霞ヶ関キャピタル(3498)IPOが新規上場承認されました。主幹事はみずほ証券となり、公開株数が135,000株とかなり少ない案件です。売出し株はなくオーバーアロットメント20,000株、想定発行価格ベースの吸収額は約5.7億円と上場規模も小さいようです。


業種は不動産業となっていますが、事業詳細では「太陽光発電施設の開発・販売及び売電事業、不動産コンサルティング事業、ショッピングセンターの運営事業」とあります。主力は太陽光関係の自然エネルギー事業になります。


霞ヶ関キャピタル(3498)上場と初値予想


インフラファンドと近いイメージがあり、太陽光施設の販売も行う企業です。たまに、上場企業でも太陽光発電事業を行っているため、同社のような企業から買うのでしょうか。売電も行いますが、施設自体も販売している企業です。また、不動産にも強い企業となっています。


霞ヶ関キャピタル(3498)IPOの詳細データ

項目上場基本データ
市場マザーズ
業種不動産業
事業内容太陽光発電施設の開発・販売及び売電事業、不動産コンサルティング事業、ショッピングセンターの運営事業
公開予定11月28日
ブックビルディング期間11月09日~11月15日
想定価格3,660円
仮条件3,000円~3,240円
公開価格11月16日
企業情報https://kasumigaseki.co.jp/


【手取金の使途】

手取概算額448,572千円については、「1 新規発行株式」の (注) 4. に記載の第三者割当増資の手取概算額上限67,344千円と合わせた、手取概算額合計上限515,916千円について、自然エネルギー事業において、平成31年8月期中に現在開発中の九州電力管内の太陽光発電施設のうち2件の取得・開発資金として300,000千円、及び不動産コンサルティング事業の収益不動産売買領域において、現在開発中の東京都内における保育園用賃貸物件の開発に50,000千円を充当し、残額を不動産コンサルティング事業の収益不動産売買領域における収益不動産の取得・開発資金に充当する予定です。

なお、具体的な充当時期までは、安全性の高い金融商品等で運用していく方針であります。



項目株数データ
公募株数135,000株
売出株数0株
公開株数(合計)135,000株
オーバーアロットメント20,000株
上場時発行済み株数1,345,600株(公募分を含む)
想定ベースの時価総額約49.2億円
幹事団みずほ証券(主幹事)
SMBC日興証券
いちよし証券
SBI証券 ←ポイント配分あり
マネックス証券 ←委託販売決まる!


霞ヶ関キャピタル(3498)上場評判とIPO分析

想定発行価格3,660円を基に吸収金額を算出すると約4.9億円となり、オーバーアロットメントを含めると約5.7億円規模の上場となります。上場規模が小さく、株数も少ないため人気となりそうです。


事業内容は、「太陽光発電等の発電用地の取得や施設等の開発を行う自然エネルギー事業」「不動産に関連するコンサルティング及び収益不動産の開発を行う不動産コンサルティング事業」「ショッピングセンターの運営を行うショッピングセンター事業」の3つに分けられます。


自然エネルギー事業は、太陽光発電等の施設の開発及び販売、電気事業者への売電を主に行っています。再生可能エネルギーは、国内で調達可能なことから、資源の乏しい我が国のエネルギー自給率向上に資するとともに、温室効果ガスを排出しないことから温暖化対策に寄与するエネルギー源として注目されています。


霞ヶ関キャピタル(3498)評判とIPO分析


日本政府は平成27年7月に長期エネルギー需給見通し(エネルギーミックス)公表し、現在の再生可能エネルギー発電の比率を平成42年度までに22%~24%程度に高めることを目標として掲げています。この辺りはインフラファンドに興味を持たれている方はご存知の内容です。


太陽光の他にもバイオマスや風力、地熱、水力などが自然エネルギーとして位置づけられています。同社の場合は、再生可能エネルギー発電施設のデベロッパーとなり、新しい発電施設の企画・開発・販売を自ら行っている特徴があります。


自治体許認可の取得を行い、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関等からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結等を行い、再生可能エネルギー発電施設を各種投資家へ販売するスキームも持ち合わせています。


霞ヶ関キャピタル(3498)事業別売上高


さらに収益性をリサーチし、自社発電施設を取得・整備し自社で発電した電力を固定価格買取制度(FIT)にのっとり登録小売電気事業者又は一般送配電事業者に販売しています。


不動産コンサルティング事業は、投資家の目線に立った土地の有効活用や新たな投資商品の組成のため、収益不動産(アパート・ホテル・旅館等)の開発や資産運用コンサルティングを行っています。


インバウンド需要の増加にも着目し、宿泊施設の開発、コンバージョン、リノベーション、リーシングなどを実施することで、収益改善や資産価値向上のための施策を立案しています。


霞ヶ関キャピタル(3498)販売実績と取引先


ショッピングセンター事業は、東日本大震災により被災したショッピングセンターフォルテ(宮城県柴田郡大河原町)を再生することを目的として取得し運営しています。


地域のお客様が日常的に足を運んでくれるよう日常生活に密着した質の高いテナントを誘致し、施設の集客力を高めて行くそうです。施設の集客力向上に伴い、より魅力的なテナントが入居するようになり、さらに施設の集客力が高まるといった好循環な事業環境を作り上げているそうです。


