ラクスル(4384)IPOが東証マザーズへ新規上場承認となりました。約1か月ぶりのIPOとなり初値期待も大きいところですが、公開株式数が多くベンチャーキャピタル出資株も多くなっています。主幹事は大和証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券の2社で共同主幹事方式のようです。


当選確率が高そうな銘柄ですがマザーズとしては超巨大な吸収額となり、想定ベースで約176.3億円の吸収を見込んでいます。公開株数も多くストックオプションも大量に発行されています。個人投資家からの印象はあまりよくないのではないでしょうか。


ラクスル(4384)IPO上場と初値予想



株主にオプトホールディング(2389)が4,773,300株保有していることになっているため、想定発行価格の1,400円ベースで約66.8億円の保有資産があります。ということでPTS取引を確認すると2,037円のストップまできています。出来高が少ないようですが明日から上昇期待は出てきますね。


リンクアンドモチベーション(2170)も517,200株保有していますが、PTSでの売買は行われていません。同社はCM効果もあり注目度はそれなりに高いと思いますが難しいIPOだと思います。沢山頂けそうなIPOなんですけどね。


ラクスル(4384)IPOの詳細データ

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種情報・通信業
事業内容印刷および集客支援のシェアリングプラットフォーム「ラクスル」を中心とした印刷事業、物流のシェアリングプラットフォーム「ハコベル」を中心とした運送事業等、産業毎のシェアリングプラットフォームの創出
公開予定5月31日
ブックビルディング期間5月16日~5月22日
想定価格1,300円~1,500円の平均価格1,400円
仮条件1,300円~1,500円
公開価格5月23日
企業情報https://corp.raksul.com/


【手取金の使途】

手取概算額3,474百万円については、①広告宣伝費、②新規サービスの開発に係る人件費及びシステム外注費等、③人材採用費及び人件費等に充当する予定であります。具体的には以下を予定しております。

①印刷のシェアリングプラットフォームである「ラクスル」(注)に登録する新規ユーザーを獲得するための広告宣伝費の一部として2,618百万円(平成30年7月期:820百万円、平成31年7月期:898百万円、平成32年7月期:900百万円)

②物流のシェアリングプラットフォームである「ハコベル」(注)を含む新規サービスの開発に係る人件費及びシステム外注費等の一部として340百万円(平成30年7月期:80百万円、平成31年7月期:100百万円、平成32年7月期:160百万円)

③人材基盤を拡張するための人材採用費、人件費及び人材育成費の一部として280百万円(平成30年7月期:90百万円、平成31年7月期:90百万円、平成32年7月期:100百万円)

なお、上記使途以外の残額は将来における当社サービスの成長に寄与する支出、投資に充当する方針でありますが、当該内容等について具体化している事項はなく、具体的な資金需要が発生し、支払時期が決定するまでは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。


項目株数データ
公募株数2,500,000株
売出株数8,449,900株
公開株数(合計)10,949,900株
オーバーアロットメント1,642,100株
上場時発行済み株数27,517,000株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約385.2億円
幹事団大和証券(共同主幹事)
三菱UFJモルガン・スタンレー証券(共同主幹事)
auカブコム証券
みずほ証券(共同主幹事)
SBI証券
SMBC日興証券
マネックス証券


ラクスル(4384)上場評判とIPO分析

想定発行価格1,400円を基に吸収金額を算出すると約153.3億円となり、オーバーアロットメントを含めると約176.3億円規模の上場となります。


ラクスルはインターネットを使って全国の顧客から印刷の注文を集め、その注文をネットワークとして築いている印刷会社に発注し、印刷機の非稼働時間を使って印刷をする仕組みを開発提供している企業になります。顧客が印刷物のデータ入力やアップロードすることにより、印刷に適したデータに加工するそうです。


そのデータを基に提携印刷会社へ印刷を委託する流れを構築しています。特徴としては受付フロントをECサイト化で行い、自社シェアリングプラットフォームでつなげているということです。今までの製造販売一体型の流れから、製造販売分離型に変化させることでラクスルへの収益が上がる構造です。


ラクスル(4384)評判と人気


ラクスルで取り扱っている商品は、名刺やチラシ、ポスターやカタログと言った印刷物の販売になります。提携している印刷会社への委託の空き時間を活用するなどで低価格の印刷サービスの提供が可能のようです。


年間購入者数や1人あたりの注文回数、1件あたりの注文単価も伸びており今後の業績期待は大きいようです。同社の事業は印刷工場を作る必要がなく、シェアリングという形態のため設備投資を行わなくてよいメリットもあります。注文に際しても同じようなタイプの依頼が多いため、小ロット印刷にも対応ができ低コスト生産が可能となります。


