティングプラットフォームサービス「toridori base」をはじめとしたインフルエンサーマーケティングサービスの開発・提供
ブックビルディング12月02日~12月08日
想定価格1,470円
仮条件1,450円~1,500円
公開価格1,500円
初値結果2,733円(公開価格1.82倍)
企業情報https://toridori.co.jp/
監査人EY新日本有限責任監査法人
手取金の使途
  • toridori baseの開発、営業、カスタマーサポートに係る人件費
  • toridori baseの広告宣伝費/販売促進費


項目株数データ
公募株数283,000株
売出株数149,000株
公開株数(合計)432,000株
オーバーアロットメント64,800株
上場時発行済み株数3,096,400株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約45.5億円
幹事団大和証券(主幹事)
SBI証券
みずほ証券
SMBC日興証券
楽天証券
松井証券
マネックス証券
あかつき証券
委託見込SBIネオトレード証券
CONNECT


トリドリ(9337)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました

想定発行価格1,470円を基に吸収金額を算出すると約6.4億円となり、オーバーアロットメントを含めると約7.3億円規模の上場となります。


同社グループは「Instagram」や「YouTube」などSNS上で活動している個人など、多様なインフルエンサーを支援している企業です。


インフルエンス・プラットフォームとしてインフルエンサーの価値を最大化し、企業・消費者・インフルエンサー、誰もが手軽にSNSの力を享受できる世界を実現したいと考えています。


事業を区分すると5つにわかれるそうです。


「toridori base」は、顧客企業がインフルエンサーに直接PR投稿を依頼できるマーケティングプラットフォームです。


顧客企業側のアプリは「toridori marketing」、インフルエンサー側のアプリは「toridori base」として運営しています。顧客企業がプラットフォーム上でPR投稿依頼を掲載すると、商品を紹介したい全国のインフルエンサーが自ら立候補するシステムになっています。


フォロワー10万人未満のインフルエンサー(マイクロインフルエンサー)の収益機会になり、主な収益は顧客に対する月額使用料やインフルエンサーの採用に応じた従量課金です。


インフルエンサーに対してはサービスを無料で提供しています。


トリドリ(9337)の業績
※有価証券届出書引用


「toridori ad」は、マイクロ~ミドルを中心に幅広い層のインフルエンサーに特化した成果報酬型広告サービスになります。


顧客企業が登録インフルエンサーに直接案件を掲載・募集できるマーケティングプラットフォームです。


何らかの成果(購買、資料請求、会員登録等)が発生した場合に、インフルエンサーに対して成果に応じた報酬を支払う広告形態になります。同社は一定の手数料を差し引いて収益としています。


トリドリIPOの事業内容詳細
※有価証券届出書引用


「toridori promotion」は、インフルエンサーに特化したタイアップ広告サービスです。


タイアップ広告とは、顧客企業が投稿に応じた固定報酬を支払うことで、インフルエンサーに対してPR投稿を依頼する方法です。


依頼案件の多くがTikTokやYouTubeになり、アパレル商品や美容品、健康用品などをはじめとする様々なジャンルの顧客のニーズにマッチした提案を行っています。


「toridori made」は、様々なジャンルでファンを魅了する世界観を持ったインフルエンサー自身のブランドを立ち上げ、商品を販売したいというニーズにこたえるサービスです。


インフルエンサーからの依頼に基づき、アパレルやコスメなどの商品を中心にD2Cオリジナルブランドを立ち上げ、インフルエンサーと共同でブランドの育成・運営を行います。


インフルエンサーとの商品企画、仕入、発注、販売、在庫管理、プロモーション、カスタマーサポートに至る一連のブランド運営業務を同社グループで行います。


トリドリIPOの販売実績
※有価証券届出書引用


「toridori studio」は、YouTubeの企画や映像制作、その他各種SNSに関わる一連の業務を同社グループで受託し、インフルエンサーの活動を支援しています。