また、ショッピングセンターフォルテについて、同社は信託銀行と不動産信託契約を締結しており、所有権を信託譲渡した信託銀行より、賃借人として賃借し、株式会社フォルテ・マネジメントへ転貸し、さらに各テナントへ転々貸しています。信託配当は、信託銀行から必要な運営経費等を差し引いた金額を受け取っています。


霞ヶ関キャピタル(3498)の企業財務情報と配当性向

回次第5期第6期
決算年月平成28年8月平成29年8月
売上高973,7691,266,389
経常利益61,144118,670
当期純利益61,15270,355
資本金95,000170,000
純資産額195,924416,278
総資産額1,550,7641,887,822
1株当たり純資産額173.91236.36
1株当たり当期純利益金額54.2862.41
自己資本比率(%)12.622.1
自己資本利益率(%)37.023.0
株価収益率(倍)
配当性向(%)
営業活動によるキャッシュ・フロー289,663
投資活動によるキャッシュ・フロー△319,604
財務活動によるキャッシュ・フロー237,705
現金及び現金同等物の期末残高374,724
※数値は千円単位


第7期第3四半期累計期間(平成29年9月01日~平成30年5月31日)
売上高2,765,300千円
営業利益303,518千円
経常利益281,315千円
四半期純利益165,950千円


当社の主たる事業領域である国内再生可能エネルギー市場においては、固定価格買取制度下の買取実績及び設備認定容量が増加基調にあります。しかし、事業化される見込みの薄い多数の太陽光発電所等の設備認定案件により送電網が押さえられ、一部地域においては新規の有望案件の事業推進が困難になる状況が生じていました。この状況を踏まえ、平成29年4月に施行された改正FIT法により、市場の健全化・活性化が期待されています。また、平成27年7月に経済産業省・資源エネルギー庁から公表された「長期エネルギー需給見通し」において掲げられた平成42年度の目標(国内総発電量に占める再生可能エネルギー発電の割合を22~24%とする目標)の達成に向け、再生可能エネルギー導入に対する政府の支援姿勢は継続しています。今後も、太陽光発電を中心に国内再生可能エネルギー市場は、より一層拡大していく見通しです。

一方、平成30年2月に経済産業省・資源エネルギー庁から20kW未満の小型風力発電に関して平成30年4月から開始される年度において20kW以上の風力発電の価格区分と統合することとなり、買取価格が大幅に低下いたしました。



霞ヶ関キャピタル(3498)従業員と株主の状況

会社設立は2011年9月06日、東京都千代田区霞が関三丁目2番1号に本社を構えます。社長は河本幸士郎氏(昭和48年11月24日生まれ)、株式保有率は16.43%です。従業員数は26人で平均年齢34.2歳、平均勤続年数1.2年、平均年間給与8,872,000円になります。


セグメント別の従業員数は、自然エネルギー事業4人、不動産コンサルティング事業7人、ショッピングセンター事業3人、前者共通12人となっています。


氏名又は名称所有株式数(株)所有株式数割合(%)
小川 潤之681,52049.43
河本 幸士郎226,60016.43
EEIスマートエナジー投資事業有限責任組合84,0006.09
川口 正人80,0005.80
加藤 裕司53,2003.86
山下 幸三43,2003.13
廣瀬 一成34,0002.47
※株主上位7名の状況


【目論見抜粋】

本募集に関連して、貸株人である河本 幸士郎並びに当社株主である小川 潤之、川口 正人、加藤 裕司、山下 幸三、石井 晃、株式会社トリプル・アイ、南日本ハウス株式会社、小林 祐治、櫻井 浩一、藤原 総一郎、西内 幸士は、主幹事会社に対し、元引受契約締結日から上場(売買開始)日(当日を含む)後180日目の平成31年5月26日までの期間(以下「ロックアップ期間」という。)中、主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の売却(ただし、引受人の買取引受による売出し、オーバーアロットメントによる売出しのために当社普通株式を貸し渡すこと等は除く。)等は行わない旨合意しております。

また、当社は主幹事会社に対し、ロックアップ期間中は主幹事会社の事前の書面による同意なしには、当社株式の発行、当社株式に転換若しくは交換される有価証券の発行又は当社株式を取得若しくは受領する権利を付与された有価証券の発行(ただし、本募集、株式分割、ストックオプションとしての新株予約権の発行及びオーバーアロットメントによる売出しに関連し、平成30年10月24日開催の当社取締役会において決議された主幹事会社を割当先とする第三者割当増資等を除く。)等を行わない旨合意しております。



上位株主には180日間(平成31年5月26日まで)のロックアップが付与されています。ロックアップ解除倍率の記載は目論見にありません。ベンチャーキャピタル(ファンド)はEEIスマートエナジー投資事業有限責任組合になるかと思いますが、ロックアップ対象外のようです。


