Synspective(シンスペクティブ)[290A]がグロース市場に新規上場承認されたのでご紹介したいと思います。宇宙関連のIPOなので注目されそうです。
主幹事は野村證券が務め公開株数21,304,200株、オーバーアロットメント3,195,600株です。上場規模は想定発行価格460円から計算すると約112.7億円になります。
※シンスペクティブ公式サイト引用
宇宙ビジネスで赤字企業です。赤字上場が定番となっています!
売上が伸びているため黒字化できるタイミングもありそうです。リカーリング需要のため黒字化すれば収益期待があります。
ただ今回も上場規模が大きく投資家は難しい判断となりそうです。また面白い材料が仮条件あたりで出てくれば良いですね。小型SAR衛星を飛ばしたりするのかもしれません。
売上を伸ばすには、早期に衛星の量産体制の構築・運用機数の増加が当面の重要課題となるそうです。開発費とのバランスが重要そうです。
これまで衛星5機の製造・打上げを行っており、上場後は年間1機~2機だったものを12機程度まで量産できるようにするそうです。収益のバランスが取れるのはもう少し先のようですね。
Synspective(シンスペクティブ)IPOの上場基本データと引受幹事について調べました
項目 | 上場基本データ |
上場日 | 12月19日 |
市場 | グロース市場 |
業種 | 情報・通信業 |
事業内容 | 小型SAR衛星の開発・運用からSARデータの販売とソリューションの提供 |
ブックビルディング | 12月04日~12月09日 |
想定価格 | 460円 |
仮条件 | 460円~480円 |
公開価格 | 12月10日 |
初値結果 | 未 |
企業情報 | https://synspective.com/jp/ |
監査人 | 有限責任あずさ監査法人 |
手取金の使途 | 全額を設備資金及び運転資金に充当する予定 |
項目 | 株数データ |
公募株数 | 21,304,200株 国内募集株式数19,041,200株 海外募集株式数2,263,000株 |
売出株数 | 0株 |
公開株数(合計) | 21,304,200株 |
オーバーアロットメント | 3,195,600株 |
上場時発行済み株数 | 108,249,150株 ※公募分を含む |
想定ベースの時価総額 | 約497.9億円 |
幹事団 | 野村證券(主幹事) みずほ証券 SBI証券 東海東京証券 三菱UFJモルガン・スタンレー証券 SMBC日興証券 大和証券 マネックス証券 楽天証券 アイザワ証券 |
委託見込 | SBIネオトレード証券 auカブコム証券 大和コネクト証券 DMM.com証券 |
Synspective(シンスペクティブ)の事業内容と上場に伴う評判を考察してみました
想定発行価格460円を基に吸収金額を算出すると約98.0億円となり、オーバーアロットメントを含めると約112.7億円規模の上場となります。海外販売も行われますが、日本市場だけで計算するとOAを含め約102.3億円規模になります!