個人インフルエンサーの映像制作のサポートから企業のSNS運営のサポートまで、幅広い顧客をサポートしています。


収益モデルは、YouTubeの動画再生回数に連動してインフルエンサーが受け取るアドセンス収益の一部を同社グループが受け取るレベニューシェア型があります。


また、依頼者からYouTube動画制作の支援を受託し報酬を受け取る受託型の二種類が存在するそうです。


IPOでは好まれそうですが業績が何しろ悪いですよね。


トリドリ(9337)の株主状況とロックアップについて調べました

会社設立は2016年6月01日、東京都渋谷区円山町28番1号に本社を構えます。社長は中山貴之氏(1990年1月03日生まれ)、株式保有率は36.41%(1,134,880株)です。


従業員数101人で臨時雇用者43人、平均年齢27.4歳、平均勤続年数1.6年、平均年間給与4,112,618円です。連結従業員数は112人で臨時雇用者は52人です。


セグメントはインフルエンス・プラットフォーム事業の単一セグメントになります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)ロック
中山 貴之1,134,880株36.41%
コタエル信託株式会社303,220株9.73%
Global Catalyst Partners Japan2号投資事業有限責任組合180,000株5.78%×
国本 貴志174,600株5.60%
樹神 秀和172,800株5.54%
三菱UFJキャピタル7号投資事業有限責任組合128,560株4.12%
日本郵政キャピタル株式会社114,280株3.67%
※株主上位7名の状況、△表示は新株予約権を表します


上位株主には180日間(2023年6月16日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。


ベンチャーキャピタル出資分には90日間(2023年3月18日まで)のロックアップ付与、売却価格が発行価格又は売出価格の2倍以上でロックアップ解除となります。


また、コタエル信託株式会社はロックアップ中は普通株式の売却を行わない合意がなされています。さらに、上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。


【追記】
2022年11月17日に親引けが追加されました。マネーフォワード子会社のマネーフォワードベンチャーパートナーズ株式会社が運営する「HIRAC FUND1号投資事業有限責任組合」に対し、取得金額50,000千円に相当する株式数を上限として実施されることになりました。



トリドリ(9337)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました

大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。


仮条件範囲が1,450円~1,500円に決定し想定発行価格を挟むように決定しました。吸収金額は最大約7.5億円、時価総額約46.4億円になります。


売上は拡大していますが純損失が拡大しているため基本的に不参加で良い案件。ただ内容を確認すると仮条件上限の1,500円は意外に割安だと感じます。


直近の第三者割当増資の取得金額が2,800円で、その前は1,750円となっています。VCよりも公募組は安く買えるダウンラウンド案件のため流石にディスカウントされ過ぎだと思います。


黒字化も全く見えない中で上場しても良いのか?と問われる銘柄なのかもしれません。


ましてやストック型収益でも何でもない事業なので評価しにくいと思います。売上が拡大しても「収益に結び付きにくい事業なのではないか?」と感じます。


上場規模を絞ったイグジット案件になり、業績が今の程度であれば株価がどんどん下がるだけでしょう。


日本郵政キャピタルだと2億円弱出資し1,750円で取得しています。ロックアップ解除倍率は発行価格の2倍となっているため、ロックアップ期間の180日後の処分、又はホールドでしょうか。


大手初値予想1,500円~1,900円
修正値1,650円~1,800円
直前予想2,000円

※注目度B


業績を確認すると2022年12月期の連結予想を確認することができました。売上19.86億円となり前期比87.89%増、経常利益-4.10億円となり前期-4.04億円の横ばいで推移します。


四半期利益は-5.81億円となり前期-4.36億円から赤字拡大となる予想が出ています。心配する内容です。


公開価格が1,500円決定の場合の指標はEPS-209.37からPERは算出不可、BPS340.99からPBR4.40倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。


個人投資家には人気が見込める事業だと思いますが、VCが資金回収できていないと考えると今後が思いやられます。売出しの多くは個人のため将来的な売り圧力は高いと思います。


業績から実力がないと判断されてしまいそうな案件だと思います。


投資することを考えている方はダウンラウンド案件でも割れることもあるため気を付けてください。投資家がいらないと思ったら簡単に割れます。


直近で公開価格割れしたベースフードよりは状態がよいと思います!