ラクスル上場詳細データ


平成27年12月より運送事業「ハコベル」の提供も行っています。国内のトラック運送事業は、約14兆円という巨大な市場でがあり運送業にもIT化による効率化が必要と考えているようです。運送業界構造は多重下請け構造となっているため同社でも事業参入の切欠となっているようです。


平成29年7月にはヤマトホールディングス(9064)との資本提携も行っています。現在行っている「ハコベル」の事業内容は、運送会社のドライバーと荷物を受け取りたい顧客のマッチングを行っています。車種と配送距離によって同社が設定した価格で顧客より使用代金が支払われる構造となっています。


将来の成長戦略ということでラジオCMなどにマーケティング強化を行っているそうです。現状ではサービス品質も維持しつつ好調に事業が推移しているそうです。


ラクスルIPOの販売実績



仮条件発表の段階で今期の業績予想などを調べたいと考えています。売上拡大に伴い赤字幅が減っているため期待はできそうですが、現在の株主構成からも初値が高くなる期待はあまりないのかな?と感じています。


ラクスル(4384)の企業財務情報と配当性向

回次第7期第8期
決算年月平成28年7月平成29年7月
売上高5,082,1897,675,055
経常損失△1,438,737△1,163,101
当期純損失△1,448,470△1,175,411
包括利益又は四半期包括利益
純資産額2,135,0413,009,629
総資産額3,535,2574,869,763
1株当たり当期純損失金額△98.03△79.55
潜在株式調整後1株当たり当期純利益金額
自己資本比率(%)60.461.8
自己資本利益率(%)
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー△1,315,534△974,789
投資活動によるキャッシュ・フロー△561,007△113,627
財務活動によるキャッシュ・フロー362,1322,268,954
現金及び現金同等物の期末残高1,844,9083,025,445
※数値は千円単位


第9期第2四半期累計期間(平成29年8月01日~平成30年1月31日)
売上高4,903百万円
営業損失121百万円
経常損失129百万円
四半期純損失132百万円

現金及び現金同等物2,744百万円
営業活動によるキャッシュ・フロー211百万円
投資活動によるキャッシュ・フロー131百万円
財務活動によるキャッシュ・フロー61百万円


ラクスル(4384)従業員と株主の状況

会社設立は2009年9月01日、東京都品川区上大崎二丁目24番9号に本社を構えます。
社長は松本恭攝氏(昭和59年10月10日生まれ)、株式保有率は21.55%です。
従業員数147人で年間臨時雇用者数は33人、平均年齢33.2歳、平均勤続年数1.7年、平均年間給与6,210,186円です。関連会社の「INTERNATIONAL DIGITAL SOLUTIONS PTE.LTD」が1社シンガポールにあります。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)
松本 恭攝5,787,00021.55
株式会社オプトホールディング4,773,30017.78
株式会社日本政策投資銀行2,391,1008.91
グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合1,965,3007.32
WiL Fund I,L.P.1,793,8006.68
テクノロジーベンチャーズ3号投資事業有限責任組合1,304,2004.86
YJ1号投資事業組合1,298,7004.84
※株主上位7名の状況


【目論見詳細】

本募集並びに引受人の買取引受による売出しに関連して、売出人かつ当社株主の松本恭攝、株式会社日本政策投資銀行、グローバル・ブレイン5号投資事業有限責任組合、WiL Fund I,L.P.、テクノロジーベンチャーズ3号投資事業有限責任組合、YJ1号投資事業組合、永見世央、株式会社リンクアンドモチベーション、利根川裕太、株式会社ミクシィ、エムスリー株式会社及び古田英之、並びに当社の株主である株式会社オプトホールディング、日本生命保険相互会社、梅田裕真、福島広造、田部正樹、ヤマトホールディングス株式会社、田口弘、泉雄介、守屋実及び佐俣安理は、共同主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場日(当日を含む)後180日目(平成30年11月26日)までの期間、共同主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社普通株式の売却等(ただし、引受人の買取引受による売出し及びグリーンシューオプションの対象となる当社普通株式を共同主幹事会社が取得すること等を除く。)を行わない旨を合意しております。

その他、新株予約権を保有しているものに対し上場日後90日目(平成30年8月28日)までの期間、発行価格又は売出価格の1.5倍以上のロックアップが付与されています。電通ストラテジック・パートナーズ株式会社に対しては180日間(平成30年11月26日)のロックアップとなります。



上位株主には90日間(平成30年8月28日)もしくは180日間(平成30年11月26日)のロックアップが付与されています。
ロックアップ解除倍率は新株予約権を保有している一部の株主に売出価格の1.5倍が設定されています。


ラクスル(4384)IPO大手初値予想と各社配分

仮条件範囲は1,300円~1,500円に決定し想定発行価格の1,400円を挟むように設定されました。機関投資家のリサーチでは上値余地はあるという結果でしょう。仮条件上限に決定する可能性はありますが、下限決定しない限りは初値利益を狙えると経験的に思います。


仮条件上限1,500円を基にPERを算出すると約4838.7倍(EPS0.31)、PBRを算出すると約6.19倍(BPS242.20)となります。市場からの吸収金額も仮条件上限算出で約164.2億円、オーバーアロットメントを含め約188.9億円となります。


大手初値予想1,500円~1,700円

その後、初値予想1,500円~1,700円同値!