創業者の新井元行氏とImPACTプログラムでマネージャーとして防災性能向上を目的とした小型SAR衛星開発を進めていた白坂成功は、
ImPACTプログラムの技術成果を社会実装し「この世代で、人類の経済活動を、地球環境と資源を考慮した持続可能なものにする」ため同社が創立されているそうです。
衛星コンステレーションにより全球の環境・経済活動を可視化し、解析できるアナリティクスプラットフォームの構築と、持続可能な社会・経済活動を阻害する恐れのあるリスクを特定・評価し、専門性を持つパートナーとともにソリューションの開発・実装を行っています。
※有価証券届出書引用
同社グループは、シンスペクティブと連結子会社2社で構成されています。
SAR衛星の開発・製造・運用を行い、得られたSAR衛星データを用いたデータビジネスを進めています。
事業は赤字となっていますが売上の9割以上が官公庁のため安心できる材料もあります。
※有価証券届出書引用
人工衛星は目的に応じて通信・測位・地球観測衛星の3つに大別されます。さらに地球観測衛星は光学衛星、SAR衛星に分類されます。
SAR衛星の特徴は、天候や時間帯に依存せずいつでもデータ取得が可能であることです。
光学衛星は宇宙から写真を撮影するもので直感的に理解しやすく、Google Earthをはじめとする様々なWEBサービスで利用が進んでいます。
しかし、雲により視界が妨げられ、また暗い夜間には視認性が落ちるために、情報取得の機会が限定されます。
それに対して、X-band帯域を利用するSAR衛星は雲を透過する波長の電波を自ら照射し、地上からの反射波を観測するためこれらの影響を受けずいつでもデータ取得が可能だそうです。
※有価証券届出書引用
同社グループの小型SAR衛星のStriX(ストリクス)は、政府が主導する革新的研究開発推進プログラム(ImPACTプログラム)の成果を応用した独自の小型SAR衛星です。
JAXAや東京大学、東京科学大学、慶應義塾大学等との連携を行っているそうです。
Synspective(シンスペクティブ)の株主状況とロックアップについて調べました
会社設立は2018年2月22日、東京都江東区三好三丁目10番3号に本社を構えます。代表取締役CEOは新井元行氏(1978年11月18日生まれ45歳)、株式保有率は9.36%(9,015,000株)です。※2024年11月15日調べ従業員数181人で臨時雇用者13人、平均年齢39.5歳、平均勤続年数2.7年、平均年間給与8,626,000円です。連結従業員数は186人で臨時雇用者は13人です。
セグメントは衛星データ事業の単一セグメントになります。
氏名又は名称 | 所有株式数(株) | 所有株式数割合(%) | ロック |
新井元行 | 9,015,000株 | 9.36% | ○ |
スペース・エースタート1号投資事業有限責任組合 | 8,611,200株 | 8.94% | ○ |
ジャフコSV5共有投資事業有限責任組合 | 7,339,800株 | 7.62% | ○ |
清水建設株式会社 | 6,944,400株 | 7.21% | ○ |
SPエースタート1号投資事業有限責任組合 | 6,469,050株 | 6.72% | ○ |
日本グロースキャピタル投資法人 | 5,053,650株 | 5.25% | ○ |
白坂成功 | 4,500,000株 | 4.67% | ○ |
上位株主には180日間(2025年6月16日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。
上場前の第三者割当等による新株予約権の割当を受けた者との間に継続所有等の確約を行っています。※SPエースタート1号投資事業有限責任組合を含む
親引けは三菱電機株式会社が取得金額60億円を上限、ヒューリック株式会社が取得金額18億円を上限としています。合計で78億円になります。
Synspective(シンスペクティブ)IPOの初値予想と幹事引受け株数をチェックしました
大手初値予想は仮条件発表後に掲載を予定しています。しばらくお待ちください。最新業績予想の他、仮条件発表後のPERやPBRなども後日追記します。
- 第一弾650円~900円
- 第二弾700円~800円
仮条件が460円~480円に決定し上場による吸収金額は最大で約117.6億円、時価総額は約519.6億円になります。
親引けは予定通りに行われますが、ここにきてまたもや関心表明が出ています。りそなアセットマネジメントが運用するファンド7本で合計15億円を最大で取得することを発表しました。
こうなるとIPOに当選することが困難になり当選組は利益を得られる構造になります。面白くなってきました!
個人的にはこれまでの宇宙株に全て当選できているため今回も当選したいと考えています。完全に運なんですけどね。
修正値620円~720円
※注目度A
業績を確認すると2025年3月期の連結予想を確認することができました。売上22.83億円となり前期比64.72%増、経常利益-34.65億円となり前期-19.51億円から赤字額が増加します。
四半期利益は-34.71億円となり前期-15.20億円から赤字額が倍増する予想が出ています。
公開価格が480円決定の場合の指標はEPS-41.34からPERは計算不可、BPS175.24からPBR2.74倍になります。配当や株主優待の設定は現時点でありません。
QPS研究と比較すると現時点で衛星のコストが高いと観測されています。また、QPS研究がトラブル続きとなっている不安材料もあるようです。
そもそも同社のほうが期待されているため明確な競合比較ではSynspective(シンスペクティブ)に軍配が上がるようです。この辺りは今後の業績次第だと思いますけどね。
また、上場後は三菱電機が筆頭株主になるため面白いことが数年以内に起こる可能性もあります。元々、大型SAR衛星を開発しているため「小型SAR衛星」についても事業の流れで興味があっても不思議ではありませ。
某社によれば三菱電機による買収もあるのかも?と観測されています。
親引け先のヒューリックは宇宙ビジネスにかなり興味を示しているようです。海外でも宇宙ビジネスが加速しているため黒字転換するようなことがあればバイオ株のように株価が数倍になる可能性もありそうです。
結局のところ約39.6億円程度の上場規模から関心表明分が引かれ想像以上に当選できない可能性があります。
もう当選できたら売りたくないレベルなので初値2倍くらい行くのかもしれません!