幹事名割当株数引受割合
大和証券(主幹事)400,000株92.59%
SBI証券19,400株4.49%
みずほ証券4,300株1.00%
SMBC日興証券4,300株1.00%
楽天証券1,200株0.28%
松井証券1,200株0.28%
マネックス証券1,200株0.28%
あかつき証券400株0.09%


業績拡大中のベンチャー企業になりますが、売上の伸びが良くても赤字なんですよね。しかも開示情報だけだと今期も赤字になる可能性が高いです。


怪しいIPOがどんどん増えています。


上場規模が小さくIPO向きなのはいいと思いますが、前期売上約10.6億円で約4.0億円の赤字はある意味強烈です。


今後詳しく調べこの記事に追記したいと思いますが、ファーストインプレッションは駄目なIPOだと感じます。新奇性も今ではないと思います。


ベンチャーキャピタルは売却したいけど我慢でしょうか。イーストベンチャーズ3号投資事業有限責任組合の7,700株しかVCは売出しに応じていません。


とりあえず抽選参加の準備だけ行っておきたいと思います。迷ったら投資しないほうが良いかもしれません!


2022年12月のIPOは怪しい銘柄が多い気がします。資金が余るようであれば大和証券グループの資本が入ったFunvestなどで資金回転狙いの投資を行ってみると案外楽しいと思います。


口座開設でAmazonギフト券1,000円分が貰える他、投資を行うと1,500円分上乗せで合計2,500円分貰えます。さらにファンド毎にキャンペンが行われているためお得だと思います。私も参加してみました。


クラファン事業者も新規顧客獲得のため色々取組んでいる企業が増えています!




株式新聞を無料で購読できる方法があります。1年分だと52,800円(税込)費用がかかるところDMM.com証券(PR)に口座開設すると完全無料になります。


IPOの初値予想も見ることができるため、まだ利用したことがない方は情報の一つとして良いかもしれません。株式全般の投資情報も無料購読できます。無料購読できる方法は下記記事にまとめています!




類似企業のPERやPBRを調べました

類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。


類似企業PER
PBR
トレンダーズ(6069)PER19.71倍PBR4.39倍
サイバー・バズ(7069)PER31.31倍PBR3.26倍
ラバブルマーケティンググループ(9254)PER16.58倍PBR4.74倍
※2022年12月02日の株価基準

ストックオプションの株数や発行価格を調べました

ストックオプション行使期間株式の数発行価格
2019年12月24日~2029年12月23日303,220株430円


ストックオプション(新株予約権)は303,220株全てが上場時に行使期限を迎えます。


発行済株式総数2,813,400株に対する新株予約権の割合は10.78%に相当します。新株予約権による潜在株式数は303,220株です。


トリドリ(9337)IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ

トリドリのIPOは混雑する日程の中で選ばれない銘柄になる可能性があります。


SNSに特化したビジネスのため本来はIPOでも人気が見込めると思いますが、ここ最近は赤字企業に資金が入らないため厳しい気がします。


そのため業績予想を確認してから申し込みスタンスを決定したいと思います!!


トリドリ(9337)IPOのまとめ
※トリドリ公式サイト引用


インターネット広告市場は順調に成長しているため同社の成長を考えると期待できるかもしれません。ただ現時点で勢いにのっているとは判断できないため上場ゴール感があります。


日本国内でインフルエンサーマーケティング関連事業を展開する競合企業は複数存在しています。同社の何処に優位性があるのか?と疑問です。


2020年12月期及び2021年12月期は営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスとなっています。そして目論見には引き続き一定期間に赤字を計上することを想定しているとあります。


機関投資家がどのような評価を下すのか待ちたいと思います。もしかすると人気が見込めるのかもしれません。個人的には厳しいと考えています。


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