霞ヶ関キャピタル(3498)IPO大手初値予想と各社配分

想定発行価格3,660円からかなり仮条件が引き下げられ、3,000円~3,240円の範囲で決定しています。仮条件条件3,240円で吸収金額を算出しなおすと約4.4億円、オーバーアロットメントを含め約5億円となります。


2019年8月の単独業績予想では売上90.7%増、経常利益49.7%増(1.7億円増)の増収増益見込みとなります。EPS263.51からPERを算出すると約12.30倍、BPS1,019.43からPBRを算出すると約3.18倍となります。配当や株主優待はありません。


初値予想5,000円~6,500円


太陽光による収益が大きいと思っていましたが、不動産関係の収益もウェイトも大きく不動産デベロッパーの位置づけになりそうです。再生エネルギー発電施設デベロッパーとも言えますが、売上的には「自然エネルギー事業41.4%」「不動産コンサルティング事業48.6%」「ショッピングセンター事業10.0%」となっています。


同社はそもそも、東日本大震災で被災した商業施設再生事業から始まり、不動産コンサルティングはもともと専門事業だったようです。現在の取りき先には上場企業も見受けられ、事業は成功しているようです。来期も自然エネルギー事業が成長を続けることができるのかが今後の収益課題となりそうです。


類似企業は多く、同社の強みは再生エネルギー発電所自体を売却できることでしょうか。ただ、太陽光発電の買取価格が引き下げられているため不透明感は残ります。政府としては再生エネルギーを拡大する方向ですが、電力会社との関係も今後影響がありそうです。


幹事名配分単位(株)
みずほ証券(主幹事)122,900
SMBC日興証券6,700
いちよし証券2,700
SBI証券2,700


類似企業PER
PBR
いちご(2337)PER13.22倍PBR2.17倍
タカラレーベン(8897)PER5.7倍PBR0.84倍
レノバ(9519)PER111.57倍PBR13.11倍


公開株数が少ないため激戦となりそうです。多くの方がすべての証券会社から申し込みされると思いますが、あまり期待せずに申し込みを行っておきましょう。株価設定も高く初値期待もできます。事業主力が太陽光発電関係なので、一服感はありますがセカンダリー相場も活況なので初値利益はかなり出そうです。


SMBC日興証券はソフトバンクの共同主幹事になる予定なので、口座だけは持っておきたいところです。みずほ証券からのストレート当選狙いが望ましいでしょう。


ネガサ株なのでSBI証券のIPOチャレンジポイントを使ってみるのもよいかもしれません。当選ボーダーは280Pあたりでしょうか?


SBI証券のIPO抽選ルール


いちよし証券はネット申し込みが出来るようになっているので、口座を持っておくとチャンスがあるかもしれません。今年は主幹事をしていないため当選チャンスがありません(汗)


松井証券のIPO抽選ルール(前受け金不要)


※追記、委託取扱いとしてマネックス証券が幹事に入っています。取扱い株数は少ないと思われますが、入金しっぱなしの方は忘れずに申し込みを行っておきましょう。知人は委託取扱いでも過去に当選し30万円くらいの利益を得ています。世の中ラッキーな方もいるものです!


さらに、松井証券で霞ヶ関キャピタルの取扱いが発表されています。前受け金不要でIPO抽選に参加可能なので、口座を開設していない方は今後のために作っておくとよいでしょう。ブックビルディング前に気が付きましたが、委託経由の取扱いは気づきにくいため日々のチェックが必要です。


霞ヶ関キャピタルのストックオプション詳細を調べました

ストックオプション行使期間株式の数(株)発行価格(円)
平成30年7月01日~平成38年6月30日100,0001,250
平成31年8月23日~平成39年8月22日12,0001,786
平成31年11月29日~平成39年11月28日26,6002,150
平成32年6月09日~平成40年6月08日29,6002,500


上場日までに行使期限を迎えている株数は100,000株となります。発行済み株数が135万株弱あるにも関わらず、上場時の募集が少ないため意図を感じます。そして公募のみの募集で規模が小さい。社名にキャピタルという名前がついているだけありそうです。


霞ヶ関キャピタル(3498)IPO私見と申し込みスタンス

霞ヶ関キャピタルの事業自体に魅力はあまり感じませんが、株数や上場規模に妙味ありだと思います。日経平均が下落してもIPO市場は活況のため同社の上場も期待ができそうです。また、株単価も高いため人気になれば上場当日は初値付かずも十分考えられます。


11月06日のアクセスグループ・ホールディングス(7042)から同社の上場まで空白期間が生まれたことでさらに買い需要が多くなる可能性があります。今期の業績はかなり伸びており、上場タイミング的にも良さそうです。


ソフトバンクの上場までもうしばらく期間があるため、小粒上場が少し増えてくると年末に向けて楽しくなりそうです。11月~12月は稼ぎ時ですが、例年と少し雰囲気が違うように思います。霞ヶ関キャピタルのIPOは当選できないと思いつつも、全力で申し込んでおきたい銘柄です。


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