2018年7月期単独予想では経常収益37%増、経常利益は-11.63億円から0.09億円の黒字化予想が出ています。純利益は-11.75億円から0.06億円です。


シェアリングプラットフォームによる収益構造が最大のポイントとなりますが、ラクスルのような企業はEC企業の中でもある意味特化したシステムをもっており、知名度と共に収益が期待できます。さらにハコベル事業もIT化の流れを受け今後さらなる事業拡大も期待ができそうです。


上場による収益アップとCMによる知名度アップ等により、来期の増収増益期待が先行しそうですね。現在のユーザーズ数はラクスル55万5,050ユーザー、ハコベル1万2,000ユーザーとなっています。売り上げ構成はラクスルが97.7%をしめ、ハコベルは2.2%となっています(その他0.1%)


幹事名配分単位(株)
大和証券5,639,200
三菱UFJモルガン・スタンレー証券2,956,500
みずほ証券1,806,800
SBI証券383,200
SMBC日興証券109,500
マネックス証券54,700


類似企業PER
PBR
MonotaRO(3064)PER54.39倍PBR23.34倍
ピーバンドットコム(3559)PER25.13倍PBR7.87倍
Mマート(4380)PER76.78倍PBR41.68倍


当選を狙うなら大和証券や三菱UFJモルガン・スタンレー証券からの申込みで問題なさそうです。マネックス証券も完全平等抽選になるため狙い目でしょう。もう少し分析をしなければラクスルIPOへのブックビルデング申込スタンスがはっきりしませんが、ぱっと見それほど魅力を感じません。


auカブコム証券からの申込みも当選を狙うなら有効な手段だと思います。後期型IPOの申込を採用しているためとりあえずブックビルディングに申込んでおけばよいと思います。下記は参考記事になります。

⇒ auカブコム証券のIPO抽選ルール 【三菱UFJフィナンシャル・グループで取扱い銘柄多い】


またマネックス証券のIPOについても調べてみました。よかったら参考にしてください。幹事として引き受けた株数をすべて抽選に回す企業なので引受が多いと当選の可能性があります。


マネックス証券のIPO配分は完全抽選だった


ラクスルのストックオプション詳細を調べました

ストックオプション行使期間株式の数(株)発行価格(円)
平成26年1月21日~平成34年1月20日35,20032
平成27年5月21日~平成35年5月20日80,00077
平成28年11月22日~平成36年11月21日476,600313
平成29年1月14日~平成37年1月13日10,000313
平成29年5月23日~平成37年5月22日58,000313
平成27年5月26日~平成37年5月25日335,000313
平成29年8月12日~平成37年8月11日50,000313
平成29年10月14日~平成37年10月13日150,000313
平成27年10月28日~平成37年10月27日12,000313
平成30年3月09日~平成38年3月08日11,000313
平成30年10月28日~平成38年10月27日260,000313
平成30年12月15日~平成38年12月14日33,000313
平成31年2月09日~平成39年2月08日12,000313
平成31年4月13日~平成39年4月12日7,000313
平成31年5月18日~平成39年5月17日152,000313
平成31年7月01日~平成39年6月30日55,000313
平成31年10月28日~平成39年10月27日96,000340


ストックオプション株が多くあり発行価格も低いことから売りたい株主もいるかもしれません。売上こそ伸びていますが赤字経営となり上場時のイメージはあまりよくない気がします。企業名は知っていましたが、よくこれだけの赤字に耐えられる財務だなと思います。


今期もしくは来期あたりから黒字転換になりそうな経営状況のようです。


ラクスル(4384)IPO私見と申し込みスタンス

ラクスルIPOの個人的見解では今のところ当選しやすい反面初値期待は低いように思います。ただ昨年末にも不人気と言いつつも初値利益が取れた銘柄もあるため仮条件や地合いを考慮した申し込みが必要になるでしょう。


せめて黒字化した段階での上場であればよかったと思いますが、市場や機関投資家の意見はどうでしょうか。


またIPO空白期間が生まれた段階での上場承認となっているため、ある程度の買い需要は見込めると思います。さらに他のIPOと日程が開くのであれば心配も減る方向に向かうと考えられます。積極的に参加する銘柄ではなさそうですが、当選確率はかなり高いと思います。


VC保有やロックアップ、ストックオプションなど気になる点が多い銘柄となっています。


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