幹事名 | 割当株数 | 引受割合 |
野村證券(主幹事) | 17,118,400株 | 89.90% |
みずほ証券 | 571,200株 | 3.00% |
SBI証券 | 380,800株 | 2.00% |
東海東京証券 | 285,600株 | 1.50% |
三菱UFJモルガン・スタンレー証券 | 190,400株 | 1.00% |
SMBC日興証券 | 190,400株 | 1.00% |
大和証券 | 190,400株 | 1.00% |
マネックス証券 | 38,000株 | 0.20% |
楽天証券 | 38,000株 | 0.20% |
アイザワ証券 | 38,000株 | 0.20% |
記事を書きながら気が付きました。日本市場の吸収額が約102.3億円です。そして親引け最大78億円なので差引約24.3億円しかありません。
海外配分がもっと増やされた場合はもう当選できないですよね?と思っています。たまにこのパターンはありますね。
ということで全力でIPOに申込むつもりです。宇宙関連なのでまた盛り上がると期待します!
ただ単価が低いため1単元当選だと利益も低そうです。
利益と言えばROBOPROの利益がまた伸びてきました。海外市場の伸びと円安効果で利益が積み増しされています。
口座だけ開設しておいて急落した時に注文を出すと面白そうです。私は4年くらい放置して利益が元本比で30%以上出ています。公式サイト調べでは公開からの実績がもうすぐ100%に届こうとしています。
ロボアドの内容は下記記事でまとめています。ロボアドは1本持っておくと楽しめると思います。僕は4本持ってますけどね。
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類似企業のPERやPBRを調べました
類似企業とPERやPBRは仮条件発表後に記載したいと思います。類似企業 | PER | PBR |
QPS研究所(5595) | PER-倍 | PBR5.63倍 |
ispace(9348) | PER-倍 | PBR8.96倍 |
アストロスケールホールディングス(186A) | PER-倍 | PBR12.85倍 |
ストックオプションの株数や発行価格を調べました
ストックオプション行使期間 | 株式の数 | 発行価格 |
2023年7月01日~2032年9月29日 | 1,877,700株 | 134円 |
2024年6月10日~10年間 | 6,642,750株 | 134円 |
2019年3月20日~10年間 | 852,300株 | 134円 |
ストックオプション(新株予約権)は全株式が行使期限入りしています。合計株数は9,372,750株です。
この他、A種優先株式、B種優先株式があります。
Synspective[290A]IPOの評価と申し込みスタンス!まとめ
Synspective(シンスペクティブ)のIPOは人気がないと思っていましたが親引けの金額が大きいため面白いと思います。野村證券ネットだと2単元セット当選だと思うので数万円の利益が期待できるかもしれません。黒字化できる日が来るのかはわかりませんけどね。
※シンスペクティブ公式サイト引用
成長していると言っても補助金収入が一定あるため何とかもっている企業なのかもしれません。官公庁から契約解除となることは考えられませんが、もしそうなったら倒産まっしぐらでしょう。
世界各地で戦争や紛争が起きているため防衛や宇宙市場の世界的な拡大が顕著化しています。地政学リスクの高まりや国際情勢の複雑化も対象です。
そう考えると日本の防衛費などが増えると同社に恩恵がありそうです。
目論見によれば小型SAR衛星を商業運用している事業者は同社を含めて世界に5社となっています。そのため競争の優位性がありそうですね!
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